ミシンの代表的な縫い方とは?11種類の特徴や綺麗に縫うコツを紹介
ミシンはさまざまな縫い方を設定可能で、特にコンピュータミシンには数多くの縫い方がインプットされています。しかし、便利な縫い方が多数搭載されていても、特徴を知らなければ十分に活用できません。それぞれの縫い方の特徴を知っておけば、必要に応じて縫い方を選択でき、クオリティの高いハンドメイド作品の制作につながるでしょう。
この記事ではミシンの代表的な縫い方として、基本の直線縫いからパッチワーク縫いのような飾り縫いまで、11種類の縫い方を紹介します。ミシンできれいに縫うコツも掲載しているため、手芸初心者の方はぜひご一読ください。
目次1
ミシンの代表的な縫い方は?11種類の特徴を紹介
ミシンにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ミシンの種類によっては得意とする縫い方が決まっているケースがあるため、持っているミシンで対応できる縫い方を確認しましょう。
以下では、ミシンの代表的な縫い方を11種類挙げて、それぞれの縫い方を分かりやすく説明します。
直線縫い
直線縫いは、ステッチ(縫い目)が真っ直ぐの線になる縫い方です。裁縫の基本と言える縫い方であり、作品レシピで「縫う」とだけ記載されているときは直線縫いを使います。
ミシンで直線縫いをする方法は、押さえ金で縫い合わせたい生地を押さえて、両手を押さえ金よりもやや手前に置いた状態でスイッチを入れるだけです。
布送りはミシンがけ中に自動で行われるため、両手を大きく動かす必要はありません。送られていく布が曲がらないよう、軽く調整するだけに留めましょう。
ジグザグ縫い
ジグザグ縫いは、縫い針が左右に動き、ジグザグのステッチができる縫い方です。生地の端をジグザグ縫いすると、布端部分からほつれが出ることを防げます。
ミシンでジグザグ縫いをするときは、「模様縫い機能」がある機種を使いましょう。模様縫い機能でジグザグ縫いを選ぶと、指定したパターンのジグザグ縫いを自動でしてくれます。
ミシンによってはジグザグ縫いのパターンが複数用意されている機種もあります。さまざまなジグザグ縫いができると、ゴムの縫い付けや生地のはぎ合わせにも使えて便利です。
まつり縫い
まつり縫いは、生地の表側にステッチが目立たないようにする縫い方です。ズボンやスカートの裾上げに使われることが多く、見た目よく仕上げられます。
ミシンでまつり縫いをするときは、「まつり縫い押さえ」が使える機種がおすすめです。ミシンにまつり縫い押さえをセットして、押さえのセンターガイドを三つ折りにした折り山の端に合わせれば、簡単にまつり縫いができます。
まつり縫いのやり方は下記のページでも紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
かがり縫い
かがり縫いは、ほつれ防止のために布端を糸で留める縫い方です。ぬいぐるみの綿入れ口を閉じたり、やぶれた布の補修をしたりするときにもかがり縫いは使用します。
かがり縫いができる代表的なミシンは「ロックミシン」です。ロックミシンは布地の伸縮に対応可能で、縫い目のきれいなかがり縫いができます。
一般的な家庭用ミシンであれば、模様縫い機能でかがり縫いができる機種を選びましょう。
伸縮縫い
伸縮縫いは、ステッチに伸縮性を持たせるために浅いジグザグで縫っていく縫い方です。ニット素材のような伸縮性が高い生地を使って作品を作るときに、伸縮縫いは重宝します。
ミシンで伸縮縫いをするときは、模様縫い機能で伸縮縫いに対応した機種を使ってください。ミシンによっては複数の伸縮縫いが用意されているケースもあります。
トップスの裾や袖口、ボトムスの履き口などに伸縮縫いを使うと、生地を伸縮させても切れにくいステッチが作れます。
返し縫い
返し縫いは、一針ごとに後ろへ少し返しながら縫い進める縫い方です。返し縫いをした部分はミシン糸の密度が高くなり、ほつれにくくなります。
ミシンで縫うときは、縫い始めと縫い終わりをそれぞれ3~4針返し縫いすることが基本です。一般的なミシンには返し縫いボタン、もしくは返し縫いレバーがついていて、操作すると返し縫いができます。
また、コンピュータミシンの場合は「自動返し縫い機能」があり、縫い始めと縫い終わりに自動で返し縫いをしてくれます。
点線ジグザグ縫い
点線ジグザグ縫いは、細かい縫い目で大きいジグザグ模様を作れる縫い方です。ジグザグ縫いと同様に布端処理に使えることはもちろん、模様を楽しむ飾り縫いとしても使えます。
点線ジグザグ縫いをするときは、家庭用ミシンの模様縫い機能で「点線ジグザグ」や「ジグザグステッチ」を選択しましょう。模様縫い機能のパターンが少ない機種では点線ジグザグ縫いが入っていないケースもあるため、対応できる機種かどうかをよく確認してください。
オーバーロック縫い
オーバーロック縫いは、縫い代の裁ち目がほつれないよう、裁ち目をミシン糸で巻くように縫う縫い方です。ステッチの長さに対して糸の量が多いため強度が高く、伸縮性に優れたニット生地を縫い合わせるときにも使われます。
オーバーロック縫いは「2本針4本糸」や「1本針3本糸」で縫う必要があり、対応した縫い方ができるロックミシンでなければ縫えません。オーバーロック縫いを使いたい方は、家庭用ミシンとは別にロックミシンを用意する必要があるでしょう。
三重縫い
三重縫いは、ミシン針が前進・後退・前進をして三重のステッチを作る縫い方です。三重であるため強度が高く、伸縮性にも優れていて、丈夫に作りたい布小物の縁部分やニットのはぎ合わせに適しています。
三重縫いをするときは、ミシンの模様縫い機能で三重縫いを選択してください。
ただし、三重縫いは特殊な縫い方であり、対応していないミシンもあります。三重縫いができると作品の幅を広げられるため、さまざまな作品を作りたい方は三重縫いができるミシンかどうかをチェックしましょう。
パッチワーク縫い
装飾を目的とした縫い方は「飾り縫い」と呼ばれます。パッチワーク縫いは飾り縫いの一種で、生地をはぎ合わせるときに刺繍のようなデザインのステッチを作れる縫い方です。
パッチワーク縫いで飾り縫いを楽しみたい方は、ミシン選びで模様縫い機能のパターン数を確かめることがポイントです。高性能なミシンは模様選択の種類が多く、作品の仕上がりを高められます。
刺繍の基本的なステッチを知りたい方は、下記のページもご一読ください。
ボタンホール縫い
ボタンホール縫いは、洋服や小物のボタンホールを作るときに、ボタンのサイズに合わせたステッチを作る縫い方です。ボタンホール部分の強度が高くなり、生地のほつれを防げます。
ミシンでボタンホール縫いをするときは、「ボタン穴かがり押さえ」というボタンホール縫い用の押さえ金が必要です。押さえ金の台皿にボタンをセットし、ボタンホールを作りたい部分を縫うことでボタンホール縫いができます。
ミシンできれいに縫うコツは?
ミシン初心者の方向けに、ミシンの基本的なコツを3つ紹介します。
・ミシンが動いているときは手を動かさない
ミシンは布送りを自動でしてくれるため、手を動かす必要はありません。生地を押したり引っ張ったりするとステッチが曲がる原因になります。ミシンでの作業中は手を動かさないようにしましょう。
・直線を縫うときは生地の端を針板のガイドに合わせる
ミシンの針板にはマス目型のガイドがあります。生地の端を針板のガイドに合わせて縫い進めると、きれいな直線縫いができます。
・直角に縫うときは針を刺した状態で生地を回す
直線縫いの途中で縫う方向を直角に曲げるときは、直角に曲げたいところに針を指した状態でミシンを停止します。そのまま押さえ金を上げて、生地を直角に回しましょう。回した生地の端と針板のガイドを並行に整えれば、きれいな直角で縫えます。
まとめ
ミシンで使える縫い方それぞれの特徴を知っておけば、普段使っている衣服やバッグなどの布製品を上手に補修できます。さらに、ハンドメイド作品の仕上がりをより魅力的なものにし、ほつれや破れなども防げるハイクオリティな作品が作れるでしょう。
ミシンが家庭にない場合は、ユザワヤをはじめとした手芸専門店を利用するのがおすすめです。ミシンを購入できるだけでなく、一部の専門店ではミシンのレンタルサービスも行っています。普段はミシンを使わないものの、作品作りにあたってミシンが必要になった方や、ロックミシンなど特別な機能が付いた機種を使いたい方には、ミシンレンタルをぜひご利用ください。