ミシンのジグザグ縫いとは?基本の手順や上手に縫い進めるコツを紹介
ミシンのジグザグ縫いとは、生地の端をジグザグ模様に縫う基本的な縫い代始末の1つです。ジグザグ縫いはミシンで施すことが多く「ジグザグミシン」とも呼ばれ、ジグザグ縫いで布端処理をすればほつれを防げてきれいな仕上がりになります。ミシンを持っている方の中には、ミシンにおける布端処理の基本的なやり方を知りたいという方もいるでしょう。
当記事では、ミシンでジグザグ縫いをする基本の手順、生地の厚さごとに異なる縫い方のコツなどを紹介します。ミシンで上手にジグザグ縫いをしたい方は、ぜひご覧ください。
目次1
ミシンのジグザグ縫いとは?
ミシンでの布端処理のやり方はさまざまな種類があります。中でも家庭用ミシンで比較的簡単にできる方法が「ジグザグ縫い」です。
ジグザグ縫いとは、生地の端にジグザグの縫い模様ができるように縫って、端のほうから糸がほつれないようにする縫い方です。
ジグザグ縫いはミシンで行うことが多く「ジグザグミシン」とも呼ばれます。ジグザグ縫いで生地の端や縫い代を始末すると生地のほつれ止めができて、作品の仕上がりが良くなります。
糸のほつれを防げる仕組み
一般的な生地は糸を織ることで作られていて、生地の端をそのままにしていると洗濯などをしたときに糸がほつれる可能性があります。生地のほつれをなくすには布端処理が必要です。
ジグザグ縫いをすると生地の端がステッチで補強されて、生地から糸がほつれにくくなります。ほつれは見た目が悪くなるのはもちろん、破れや型崩れにもつながるため、縫製の前には必ず布端処理をしましょう。
ミシンでジグザグ縫いをする基本の手順
ミシンでジグザグ縫いをするときは、正しい手順を把握することが大切です。以下では、ミシンでジグザグ縫いをする基本の手順を3つに分けて紹介します。
なお、ミシンの設定の仕方はメーカーによって異なるため、手元にあるミシンの取扱説明書も確認してください。
ミシンの設定をジグザグ縫いにする
まずはミシンの設定をジグザグ縫いにしましょう。ミシン本体のジグザグ縫いボタンを押したり、ダイヤルを操作したりしてジグザグ縫いが設定できます。
ジグザグ縫い機能の設定では、縫い目の幅(振り幅)と長さについても調整が必要です。幅の数字を大きくすると縫い目の幅が広がり、反対に小さくすると縫い目の幅が狭まります。端切れで試し縫いをしながら幅を変えるとよいでしょう。
また、長さの数字を大きくすると目が粗いステッチになり、小さくすると目が詰まったステッチになります。縫い目の長さを大きくすると生地にシワができやすいため、薄い生地の場合は長さを小さくすることがおすすめです。
生地の端をミシンにセットする
次に、ミシンの押さえ金を上げた状態にして、生地をミシンにセットします。針を下ろす位置は、ほつれを防ぎたい生地の端です。ミシンがけをすると奥方向へと自動で布送りがされるため、生地の右上隅からジグザグが始まるように位置を調整します。ミシンの針も、最初は右に落ちるように調整しましょう。
生地の端ぎりぎりを狙って針を下ろそうとすると、針が生地よりも右側に下りることもあるため注意してください。ジグザグが大きく生地からはみ出ると、糸が布端部分を巻き込む形になって、布端にシワができる原因となります。ミシン初心者の方は、布端よりも内側を意識して針を下ろすようにするとよいでしょう。
スタートボタンを押して縫い進める
生地と針の位置調整が終わったら押さえ金を下ろし、スタートボタンを押して縫い進めます。ジグザグ縫いも、縫い始めと縫い終わりには3~4針の返し縫いをしましょう。止め縫い機能付ミシンでは、縫い始めの返し縫いが不要となる場合があります。
また、両手を生地に添えていても、針が左右に振れる動きで布送りがズレることがあります。ジグザグ縫いで布送りのズレが気になる場合は、ミシンの縫い速度を中速~低速に変えることがおすすめです。
ステッチより右側に余分な生地がある場合は縫い上がりにハサミで切ります。布端にジグザグのステッチができたら、ジグザグ縫いでの布端処理は完了です。
ミシンでジグザグ縫いをするコツ
ミシンできれいにジグザグ縫いをするには、2つのコツを押さえましょう。
・なるべく厚みがある生地を使う
薄い生地をジグザグ縫いすると、布端がミシン糸に引っ張られて丸まったり、シワができたりしやすくなります。布端処理で失敗したくない方は、なるべく厚地・普通地の生地を使うことがおすすめです。
なお、薄い生地できれいにジグザグ縫いをしたいときは、糸調子を通常よりも弱く調節する必要があります。
・布端の1mmほど内側を縫う
ジグザグ縫いは生地の端をミシンがけする必要があるものの、端へのジグザグ縫いを意識しすぎると布端が丸まりやすくなります。生地を糸で巻き込まないように、布端の1mmほど内側を縫いましょう。
縫い目の細かな調整が苦手な方は、布端よりも内側でジグザグ縫いをしてからステッチの外側をハサミで切る方法もあります。
【生地の厚さ別】ジグザグ縫いのかけ方・コツ
洋裁や小物作りに使う生地はさまざまな種類があり、作りたい作品によって適した生地の厚さがあります。ジグザグ縫いをするときは、生地の厚さに合わせて縫い方を変えることが大切です。初めて使う生地でジグザグ縫いをする方や、布端処理の作業で失敗した経験がある方は、生地の厚さに着目して縫い方を変えてみましょう。
最後に、生地の厚さを3つに分けて、それぞれに適したジグザグ縫いでの縫い方を解説します。
薄地
薄地は、ガーゼ・シフォン・オーガンジーといった柔らかさや透け感が特徴的な生地のことです。薄地の生地にそのままジグザグ縫いをすると、縫い目の間で生地が引っ張られてシワができやすくなります。ほつれを防ぎたい布端を5mm程度折って、生地の厚みを作ってからジグザグ縫いをしましょう。
布端を折った後にアイロンをかけると、ミシンがけをしているときに布がめくれなくなってきれいにジグザグ縫いができます。折った布端は生地の中側に来るため、ジグザグ縫いを端に寄せる必要はありません。
普通地・薄地
普通地・薄地としては、シーチング・ブロード・ローンといった裁縫でよく使われる生地が挙げられます。
普通地・薄地でジグザグ縫いをするときは、基本の手順通りに布端にそのままミシンをかけましょう。基本の手順でうまくできないときは、ジグザグ縫いをした後にハサミで余分な生地を切る方法を試してみてください。
まずは型紙の大きさよりも布端を1cm程度大きく裁断し、布端から1cm内側にチャコペンなどで線を引きます。後は引いた線を布端としてジグザグ縫いをして、ステッチよりも外側の生地を切るだけです。ハサミで切る際は、ステッチを切らないように注意してください。
厚地・普通地
厚地・普通地は、キャンバス・オックス・カツラギなどが代表的です。しっかりとした硬さがある生地で、布端にジグザグ縫いをしてもシワができにくい特徴があります。
厚地・普通地の生地にジグザグ縫いをするときは、針が右に落ちるときに布を貫通させず、ジグザグ右側の角を布端に引っかけるように縫うことがコツです。布端が糸で覆われる形になって、生地のほつれをより防ぎやすくなります。
ハンドメイドで使う生地選びに迷ったときは、生地を豊富に取り揃えている手芸用品やオンラインショップを利用するとよいでしょう。ユザワヤは豊富な生地の取り扱いがあり、使いたい生地の特徴から適した商品を探せます。
まとめ
ミシンの布端処理の1つであるジグザグ縫いは、布端をジグザグ模様に縫って糸がほつれないようにする縫い方です。ミシンでジグザグ縫いをする際は、ミシンの設定をジグザグ縫いにした上で生地の端をセットして縫い進めます。
ジグザグ縫いをきれいに仕上げるには、なるべく厚みがある生地を使うほか、布端の1mmほど内側を縫うのがポイントです。普通地・薄地・厚地など生地の厚さによっても縫いやすさが異なるため、生地の特徴に合った縫い方でジグザグ縫いをしましょう。