PageTop

カテゴリー【お裁縫】の記事一覧

キュプラとは?特徴・性質やレーヨンとの違いも解説!

ハンドメイド お裁縫 695 view

キュプラとは?特徴・性質やレーヨンとの違いも解説!

スーツの裏地などに使われるキュプラは、上品な光沢感やドレープ感(優雅でゆったりとした様子)を持った魅力的な生地です。しかし、ポリエステルやコットンなどと比較すると、ファッションに詳しくない人にはあまり馴染みのない素材かもしれません。キュプラが何から作られる生地でどのような特徴があるのか、知っているという人は多くはないでしょう。 そこで今回は、キュプラの特徴や性質、洗濯時に押さえておきたいポイントを紹介します。また、混同しやすいレーヨンやポリエステルなどの生地とキュプラとの違いについても解説するため、ぜひ日々のハンドメイド活動に役立ててください。 キュプラとは? キュプラとは、コットンリンター(cotton linter)と呼ばれる原料から作られる再生繊維です。コットンリンターとは、綿花の種子から3~4cm程度の長い繊維(lint)を取り除いた後、なお種子に残る数ミリ程度の短い産毛のような繊維のことを指します。コットンリンターを束ねて紡績することは難しいため、繊維を一度溶解してから長い繊維に再生します。コットンリンターが原料のキュプラは、コットンの性質を持っており、肌に優しく吸湿性に優れています。 またキュプラは、「銅アンモニアレーヨン」とも呼ばれ、キュプラという言葉自体は「銅」を意味しています。これは「銅アンモニア法」という、酸化銅アンモニア溶液を使って繊維を溶かす、キュプラの製造方法に由来しています。 なお、キュプラは繊維の一般的な名称で、製造メーカーである旭化成の商標名は「ベンベルグ」です。現在キュプラは、世界で唯一旭化成だけが製造しています。キュプラ自体は19世紀末にドイツで生まれましたが、キュプラの製造工程に含まれる銅やアンモニアなどの廃棄物の処理が難点となり、旭化成以外のメーカーは製造を撤廃してしまいました。旭化成は廃棄物の再利用技術を確立したため、1928年から現在にわたって今でも製造し続け、世界中に輸出しています。 キュプラはどんなアイテムに使用されている? キュプラは、さまざまなファッションアイテムに使われていますが、代表的なものはスーツやコート、ジャケットの裏地です。コートやスーツの裏側にツルツルとした肌触りのよい生地があることは知っている人も多いでしょう。その裏地で使われている素材がキュプラになります。また、キュプラを使ったドレープ感のあるスカートやゆったりとしたパンツといったボトムスも販売されています。 肌触りが良く美しい光沢感もあるため、ワンピースやドレスの生地としても適しているでしょう。さらに、キュプラの柔らかさや吸湿性を生かした、とろみ感のあるシャツなども女性からの人気が高いアイテムです。このように、キュプラは多くのファッションシーンで楽しまれています。また、高級感があり質の高い生地であることから、キュプラが使われているかどうかで衣服の質を確かめる場合もあります。 再生繊維とは? キュプラのように天然素材を溶解後に再生して作る繊維や、ペットボトルを溶解して再生するポリエステル繊維のことを、再生繊維と呼びます。再生繊維は、植物系と化学系の2種類に分けることができ、キュプラは植物系、ポリエステル繊維は化学系と分類されます。植物系の再生繊維とは、綿や木材パルプなどの天然繊維を化学薬品の力で一度溶かし、再び紡糸したものを指します。 繊維を一度溶かす手間をかけるのは、天然繊維の中でも短く紡績しづらい繊維を有効活用するためです。短い繊維には、強度が低いというウィークポイントがあります。溶解をして長い繊維に再生することで、糸の強度の低さや摩擦に対する弱さをカバーすることが可能です。 また再生繊維は、以下のような特徴からサステナブル(持続可能)で環境に優しいというメリットがあります。 本来は繊維として使えない部分や、使用済みのペットボトルなどを原料として利用している 土に埋めると微生物によって分解され、土へ還ることができる 焼却しても有害物質はほとんど発生しない キュプラの主な特徴・性質 キュプラは下記の特徴と性質を持っています。 ・高級感がある キュプラ生地の持つ、テカテカしない品のよい光沢感とドレープ性による美しいシルエットは、衣服の高級感をグッと高めてくれます。 ・手触りが滑らか キュプラの繊維は表面が柔らかく断面が丸いため、生地の手触りがとても滑らかです。そのため肌への刺激が少なく、敏感肌の人でもストレスを感じることなく着用することができるでしょう。 ・静電気が起こりにくい 静電気の起こりにくさは、衣服の着心地をよくするために欠かせないポイントです。キュプラは多くの水分を繊維に含んでいるため静電気が起きにくく、衣服の裏地などへの使用に適しています。 ・調湿機能がある 湿度を吸い取ったり放出したりする調湿機能に優れるキュプラ素材の衣服は、ムレやべたつきを防ぐため、着心地がとても爽やかです。夏は涼しく、冬は暖かく感じられるため、年間を通して快適に過ごすことができます。 洗濯時の注意点は? キュプラは多くの長所があり魅力に溢れた生地ですが、水に濡れると縮んだりヨレたりしてしまうというデリケートな一面も持ち合わせています。基本的にはクリーニングに持っていくことをおすすめしますが、時間がなくてどうしても自宅で洗濯したいといった場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。 洗濯表示を確認するキュプラ以外の繊維も混ざっている混紡生地の衣服の場合は、水洗いができないことがあります。あらかじめ洗濯表示を確認しましょう。 優しく手洗いするデリケートなキュプラ生地を洗濯したい場合は、生地の痛みを防ぐために洗濯機を使わずに優しく手洗いしましょう。 水の温度は30℃以下にするキュプラの洗濯時は水温に注意が必要です。30℃以下の水を使えば、縮みや型くずれを防止することができます。 手早く済ませる水が苦手なキュプラの洗濯時間は、できるだけ手早く済ませてください。具体的には、1分ほど洗うだけで十分汚れが落ちるでしょう。 押し洗いをするこすり洗いはキュプラ生地を痛める原因になってしまうため、押して汚れを水に溶かし出すように洗いましょう。 中性洗剤を使うキュプラの洗濯に使用する洗剤は、おしゃれ着用の中性洗剤です。生地へのダメージを押さえながら、皮脂汚れを十分落とすことができます。 普段のお手入れでは、汗染みなどを濡れたタオルで軽く叩くようにして拭くのがおすすめです。臭いが気になる場合は、おしゃれ着用の中性洗剤を溶かした水でタオルを濡らし、お手入れをするのも良いでしょう。こまめにお手入れすることで、着るたびにクリーニングに出さなくても清潔な状態を保つことができます。 キュプラと他の生地・素材の比較 キュプラと同じように衣服の裏地などに使われる素材には、レーヨンやポリエステル、シルクなどがあります。これらの素材は光沢性とドレープ性を持っているため、キュプラとよく似ていますが、それぞれ異なる特徴があります。 ここからはレーヨン・ポリエステル・シルクの3つの生地の特徴とキュプラとの違いについて、詳しく説明します。 レーヨン レーヨンはキュプラと同じく再生繊維の1つですが、繊維原料として使われているのはコットンリンターではなく木材パルプです。薄手で肌触りのよいレーヨンは、スーツやコートの裏地からシャツやパジャマまで幅広いアイテムに使われています。 元来シルクに代わる生地として開発されたレーヨンは、耐火性・耐久性に課題がありましたが、技術が進むにつれて改善されました。レーヨンの光沢感や調湿性、しなやかさはキュプラと同様です。しかし、レーヨン繊維はキュプラよりも太く断面には凹凸があるため、キュプラと比べると滑らかさはやや劣ります。 ただし、手頃な価格で手に入れることができるため、普段着などの衣類にも採り入れやすい点が魅力です。 ポリエステル ポリエステルは、石油などから作られるPET(ポリエチレンテレフタレート)を原料として、化学的に合成された合成繊維です。PETとは、ペットボトルの原料としてもよく知られる化学物質です。衣服だけでなくバッグやカーテン、リネンやテントから傘などまで、多種多様なアイテムに使われています。 ポリエステルは速乾性に優れ、型くずれしにくいという特徴を持っています。また、摩擦に強く、シワになりにくいのも大きな長所です。大量生産も可能なため、ポリエステルを使ったアイテムは比較的安価で販売されています。 しかし、キュプラとは異なり吸湿性が低く、静電気が起こりやすいという特徴もあります。肌触りなどの風合いもキュプラより硬いため、肌への負担についても注意が必要です。 シルク シルクは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から作られる天然繊維です。人の皮膚のタンパク質構造に似ているため、身につけていてもかぶれを起こしにくく、敏感肌の人に優しい素材です。 シルクは軽量で柔らかく、特有のしなやかさや静電気の起こりにくさなどの魅力を多く持っています。また、美しい光沢を持っているため、シルク生地は古代から現代まで世界中で愛用されてきました。 しかし、高級生地であるシルクは価格が高く、家庭での洗濯が難しいという特徴もあります。また、変色しやすく虫に食われやすいため、常用にはあまり向いていません。 まとめ キュプラは滑らかな肌触りや美しい光沢が魅力の再生繊維で、スーツなどの裏地やシャツ、ボトムスなどに使われています。湿度調節の機能が高いことから、1年中快適な着心地をキープしてくれるため、汗っかきの人や肌が敏感な人はキュプラを裏地に使用した衣服を着ることもおすすめです。 ただし、キュプラは家での洗濯にあまり向いていない素材です。家で洗濯したい場合は必ず洗濯表示を確認し、ぬるま湯で素早く手洗いをしましょう。汗染みなどは、おしゃれ着用の中性洗剤を溶かした水でタオルを濡らしてから、軽く叩くようにして拭くのがおすすめです。こまめなケアをすることで、キュプラの風合いや光沢を保ったまま長く着続けることができます。

2022.06.14
フリース素材の特徴とは?|歴史やその他の合成繊維も紹介

ハンドメイド お裁縫 387 view

フリース素材の特徴とは?|歴史やその他の合成繊維も紹介

フリースは寒い季節に大活躍する素材です。毎年、たくさんのブランドがフリース生地を使った魅力的なデザインのウェアを出しているため、愛用している人も多いでしょう。とは言え、身近な素材のわりに、フリースがどのような特徴を持つ生地なのかよく知らない人も多いのではないでしょうか。 そこで、当記事ではフリースの概要や歴史、特徴や洗濯時の注意点、フリースの原料でもあるポリエステルの特徴からほかの代表的な合成繊維まで解説します。ハンドメイド作品を作る際や衣服の知識を深めたい人は、ぜひ参考にしてください。 フリースとは? フリースとは、ポリエステルの一種であるポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した織物に、起毛仕上げを施した繊維素材のことです。本来は「刈り取ったひとつなぎの羊毛」を意味する言葉(fleece)ですが、現在フリースというとポリエステル繊維の素材を指すことが一般的です。 フリースは、非常に暖かく、軽量で羊毛のような柔らかさがあります。フリースの原料となるポリエステルは、熱に強いことから製造時にさまざまな特殊加工がしやすく、撥水性や保温性、速乾性などの機能性の後付け加工が可能な素材です。アクリルで作られた安価なフリースもありますが、アクリル製はやや強度が弱く、機能性の後付け加工に向いていない素材となります。 また、フリース素材は安価で、切りっぱなしでも端がほつれにくいため、ハンドメイド初心者にもおすすめの生地です。ぬいぐるみや赤ちゃん・ペット用の防寒着などにも適していますが、手持ちのものをリメイクして暖かさや肌触りを高めた作品を作ることもよいでしょう。たとえば、手持ちのブランケットとフリース素材を重ねて広げ、周りをぐるっと縫い付けるだけで、ふわふわの暖かなブランケットを簡単に作ることもできます。 フリースはどんなアイテムに使用されている? 軽くて暖かいフリースは、冬場に活躍することが多い定番素材です。街で見かけることが多いアイテムとしては、フリースジャケットやフリースパーカーなどがあげられるでしょう。保温性の高さから、帽子や手袋、マフラーなどの防寒用品にもよく使われています。また、肌触りもよいため、フリース製のパジャマやパンツ、インナーなども人気のアイテムです。 衣類だけでなく、ブランケットやひざ掛けなどにもよく使われています。毛足の長いタイプのほうが身体から出る熱を逃がさないため、より暖かさを感じることができます。 また、通気性がよく汗をかいてもすぐに発散する性質があり、耐久性も高いことから、スポーツウェアやアウトドアウェアにも適しています。 フリースの歴史 フリースの原型は、1977年までさかのぼります。当時、アウトドアブランド・メーカーのパタゴニアを創設したイヴァン・シュイナードは、登山用のウェアに適した素材を探していました。求めたのは、ウール並みの保温力と耐久性を持ち、速乾性も兼ね備えた素材です。 モールデンミルズ社(現ポーラテック社)が便座カバー用に卸していたポリエステル素材の生地に出会ったイヴァンは、それでセーターを作ります。保温性にも速乾性にも優れた、フリースウェアの原型と言えるセーターでした。 1985年には、イヴァンはモールデンミルズ社と提携して新素材「シンチラフリース」を共同開発します。シンチラフリースは瞬く間に人気となり、多くのアウトドアメーカーが採用するようになりました。以降、フリースは改良が重ねられ、現在ではカジュアルなファッションに欠かせない素材となっています。 フリースの主な特徴・魅力 アウトドアウェアやスポーツウェアだけでなく、普段着やルームウェアの素材としても愛されるフリースには、さまざまな魅力があります。どのような特徴や魅力があるのか見ていきましょう。 フリースの主な特徴・魅力 保温性が高くとても暖かい 速乾性がある 強度が高く軽い 柔らかく触り心地がよい フリースは生地の表面に起毛処理が施されており、毛羽だった繊維と繊維の間に空気が含まれています。起毛生地は繊維間の空気の層によって内部の熱が逃げづらく、冷えた外気も遮断するため、暖かな状態が続きます。 また通気性に優れ、濡れてもすぐに乾く性質があります。雨や雪で濡れてもすぐに乾き、乾いた汗がすみやかに発散されるため、蒸れやべたつきが続きません。洗濯した後もすぐに乾きます。 柔らかい繊維を織り込んだ上で起毛処理も施しているので、肌触りがよくふわふわしていることも特徴の1つです。 洗濯時の注意点は? 基本的に、フリース製品は自宅での洗濯が可能です。とはいえ、適当な洗い方をすると毛玉ができたりごわついたりする可能性があるため、洗う際は以下のポイントに注意し、生地への負担を減らしましょう。 洗濯ネットに入れる おしゃれ着用洗剤で洗い、柔軟剤を使用する 洗濯機の「手洗いコース」や「ドライコース」を選ぶ 脱水時間は短めにする ほかの衣類と絡んだり擦れたりしないように、洗濯の際は洗濯ネットに入れましょう。毛玉の発生を抑えることもできます。丁度よい大きさの洗濯ネットを選び、ボタンやファスナーをきちんとしめてたたんでから入れることも大切です。 洗剤は、一般の洗濯洗剤と比べ生地の負担が少ない、おしゃれ着用中性洗剤を選びましょう。静電気の発生を防止する効果もあります。フリースのふわふわの風合いを維持するため、柔軟剤を入れるのもおすすめです。 洗濯機のコースは「手洗い」や「ドライ」を選びます。通常のコースよりも水量や水流が調節されるため、生地への負担が少ない洗い方です。洗濯が終わったらすぐに取り出し、型崩れしないよう形を整えて風通しのよい場所で陰干ししましょう。 ポリエステル以外の代表的な合成繊維 フリースの原料はポリエチレンテレフタレート(ポリエステル繊維の一種)で、合成繊維に分類されます。合成繊維は化学繊維の一種で、石油などから化学的プロセスを経て合成されたものです。人造繊維と呼ばれることもあります。 合成繊維は綿や麻、羊毛などの天然繊維と比べ、強度や耐水性、耐薬品性などに優れていることが特徴です。多くの種類がありますが、一般衣料では特にポリエステル・アクリル・ポリウレタン・ナイロンの4つが多く使われています。 アクリル ポリエステル・ナイロンと並ぶ「3大合成繊維」の1つで、この3つの繊維が合成繊維の中でも圧倒的な生産量を誇ります。アクリロニトリルと呼ばれる石油が原料です。 以下のような特徴があります。 風合いがふっくらとしている 保温性に優れている 虫やカビに強い 弾性回復力が強く、シワや型崩れが起きにくい アクリル素材のふっくらとした風合いは天然繊維のウールによく似ていて、セーターやニットなどに使われることが多いです。空気を保つ構造で暖かい点も、冬物衣料によく適しています。天然繊維とは異なり、虫食いやカビの心配がなく、丈夫で長持ちしやすい点も魅力の1つと言えるでしょう。 ポリウレタン ポリウレタンは伸縮性を持つ柔らかい合成繊維で、スパンデックスとも呼ばれています。以下のような特徴があります。 伸縮性が高い 軽量 単体で使われることは少なく、混紡されることが多い シワができにくい もっとも大きな特徴は、優れた伸縮性があることです。もともと、天然ゴムの代替品として開発された経緯があり、よく伸び縮みします。元に戻りやすいため伸びっぱなしになることもなく、シワにもなりづらい点も魅力の1つです。 ポリウレタン単独で使われることはあまりありません。綿やウール、ポリエステルなどほかの素材と混ぜて使われることが一般的です。ポリウレタンは軽量なため、混紡することで衣類を軽くできる利点もあります。ストレッチ性の高さや軽さから、スポーツウェアによく使われる素材になります。 ナイロン ナイロンは、1938年に工業化された古い歴史を持つ合成繊維です。衣料用の繊維としては、「ナイロン6」と「ナイロン66」の2種類がよく知られています。ただし、この2つに大きな違いはありません。 ナイロンには、以下のような特徴があります。 […]

2022.06.10
ツイル生地とは?特徴・魅力や洗濯時のポイントも紹介

ハンドメイド お裁縫 2,540 view

ツイル生地とは?特徴・魅力や洗濯時のポイントも紹介

ツイル生地は、手芸店の店頭に多く並んでいます。しかし、ツイル生地で実際にハンドメイド作品を作る場合、何を作ればいいか分からない人もいるでしょう。 当記事では、織物の基本である平織り・綾織り・朱子織りと、綾織りで織られているツイル生地の用途や特徴・魅力を紹介します。ツイル生地の代表として、チノ・デニム・カツラギの特徴もまとめていますので、ツイル素材でハンドメイドに挑戦したい人はぜひ参考にしてください。 ツイル生地とは? ツイル生地とは、綾織りの織物の総称です。経糸(たていと)を3本交差させる「四つ綾」で織られた織物が「ツイル」と呼ばれています。チノ・デニム・カツラギ・ダンガリーなどが、ツイル生地として有名です。 綾織りとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を、交互にではなく1回または2回飛ばして交差させる織り方です。糸を都度交差させないため、斜めに線を引いたような織り目ができます。 ツイル生地は、使用される糸により異なる風合いが生まれます。ツイル生地に使われる糸は、コットン糸やウール糸、ナイロン糸・ポリエステル糸などです。ポリエステル糸とコットン糸を混ぜたTCツイル、コットン糸とリネン糸を混ぜたコットンリネンのように、別種類の糸を混ぜて織られたツイル生地もあります。 ツイル生地は、経糸と緯糸両方とも同じ色の糸を使って織るため、はっきりとした発色が特徴です。無地ツイル生地が主流ですが、柄がプリントされた生地もあります。 柔らかさもあるツイル生地は、手芸に向いています。手芸店では、チノ・デニムといった種類で分類されておらず、「ツイル生地」と一括りになっている場合がほとんどです。 ツイル生地はどんなアイテムに使用されている? ツイル生地は肉厚で丈夫な性質を持つため、パンツ・ジャケット・コート・ワンピース・スカートなど幅広い衣類に使用されています。ツイル生地は糸の太さで印象が変わり、カジュアルからフォーマルに近い装いまで、幅広く使われます。シワになりにくいという特徴から、シャツやブラウスの素材としても重宝されることが多いです。 柔らかく縫製しやすいツイル素材は、ハンドメイドバッグの材料としても使われます。ツイル生地は丈夫な素材のため、ツイル生地で作ったハンドメイドのバッグや巾着は、大切に扱えば末永く使えるでしょう。 織物の三原組織とは? 織物の三原組織とは、織物の基本的な織組織のことです。具体的には、平織り・綾織り・朱子織り(しゅすおり)を指します。 平織りは、経糸と緯糸を1本ずつ交互に交差させて織ります。経糸と緯糸が交互に上下しているため、織り目は左右対称です。頑丈な作りで摩擦にも強い平織りは、さまざまなアイテムに使用されています。平織りの代表的な生地として、羽二重や帆布が挙げられます。 朱子織りとは、経糸か緯糸のどちらかを長く浮かせる織り方です。触ると滑らかで、光沢があることが特徴です。上質感のある光沢から、フォーマルウエア・ドレス・ジャケット、コートなどの裏地に利用されています。朱子織りの代表格としては、サテンやシルク生地があります。 ツイル生地の主な特徴・魅力 ツイル生地は、インナー・アウターを問わず幅広く使用されています。ここでは、汎用性が高いツイル生地の主な特徴・魅力をご紹介します。 ツイル生地の主な特徴・魅力 肌触りが柔らかい 伸縮性に優れている シワになりにくい 光沢感がある 摩擦に弱い ツイル生地は、厚くても肌触りが柔らかい点が最大の魅力であり、特徴でもあります。太い糸を使用した場合でも、柔らかさが損なわれません。アウターやジャケットのように嵩張る服でも、ツイル素材であれば快適に着用できます。 ツイル生地は、複数の経糸に緯糸を交差して織られているため、丈夫でありながら伸縮性もあります。スキニージーンズのように肌に密着する服でも、快適に着用できるでしょう。 シワになりにくい点もツイル生地の魅力です。アイロンがけが難しいブラウスやシャツに最適な生地だといえます。麻を使用したリネンツイルのように細い糸で織られたツイル生地は、特にシワになりにくいです。同じツイルでも、レーヨン・コットン・キュプラなどはシワになりやすい傾向にあります。 綾織りは経糸と緯糸の交点が少ないため、生地表面には経糸が多く見えます。経糸の割合が増えることで、適度な光沢が生まれます。ツイル生地がフォーマルな服装にも向いている理由は、適度な光沢です。 ツイル生地の弱点は、摩擦に弱いことです。強くこすったり、同じ場所に何度も摩擦が加わったりすると、生地が薄くなります。ツイル生地のデニムの膝部分が破けるのは、摩擦が原因です。ツイル生地特有の光沢感と柔らかな質感を損ねないためにも、摩擦が加わることはできるだけ避けましょう。 洗濯時の注意点は? ツイル生地は基本的に扱いやすく、他の衣類と同様に洗濯できる他、アイロンや乾燥機も使用可能です。ただし、糸の素材によっては手洗いが推奨されており、アイロンの際は当て布が必要な場合があります。ツイル生地のアイテムを洗濯する際は、生地のラベルに記載してある品質表記を確認しましょう。 ツイル生地は摩擦に弱いため、洗濯する際は裏返して洗濯ネットに入れます。洗濯ネットは、なるべく目が細かいものを選びましょう。ツイル生地を洗濯ネットに入れて洗濯することで、他の衣類との摩擦や破れを防ぎ、生地が長持ちします。 ツイル(綾織り)で作られている主な生地 ツイル生地の代表格は、デニムやチノなどコットンで作られた厚手の生地です。実際は、ポリエステル・ナイロンなどの合成繊維、再生繊維のキュプラなど多種多様な素材でツイル生地が作られています。 綿で織られたツイル生地は厚く丈夫です。一方で、合成繊維で織られたツイル生地は、薄く柔らかいという特徴があります。ここでは、主なツイル生地として、チノ・デニム・カツラギの3種類をご紹介します。 チノ チノとは綿で織られたツイル生地で、近年はパンツによく使われています。 「チノパン」の「チノ」は、綿ツイルと呼ばれるコットンで織られたツイル素材の名称です。厚手でありながら肌触りや着心地が良いため、作業着や軍服の素材としても使用されていました。チノパンは、カーキやベージュなど比較的地味なカラーが多いです。 チノはコットンで織られた生地がほとんどですが、収縮性を持たせるためにポリウレタンを含んでいる生地もあります。 また、チノ生地には光沢と上品さがあり、フォーマルな服にも向いています。比較的安価で、カジュアルからフォーマルまで多様な場面に合わせられることが、チノの魅力です。 デニム デニムは、10番手以上の糸を使って織られたツイル生地です。インディゴ染料で藍色に染めた経糸と、染色していない白い緯糸を使用しています。デニム特有の美しいブルーは、藍色と白の2色の糸から生まれます。濃い青から色が落ちていく過程を楽しめるのは、デニムならではの魅力です。 コットン製のデニム生地は、厚手で頑丈でありながら使い込むほどに柔らかくなることが特徴です。通気性や吸水性に優れ染色しやすいため、デニムの多くはコットンで織られています。 カツラギ カツラギは、太い綿で織られた厚手のツイル生地で、漢字では「葛城」と書きます。デニムより薄手で柔らかさがある上に、生地そのものが丈夫という特徴があります。 カツラギも、デニムと同様でほとんどが綿100%です。火に強い性質があり、コックコートなど調理現場で着用するアイテムに使用されています。コックコート以外では、袢纏や空手着・パンツなどにも使われることが多いです。 柔らかくて丈夫なため、巾着やバッグ、エプロン・布団カバーなど幅広いアイテムに使用できる点がカツラギの魅力といえます。 まとめ ツイル生地とは、綾織りで作られた織物の総称を指します。肌触りが柔らかく伸縮性があるため、多くの衣類に使用されています。ツイル生地は頑丈かつ加工しやすい点から、ハンドメイドでバッグを作る際にも重宝される素材です。一方、ツイル生地は摩擦に弱いため、洗濯する際には注意が必要です。 ツイル素材の特徴を生かすなら、ハンドメイドのバッグがおすすめです。ツイル素材は柔らかさがあり丈夫なため、パンツやスカートなど長く使える衣服にもぴったりです。

2022.06.10
パイル生地とは?ループパイル・カットパイルの違い・生地の特徴も

ハンドメイド お裁縫 1,428 view

パイル生地とは?ループパイル・カットパイルの違い・生地の特徴も

パイル生地はタオルや洋服、雑貨など幅広く使われています。柔らかな触り心地で、吸水性に優れていて、生地のクッション性が高い点も特徴の1つです。吸水性に優れていることから夏用の生地として重宝されてきましたが、さまざまなパイル織物が開発され、オールシーズン使われるようになりました。 この記事では、パイル生地の種類や特徴、他の生地との違いについて解説します。パイル生地はどのようなアイテムを製作するのに向いているかも紹介しますので、ぜひハンドメイドに役立ててください。 パイル生地とは パイルとは、円形の糸が生地の片面または両面に織り込まれた生地で、別名「タオル生地」とも呼ばれます。パイル生地の織り方は、たて糸とよこ糸を交互に織る平織りと、たて糸とよこ糸の繊維を1束以上ずらして織る綾織りがあります。 平織りは通気性が高く軽い作りになっており、綾織りは平織りよりも重く伸縮性があることが特徴です。綾織りは「ツイル」とも呼ばれ、伸縮性を生かしてジャケットやシャツなどの衣類によく使用されます。 パイル生地はどんなアイテムに使用されている? パイル生地はTシャツやパーカーなどの衣類によく使用されます。ループ状の糸で織り込まれた生地は吸水性に優れ、クッション性もあるため普段着はもちろん、ルームウェアとしても人気があります。市販のパイルパジャマは、表面だけパイル状になっているものがほとんどです。ハンドメイドにパイル生地を使う場合は、汗の吸収をより良くするために、両面パイルニットを使用しているものを選ぶとよいでしょう。 吸水性を生かして夏物の衣類に使用されることが多いパイル生地は、厚手の生地でも比較的軽い点が特徴です。生地の厚さや毛足の長さを変えると保温性が上がり、今ではオールシーズン対応できる生地となっています。大人向けのパイル地ウェアを販売しているブランドも増えており、パイル地のTシャツやパイルニットを使用したセーターなど生地の良さを生かした商品が販売されています。 また、パイル生地は正しく洗濯すると、柔らかな肌触りのまま長年使用できます。優しい手触りと肌に優しいオーガニックコットンパイルを使用して、赤ちゃんのおもちゃやスタイ(よだれかけ)などベビー用品を作るのもおすすめです。 パイル生地はタオルとして活用されるだけでなく、衣類、クッションやスリッパなどの小物からソファやベッドのカバーまで、幅広く使用される万能な生地と言えるでしょう。 パイル生地の種類|ループパイル・カットパイル パイル生地は、使われている円形の糸の加工方法によって2つの種類に分けられます。 ループパイル カットパイル ループパイルとは、円形の糸が切られていないパイル生地のことです。糸が円形のまま保たれているため、弾力性があり復元性にも優れています。ループパイルの長所を生かして、ラグやスリッパなど復元性が求められるアイテムによく使われます。 一方、カットパイルとは、円形の糸の先をカットした生地のことです。質感やデザイン性、触り心地に優れていて、洋服やタオルなどに使われています。「ベロア」や「コーデュロイ」もカットパイルでできた生地です。 パイル生地の主な特徴・魅力 ここでは、パイル生地の特徴や魅力についてご紹介します。 パイル生地の主な特徴・魅力 ・吸水性と発散性に優れている パイル生地は、円形の糸を使用しているため表面積が大きく、吸水性に優れています。発散性にも優れていて、衣類が吸いとった汗を素早く蒸発させるという特徴もあります。 ・弾力性がある 円形の糸が使用されているため、ふわふわとした独特の弾力性があります。復元する力もあるため、ラグやスリッパなど足元で使用する用品や、クッションなど弾力性を生かせるアイテムの生地として向いています。 ・柔らかな触り心地 柔らかく包み込むような手触りは、パイル生地の魅力の1つです。正しく洗濯すると、柔らかな触り心地のまま長く使用できます。 ・保温性がある 表面が円形の糸で覆われることで空気の層ができ、保温性が高まります。特にパイルが長めで、厚手のものを選ぶと冬でも快適に過ごせる衣類を作れます。 ・糸のほつれや毛羽落ちがある ループ状になっている糸に引っ掛けてしまうと、ほつれの原因になります。糸がほつれた場合、引っ張らずにハサミで切るようにしましょう。また、洗濯時には毛羽落ちがあるため、洗濯の方法には注意が必要です。 吸水性と保温性の両方を兼ね備えているため、パイル生地はオールシーズン使用できます。使う用途によっては、生地の厚さやパイルの長さなどに注意して生地を選びましょう。 柔らかい手触りは肌に優しいため、肌着や赤ちゃん用のおくるみ、ベビー用品を作るのにも向いています。幅広くさまざまなアイテムに使われることも、パイル生地の魅力です。 洗濯時の注意点は? パイル生地の柔らかな肌触りを保つためには、なるべく色分けをしてパイル地のものだけで洗うようにしましょう。また、塩素系の漂白剤や蛍光増白剤が入った洗剤は避け、天然由来の液体洗剤の使用をおすすめします。 洗濯機で洗う際は、たっぷりの水で洗うのがポイントです。多めの水で洗うと、パイル部分をつぶさず、ふんわりとした仕上がりになります。洗濯後は10~20回振り、パイルを立たせてから風通しの良い日陰に干します。長時間紫外線に当てるとゴワゴワとした手触りになるため注意が必要です。 パイル生地以外でタオルに使用されている主な生地 パイル生地は吸水・発散性に優れ、柔らかな肌触りがあり、タオルに使われることで有名です。パイル生地の他にタオルとして使用されている生地には、シャーリング生地やワッフル生地、マイクロファイバーなどが挙げられます。 ここからは、それぞれの生地の特徴と魅力をご紹介します。 シャーリング生地 パイル生地に使われているループ糸の先端部分を、片面だけカットして滑らかに仕上げられたものをシャーリング生地と言います。 シャーリング生地で作られたタオルは、円形の糸を均等にカットするため、表面が滑らかになり高級感があることから元々は贈答品として作られていました。プレゼントとしての需要が減るにつれて、生地に直接プリントできる特徴を生かして、イベントの記念品タオルやアーティストのグッズとして使用されることが多くなりました。 シャーリング生地は、パイルをカットすると毛足が短くなり、片面パイルになるため、パイル生地よりも吸水性が劣ります。吸水性の高い素材が欲しい場合は、なるべく厚手のシャーリング生地を選ぶようにしましょう。 ワッフル生地 ワッフル生地は、名前の通りお菓子のワッフルのような凹凸の折り目があります。特徴的な凹凸は、生地を織る際にタテ糸とヨコ糸を浮かせた状態で作ることによってできます。ワッフル生地はタオル生地としても使われますが、元々アウトドア専用の下着に使われていたことで有名です。 表面に凹凸の折り目があると糸と糸との間に空間ができるため、吸水性と吸湿性に優れているのが魅力です。ワッフル生地は他の生地と比べて毛羽立ちが目立ちにくいため、古くからタオル素材として重宝されています。 マイクロファイバー マイクロファイバーとは、ナイロンやポリエステルなどからできた極細の化学繊維から作られた生地です。マイクロファイバーの大きな特徴は極細の繊維です。髪の毛の100分の1ほどの細い繊維から作られており、洗剤を使用しなくても汚れがとれるため掃除に向いています。 繊維が極細であり、繊維自体に溝やすき間があるため優れた吸水性があります。また、吸水と同時に蒸発する仕組みになっているため、コットンなどの自然素材で作られている生地よりも速乾性にも優れています。 まとめ パイル生地は、吸水性に優れていて、柔らかな触り心地と弾力性があります。保温性もあるため、生地の厚さやパイルの長さを適切に選ぶとオールシーズン使用できます。 パイル生地を洗濯する際はなるべく漂白剤は避けて、たっぷりの水で洗いましょう。日陰で干すと、柔らかな手触りを保てます。 パイル生地は生地の色や厚みなど種類が豊富です。衣類や日用品に至るまで、さまざまなものを作る時に使用できます。ハンドメイドの素材としてパイル生地を購入する際は、用途に合った生地を手芸店で探しましょう。

2022.06.10
パイピングとは?3つのやり方からバイアステープの詳細まで!

お裁縫 ハンドメイド 4,741 view

パイピングとは?3つのやり方からバイアステープの詳細まで!

パイピングの正しいやり方がよく分からず、すっきりした仕上がりにならなくて困っている人もいるのではないでしょうか。適切な方法でパイピングができるようになると、生地の端がきれいに処理できたりデザインのアクセントとして生かしたりできるようになります。 作品をより見栄えよく作れるようになるため、ぜひ覚えておきたい手法です。そこで、当記事ではパイピングの役割ややり方について詳しく解説します。手芸や裁縫をする際の参考にしてください。 パイピングとは? パイピングとは、生地の端をテープ状になった布でくるんで縫う手芸手法です。布製品や革製品の端のほつれ止めに役立つだけでなく、装飾として生かすこともできるため、手芸や裁縫などではポピュラーに使われています。 ここでは、パイピングの主な役割や用途例などについて具体的に見ていきましょう。 パイピングの役割 パイピングによる処理には、主に2つの役割があります。 役割1:製品の補強・ほつれの防止 まず1つ目の役割は、製品の耐久性を上げることです。2枚の布を縫い合わせたときに、生地の端をそのまま切りっぱなしにしていると、洗濯したり擦れたりする中で段々ほつれて糸が解けてしまいます。また、布製品だけでなく革製品の場合も、製品の端の部分は消耗しやすく、縫い合わせた2枚の革の間に割れ目ができてしまうことがあります。 そこで、別の細い布や革でくるんで処理することで、布製品のほつれを防ぎ、また革製品の端を保護することができます。いわば、かがり縫いと同様の役割です。ほつれ止めが目的の場合は、製品の裏側など見えにくいところをパイピングします。 役割2:デザイン性の向上 2つ目の役割は、デザイン性の向上です。たとえば、白い本体に赤い布でパイピングしたとしましょう。シンプルな印象を受ける白い本体に華やかな赤が差し色として入り、おしゃれなアクセントとなります。また、革製品の場合は、輪郭がしっかりして見えるため、仕上がりが美しくなります。 ほつれ止めの場合は目立たない色の布でパイピングすることが一般的です。一方、装飾目的の場合は、あえて本体とは異なる色や素材を使うケースが多く見られます。 パイピングの用途例 パイピングは、製品の耐久性を向上させることができることから、多種多様なアイテムで使われています。一例として、ジャケット・スカートなどの衣服や下着のほか、帽子やバッグ、靴といった小物類などが挙げられます。またパイピングが施されている部分も、洋服の首元や襟から、ポケットの口やスカートの裾、バッグのふちまで多岐にわたります。 さらに、デザインにアクセントを加えることを目的に、素材や色を変えてパイピングをする製品も多く見受けられます。たとえば、無彩色の無地のノーカラーコートは、シックで大人っぽく見えますが、やや個性に欠ける印象を受ける人もいるかもしれません。同じコートでも、袖口や襟から前端(前身ごろの端)にかけて、本体とは異なる色合いのパイピングが施されることで印象ががらりと変わります。どのような組み合わせでパイピングをするかで、ポップにもスタイリッシュにも仕上げることが可能です。 下記の記事では、手縫いの基本的な縫い方を9つ取り上げて解説しています。記事を参考にさまざまな手縫い方法をマスターして、ハンドメイド活動に生かしましょう。 パイピングに必要なバイアステープとは? 一般的に、パイピングをするときはバイアステープを使います。バイアステープとは、生地の耳(生地の端)に対して斜め45度の方向で細いテープ状にカットした布のことです。 生地の織り糸の方向を「地の目」といい、縦方向なら「タテ地の目」、横方向なら「ヨコ地の目」といいます。そして、斜め45度に地の目を通したものは「バイアス地の目」と呼ばれます。 バイアステープは、織り目(生地の糸と糸の間の隙間)に対して斜めになっていることから、端がほつれづらいという特性があります。仮にタテ地の目やヨコ地の目で裁断すると、テープ端が織り目と平行方向になり、端がほつれやすくなっていまいます。また、タテ地やヨコ地の生地はほとんど伸びませんが、バイアステープは伸縮性が高いです。さらに、アイロンで熱を加えながら曲げることで、外側が伸びてきれいなカーブをつけることもできます。 ここでは、バイアステープの種類や自分で作る方法について解説します。 バイアステープの種類 バイアステープは、主に両折りタイプとふちどりタイプの2つの種類があります。それぞれの特徴とおすすめの用途は以下の通りです。 両折り 特徴 テープの両端が内側に折られ、三つ折りになっている 布の表からバイアステープが見えず、縫い目は見えている おすすめの用途 衣類の襟ぐりや袖ぐりの見返しなど、カーブのきつい部分の処理 スカートの裾上げ ふちどり 特徴 テープが二つに折られ、両端が内側に折り込まれた四つ折りになっている 布の表からもバイアステープが見え、縫い目は見えにくい おすすめの用途 衣類の襟ぐりや袖ぐりの見返しなど、カーブのきつい部分の処理 スカートの裾上げ ふちどりをする デザインにアクセントをつける バイアステープの作り方 バイアステープは数多くの市販品が販売されていますが、自分で作ることも可能です。自作すれば、お気に入りの生地や柄のバイアステープが手に入ります。たくさん作り置きをしておけば、いざ必要になったときに慌てずに済むでしょう。 以下に、作成の手順を紹介します。 1 生地を斜め45度に折り、折り目をつけて裁断する線を引く。 2 1でつけた線と平行になるように必要な幅をとって線を引く。必要な本数分の線を引く。 3 1と2で引いた線にそって裁断する。 4 テープ同士を縫ったときにまっすぐ1本になるように中表で合わせ、テープ端から5mmほどの位置で縫い合わせる。 5 アイロンをかけながら縫った端を割り広げ、はみ出した部分を切る。 6 バイアステープメーカーを使ってアイロン掛けをし、折り目をつける。 […]

2022.05.26
手芸専門サイトが選ぶ!裁縫箱おすすめ23選|無印・ニトリでも購入できる?

お裁縫 おすすめ店舗 13,373 view

手芸専門サイトが選ぶ!裁縫箱おすすめ23選|無印・ニトリでも購入できる?

裁縫箱は、裁縫・刺しゅうなどの手芸を始めるにあたって用意しておきたいアイテムの1つ。裁縫箱には針・はさみ・糸・ボタンなどの裁縫道具を収納できて、作業机の上を整理したり、裁縫道具を持ち運んだりといった用途に役立ちます。 裁縫箱は数多くの商品が販売されていて、サイズやデザイン、機能もさまざまです。まずはどのような商品があるのか知りたい人も多いでしょう。当記事では、おすすめ裁縫箱や裁縫箱の選び方など、裁縫箱に関する情報を徹底解説します。 【ユザワヤで取り扱い】おすすめ裁縫箱8選 手芸業界大手のユザワヤは、多種多様な手芸用品の取り扱いがあります。裁縫箱の品揃えも豊富にあるため、裁縫箱選びではまずユザワヤの商品をチェックしてみましょう。気に入った商品はユザワヤオンラインショップで購入することが可能です。まずは、ユザワヤで取り扱いがあるおすすめの裁縫箱8選を紹介します。 裁縫箱 タワー ブラック 参考:https://www.yuzawaya.shop/shopdetail/000000110589/ 黒いスチール製の本体に、天然木のフタがおしゃれなボックスタイプの裁縫箱です。サイズは横27cm×奥行14cm×高さ13.5cmで、大きめのはさみや端切れも入れられます。 本体内部に付属するスライド式の小型トレーは、取り外して単独でも使用することが可能です。小型トレーは3マスに仕切られていて、裁縫時に便利なピンクッションも付いています。天然木のフタは裏返すことで浅底のトレーとして使えます。取っ手付きの本商品は、持ち運んで使う裁縫箱としておすすめです。 ソーイングバスケット 参考:https://www.yuzawaya.shop/shopdetail/000000114931 ピンクドット柄が目を引く、バスケットタイプの裁縫箱です。表地の下にはクッション性のあるキルト芯が入っていて、はさみや針の持ち運びを安全に行えます。 裁縫箱の内寸は横16.5cm×奥行9.7cm×高さ6.3cmです。フタの裏側にはピンクッションとポケットが付いていて、作業中に針やボタン類を置いておけます。内ブタのプラスチックトレーは4マスの仕切り付きです。収納が多く安全な持ち運びもできる本商品は、子ども用の裁縫箱にも適しています。 TOREMY(トレミー) ソーイングセット クラフトバッグ 参考:https://www.yuzawaya.shop/shopdetail/000000054945/ バッグタイプの裁縫箱に、下記のソーイングセット12点が入った商品です。裁縫に必要なアイテムが一通り揃っていて、手元に生地があればすぐに作業を開始できます。 裁縫箱のサイズは横22cm×奥行15cmです。内部は中仕切り付きの2層構造となっていて、付属のソーイングセットを収納しておけます。裁縫箱と一緒に裁縫道具も揃えたい人におすすめの商品です。 ・セット内容 裁ちばさみ(17cm) 糸切りはさみ メジャー ニードルセット ピンクッション チャコペン リッパー ひも通し 手縫い糸(4色) ミシン糸 指ぬき(2個) スヌーピー ストッパータイプ 参考:https://www.yuzawaya.shop/shopdetail/000000054946/ スヌーピーとチャーリー・ブラウンがプリントされたボックスタイプの裁縫箱と、ソーイングセット5点が付属する商品です。はさみキャップ・糸巻き台紙・ニードルケースにもスヌーピーがデザインされています。 裁縫箱のサイズは横16cm×奥行9cm×高さ3.3cmです。シンプルな構造ながら、フタはしっかりと留められるようにストッパー付きとなっています。スヌーピーが好きな人におすすめの裁縫箱です。 ・セット内容 手芸はさみ(11.5cm) メジャー ニードルセット ピンクッション 手縫い糸(4色) サンリオ マイメロディ ソーイングセット 参考:https://www.yuzawaya.shop/shopdetail/000000054947/ マイメロディのキャラクターがデザインされたバッグタイプの裁縫箱と、ソーイングセット9点が付属する商品です。裁ちばさみ・糸切りはさみ・メジャーにもマイメロディがデザインされています。 裁縫箱のサイズは横24cm×奥行16cmです。ファスナーをあけると内部は中仕切り付きの2層構造となっていて、小物を入れられるポケットが計3か所ついています。かわいいマイメロディの裁縫箱で手芸を楽しみたい人におすすめの商品です。 ・セット内容 裁ちばさみ(20cm) 糸切りはさみ メジャー ニードルセット ピンクッション […]

2022.05.26
チャコペンの使い方とは?おすすめ商品や選び方を紹介

ハンドメイド お裁縫 1,441 view

チャコペンの使い方とは?おすすめ商品や選び方を紹介

チャコペンは、学校の授業などで多くの方が触れたことのある裁縫道具の1つでしょう。学校で使うチャコペンには鉛筆型が多く見られますが、手芸用品店にはさまざまな形のチャコペンが並んでいます。チャコペン自体の使い方を知っていても、それぞれの商品の使いやすさや選び方までは知らない方も多いのではないでしょうか。 当記事では、チャコペンの概要と種類、使い方を紹介します。併せておすすめのチャコペンも紹介するため、チャコペン選びの参考にしてください。 チャコペンとは?5つの種類も紹介 チャコペンとは、裁縫の際に生地に目印となる印や線を書くための道具です。チャコペンの「チャコ」は滑石やカオリンなどの粉末を固めたものを指す言葉で、「チョーク」が由来となっています。チャコペンはチョークと同様、一度書いた線を消すことが可能です。主に、生地を裁断する場所や縫う場所に線を引く、ボタンやポケットなどの縫いつけ位置に印をつけるといった用途に使われます。 チャコペンは、手縫い・ミシン問わず裁縫には必要不可欠な道具のため、学校の裁縫セットに入っていたものを使ったことがある方も少なくないでしょう。チャコペンは大きく5つの種類に分けられます。 ●鉛筆タイプ 一般的な鉛筆と同じ構造で、中心に粉を固めた芯が通っているタイプです。鉛筆と同様、芯を削り出して使います。太い線を書くのに便利ですが、芯をしっかり削ると細い線を書くことも可能なため、どのような作品を作るときでも使いやすいでしょう。芯は折れやすいため、芯を保護するキャップがついているのが一般的です。 ●フェルトペンタイプ フェルトペンタイプは、マーカータイプとも呼ばれています。水性インクを使用しており、常に一定の太さではっきりと見えやすい線を引けるのが特徴です。インクが水性のため、水で線を消せる製品が多いものの、生地によってはインクがにじんでシミになることもあるため、使用する際は注意が必要です。 ●シャーペンタイプ ノック式で芯を入れ替えて使うタイプです。シャーペンタイプは線の太さを一定に保つことができますが、芯が細いため折れやすい上に、粗い生地の場合は芯先で生地を傷めるおそれもあります。目が細かくなめらかな生地に使うのがおすすめです。 ●チョークタイプ チョークのように、芯となる部分を直接手で持って使います。チャコペンとしてはスタンダードで、芯が尖っていないため生地を選ばない、使い勝手のよい種類となっています。チャコ削り器で削れば細い線を書くことも可能です。チョークタイプは芯がむき出しになっており、衝撃でチャコペンそのものが割れやすいため持ち運びをする際は注意しましょう。 ●パウダータイプ 通常チャコペンは固形の芯を生地にこすりつけて線や印を書きますが、パウダータイプは、ローラーの先端からチョークの粉末を出して線を引きます。粉末のため、芯が折れることを気にする必要がありません。また、芯で書くタイプと異なり生地を荒らす心配がなく、目の粗い生地にも線を引きやすい点がメリットです。ただし、芯やインクで書くタイプと比べると、線が見えにくい場合もあります。 チャコペンの使い方 チャコペンは、一般的には次のように使います。 線や印を書きやすいように、生地を平らな場所に広げる 型紙に沿った場所もしくはボタンなどをつけたい場所に、線や印を書く チャコペンの線や印をもとに、裁断や縫製、ボタンつけなどの作業を行う 各チャコペンに適した方法で線を消す チャコペンの使い方は非常に簡単です。ただし型紙に沿って線を引く際には、縫い代の有無によって若干作業が変わるため、作業の前に型紙に縫い代が含まれているかどうかを確認しましょう。 ●型紙に縫い代が含まれている場合 型紙に沿って引いた線は、縫い代の外側の線を示します。おすすめの方法は、外側の線を布に写した後に、型紙の縫い代部分を切ってしまうことです。縫い代部分を切った型紙を縫い代が均等になるように布へ配置し、型紙に沿って縫い代の内側の線を書きましょう。 ●型紙に縫い代が含まれていない場合 型紙に沿って引いた線は、縫い代線の内側の線となります。型紙の線から縫い代の分だけ外側に線を書くと、縫い代の外側の線ができあがります。 もし同じ型紙で複数の生地が必要な場合は、生地に直接縫い代線を書くのではなく、ハトロン紙などに新たに縫い代込みの型紙を作ることもおすすめです。縫い代なしの型紙を縫い代ありの型紙に作り直すことで、布に毎回縫い代線を書く手間が省けます。 チャコペンの選び方 チャコペンの選び方のポイントは、基本的に下記の3つになります。 チャコペンの種類 線の消し方 線の色 チャコペンは種類によって特徴やメリットが異なるため、まずは種類に着目して使用する布に適したチャコペンを選びましょう。ここからはチャコペンを選ぶにあたって、種類以外に着目したいポイントについて詳しく解説します。 線の消し方で選ぶ チャコペンによって、線を消す方法はさまざまです。 ●自然と消えるタイプ 時間経過とともに消えるため、線を消すために特に何かする必要はありません。筆圧が高い場合やインクを大量に染み込ませた場合は線が残ることがあります。線が残ってしまった場合は、水や専用の消しゴムなどで消しましょう。 ●水で消すタイプ 線をきれいに消しやすいため、水洗いや洗濯をして消しましょう。湿らせたタオルでポンポンと軽く叩いたり、霧吹きで水を吹きかけてタオルでポンポンと叩いたりする方法もおすすめです。ただし、水洗いできない生地に使うのは避けましょう。 ●熱で消すタイプ アイロンや摩擦熱で線を消します。「アイロンチャコペン」などと明記して販売されることが多く、商品名やパッケージで判別しやすいタイプです。注意点として、熱で消すタイプ以外のチャコペンで書いた線に熱を加えると、線が定着して消えなくなるため、注意を払って使用しましょう。 ●専用消しゴムで消すタイプ 別途専用のアイテムが必要なものの比較的気軽に消せるため、筆圧が強い人や修正回数が多い作業に向いていますが、こすりすぎると摩擦で生地が傷むおそれがあります。特にフェルト生地は毛羽立ちやすいので、強い摩擦や生地の種類には気をつける必要があります。 線の色で選ぶ チャコペンと生地の色味が似ている場合、線や印が見えにくくなるため、生地の色に合わせてチャコペンの色を選ぶことが大切です。 チャコペンの基本色は青・ピンク・白となっています。黒や紺など濃い色の生地には白のチャコペンを、白など薄い色の生地には色つきの青やピンクのチャコペンなど、反対色を選ぶと見えやすいでしょう。 青・ピンク・白の3色だけでさまざまな生地に対応できるため、まずは3色揃えることをおすすめします。また、商品によっては黄色や黒などのカラーバリエーションもあります。チャコペンに慣れてきて基本の3色では物足りない場合は、他の色の購入も検討するとよいでしょう。 おすすめのチャコペン3選 チャコペンにはさまざまな商品があり、いずれも個性的なものばかりです。自分の作品作りに合った商品を選ぶことで、裁縫ライフの心強いお供となるアイテムを見つけられるでしょう。 ここからは、ユザワヤの通販ページで購入できるチャコペンの中から、特に人気の高い商品を厳選して3つ紹介します。 手芸用マーカーペン 『チャコパー 太書 茶』 KIYOHARA […]

2022.05.23
シーチング生地とは?4つの用途と使用するときの注意点など!

ハンドメイド お裁縫 5,991 view

シーチング生地とは?4つの用途と使用するときの注意点など!

バッグや小物のハンドメイドに初めて挑戦する際、多くの人は生地選びに頭を悩ませてしまうでしょう。ハンドメイドに使われる生地としてポピュラーなシーチング生地は、初めての作品作りにも最適な扱いやすさと手頃な価格が魅力です。 当記事では、シーチング生地の特徴や使用用途、エコバッグや化粧ポーチなどの作り方の手順を紹介します。シーチング生地を使用する際の注意点も合わせて解説するため、これからハンドメイドに挑戦する人はぜひ参考にしてください。 シーチング生地とは? シーチング生地とは、ハンドメイドに使われる生地の中で最もベーシックな平織生地です。もともとは敷布として使用されていた生地で、「シーツ」が名前の由来となっています。基本的には綿100%の素材が多いですが、リネンやポリエステルなどを含む生地もあります。 シーチング生地は大番手で織られたことによるざっくりとした織り目が特徴で、薄手から厚手まで豊富な種類があります。また、シーチング生地は色や柄もバラエティ豊かです。「カラーシーチング」と呼ばれる色の付いた生地は、バッグや小物などによく使われます。染色前の生成り色の生地はかなり安価なため、練習用や試作用に使うのもよいでしょう。 シーチング生地の特徴 シーチング生地の特徴として、以下の5つが挙げられます。 手に入れやすい 手頃な価格 初心者でも扱いやすい 通気性に優れている 種類が豊富 シーチング生地は最も基本的な生地であるため、手芸店であれば必ず取り扱いがあるでしょう。ほかの生地と比較して価格が安く、手軽に購入できるところも魅力的です。 織り目が粗いことから生地を重ねても縫いやすく、はさみでの裁断もスムーズに行えます。ハンドメイド初心者でも作業しやすいため、初めての作品作りに最適な生地です。 また、通気性に優れたサラッとした生地のため、汗が乾きやすいという特徴があります。さまざまなアイテムに幅広く使用できる生地ですが、もともと敷布の意味もあるぐらいなので、特に枕カバーやシーツなどの寝具類に向いている生地です。 シーチング生地は種類が多く、厚みや色の違いのほか、プリント柄やしわ加工のあるものなど豊富なラインナップの中から選べることも特徴です。肌触りのよい上質な生地などはその分価格も上がりますが、基本的には同じような価格帯で購入できます。作りたい作品や好みに合わせて生地を選びましょう。 シーチング生地とブロードの違い シーチング生地と似た生地としてあげられるのが「ブロード」です。ブロードとは、美しい光沢感が特徴の柔らかな平織生地です。本来は羊毛を使った毛織物をブロードと呼んでいましたが、現在では綿素材で織られた生地を指すのが一般的です。 ブロードはヨコ糸よりもタテ糸が多いことから、横畝(よこうね)と呼ばれる生地表面の盛り上がりが見られるのが特徴です。横畝は目立ちすぎず凹凸も大きくないため、手触りはすべすべとしています。 シーチング生地とブロードは同じ綿の平織物ですが、ブロードはシーチング生地より織り目が細かく織られていることから、強度が高いという特徴があります。また、シーチング生地は寝具類やバッグなどに使われる通気性のよい安価な生地であるのに対し、ブロードはシャツやブラウス等の衣服に使用される丈夫で高級感のある生地です。 下記の記事では、オックス生地というハンドメイド作品にもよく使われる平織りの生地を紹介しているため、興味のある人はぜひ参考にしてください。 シーチング生地の用途とは?作り方も紹介! シーチング生地は取り扱いやすく安価な生地であることから、本番前の試作品に使用されることもあります。シーチング生地での試作は自宅でハンドメイドを楽しむ人はもちろん、プロの世界でも行われている方法です。 ここでは、シーチング生地の使用用途とシーチング生地を用いた作品の具体的な作り方を紹介します。 エコバッグ シーチング生地は薄手で軽いため、普段から持ち歩くことの多いエコバッグにおすすめの生地です。 エコバッグの作り方は、以下の手順です。 (1)持ち手を作る 持ち手となる生地を2枚用意します。好みの長さと幅を決めたら長さはそのままで、幅を2倍にして生地を切りましょう。生地の両端にアイロンをかけ、幅が半分になるように折ってステッチします。 (2)エコバッグ本体を作る 本体用に大きく切った生地を袋状になるよう縫い合わせます。エコバッグの耐久性を上げたい場合は、袋縫いをするのがおすすめです。 (3)持ち手を縫い付ける 持ち手をまち針で本体に固定し、縫い付けます。 (4)袋口を縫う 袋口をアイロンでしっかりと三つ折りにして、折り口の端をステッチしたら完成です。 化粧ポーチ シーチング生地はちょっとした小物を入れるためのポーチにも最適な生地です。軽くてかさばらないため、出先で使うコスメを入れておく化粧ポーチを作るのもよいでしょう。 化粧ポーチの作り方は、以下の手順です。 (1)生地を用意する 表布、内布、接着芯をそれぞれ2枚ずつ用意します。生地サイズは縦15cmほど、横はファスナーの長さより3cm長めにカットしましょう。接着芯を表布の裏に貼ります。 (2)目印となる切り込みを入れる それぞれの布を横向きに置き、上部の中心位置に浅く切り込みを入れます。ファスナーも同様に、中心位置に切り込みを入れてください。 (3)生地を縫い合わせる ファスナーを裏返し、生地を中表になるように合わせて、1枚目の表布と内布、2枚目の表布と裏布の順に縫い付けます。 (4)角と返し口を縫う 縫い代をアイロンで開き、角の端から2cmの部分を縫い付けます。返し口の開いた部分を縫い合わせ、形を整えたら完成です。 クッションカバー シーツや枕カバーとして使われるシーチング生地は、クッションカバーにもおすすめです。インテリアのアクセントとなるよう、さまざまな色や柄の中から自分好みの生地を選びましょう。 クッションカバーの作り方は、以下の手順です。 (1)本体を縫い合わせる 縦47cm、横105cmの布を用意します(仕上がりサイズは縦横45cm)。横の辺にロックミシンをかけ、縦の辺はアイロンで三つ折りにしたら、ステッチをします。 (2)両側を折り畳んで縫う 両側を仕上がりサイズに合わせて中表で折り畳み、横の辺を縫い合わせましょう。表に返して角を整えたら完成です。 エプロン シーチング生地は洗濯機で洗えるため、エプロンを作るのもよいでしょう。お気に入りのデザインの生地を選べば、毎日の料理が楽しくなります。 […]

2022.05.23
リッパーの使い方|人気商品4選や目打ちとの違いも解説!

ハンドメイド お裁縫 3,509 view

リッパーの使い方|人気商品4選や目打ちとの違いも解説!

裁縫をしている中で、縫い間違えたり縫い目が曲がったりしてしまう経験は誰でもあるでしょう。縫い目を解く際には、リッパーが1つあると非常に便利です。リッパーは、糸を解く以外にもさまざま用途で使うことができます。 裁縫セットの中にリッパーが入っているのは知っているけど、実際にどうやって使うのかは分からないという方は少なくないでしょう。そこでこの記事では、リッパーとはどういった道具なのか、また目打ちとの違いや具体的な使い方などについて解説し、最後におすすめの商品も紹介します。リッパーを使ったことがないという方は、ぜひ参考にしてください。 リッパーとは? リッパーとは、縫いつけてある糸を切るために使う道具です。先端は二股に分かれており、アルファベットの「J」のような形をしています。基本的な使い方は、長い方の先端を縫い目に差し込んで糸をすくい、股にある刃の部分まで押し込んで糸を切ります。 縫い目が斜めになってしまってやり直したい時や、しつけ糸を取りたい時などに簡単に解くことができるため、1つあると便利です。そのほか、ボタン穴をあけたり、市販の衣類についている洗濯表示タグや値札を取ったりする際にも使うことができます。 通常、短いほうの先端には赤い丸い玉がついています。これは飾りではなく、糸を切る時に布地を傷めないよう保護するためのものです。 リッパーは、家庭用ミシンを購入すると付属品としてついてくることもあります。しかし、付属のリッパーはサイズが小さく短いほうの先端に赤い玉がついていないなど、使い勝手が良いとはあまり言えないため、別途購入することをおすすめします。 目打ちとリッパーの違い 裁縫道具には、リッパーと似た使い方をする「目打ち」という道具があります。ここでは、目打ちとリッパーの違いを解説します。 道具名 形状 用途・使うタイミング 目打ち 先端が鋭く尖ったキリやアイスピックのような形 ミシンで縫う時に布を押さえてずれを防ぐ 中表で縫ったものをひっくり返す時に綺麗に角を出す 縫う時の目印として小さな穴をあける ハトメなどをつける用の穴をあける リッパー 先端が二股に分かれ、分岐部分が刃になっている形 縫い目を解く時に糸を切る ボタン穴をあける 衣服についた洗濯表示タグを綺麗に取る 衣服についた値札付けループを切る ちょっとした作業であれば、それぞれで代用することも可能です。たとえば、目打ちをリッパー代わりにして縫い目を解くことも、リッパーを目打ち代わりにして穴をあけることもできます。 目打ちに関しては、下記の記事でより詳しく紹介しているため、気になる方はこちらも参考にしてください。 リッパーの使い方|ミシン目を解く以外にも使える! リッパーの基本の使い方として、まずは縫い目を解く方法を紹介します。主な方法は2つあるため、自分のやりやすいほうで解くと良いでしょう。 縫い目を解く方法(1) 先の尖った長いほうを下に、赤い玉がついているほうを上にしてリッパーを持つ。 リッパーの尖ったほうを縫い目に対して垂直に差し込み、奥の刃の部分で糸を切る。 少し離れた場所の縫い目も、同じ手順で切る。 縫い目と生地の間に目打ちを差し込み、持ち上げて糸の先端を引き出す。出てきた糸を引っ張って一気に抜く。 裏側の糸も引っ張って抜く。 方法(1)は、解きたい箇所だけ解くことができます。縫い目が斜めになってしまったなど、小さなミスを直したい時などにおすすめです。 縫い目を解く方法(2) 先の尖った長いほうが縫い目側に来るようにして布と平行にあてる。 リッパーの尖ったほうを布地の間に差し込み、奥まで入れて糸を切る。 一目切れたことで隙間があくため、今度は赤い玉がついた短いほうを差し込み、縫い目に対して平行に切り進めていく。 方法(2)のやり方は、一気に縫い目を切ることができるため、大量の縫い目を早く解くことができます。ただし、先の尖った長いほうを差し込んで切り進めると、布地に突き刺してしまい穴があくこともあるため、赤い球がついたほうを布の中に差し込みましょう。 またリッパーは、ほかにも以下のような使い方が可能です。 ●ボタンホールの穴あけに使う ボタンホールの穴をあける時に、リッパーがあると便利です。まずミシンでボタンホールを縫い囲み、端にリッパーの尖った長い先端部分を差し込みましょう。後は反対側の端に向けて切り進めば穴があきます。 穴あけの時に、うっかりボタンホールを囲む糸まで切ってしまうミスをしたことがある人もいるのではないでしょうか。切りすぎを防ぐコツは、まち針を使うことです。ボタンホールの端部分にまたがるようにまち針を刺しておきましょう。リッパーがそこで止まり、それ以上切れなくなります。 ●目打ちの代わりに使う 縫い目を解く時、目打ちを差し込んで糸を引っ張ると切らずにするりと抜けます。リッパーも、縫い目に差し込んだ後、分岐部分の刃になっているところに当たらないよう背のほうで引っ張れば糸を切らずに抜くことが可能です。 ●硬い生地に穴をあけるために使う 硬い生地は、針が通りづらく縫うのが大変です。指抜きで針を押しながら縫う人も多いでしょう。針が通らない硬い生地でも、リッパーなら簡単に穴をあけられます。均等に縫い穴をあけておけば、後は針を通すだけでスムーズに縫うことできます。 ●服のタグを取るために使う 洋服には洗濯表示タグなどがついていますが、肌にチクチク当たって気になる人もいるでしょう。タグを縫いつけているミシン糸も、リッパーがあれば楽に解いて取ることができます。 おすすめのリッパー4選 リッパーは、さまざまな手芸店で販売されており、それぞれ特徴が異なります。もし今手元にあるリッパーが使いづらいと感じる場合は、自分に合っていない可能性もあります。自分に合ったリッパーを選べば、より効率良く裁縫を進められるようになるでしょう。 ここでは、ユザワヤの通販ページで購入できるリッパーの中から厳選した4つの商品を紹介します。 リッパー 『マルチリッパー […]

2022.05.23
縫い代とは?付ける際のポイントや縫い代を割るやり方も

お裁縫 初心者さん向け 5,329 view

縫い代とは?付ける際のポイントや縫い代を割るやり方も

縫い代は、縫い合わせる布の端に、あらかじめ余分に残しておいた部分のことを言います。服の内側になる部分で目立たないため、一見何の役割を果たしているのか分かりづらいかもしれません。しかし、縫い代は裁縫の基本で、縫い代の付け方は作品の仕上がりに影響します。 当記事では、縫い代の役割と付ける際のポイントを解説します。これからハンドメイドを始める方や、裁縫のポイントを再確認したい方は、ぜひ参考にしてください。 縫い代とは? 縫い代とは、布を縫い合わせる際にあらかじめ残しておく余白部分のことで、バックや服の内側にあります。「ぬいしろ」と読み、裁縫の世界では基本用語です。 例えば、レッスンバッグを裁縫する場合、バックの前と後ろになる2つの四角い布を準備します。その外側3辺を縫い合わせた縫い目から、布の一番端までが縫い代です。幅は1cm程度のことがほとんどで、完成時にはバックの内側となっています。 もともとの大きさの布から必要な形に裁断する場合は、縫い代分大きく裁断しなければなりません。原反から布を購入する際も同様に、縫い代込みの裁断サイズを購入することが大切です。 型紙作りをする場合は、実際に作るサイズとしてでき上がり線を付け、その周りに縫い代を付けます。型紙の中には、縫い代付きでないものもあるため、その場合は自分で縫い代付けをしなくてはなりません。初心者は、縫い代付き型紙を選んだほうがよいでしょう。 縫い代を付ける目的 縫い代を付ける目的は以下の2点です。 縫い代の目的 縫い合わせた部分の解れ防止となる 縫い合わせるために必要な部分である 縫い代がないと布端同士を縫うことになるため、縫い目が脆くなり、糸が解れやすくなります。パーツ同士を縫い合わせる際に縫い代は必要で、そもそも縫い代がなければ縫い合わせることができないと言っていいでしょう。ミシンだけでなく、手縫いの場合にも縫い代を付けることが必要です。 縫い代を付ける際の3つのポイント 縫い代を付ける際のポイントは以下の3つです。 ●慎重に縫い代を付ける 縫い代は1cm程度の幅にすることが一般的です。ただし、フリーハンドで適当に付けてはなりません。合わせた2枚の布の縫い代幅が異なると、布の大きさに差が生じ、端を合わせられなくなります。都度裏を見てでき上がり線を確認しながら印付けをすることとなり、待ち針を刺す際に手間がかかります。 縫い代幅を同じにすると、待ち針を刺す際も、縫う際も、2枚の端を合わせてしまえば線に沿って簡単に作業が進められます。縫い代を適当に付けると、後の作業に悪影響が出ます。幅をしっかり合わせることで、作業効率を上げることが可能です。 ●平行線の入った定規を使用する 平行線の入った透明な定規を使用することで、複雑な形をしたものでも効率よく縫い代を付けられます。縫い代幅に合わせてでき上がり線の上に定規のメモリが重なるようにセットして使うことが一般的です。 直線であれば、都度定規を動かさなくても均等な幅の縫い代を書くことができます。また、曲線の場合は、ペンを軸にして定規をずらすとうまく書けるでしょう。 ●縫い代は型紙に付ける 縫い代のない型紙を、布の上に置いて布に縫い代線を付ける人もいますが、縫い代線は型紙に付けたほうが効率が上がります。布に書く場合、型紙を押さえながらの作業になり、場所がずれれば直しながら印を付けていくことになります。すべての縫い代を付けるまで動かせないため、途中で手を休めず書ききらなくてはなりません。 一方型紙に書く場合は、例え途中で手を休めても問題ありません。平行線の入った定規があればさらにスムーズに作業を進められるでしょう。また、パーツが複数ある場合も型紙に縫い代を付けてしまえば、何度も書く必要がありません。 縫い代を割るとは? 「縫い代を割る」とは、2枚の布を縫い合わせてできた縫い代を左右に割り広げることです。縫い合わせただけの時点で縫い代は、2枚重なっています。これを左右に割り、アイロンを使って割られた状態を保つようにする作業のことを言います。 縫い代を割らずに完成させてしまうと、縫い代が重なり、立ち上がったままの状態です。そうすると、布の重なる部分がごわついたり、厚みが均等でなくなったりします。着心地や肌ざわりにも影響するため、服作りをする人は特に注意が必要です。縫い代は完成時には見えない部分ではあるものの、完成度に影響します。 縫い代を割る方法 縫い代を割る方法は以下の通りです。 1 縫い代が見えるように布を広げる 縫い合わせた部分が真ん中に来るように2枚の布を左右に広げて、縫い代が立った状態にしておきます。 2 縫い代を左右に倒す 左右どちらかに縫い代を倒し、その上にアイロンをかけます。次に反対側に倒してアイロンがけをします。最初から割り広げるよりも、先に癖を付けることができ、次の工程で縫い代割がしやすくなるでしょう。アイロンは縫い目の上にかけるようにします。 3 縫い代を割る 重なった2枚の縫い代をしっかり割り広げ、その上からアイロンをかけます。縫い代が綺麗に開いた状態で癖がついていることを確認します。この段階でしっかり広がっていない状態だと、ごわつきの原因となるため、確認しながら丁寧に作業をしましょう。 4 仕上げアイロンをする 2枚の布を裏返して、表面から縫い代部分にアイロンをかけます。表から見たときに、割り方が十分であるか確認しましょう。 縫い代を付けやすい定規2選 縫い代をうまく付けるためには、縫い代付けに適した定規が必要です。使い勝手次第で作業効率や作品の完成度が変わるため、使いやすい定規を選びましょう。 定規を選ぶ際のポイントは以下の4点です。 ●平行線が入っている定規 縫い代を付ける際には、透明で平行線の入った定規がおすすめです。好きな幅の縫い代を効率よく付けられます。 ●上下どちらにも目盛がついている定規 上下どちらにも目盛があると、定規の向きを気にせず使えます。定規を手に取った際に、目盛がどちらに付いているのかを確認する手間も省けます。 ●目盛が見やすい定規 縫い代を付けるときだけでなく、裁縫を行う際は定規は1mm単位で細かく採寸します。数字や目盛以外の表記がないシンプルなもののほうが見やすいため、作業効率が上がります。 ●細かい単位の平行線が入っている定規 縫い代幅は1cm程度であることが一般的ですが、その他の幅の縫い代が必要なアイテムもあります。細かい単位の平行線が入っていれば、必要な幅で縫い代を付けることができるでしょう。 以下では、ポイントを押さえたおすすめの定規を2つ紹介します。 ものさし 『方眼定規 […]

2022.05.17