【ハンドメイド作家向け】バイアステープの作り方・縫い方を徹底解説
バイアステープとは、布地を布目に対して斜め45度に切断し、テープのように細くしたものです。袖ぐりや襟ぐりなどの始末にバイアステープを使えば、市販品のようにすっきりしたハイクオリティな仕上がりになるでしょう。
便利に利用できるバイアステープは、好きな布から自作できるのも魅力です。衣服を縫うときに出た端切れをバイアステープにしておけば、縫い物をするときに統一感を出せ、クオリティも上がります。
この記事ではハンドメイド作家さんに向けて、バイアステープを自作する方法や、テープの縫い方のコツを解説します。
目次1
バイアステープとは
バイアステープとは、布目に対して斜め45度でテープ状に裁断した細い布のことです。バイアス(bias)は直訳すると「偏り」であり、手芸においては生地の「斜め」を指します。バイアステープは「バイヤステープ」と表記されることもありますが、発音が異なるだけで意味は同じです。
バイアステープは、洋服の裾上げや布小物・衣類の縁取り、見返しの処理などに使われます。子供がいる場合は、スモックやエプロン、ナプキン、防災頭巾カバーなどの処理で用いる機会も多いでしょう。
バイアステープが生地を斜めに裁断して作られる理由は、布の伸縮性を最大限に活かすためです。生地の布目には、横に伸びやすく縦に伸びにくい性質があります。布目に対して斜め45度に裁断すると伸縮自在になり、カーブや凹凸を綺麗に処理しやすくなるのが大きな特徴です。
バイアステープを作る材料
バイアステープは何かと便利に使えるため、手持ちの布が残っている場合は自分で作っておくのがおすすめです。バイアステープ作りの際には、以下のような材料および道具を用意するとよいでしょう。
【バイアステープを作る材料・道具】
- 好きな布地
- アイロン
- アイロン台
- 布切りばさみ(もしくはロータリーカッター)
- 糸切りばさみ
- ミシン(なければ手縫いでも可)
- 目打ち
- まち針
- 定規
- チャコペン
上記の道具のほかに、バイアステープメーカーという専用の裁縫用品も存在します。バイアステープメーカーは、裁断した布を通すと左右の生地が自動的に折れ、アイロン処理がしやすくなるのが魅力です。
それぞれの道具は、手作りホビー材料の専門店であるユザワヤで揃えるのがおすすめです。バイアステープメーカーも含め各種アイテムを購入できるため、必要な道具を探してみましょう。
バイアステープの作り方
バイアステープは手芸専門店などでも販売されていますが、布が余っている場合は自分で作ってもよいでしょう。自分で作る場合は、ショップでは手に入らない自分好みの色やデザインのバイアステープを手に入れられる点が魅力となっています。
バイアステープを作る方法を順に紹介するので、参考にしてください。
布を斜めにカットする
まずは布を準備します。布は正方形のものを使用すると作りやすいためおすすめです。
布を真ん中で斜め45度に折り、折り目に沿って布切りばさみで裁断します。次に、裁断した部分に定規を当て、チャコペンを使って必要な幅で印を付けてください。テープ幅は4センチもしくは5センチにすると活用しやすくなります。
上記の作業を繰り返し、斜めにカットした布のテープを何本も作っていきます。布端まで余すことなくカットしてもよいですが、短すぎると縫い合わせる工程がやや面倒になるため、端まではカットしなくても問題ありません。
布を縫い合わせる
バイアステープとして使いやすいよう、テープ状にカットした布同士をミシンで縫い合わせて長くします。まずは長い布同士から縫い合わせていくとよいでしょう。
布の端を、つなぎ目を重ねて縫い合わせます。この際、布は中表になるように合わせましょう。また、布の端をぴったり重ねて縫い合わせると、表に返したときに縫い代の分だけつなぎ目がずれてしまいます。布の端を1センチずらして縫うことで、表に返したときにぴったり平行な1本のテープになります。縫い代を考慮して少しずらして縫い合わせる技はさまざまな場面で活用できるため、覚えておくとよいでしょう。
上記の作業を繰り返し、何本もあったテープ状の布を一本の長いテープにします。縫い合わせたところは布をずらした分が上下にはみ出すため、布切りばさみでカットして整えてください。縫い合わせた部分は裏面からアイロンをかけるときれいに仕上がります。
アイロンを使って折り目を付ける
テープ状の布に折り目を付け、バイアステープとしてすぐに使える状態にします。4センチの布の場合、1センチ程度の幅で折り目を付けるとよいでしょう。最初に真ん中で二つ折りにし、折り目を基準にして端から折ることで簡単に1センチ幅の折り目を付けられます。こまめにアイロンで折り目を定着させながら、少しずつ進めてください。
反対側も同じように、中心に向かって1センチ幅で折っていきます。終わったら、真ん中で二つ折りにしてアイロンをかけましょう。端までアイロンをかけられたらバイアステープの完成です。
バイアステープの付け方のコツ
バイアステープを使えば、洋服の襟ぐり・袖ぐりやハンドメイド作品などが既製品のようにすっきりと仕上がるのが魅力です。しかし、バイアステープは布地の形状によって付け方が少し変わることもあり、成功させるにはコツがいります。
バイアステープの付け方を、直線・カーブ・直角の角の3パターンに分けて解説するため、参考にしてください。
直線へのバイアステープの縫い方
バイアステープで直線をくるむ場合は、バイアステープを開き、布の裏側に端を合わせてまち針で止めます。最初はバイアステープを伸ばさないように注意しましょう。次に、ミシンをかけてバイアステープと布を縫い合わせてください。
縫い合わせたバイアステープをくるっと返して表側に持ってきます。布の表側からは縫い目が見える状態なので、縫い目がギリギリ隠れるところまでバイアステープを引っ張りましょう。このときには、アイロンを使って整えれば仕上がりがきれいになります。上からミシンを縫うことで、直線へのバイアステープの縫い付けが完成します。
バイアステープを縫う際には、端から1ミリほどのギリギリの部分を縫うと仕上がりが綺麗です。縫うのがやや難しいため、目打ちなどの尖ったものを利用するとよいでしょう。
カーブへのバイアステープの縫い方
カーブを縫う際も直線の場合と同様に、布の裏側にバイアステープを合わせてまち針で止めていきます。曲線が内向きの場合はバイアステープを少し引っ張って伸ばし気味に付け、外向きの場合は引っ張らずにゆとりをもって付けるのがポイントです。
次に、バイアステープの折り目の0.5~1ミリほど外側をミシンで縫います。縫う前にアイロンをかけると作業しやすくなりますが、アイロン後はバイアステープの折り目が消えるため、あらかじめチャコペンで折り目をなぞっておいてください。
裏面を縫い終えたらバイアステープを表側に返し、アイロンで整えてからミシンで縫いましょう。
直角の角へのバイアステープの縫い方
直角の角をバイアステープでくるむ場合、角までの手順は直線部分に付ける場合と同じです。角の縫い代と同じ幅の部分に、あらかじめチャコペンやまち針でしるしを付けてから、バイアステープを縫い付けましょう。しるしの部分までミシンで縫えたら、一旦縫い返しをしておきます。
次にバイアステープを外側に折り上げ、次の直線にバイアステープの端が来るように再度折り、続けて縫ってください。裏面を縫い終わり、バイアステープを表側に返すと角の部分が余るため、きれいな額縁になるように折りたたみましょう。後は、直線の場合と同様にバイアステープの端から1ミリ程度の部分を表から縫い、完了です。
まとめ
バイアステープは好きな布地から作れ、洋服の裾上げや布小物・衣類の縁取り、見返しの処理などさまざまな場面で利用できます。普段からバイアステープを作っておけば、ハンドメイド品の制作で便利に使えるでしょう。
バイアステープは、布を45度にカットして必要な長さに縫い合わせ、アイロンで折り目を付ければ完成します。バイアステープメーカーのような専用の裁縫用品を使えばさらに簡単に作れるため、生地が余ったときにはバイアステープを作っておくのがおすすめです。