ラクマで返品を求められたら?返品対応や拒否ができる状況を解説
ハンドメイド作家が取引を行うとき、便利なフリマアプリの1つにラクマがあります。多数の出品者がハンドメイド作品を販売しており、運営事務局のサポートを受けられるため、安心して作品を販売できるでしょう。
ラクマで取引を何度も行っていると、購入者からクレームを受けることがあります。例えば、急に購入者から「イメージと違ったため返品したい」「商品に傷があったため返品したい」などと言われた場合、どうすればいいでしょうか。
この記事ではラクマで返品を求められたとき、対応を拒否していい条件や返品手続きの手順、返品を防ぐ方法について解説します。
目次1
ラクマで返品は可能?
ラクマとは、フリマアプリの1つで日用品や不要になった雑貨などを販売できるサービスです。スマホで撮った写真を使い、商品の出品が簡単にできます。2023年1月時点でハンドメイドカテゴリの購入可能な品数が530万件を超えていることからもわかる通り、ハンドメイド作品を多くの方が販売しています。トラブルが起きた際はラクマ運営事務局のサポートを受けられるため、直接取引をするよりも、安心してハンドメイド作品の販売ができるでしょう。
ラクマでは、取引中の商品の返品は原則できません。ただし、理由が出品者側の過失であった場合は返品が認められます。以下では、ラクマで返品が認められるケース・認められないケースについて紹介します。
原則として一度購入した商品のキャンセルは不可
ラクマでは、下記のような購入者都合ととられる理由では、返品が認められません。
- 購入したが必要ではなくなった
- 勢いで買ってしまった
- 購入時のイメージと違った
このような場合は、返品依頼がきた際も丁重にお断りをしましょう。
また、すでに商品の受取評価がされている場合も返品の必要はありません。ラクマでは受取評価を行うときに「商品を受け取り、内容を確認しました」というチェックボックスにチェックを入れなければ、評価が完了しません。受取評価が完了したということは商品の内容を確認し、取引が完了したことになるため、それ以降の返品は購入者都合になります。
出品者に原因があった場合返品・返金が必要
一方で、下記のように出品者側に原因がある場合は返品が認められています。
- 届いた商品が出品していたものと明らかに違う場合
- 出品ページに記載がされていなかった破損や汚れ、傷があった場合
- 商品に不足しているものがあった場合
このように、明らかに出品者側に過失がある場合は、責任を持って購入者に返金処理をしなくてはなりません。購入者から返品したい旨の連絡がきたら、理由を確認の上、誠実に対応しましょう。
ラクマではノークレーム・ノーリターンは不可能
ラクマでは、出品者が自分だけのルールを設定し取引することを禁止しています。例えば「ノークレーム・ノーリターン」「クレームは受け付けません」「いかなる理由でも返品不可」などを出品ページに記載し、トラブルに対応しないのは認められません。このことはラクマの公式サイトからも注意喚起がなされています。
なるべくトラブルを防げるよう、商品の状態などは出品ページに細かく記載しておきましょう。もし購入者の手に届いた後に不備が発覚してしまったら、誠実に対応してください。
ラクマでの返品対応方法
ラクマで、購入者側から返品の話が出た場合、出品者として誠実に対応しなくてはなりません。
悪い評価を受けたり、トラブルが悪化したりしないよう、以下の返品手順を参考に、丁寧に対応してください。
1 | 購入者からの返品依頼に返信 |
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購入者から返品希望の取引メッセージがきたら、返品理由を聞き、商品の状態を確認しましょう。原因が出品者側の過失であれば受け入れる必要があります。 |
2 | 購入者に返送の依頼をする |
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出品者と購入者、どちらとも同意をしたら、返品の手続きを進めます。購入者に返送の依頼をする際には、出品者側の不備が原因であれば送料を負担する必要があるため、着払いでの返送をお願いしましょう。 |
3 | 商品が手元に届いたら手続きをする |
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返品商品が手元に届いたら、取引のキャンセル手続きをしましょう。取引ページにある「取引をキャンセルする」というボタンを押します。その後、購入者側が承諾し、運営事務局が処理をするとキャンセルが成立します。キャンセル処理がされると取引メッセージが送れなくなるので注意しましょう。 |
ラクマで返品を防ぐ方法
ラクマでハンドメイド作品を販売する際、できることならトラブルなくスムーズに取引を終えたいと考えるでしょう。実際に返品対応が重なると、時間と労力を費やすことになり、作家活動にも影響が出るかもしれません。
返品対応といった不測の事態を避けるためには、商品出品の段階から対策が必要です。以下のように、商品ページに注意事項を記載することでリスクヘッジができるので、ぜひ参考にしてください。
仕上がりや色味にばらつきがあることを伝える
作品の仕上がりや色味にばらつきができてしまうことは、商品説明欄に必ず記載しておきましょう。
ハンドメイドは、仕入れる材料などにより完成品のばらつきがどうしても出てしまいます。一つひとつのちょっとした違いが手作りの良さとも捉えられますが、購入者側の理解がないとクレームにつながりかねません。
「生地柄の模様の出方が違ってしまう」「その時々に仕入れた材料で色味に違いが出てしまう」など、予想されるイメージ違いは事前に伝えるよう心がけましょう。
商品の取り扱い方や破損部分を明記する
商品の取り扱い方や破損と思われかねない部分は、出品者と購入者で認識の違いが起きやすい内容です。なるべく細かく、商品ページに記載するようにしましょう。
取り扱い方は、「このような使い方は壊れやすい」「この洗濯方法だと色落ちする」のような内容です。もし購入者が知らずに壊してしまったら、不良品と思われてしまう上に、悪い口コミにもつながってしまいます。
また、「金具が出っ張っている部分がある」など、破損に見える部分も注意書きとして記載しておくと安心です。
商品ページに書いていないことで、出品者側の過失ととられ返品対応を求められることもあります。懸念される点は予め理解してもらえるよう心がけましょう。
返品や返金対応について明記する
ラクマでは、「いかなる理由でも返品は受け付けません」のような独自ルールは禁止されています。ただ、購入者側の自己都合で返品を求められると対応に困るでしょう。
そこで、予め商品ページに返品や返金の対応について記載しておくことをおすすめします。
- 「購入者様のご都合での返品はご遠慮ください」
- 「イメージ・色味などが違うなどの理由での返品はご遠慮ください」
このように返品に応じるハードルを明記しておくだけでも、トラブル防止につながります。
「購入申請あり」に設定する
ラクマには「購入申請」の仕組みがあります。購入申請とは、商品の購入前に一度出品者へ購入できるかの確認を必要とする機能です。
購入申請を「あり」に設定しておくと、実際に買われる前に「どのような人が購入したいと思っているか」を確認できます。このタイミングで、出品者評価が低い購入希望者へ断りを入れることも可能です。購入申請の機能を使えば、トラブルの防止にもなるでしょう。
紛失補償付きの配送を利用する
商品販売に細心の注意を払い発送までを完璧に終えられたとしても、配送業者のトラブルで商品が紛失してしまったら元も子もありません。購入者は商品を受け取れず、出品者も赤字となってしまいます。
そのような万が一の事態に備え、配送方法は紛失補償があるものにしておくといいでしょう。配送で紛失事故が起こったとしても一定金額を上限に補償金を受け取れるため、お互い安心感をもって取引ができます。ラクマが対応している紛失保証付き配送方法には以下のようなものがあります。
配送方法名 | 保証金額上限 |
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かんたんラクマパック | 10万円または30万円(配送方法により変動) |
日本郵便(セキュリティサービス) | 50万円 |
日本郵便(一般書留) | 500万円 |
佐川急便(運送保険) | 5,000万円 |
まとめ
ラクマでは原則として商品の返品を受け付けていませんが、明らかに出品者側に問題があれば出品者は誠実に対応し、返品作業をする必要があります。「ノークレーム・ノーリターン」など、返品を受け付けない内容を出品ページに記載し、対応しないことはできません。
もし返品の必要があれば、購入者からの返品依頼に返信して内容を確認し、返送依頼をしましょう。商品が手元に届き次第取引のキャンセル手続きを行えば、返品作業は完了します。
返品対応といった不測の事態を避けるためにも、事前に商品のばらつきや取り扱い方、返品対応などを明記するように心がけましょう。また、購入申請を利用したり、紛失保証付きの配送方法を使ったりすることも効果的です。