パイピングとは?パイピングテープの作り方や縫い方・コツを解説
パイピングは縫い代をテープ状の布でくるむ手法で、縫い代がほつれにくく頑丈になり、キュートでおしゃれな見た目に仕上げられます。パイピングの縫い方を知っておけば、オリジナルのハンドメイド品を仕上げるのに役立ち、自分好みのアイテムを作りやすくなるでしょう。
この記事では手芸初心者の方に向けて、パイピングテープを自作する方法や、パイピングテープを使ったクッションカバーの縫い方を解説します。パイピングに慣れておらず、簡単なレシピで練習してみたい方は、ぜひこの記事をご一読ください。
目次1
パイピング(パイピング処理)とは
手芸におけるパイピングとは、縫い代をテープ状の布で包み込むことです。「パイピング処理」と呼ぶ場合もあります。
パイピングには「パイピングテープ」を用いるのが一般的です。クッションカバーの周りやバッグの底といった切り替え部分を、パイピングテープで挟んで処理します。既製品の洋服やバッグ・ポーチなども、裏返すとテープ状の布で縫い代がくるまれているケースが多くあります。
パイピングの主な役割
パイピングの主な役割は以下の2つです。
ほつれの防止 |
---|
切りっぱなしの布は、そのままにしておくと端部からほつれてしまい、見栄えや耐久性が低下します。そこで、パイピングによって縫い代をくるみこみ、布端のほつれを防止して補強することが可能です。 なお、縫い代の布端の始末には、ほかにロックミシンや端ミシンといった方法が挙げられます。 |
デザイン性の向上 |
---|
パイピングは、布端の処理を兼ねてデザイン性を高めるために用いられるケースもあります。例えば、洋服の袖口や襟、ポケットのふちなどに生地本体とは別の布でパイピングを施せば、アイテム全体の印象をがらりと変えることが可能です。 単純にほつれの防止を目的とする場合は見えない部分にパイピングを施しますが、デザイン性の向上を目的とする場合は表側の見える場所に施されます。市販品でも、レディースのオフィスウェアなどは袖口・襟にパイピングが施されていることが多い傾向があります。 |
パイピングは、シンプルなデザインのアイテムにアクセントを加えたいときや、地味な配色のアイテムに差し色を加えたい場合にも有効なテクニックです。布地とパイピングの配色パターンを工夫することで、オリジナリティとおしゃれさを合わせ持つアレンジが可能になるでしょう。
パイピングテープの作り方
パイピングテープの基本的な作り方を紹介します。
1 | バイアステープとパイピングコードを用意する |
---|---|
パイピングテープ制作に必要な材料は、バイアステープとパイピングコードの2つです。パイピングコードは毛糸やコットンコード、綿ロープなどの中から希望の太さに合ったものを選ぶとよいでしょう。 |
2 | バイアステープをアイロンで開く |
---|---|
バイアステープには折り目が付いているため、アイロンで一旦開いてから2つ折りに直します。 |
3 | パイピングコードをバイアステープに挟む |
---|---|
芯となるパイピングコードをバイアステープで挟んでください。 |
4 | バイアステープを縫う |
---|---|
パイピングコードのきわに沿うようにしてバイアステープを縫い、完成です。 |
パイピングコードを挟んだままバイアステープを縫うのが難しい場合は、先にバイアステープを縫い、後からパイピングコードを通すとよいでしょう。
パイピングテープを使ったクッションカバーの縫い方・コツ
パイピングは、洋服だけではなくクッションカバーなどの生活雑貨にも活用できます。パイピングをしないクッションカバーよりもしっかりした作りになるほか、パイピングコードが入っている分コロコロとかわいい雰囲気になるためおすすめです。
手芸初心者向けに、パイピングテープを使った50センチのクッションカバーの縫い方、および作り方のコツについて解説します。クッションカバー制作に必要な手芸用品は以下の通りです。
- 好きな生地をA・B・Cの3枚用意する
- A:52×52センチ
- B:52×30センチ
- C:52×40センチ
- パイピングテープ:2メートル30センチ程度
- 布切りばさみ
- 糸切りばさみ
- 針と糸
- まち針
- ミシン(無ければ手縫いでもOK)
- クリップ
それぞれの道具・材料は、手作りホビー材料の専門店・ユザワヤで揃えるとよいでしょう。
生地を丸く切る
生地Aを4つ折りにして、角部分を丸く切ります。生地Bの左側の角2か所と、生地Cの右側の角2か所も、生地Aと同じサイズで丸くカットしてください。
次に、生地B・生地Cの角部分をカットしていないほうの辺を5ミリ~1センチ程度の幅で3つ折りにし、アイロンをかけてステッチしましょう。ここがクッションの出し入れに使う部分になります。
パイピングテープを生地のふちに沿ってとめる
パイピングテープの端を生地Aの端に合わせ、まち針で止めます。丸い角の部分は、表に返したときに突っ張らないようにゆるやかにカーブをつけるのがポイントです。そのままぐるっと一周させ、パイピングテープの始まりと終わりの部分は少し重ねるようにして自然に外側に出しましょう。
パイピングコードが太くて重ねた部分がゴロゴロする場合は、片側のパイピングコードをカットするのがおすすめです。始めのパイピングテープの縫い糸を少しほどいて、終わりの部分と重なるところを中身だけカットしてください。
生地からずれないようにパイピングテープを縫う
生地Aにパイピングテープをミシンで1周して縫い付けましょう。縫う際には生地からパイピングテープがずれないように押さえながら、パイピングコードの横に針が落ちるようにして縫ってください。
縫い代はパイピングコードの太さやパイピングテープの幅にもよりますが、1センチ程度を目安にするとよいでしょう。パイピングテープを縫う際には、中のパイピングコードも一緒に縫ってしまわないように注意してください。
縫い終わったら、パイピングテープの最初の端を折り、終わりのテープを1センチほど重ねてくるんでおきましょう。
布を縫い合わせる
生地の表面を内側にして、生地Aの上に生地Bを乗せます。その上に生地Cを乗せ、まち針で端部分をしっかりと止めてください。次に、生地の周囲をぐるりと1周縫います。縫う場所は、生地Aにパイピングテープを付けた縫い目の上か、やや内側を目安にしましょう。縫い合わせる際には、布の上からパイピングコードを触って位置を確認しつつ、コードを内側に寄せるようにして行うのがおすすめです。
1周縫い終わったら、裏返しの状態のまま端処理をします。ロックミシンやジグザグミシンを使って、1周目の縫い目の上からぐるっとミシンをかけましょう。パイピングコードの影響でうまく端処理ができない場合は、無理に行わなくても問題ありません。
表にひっくり返せば、50センチのパイピングクッションカバーの完成です。45×45センチのクッションがぴったり入るため、裏側の生地B・Cが重なっている部分から市販のクッションを入れて活用しましょう。
ユザワヤで売られているパイピングテープの種類
パイピングテープは自分で手作りするほか、手芸専門店などで購入するのもおすすめです。手芸専門店であるユザワヤは、パイピングテープを多数販売しています。色や柄、パイピングコードの太さなどは商品によってさまざまなので、好みや用途に合ったアイテムを探してみてください。
中でもおすすめは以下の3つの商品です。
・パイピング CP7 a 305
パイピングコードが細いタイプで、幅約10ミリ、長さ2.75メートルの商品となっています。このシリーズはカラーバリエーションが豊富なのが魅力の1つで、装飾として使用する場合にも活躍します。
・和布(ちりめんパイピング)2番色(赤)CP71-2
赤地に和風な柄付きの商品です。カラーバリエーションは4色で、いずれも和調のハンドメイド作品作りに適しています。幅10ミリ、長さ2メートルの商品で、素材はポリエステル100%です。
・メタリックパイピング太芯 ゴールド CP96-2303
メタリックな輝きがある商品で、カラーバリエーションはゴールド・シルバーの2色となっています。幅13ミリ・長さ2メートルでパイピングコードが太いタイプであり、作品のアクセントに用いるのに適しています。
まとめ
パイピングに利用するパイピングテープは市販品もありますが、自作も可能です。バイアステープとパイピングコードを用意し、バイアステープをパイピングコードで挟んで縫い合わせればパイピングテープが完成します。
パイピングは洋服やバッグ・ポーチ、生活雑貨などに幅広く利用されます。中でもパイピングの付いたクッションカバーは初心者でも作りやすいハンドメイド品です。パイピング付きのクッションカバーはころころとしたキュートな雰囲気があり、さらにほつれにくい頑丈な仕上がりになります。自分の部屋を飾れる実用的なハンドメイド品として、まずはクッションカバーにチャレンジしてみましょう。