裁ちばさみのおすすめの選び方|素材・メーカーの違いも解説
裁ちばさみは、布地をきれいに切るために欠かせないアイテムです。多くのメーカーから販売されており、種類も豊富なことから、良い裁ちばさみを選ぶためには、複数のポイントを押さえることが大切です。
この記事では、裁ちばさみの基本的な知識を紹介するとともに、裁ちばさみの選び方をさまざまな観点から解説します。用途に合わせた裁ちばさみの素材やサイズの選び方に加え、裁ちばさみのおすすめメーカーも紹介するため、自分に合った良い裁ちばさみを選びたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次1
裁ちばさみとは?
「裁ちばさみ」とは、布地を切ることに特化したはさみを指します。一般的には「裁ちばさみ」と呼びますが、「布切りはさみ」や「ラシャ切ばさみ」と呼ぶこともあります。
裁ちばさみと、紙を切るときに使用するはさみの違いは、刃の鋭さです。裁ちばさみは、繊維を織ったり編んだりした柔らかい布地を切る用途専用に作られているため、刃が薄く鋭い特徴があります。
一方で、紙を切るはさみは、繊維を絡ませて固めた紙を切るため、刃が厚い構造で、裁ちばさみほど鋭くありません。そのため、繊細な裁ちばさみで固い紙などを切ると、切れ味が落ちて柔らかい布地が切れなくなります。裁ちばさみを長く使うためには、布地を切る用途にのみ使用することが大切です。
裁ちばさみの選び方のポイント
自分に合った裁ちばさみを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。選び方のポイントを踏まえた上で、自分にぴったりの裁ちばさみを選びましょう。
・最適なサイズを選ぶ
裁ちばさみは、手の大きさや用途に合うサイズを選ぶことが重要です。240mmを標準とした場合、手が大きい人は少し大きめの260mm以上のサイズを選ぶと使いやすいでしょう。手が小さい人は、200mm前後の裁ちばさみもおすすめです。
また、切る機会が多い布地のサイズに合わせて、裁ちばさみを選ぶことも大切です。大きな型紙に合わせて切り出す際は大きな裁ちばさみが、パッチワークや小物用の小さな布地を切る際は小回りの利く小さな裁ちばさみが便利です。
・布地を切りやすい重さで選ぶ
裁ちばさみの重さもチェックしましょう。用途によって切りやすい裁ちばさみの重さが異なります。大きな布地を直線で切るときは、重さがある裁ちばさみを使うと刃先が安定し、直線を保ったままきれいに切れます。一方、曲線や細かい部分を切るには、手元で調整しながら切れる軽い裁ちばさみがおすすめです。
・安全性を考慮して選ぶ
裁ちばさみは刃先が鋭いため、取り扱いに注意する必要があります。保管や持ち運びのときの安全性を考え、刃先を収納できるケースやキャップ付きの裁ちばさみがおすすめです。特に子ども用の裁ちばさみは、けが予防のためにもケース付きを選びましょう。
また、裁ちばさみは、用途や布地のサイズによって2本以上を使い分けることがおすすめです。以上のポイントを参考に、自分に合う裁ちばさみを選んでください。
【裁ちばさみの選び方】おすすめの素材3選
裁ちばさみを購入する際は、素材の特徴や違いを理解した上で選ぶ必要があります。素材は、重さや切れ味、強度といった点で、裁ちばさみの使いやすさに大きく影響します。
裁ちばさみの用途によっておすすめの素材が異なるため、素材の違いを踏まえて、自分にとって最適な裁ちばさみを選びましょう。
ステンレス
ステンレスは、空気中の湿気などでサビにくく、裁ちばさみに使われる鋼材の中では軽いことが特徴です。お手入れに手間がかからない上に、手ごろな値段で販売されています。使い勝手が良いため、手軽に使える裁ちばさみが欲しい人におすすめの素材です。
ただし、安さ重視でステンレスの裁ちばさみを選ぶと、切れ味が長持ちしない場合があります。また、安全性を考慮して刃先を丸く加工した商品もありますが、細かい部分を切りたい場合には向きません。値段だけで判断せず、切れ味や性能、自分にとっての使いやすさをチェックして選びましょう。
着鋼
着鋼(ちゃっこう)は、全体には軟鉄を使用し、刃部分に鋼を使った裁ちばさみです。鋼は、鉄に少量の炭素を加えた合金であり、軟鉄よりも硬い性質を持っています。着鋼は軟鉄と鋼を部位によって使い分け、折れにくい軟鉄のしなやかさと硬い鋼の切れ味の良さを生かした素材です。
着綱の裁ちばさみは、鋭い切れ味が持続し、布地を裁断しやすいものの、ステンレス製や全銅の裁ちばさみに比べて値段が高い傾向があります。刃が折れたり欠けたりしにくいため、裁ちばさみを長く大切に使いたい人におすすめの素材です。
全鋼
切れ味重視の人は、はさみ全体に鋼を使った全鋼の裁ちばさみがおすすめです。硬く鋭利な刃が特徴で、薄い布地はもちろん、厚みのある布地もスムーズに切り出せます。
全綱の裁ちばさみは、切れ味が良く重量があるため、大きな布地の切断にも向いています。値段は、着綱とステンレスの中間程度の価格帯が多い傾向です。
なお、全鋼の裁ちばさみは刃が硬く鋭い切れ味である反面、素材の柔軟性が低く、落とした衝撃で折れたり刃先が欠けたりする恐れがあります。そのため、取り扱いや使用後のお手入れ方法に注意が必要です。
【裁ちばさみの選び方】おすすめのメーカー3選
裁ちばさみは、多くのメーカーから販売されています。どのメーカーも品質の高い裁ちばさみを販売しており、メーカーによって強みはさまざまです。そのため、どのメーカーの裁ちばさみが良いかは、人によって異なります。
以下では、裁ちばさみを選ぶ際におすすめしたいメーカーを3つ紹介します。主要メーカーの概要や特徴を踏まえて、自分に合う裁ちばさみを選びましょう。
庄三郎
「庄三郎」は、日本を代表するはさみメーカーの1つです。刀鍛冶職人の技術をはさみに取り入れ、鋭い切れ味の裁ちばさみを作り続けています。
庄三郎は均一な製品づくりを実現するため、多くの製造工程で機械化を進めていますが、はさみの切れ味やかみ合わせは職人が昔ながらの方法で仕上げをしています。経験により培った技術のもと、職人の手によって丁寧に調整した裁ちばさみは、驚くほど心地の良い切れ味です。
庄三郎の裁ちばさみは品質の良さから知名度が高く、多くのプロに愛用されています。
菊一文字
「菊一文字」は、700年以上の伝統がある京都の刃物メーカーです。卓越した技術と伝統を大切に、高品質な刃物づくりを行っています。幅広い価格帯の裁ちばさみを扱っており、熟練の職人技で作る軽い切り心地と使いやすさが支持されています。
研ぎ直しや修理などのアフターサービスも、菊一文字の魅力です。購入から年数がたった製品でも引き受けてくれることから、日本のみならず海外の人からも愛用されています。1本持っていれば、メンテナンスしながら世代を超えて愛用できるでしょう。
ツヴィリング J.A. ヘンケルス
刃物の産地であるドイツの有名刃物メーカー「ツヴィリング J.A. ヘンケルス」は、長い歴史を持つブランドです。特徴的な双子のマークを見たことがある人は多いでしょう。
包丁や鍋などの調理器具を販売しているイメージが強いツヴィリング J.A. ヘンケルスは、裁ちばさみも製造しており、鋭い切れ味で人気があります。刃はサビにくいステンレスを使用しており、お手入れが簡単です。強化樹脂の持ち手はソフトな握り心地であるため、長い時間使っても疲れにくい裁ちばさみです。
まとめ
裁ちばさみは、きれいに布地を切断するためには欠かせません。裁ちばさみを選ぶ際は、手の大きさや重さだけではなく、素材による違いやメーカーの特徴を理解した上で、自分の用途に合う製品を選びましょう。
また、大きな布地を切る用途と、細かい部分を調整する用途に向いている裁ちばさみは異なります。そのため、可能であれば2つ以上の裁ちばさみを使い分けることがおすすめです。
ハンドメイド品の材料や道具を販売している「ユザワヤ」では、さまざまなメーカーの裁ちばさみを取り扱っています。購入を検討している人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
参考:ユザワヤ