靴下の穴を補修するには?ダーニングの方法や補修のポイントも紹介!
靴下は日々使うものであるため、気付いたらつま先やかかと部分に穴があいていたということもあります。靴下に穴があいたら買い換える・捨てるという方も多いかもしれませんが、針と糸で補修すればより長く使い続けることができます。方法によっては、カラフルでおしゃれな仕上がりにすることもできるでしょう。
当記事では、靴下の穴を手縫い・補修シートで補修する方法、おしゃれな補修技法であるダーニングのやり方などを紹介します。靴下の穴の補修方法でお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次1
靴下のかかと・つま先にできた穴は補修できる?
靴下は特にかかとやつま先部分に穴ができやすく、穴があいている場所によってさまざまな原因が考えられます。
靴下に穴があく主な原因は下記の通りです。
- 足の爪が長い
- かかとが乾燥している
- 靴のサイズが合っていない
- 歩き方に癖がある
靴下のつま先や親指部分の穴は足の爪が原因であるケースが多く、こまめに爪を切ることで靴下を長持ちさせられます。かかとの穴は乾燥してガサガサになったかかとが擦れている可能性が高いため、保湿を心がけましょう。
靴のサイズが小さいと、靴と足の間で靴下が擦れて穴があきやすくなります。また、靴のサイズが大きい場合にも、足がフィットせずに動いてしまうことで摩擦が起こり、生地に負担がかかります。
さらに、歩く際に重心が傾いている人、歩くスピードが早い人は、摩擦が強くなり穴があきやすい傾向です。
靴下は穴があきやすいことから消耗品と考える人もいますが、自宅で直して使うのも1つの手です。靴下の穴の補修としてつま先やかかとに適切な処置をすれば、靴下を長持ちさせられます。
靴下の穴を手縫いで補修する方法
靴下の穴は手縫いで補修することが可能です。針と糸さえあれば手軽に補修できるため、やり方を身に付けておくとよいでしょう。
靴下の穴の縫い方・コツは、以下の通りです。
(1) | まずは縫い糸を選びます。糸を靴下の上に置き、生地と近い色を選ぶことで補修跡が目立たなくなります。また、できるだけ細めの糸を選ぶのもポイントです。 |
---|---|
(2) | 針穴に糸を通して先端を玉結びします。履き心地が気になる人は返し縫いがおすすめです。 |
(3) | 靴下を裏返し、編み地の縦方向に沿って穴の上下を交互にすくうようにしてタテ糸を通しましょう。穴が小さい場合には、穴全体にタテ糸を通し終えた時点で糸を引っ張り、玉止めまたは返し縫いをして補修を終えることも可能です。 |
(4) | (2)のタテ糸に交差させるようにヨコ糸を通します。タテ糸を1つ飛ばしですくう織物をイメージすると分かりやすいでしょう。 |
(5) | ヨコ糸を通し終わったら糸を引っ張り、玉止めまたは返し縫いをして完成です。 |
靴下の穴を補修シートで補修する方法
靴下のかかとなどの穴を補修したい場合、市販の補修シートを使用すればより手軽に穴を塞ぐことが可能です。
靴下用の補修シートは手芸用品店などで購入可能であり、白・黒・紺などのさまざまなカラーバリエーションがあります。シートの裏側が接着面となっており、アイロンを使って靴下に貼り付ける仕組みの便利グッズです。
靴下の穴をアイロン用の補修シートで補修する方法・ポイントは、以下の通りです。
(1) | 補修シートを穴よりも大きめにカットします。靴下を裏返し、補修シートの接着面を下にして穴の上に置きます。 |
---|---|
(2) | アイロンを15秒ほど当て、靴下にシートを接着させましょう。アイロンの温度やプレスする長さはシートの種類によって異なるため、説明書きをよく読んで指示に従いましょう。 |
(3) | 靴下を表向きに戻し、シートがしっかりと接着できていれば完成です。 |
靴下の穴をおしゃれに補修するダーニングにも挑戦してみよう!
ダーニングはヨーロッパで古くから使われている補修技法であり、タテ糸とヨコ糸を織物のように掛け合わせる方法です。
ダーニングに必要な道具は下記の通りです。
- 縫い糸
- 縫い針
- 糸切りはさみ
- ヘアゴム
- チャコペン
- ダーニングマッシュルーム
ダーニングマッシュルームは電球やカプセルトイのカプセルなど、球体・ドーム型のアイテムで代用できます。
ここでは、ダーニングの手順について詳しく解説します。
ダーニングのやり方|四角
靴下の穴を四角いダーニングで補修する方法は、以下の通りです。
(1) | ダーニングマッシュルームに靴下を被せて球体の中央に穴がくるよう調整し、根元をヘアゴムで固定しましょう。 |
---|---|
(2) | 玉結びせずにダーニングしたい四角の角に針を通し、縁取りするように四角く並縫いします。難しい場合はチャコペンでガイドラインを引きましょう。このとき、最後の糸始末のため10センチほど余裕を持たせて縫い始めます。 |
(3) | 四角の内側を埋めるイメージで、端から順に縦縫いしましょう。 |
(4) | 針を抜いて糸を10センチほど残して切り、ヨコ糸を用意します。1色で仕上げる場合は、糸を変えずにヨコ糸を縫い始めて問題ありません。糸の端を10センチ残して四角の角をひと針縫い、タテ糸を1本おきにすくいます。すべてすくったら端をひと針縫いましょう。 |
(5) | 方向を変えて(4)とは互い違いになるようにタテ糸をすくい、1段目との隙間を埋めるように目を詰めて端をひと針縫います。 |
(6) | (5)の作業を繰り返してヨコ糸を縫い終えたら端を10センチほど残して糸を切り、ダーニングマッシュルームを外します。糸端を針に通して靴下の裏側に引き出し、縫い目に糸をくぐらせてカットしましょう。飛び出している糸端をすべて処理したら完成です。 |
ダーニングのやり方|丸
靴下の穴を丸いダーニングで補修する方法は、以下の通りです。
(1) | ダーニングマッシュルームに靴下を被せて球体の中央に穴がくるよう調整し、根元をヘアゴムで固定しましょう。 |
---|---|
(2) | 玉結びせずにダーニングする位置に針を通し、丸く縁取りするように並縫いします。このとき、最後の糸始末のため10センチほど余裕を持たせて縫い始めましょう。 |
(3) | 丸の内側を埋めるイメージで端から順に縦縫いします。 |
(4) | 針を抜いて糸を10センチほど残して切り、ヨコ糸を用意します。1色で仕上げる場合は、糸を変えずにヨコ糸を縫い始めて問題ありません。ヨコ糸は、丸の中央から外側に向かうように半円ずつに分けて縫い進めるのがおすすめです。糸の端を10センチ残して縫い始めをひと針縫ったら、タテ糸を1本おきにすくってひと針縫います。 |
(5) | 方向を変えて(4)とは互い違いになるようにタテ糸をすくい、1段目との隙間を埋めるように目を詰めて端をひと針縫います。 |
(6) | (5)の作業を繰り返してヨコ糸を半円分縫い終えたら糸を10センチ残して切り、もう1度針に糸を通して中央から残りの半円分を縫いましょう。 |
(7) | 端を10センチほど残して糸を切ったらダーニングマッシュルームを外します。糸端を針に通して靴下の裏側に引き出し、縫い目に糸をくぐらせてカットしましょう。飛び出している糸をすべて処理したら完成です。 |
靴下の穴をおしゃれ・丈夫に補修するポイントは?
靴下の穴を自分好みに補修したい場合は、糸の色にこだわるのがよいでしょう。また、強度を上げたい人は接着芯を使用するのが有効です。
ここでは、靴下をおしゃれ・丈夫に補修するためのポイントについて詳しく解説します。
糸の色にもこだわってみる
靴下の補修は選ぶ糸の色によって仕上がりの雰囲気が大きく変わるため、靴下の色との相性を考えながら糸を選ぶのがおすすめです。
補修跡を目立たないようにしたい人は、靴下の生地と同系色の糸を選択しましょう。また、あえて反対色やカラフルな色を選び、補修跡をワンポイントとして生かすのも1つの手です。
ダーニングで靴下の穴を補修する際は、タテ糸とヨコ糸の色を変えることでコントラストが美しいチェック模様に仕上がります。また、ダーニングの形を工夫すれば、さまざまなデザインのワンポイント刺繍で自分だけの靴下が完成します。ただ補修するだけでなくおしゃれにアレンジすることで、より愛着が強くなるでしょう。
接着芯を活用して丈夫に補修する
靴下の穴を丈夫に補修したい場合、接着芯を使用した上でダーニングするのがおすすめです。接着芯は樹脂を吹き付けた布であり、アイロンで接着させて使用します。穴を塞ぐように靴下の裏側に貼り付け、さらに上からダーニングしましょう。接着芯を使うことで、ダーニングのみで穴を塞ぐよりも丈夫な仕上がりとなります。
まとめ
靴下は特につま先やかかと部分が摩擦によって穴があきやすく、爪の長さやかかとの乾燥、靴のサイズ、歩き方などその原因はさまざまです。靴下に穴があいた場合でも、手縫いや補修シートを活用すれば簡単に補修できるので、より長く愛用できるでしょう。
靴下の穴を補修するときは、補修技法の「ダーニング」に挑戦してみるのもおすすめです。ダーニングはタテ糸とヨコ糸を織物のように掛け合わせる方法であり、針や糸、はさみ、ヘアゴム、球体・ドーム型のアイテムがあればすぐに始められます。