接着芯とは?種類・特徴や基本的な付け方・注意点を紹介!
小物や服などのものづくりをする上で、さまざまな道具を使います。作るものによって揃えるアイテムも変わるため、ハンドメイド初心者はアイテムそのものの知識をもっておくとスムーズかつ適切なアイテムを用意することが可能です。
今回は、洋裁などに使われる接着芯について、種類や使い方などの基本情報をご紹介します。また接着芯を使うときの注意点や購入時の選び方も解説するので、ハンドメイドをしている人やこれから始める人は、ぜひ参考にしてください。
目次1
接着芯とは?
接着芯とは、手芸用品店で販売されているのりが付いている硬い布のことです。アイロンで布に貼り付けるため、布の表面に接着芯が見えることはありません。接着芯を使用する目的は、以下の通りです。
- 布にハリを出すため
- 型崩れと着崩れを防止するため
- 生地の強度を増すため
- 伸びやたるみ、ほつれを防ぐため
接着芯には、のりが片面と両面に付いているタイプもあります。接着芯はニットや綿でできた織布、不織布などの芯の素材が複数あるため、使用場面によって使い分けるとよいでしょう。また接着芯はさまざまな厚さがあり、生地の厚さに合わせて選ぶことで統一感を出せます。
接着芯の種類|それぞれの特徴を紹介
接着芯は、厚さや布のタイプなどのさまざまな商品があります。素材や付け方によって、使い方や付ける布との相性が変わるため、購入する前に確認しましょう。たとえば、織布タイプは、シャツやパンツなどの洋服作りにおすすめです。
ここでは、接着芯の種類とそれぞれ特徴、相性のよい生地と用途を紹介します。
不織布タイプ
不織布とは、繊維を織らずに絡めた布を指します。不織布タイプの接着芯は軽く、洗濯してもほとんど縮みません。貼ると布の形がしっかりするので、ポーチやバックなどの型崩れを防ぎたい場合におすすめです。
また、布目を気にする必要がなく、布の端がほつれないため初心者でも簡単に扱えます。不織布タイプの接着芯は比較的安く、100円均一ショップなどでも購入可能です。
織布タイプ
織布タイプは、布のように縦横に繊維が織られている接着芯です。生地の縦横の布目を揃えて使用します。織布タイプの接着芯は生地との相性がよく、風合いを損なわないため、シャツやパンツなどの洋服作りにおすすめです。
また、織布タイプの接着芯は丈夫なため、ポケットの裏側にも使えます。洋裁に使う場合は、白と黒の接着芯を揃えておけば、あらゆる場面に対応できます。
接着芯の布目が曲がっているときは、引っ張って整えてから使用しましょう。
ニットタイプ
ニットタイプは編み布タイプとも呼ばれ、伸縮性があり柔らかい接着芯です。生地の柔らかさを保ちながら、ハリが出るため上品に仕上がります。ニット素材の小物やお洋服を作るときにおすすめです。
ニットタイプの接着芯は、厚さや色が豊富に揃っています。薄手の生地に使う場合は、接着芯の色が透けないよう、生地の色に合わせた目立たない色を選びましょう。
両面タイプ
両面タイプは、紙にくもの巣状にのりが吹き付けてあったり、のりをシート状に固めたりしている接着芯です。両面タイプの接着芯は裏表にのりが付いているので、貼り付けるときの取り扱いには注意しましょう。
両面タイプは他のタイプの接着芯と使い方が異なり、補強としての芯地ではなく、両面テープのように使います。布同士を接着できるので、リバーシブル生地を作るときや、アップリケを貼り付けるときにおすすめです。
両面タイプの接着芯は、「くものすシート」「くものす芯」「両面接着シート」とも呼ばれています。
その他
これまでに紹介した4種類以外にも、さまざまな種類の接着芯があります。
キルト芯・ドミット芯は、厚みがあり、ふわふわした中綿の接着芯です。表地と裏地の間に挟んでキルティングするときに使用します。キルト綿とも呼ばれ、アイロンで接着するタイプと、縫い付ける2種類のタイプがあります。
ベルポーレンは、ミシンで縫える硬い接着芯です。バッグの底や帽子のつばなどの耐久性を高めたい部分に使用します。芯地テープ・伸び止めテープなどテープ状の接着芯もあり、洋服の襟ぐりやポケット口が伸びることを防止できます。
販売されている接着芯のほとんどが完全接着芯ですが、仮接着芯も販売されています。接着心を購入する際は、間違わないように確認することがポイントです。仮接着芯は接着力が弱く、伸縮性があまりないタイプです。シャツの襟もとやカフスに使ったり、一時的に生地を縫いやすくしたりする際に使われます。
どの接着芯のタイプを選べばいいか分からないときは、手芸用品店のスタッフに尋ねましょう。スタッフに尋ねると、作りたいアイテムと使用する生地に合った接着芯を紹介してもらえます。接着芯はそれぞれ、貼ったときの風合いが異なります。仕上がりにこだわりたいときは複数の接着芯を買って、試し張りするのもよいでしょう。
接着芯の基本的な付け方
接着芯の付け方は、シールタイプかアイロン接着タイプかによって異なります。シールタイプはアイロンを使わずに、紙を剥がしてそのまま接着できるため、便利です。アイロン接着タイプは、あて布の上からアイロンを当てて接着します。
また、片面か両面かによっても付け方は変わります。ここでは、接着芯の付け方をタイプごとご紹介します。
シールタイプ
シールタイプは、以下のような流れで貼り付けます。
1 | 接着芯に印を付け、切る |
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布を接着芯に重ね、貼る部分に印を付けて接着芯を切ります。 | |
2 | 動かないように布を止める |
布を平らな面に置き、動かないようにアイロン台などにピンで止めます。 | |
3 | 接着芯を剝がしながら貼る |
接着芯の紙を、端から少しずつ剥がしながら貼っていきます。 |
アイロン接着タイプ
アイロン接着タイプでは、以下のような流れで貼り付けます。
1 | 布と接着芯を切る |
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生地と接着芯を型紙に合わせて切ります。 生地を型紙よりも1~1.5cm程度大きめに切ると、接着芯をうまく貼れます。 | |
2 | 接着芯と布を合わせる |
接着芯の表裏を確認し、接着芯の裏面と布の裏面を重ねます。 接着芯の裏面は、のりが付いてザラザラしていたり、キラキラしていたりします。布を貼る前に糸くずなどが付いていないかチェックしましょう。 | |
3 | あて布を重ねる |
生地と接着芯の上に、あて布を重ねます。 あて布はなくても、アイロンはかけられます。ただし、のりがアイロンに付いてしまうこともあるため、あて布を用意しておくと安心です。 | |
4 | アイロンをかける |
アイロンを中温に温めます。上からプレスするように10秒程度押しあてます。 アイロンをすべらせると接着芯がしわになるため、アイロンを持ち上げて置くようにしましょう。 | |
5 | 接着芯が冷めてから、型紙に合わせて切る |
冷めて、接着芯が固定されたら、型紙に合わせて布を切ります。 |
アイロンの温度は接着芯によって異なり、パッケージに書かれている温度で接着しましょう。
【手芸初心者向け】接着芯の選び方
接着芯を購入するときは、作りたいものの素材や、形に合った厚さの接着芯を選ぶことが重要です。また芯が布よりも目立たないように、厚みが気にならない程度の接着芯を選ぶことをおすすめします。たとえば、布が薄手の場合は薄めの接着芯、布が厚手の場合は厚めの接着芯を使用します。
この他、接着芯を購入する前に、パッケージの裏側に書かれている用途や厚さを確認しましょう。厚さごとのおすすめの用途は以下の通りです。
接着芯の厚さ | 用途 |
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薄め | ブラウスの襟・ワンピース・見返しカフス |
普通 | ジャケット・ブックカバー |
厚め | 帽子・バッグ |
生地の素材ごとに、接着芯のタイプを選ぶことが重要です。たとえばシャツやパンツなどの洋服を作るときは、織布タイプを選びましょう。また初心者には、ニットタイプの接着芯が扱いやすくておすすめです。
ユザワヤのネットショップでは、接着芯の取り扱いがあります。ぜひ下記リンクより商品をご覧ください。
ハンドメイド初心者におすすめの手芸道具については、下記リンクで紹介していますのでぜひお役立てください。
まとめ
接着芯とはのりが付いている硬い布のことで、布にハリを出したいとき、生地の伸びやほつれを防ぎたいときに使います。接着芯には不織布タイプ・織布タイプ・ニットタイプの3種類があり、用途に合わせてタイプを変えることで接着芯の特徴を活かせるでしょう。
接着芯にはシールタイプとアイロンタイプがあり、それぞれ使い方が違います。また完全接着か仮接着かによっても適切な使い方があるため、商品を購入する際は作りたいものと接着芯のタイプをよく確認しましょう。
接着芯は価格もさまざまで、手芸専門店や100円均一などで購入できます。ユザワヤでは、ハンドメイド初心者におすすめの手芸道具も取り扱っています。ハンドメイドに興味のある方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。