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公開日: 2023.05.23
最終更新日: 2023.05.23

シャツにおすすめの生地とは?素材や織り方別に解説

シャツにおすすめの生地とは?素材や織り方別に解説

シャツは世代・性別を問わず人気の定番アイテムであり、ほかの衣類同様素材によって着心地や機能が大きく変わります。シャツに使われる生地には、コットン・ポリエステル・リネンなどさまざまな種類があり、それぞれ肌触りや耐久性、お手入れのしやすさが異なります。シャツを手作りしたいと考えている人の中には、シャツに使われる生地の特徴や生地を選ぶポイントが知りたいという人もいるでしょう。

当記事では、シャツに使われる生地を素材別に紹介します。シャツの生地に関して詳しく知りたい人やおすすめの織り方を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.【素材別】シャツに使われる生地の種類

シャツは素材によって着心地や機能が大きく変わります。また、肌に触れる部分が多い衣服のため、着る人に合った素材選びが大切です。たとえば、コットンやリネンは肌に優しい素材であるため、着心地の良いシャツがほしいという人におすすめです。

ここでは、シャツにおすすめの生地4つと、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

1-1.コットン

コットンとは「綿(わた)」の種子毛から採れる繊維をベースに作られた糸や布を意味し、日本名では「綿(わた、めん)」と呼びます。

コットンの主な特徴
コットンをシャツにした場合のメリット
  • 肌触りが良く柔らかい
  • 通気性と保温性を兼ね備えている
  • 耐久性が良い
コットンをシャツにした場合のデメリット
  • 縮みやすい
  • シワになりやすい
  • 乾きにくく黄ばみやすい

市販されているシャツ素材としてポピュラーなのがコットンです。天然繊維ならではの、柔らかく自然な生地感は肌に優しく着心地が良いのが特徴です。

また、オーガニック農法で栽培され収穫や加工の工程でも薬剤や化学物質を極力使用していないものは「オーガニックコットン」と呼ばれ重宝されています。

1-2.ポリエステル

ポリエステルとは、石油を原料として作られた樹脂を繊維状に加工したもので正式名称は「ポリエステル繊維」です。化学繊維・合成繊維に分類されるメジャーな素材で、世界の衣類の約半数がポリエステル繊維で作られているとも言われています。

ポリエステルの主な特徴
ポリエステルをシャツにした場合のメリット
  • シワになりにくい
  • 縮みや伸びに強い
  • 乾きやすい
ポリエステルをシャツにした場合のデメリット
  • 敏感肌の人には向かない
  • やや硬めの肌触り
  • 汚れがつきやすい

ポリエステルは軽くて丈夫なため、手入れがしやすくコストパフォーマンスが良いと人気の素材です。清潔感のある光沢性も特徴で、特にビジネス用のワイシャツの素材として好まれています。

1-3.リネン

リネンとは、植物の「亜麻(あま)」から採取された天然繊維です。高温多湿な日本で、夏でも涼しく着られる素材として古くから親しまれてきました。

リネンの主な特徴
リネンをシャツにした場合のメリット
  • 繊維が丈夫でしっかりとしている
  • 通気性と保温性を兼ね備えている
  • 汚れが落ちやすい
リネンをシャツにした場合のデメリット
  • シワがつきやすい
  • ザラザラとした肌触り

リネンはコットンと比べて4倍の吸水性があり、汗や湿気を上手に逃がす清涼感のある着心地が特徴です。麻特有のざっくりとした天然素材ならではの質感が、カジュアルな雰囲気を演出します。

1-4.混紡

混紡(こんぼう)とは、2つ以上の異なる繊維を混ぜ合わせて作った素材です。混ぜ合わせる素材・割合によって、仕上がりが異なります。

混紡の主な特徴
混紡をシャツにした場合のメリット
  • 機能性が高い
  • 手入れがしやすい
  • 質感が良い
混紡をシャツにした場合のデメリット
  • ものによっては高くなることがある
  • 用途に応じた使い分けを考える必要がある

シャツに使われる混紡生地の素材は、ポリエステルとコットンが主流です。ポリエステルの割合が高いほど「安価で、防シワ性が高く丈夫」で、コットンの割合が高いほど「価格は高くなるが、柔らかく通気性が高い」仕上がりとなります。

2.シャツにおすすめの生地の織り方とは

シャツの肌触りや光沢感、通気性、伸縮性などを左右するのは素材だけではありません。同じ素材でも、繊維の織り方によって見た目や機能に違いが出ます。

ここでは、シャツにおすすめの4つの織り方の特徴と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

2-1.ブロード

ブロードとは、平織りの一種で同じ太さの糸を1本ずつ交差させる織り方です。明確な基準はないものの、60番手以上の細めの糸が使われる傾向にあり、40番手以下の太い糸で織られた場合にはブロードではなく「ポプリン」に分類されます。

ブロードの主な特徴
ブロードでシャツを織った場合のメリット
  • 滑らかな質感
  • ハリツヤがあり丈夫
  • 薄手で軽やかな仕上がり
ブロードでシャツを織った場合のデメリット
  • シワになりやすい
  • 毛玉ができやすい
おすすめ度合い
  • ワイシャツ>Tシャツ

ブロードで仕上げる衣類の定番は、フォーマル向けのワイシャツやブラウスです。耐久性の強さから、学生服のシャツにも使われています。また、布としても扱いやすいため、家庭用のミシンでのハンドメイドにもおすすめです。

2-2.ツイル

ツイルとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を都度交差させず飛ばしながら編み込んでいく方法です。線を引いたような織り目が特徴で、厚みのある丈夫な生地に仕上がります。

ツイルの主な特徴
ツイルでシャツを織った場合のメリット
  • 柔らかく肌触りが良い
  • 伸縮性に優れている
  • シワになりにくい
ツイルでシャツを織った場合のデメリット
  • 摩擦に弱い
  • 破けやすい
おすすめ度合い
  • ワイシャツ<Tシャツ

糸の交差が少ない分、生地表面に適度な光沢が生まれ高級感がでます。デニムパンツやジャケットなど幅広く使われています。シワになりにくいため、アイロンをかけずにそのまま着たいアイテムへの使用がおすすめです。

2-3.鹿の子編み

鹿の子編みとは平編みの一種で、名前は仕上がりが鹿の子どもがもつ斑点模様に似ていることに由来しています。英語では「シード・ステッチ」や「モス・ステッチ」と呼ばれ、表面がデコボコとしているのが特徴です。

鹿の子編みの主な特徴
鹿の子編みでシャツを織った場合のメリット
  • 肌への接触面が少なく、サラッとした着心地
  • 型崩れしにくい
  • 乾きやすい
鹿の子編みでシャツを織った場合のデメリット
  • 横方向への伸縮性が少ない
  • 光沢感はない
おすすめ度合い
  • ワイシャツ<Tシャツ

鹿の子編みは、春夏に好まれるポロシャツの定番生地です。表面の凹凸が、通気性の良さと乾きやすさ・着心地の良さを演出します。風合いはカジュアルシーン寄りで、フォーマルな衣類よりもスポーツウエアやワークシャツなどに用いられる傾向にあります。

2-4.天竺編み

天竺編み(てんじくあみ)とは、編み方の基本である「平織り」のことです。古来、インド(天竺)で作られていた織物が平織りであったことに由来しています。1本の糸でループを作って編み込んでいくシンプルな方法で、表面と裏側で網目が異なります。

天竺編みの主な特徴
天竺編みでシャツを織った場合のメリット
  • 伸縮性がある
  • 型崩れしにくい
  • 通気性、吸水性が高い
天竺編みでシャツを織った場合のデメリット
  • 生地が薄い
  • 毛羽立ちやすい
おすすめ度合い
  • ワイシャツ<Tシャツ

機能面も優れており、家庭用の洗濯機で頻繁に洗っても問題ないでしょう。薄手で着心地が良い仕上がりとなるため、Tシャツやニットなどゆったりと着る衣類に向いています。

シャツの生地を選ぶポイント

シャツの生地選びで大事にしたいポイントを、「Tシャツ」「ワイシャツ」それぞれ3つずつ紹介します。

【Tシャツ生地】

着心地の好み
着る人の好みに合わせた生地選びをしましょう。厚手でしっかりした生地が好きな人もいれば、エアリーでふんわりとした生地を好む人もいます。
機能面
速乾、吸湿性、UVカット、洗いやすさなど、生地から得られる機能はさまざまです。着用シーンから、最適な素材や生地を考えましょう。
生地の重さ
Tシャツは、半袖で100~150g・長袖で200~250g程度が一般的な重さです。重すぎても着心地が悪く、軽すぎても耐久性が低くなります。

【ワイシャツ生地】

扱いやすさ
ワイシャツの使用頻度を考えて、ライフスタイルに合わせた扱いやすい生地を選択しましょう。ホームケアが主となる場合は、シワが付きにくく型崩れしにくいものが向いています。
光沢の有無
光沢は、ワイシャツの印象を大きく左右します。ハリ感が高いもの・程よい光沢のあるもの・マットな質感など好みに合わせて選びましょう。
糸の太さによる着心地
ワイシャツでは、仕上がりの透け感を抑えるために40~120番手の太めの糸が使われる傾向にあります。柔らかさや光沢感を重視したい場合には、120番手以上の細い糸がおすすめです。

まとめ

シャツに使われる生地には、コットン・ポリエステル・リネン・混紡などの種類があります。コットンをシャツにした場合は、柔らかく自然な生地感のある仕上がりになり、ポリエステルを使用した場合は清潔感のある仕上がりになります。

シャツの伸縮性や光沢感、肌触りは繊維の織り方によっても変化するので、着心地の好みや扱いやすさを考えた上で生地の種類・織り方を選びましょう。平織りの一種であるブロードは、滑らかな質感であるため布として扱いやすく、ハンドメイドにもおすすめです。