【作家向け】minneで領収書の発行は必要?断り方も解説!
minneでハンドメイド品を出品すると、購入希望者から領収書の発行をお願いされることがあります。領収書はお金が絡むものだけに、間違えずに対応したいものです。とはいえ、どのように対応すればよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
実は、minneでのやり取りで領収書を発行することはおすすめできません。当記事では、minneでの領収書の発行をおすすめできない理由やスムーズに断る方法、領収書作成の基礎知識などについて解説します。
目次1
minneで商品が売れたときの流れ|領収書の発行は必要?
まず、minneで商品が売れたときの一般的な流れを紹介します。
- 商品の注文が入ると、受注完了メールが届きます。受注の詳細は会員ページで確認します。
- 出品者は購入者に、受注を承った旨をメールで伝えます。その際、入金確認後の発送日数の目安も伝えると良いでしょう。
※発送のタイミングは、決済方法によって変わります。
・電子決済(クレジットカード(クレカ)決済、キャリア決済、コード決済など):すぐに発送準備を行う
・コンビニ・銀行振込:入金確認後に発送準備を行う - 発送完了後、管理画面の「発送完了メールを送信する」ボタンを押して、購入者へ連絡します。
受注の際、購入者から領収書を発行してほしいと依頼されることがありますが、領収書の発行義務は出品者にはありません。なぜなら、購入者はminneに代金を支払い、minneから出品者に入金されるというフローになるためです。
領収書の発行義務は、購入者から直接支払いを受けているminneにあります。ところが、minneには領収書の発行機能がありません。その上、運営会社のGMOペパボ株式会社は、出品者に対応を任せている状態です。
出典:e-Gov「民法」
領収書の発行をおすすめしない理由
購入者から領収書発行を求められても、本来発行義務があるminneは対応してくれません。そこで、購入者が困らないように自分で発行しようと考える出品者もいるでしょう。
しかし、これはおすすめできません。なぜなら、場合によっては領収書の二重発行にあたる恐れがあるためです。たとえば、クレカ決済の場合は明細書が領収書代わりに使えます。ショップも発行すると領収書が二重になり、確定申告の経費水増しに悪用されるなどの可能性が生まれます。
また、仮に購入者がminne発行の10%offクーポンなどを使って購入しても、出品者には状況が分からないため、振込額と異なる金額の領収書を発行してしまうこともあり得ます。
そのため、領収書は発行しないほうが無難です。実際、多くの出品者が「領収書は発行していません」とページ内に明記しています。
minneで領収書の発行を求められたらどう断る?
領収書の発行を求められたとき、「対応していません」と断るだけでは不親切な印象を与えます。購入者も必要があって依頼しているため、一方的に断られると困るでしょう。
対処方法としては、領収書について相談されたら代わりになるものがあると伝えるのがおすすめです。代替方法があれば、納得する購入者も多いでしょう。領収書の代わりとして通用するものに、以下のような書類があります。
- クレジットカード決済:利用明細書
- ゆうちょや銀行振込:預金通帳や振込明細書
- ApplePay:Wallet App
- Google Pay :取引明細
- d払い:NTTドコモの利用明細書
- 後払い:振込受領書
- コンビニ払い:店頭で受け取るレシート
また、あらかじめ「領収書について」の案内ページを作成しておくとよいでしょう。領収書を請求されたとき、「こちらでお知らせしている通り、当店では領収書を発行していません」と断りやすくなります。
領収書についての案内ページは、作品登録ページを利用して作成可能です。
領収書の発行を断るときの例文2選
ここでは、領収書の発行を断るときに使える例文を2つ紹介します。
誠に恐縮ですが、領収書は発行しておりません。
なぜなら、お客様が料金をお支払いいただく先はminneになるためです。お客様と当店の間で金銭のやり取りが発生しないため、領収書を発行することができません。
お支払い時のクレジットカードの利用明細書や銀行の振込明細書などは、領収書の代わりとしてご利用いただけます。
出品者側で確認できる「注文詳細ページ」を印刷したものも、領収書の代わりとして利用可能です。必要な方はご注文の際、備考欄にその旨をご記載いただければ、商品に同封いたします。
ご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
大変申し訳ありませんが、領収書の発行はいたしておりません。
注文詳細ページを領収書の代わりに印刷し、商品発送の際に同封することは可能です。必要な方は注文の際、備考欄に「注文詳細ページの送付希望」とお書き添えください。
また、クレジットカードの利用明細書や銀行の振込明細書などを、領収書の代わりとして使うことも可能です。
お客様にはご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
minneでのメッセージのやりとりについては、下記のリンクからも確認することができます。
minne以外で商品が売れたときに!領収書の書き方と注意点を紹介!
領収書の書き方には、法律によるルールがあります。minneでの売買時には発行しなくても、ハンドメイド作家として、領収書の書き方や注意点を基礎知識として押さえておいて損はありません。
ここでは、項目別の書き方や注意すべきポイントについて詳しく解説します。
なお、ハンドメイド作家が領収書を書く際のポイントは、下記の記事でも詳しく紹介しております。
【書き方】宛名・金額・日付を正しく書く
領収書の宛名は、正式名称での記載が原則です。個人名ならフルネームで、法人なら「(株)○○」などの略式ではなく「株式会社○○」「○○株式会社」などと書きます。
宛名を「上様」と記載することがよくありますが、あまりおすすめはできません。間違いとまではいえないものの、上様では誰に宛てたものかが明確に分からず、使用用途によっては無効となることがあるためです。
金額は、改ざん防止を目的として、以下のように書くことが決まっています。
- 3桁ごとにコンマ(,)
- 金額の先頭は「¥」「金」のどちらか
- 金額の末尾は「※」「ー」「也」のいずれか
日付は料金を受け取った日付を書きます。和暦・西暦どちらでも構いませんが、いずれも省略形は使わず、すべての桁を正確に記載しましょう。
【書き方】但し書きの内容を具体的に書く
但し書きの部分は、以下の2点に注意して書きます。
- 具体的な品物名を書く
- 品目名の後ろに「として」をつける
品目の後ろに「として」をつけるのは、後から書き足せないようにするためです。たとえば、「書籍代として」「お食事代として」などと書きます。
なお、但し書きの欄に「お品代として」と書くことは、慣例的にしばしば行われています。しかし、お品代では具体的に何に料金を支払ったのか分かりません。領収書が不正に使用される可能性も考えられます。正式な支払いとして税務上認められないこともあるため、具体的な品目を書くことが大切です。
【注意点】収入印紙が必要になるケースがある
受取金額が5万円以上の領収書は、収入印紙を貼り付けて消印を押します。消印とは、収入印紙にまたがるようにして印鑑を押すことです。消印にすることで、収入印紙の再利用を防ぎます。
収入印紙は発行者側で用意するものです。1回の販売での売上金額が5万円以上になる見込みがある場合は、収入印紙も準備しておきましょう。
なお、領収書の金額が5万~100万円の場合は200円の収入印紙を貼ります。
出典:国税庁「印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)」
5万円以上で収入印紙の貼付がない領収書は、法律違反です。額面の3倍の罰金が徴収されるため、忘れず貼るようにしましょう。5万円以上でも、クレジットカード払いでは収入印紙は不要です。ただし、「クレジットカード決済によるもの」との旨を明記する必要があります。
【注意点】数字の記載は間をあけないようにする
領収書に金額を書く際は、後から数字を書き足して改ざんできないようにする必要があります。金額の冒頭に「¥」「金」、末尾に「※」「也」を書いたり、3桁ごとにカンマをつけたりするのも不正対策です。金額の間隔も重要で、あまり間を開けて書かないようにしなければなりません。
なぜなら、数字と数字の間が開いていると、そこに数字を加えることが可能になるためです。冒頭や末尾の記号と金額の間も、不必要に開けないよう注意が必要です。日ごろからあまり意識せず、数字の間を開けて書くクセがある人は気をつけるようにしましょう。
まとめ
minneで領収書の発行を依頼されたときは、後のトラブルを避けるためにも断ったほうが無難です。あらかじめ、ショップページに領収書を発行しないと明記しておくと断りやすくなります。また、クレジットカードの利用明細書や銀行の振込明細書などが領収書の代わりになることを伝えると良いでしょう。
ハンドメイド作品が順調に売れるようになると領収書を求められるケースも増えてきますが、丁寧に対応しましょう。また、販売数が増えてハンドメイド用の道具や材料が大量に必要になった際は、ユザワヤなどの大手手芸店のオンラインショップを利用すると便利です。
参考:ユザワヤ