レジンの硬化時間を種類別に解説!硬化不良の原因と対策も
レジン液は、種類によって硬化時間が大きく異なります。作業効率にも関わってくるため、それぞれの液が硬化にどれくらい時間がかかるのか知りたい人も多いでしょう。当記事では、レジンの種類別の硬化時間や、UVレジンを太陽で硬化する場合にかかる時間、効率よく硬化する方法などについて解説します。
しっかり固まらず硬化不良を起こしたときや、べたつきが起こったときの原因と対策についても触れます。これからレジンでの制作をを始める人や効率的にレジン制作をしたい人は、ぜひお役立てください。
目次1
レジンの硬化時間はどれくらい?
ハンドメイドで使われるレジンには、主に「エポキシレジン」「UVレジン」「LEDレジン」の3つがあり、それぞれ固める方法が異なります。エポキシレジンは主剤と硬化剤を混ぜると、UVレジンとLEDレジンは紫外線やLEDをあてると固まる性質を持つのが特徴です。エポキシレジンは硬化に数日必要ですが、UVレジンとLEDレジンは専用のライトをあてると数分で固まります。
エポキシレジンの硬化時間
エポキシレジンは、主剤と硬化剤の2液を混ぜることで起こる化学反応によって硬化します。中心まで硬化するのに時間がかかり、作品の大きさや環境によって異なりますが、完全に硬化するまで1〜3日ほど必要です。
小さな作品ほど早く固まるイメージがありますが、実際には大きな作品のほうが硬化の進みが早い傾向にあります。作品が大きいほど液体内のあちこちで化学反応が進むためです。小さな作品は化学反応が少なく、ゆっくり固まります。
硬化時間に影響するのはサイズだけではありません。温度も関係し、気温が高いほど早く固まり、気温が低いほどゆっくり固まります。
UVレジンの硬化時間
UVレジンは紫外線に反応するため、UVライトや太陽光で固めることが可能です。レジンの硬化方法によって、硬化時間の目安はそれぞれ下記のように異なります。
- UVライト:36Wで5分ほど
- 太陽光(晴天時):30分ほど
- 太陽光(雨天時):1時間ほど
UVライトはUVランプのワット数で硬化時間が異なり、ワット数が高ければ、硬化時間は数分程度です。日光にあててレジンを硬化させる場合は天気も関係し、晴れているときのほうが硬化時間が短くなります。
LEDレジンの硬化時間
LEDレジンは硬化が早く、LEDライトを照射して1分程度で固まります。作品の大きさによってはもう少し時間がかかることがあるものの、基本的に短時間です。素早く固まるため、作品作りがスムーズに進められます。
また、LEDレジンはUVレジンより透明度が高いことが大きな特徴です。レジンならではの涼しげでクリアな仕上がりが楽しめます。
UVライトの代替案
UVレジン液を使う場合、UVライトがなくても下記の代用品で固められます。
- 太陽光
- 100均のブラックライトペン
- 蛍光灯
晴れている日中に作業する場合は、窓際に置いて太陽光にあてるとよいでしょう。陽が届く場所であれば15分程度で固まりますが、完全に硬化するためには30分ほどあてるのがおすすめです。
100均ではブラックライトペンが販売されています。ブラックライトとは、紫外線を発するライトのことです。レジン用ではないので紫外線が弱く時間はかかりますが、UVライトの代用品として使用できます。
蛍光灯もわずかながら紫外線を発しているので、代用品として利用可能です。ただし、紫外線量が微弱なため硬化にかなり時間がかかる点に注意しましょう。
太陽光で硬化するメリット・デメリット
太陽光を利用してUVレジンを硬化する方法には、下記のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
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作品を販売したい人や作品作りを長く楽しみたい人は、UVライトがあったほうが効率的に作業ができるでしょう。
硬化時間を早くするなら
エポキシレジンは気温が高いほど硬化が早くなると言われており、夏に比べて冬は硬化に時間がかかります。UVレジンの硬化時間を短くしたい人は、以下の硬化時間を早める方法をお試しください。
エポキシレジンの硬化時間の早め方 |
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ヒーターやドライヤーの温風で温めましょう。作品の大きさによって異なりますが、早ければ10分ほどで硬化します。なお、レジン液は総量50g以下にするのがポイントです。総量が50g以上の場合は、急速な硬化で収縮や変形が起こるリスクがあります。 |
UVレジンの硬化時間の早め方 |
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レジンはワット数が高いほど早く固まるため、36WのUVライトをすると比較的早く硬化できます。LEDレジンのほうがUVレジンより早く硬化する特徴があるので、使用するレジン液をLEDレジンに変えるのもおすすめです。 |
UVレジンを効率よく硬化する技
UVライトは一方からしか照射できません。そのため、レジン作品の形状によってはライトがうまくあたらずに硬化しない部分が出ることがあります。
硬化しない部分がある場合は、アルミホイルを使ってUVライトの周囲を囲みましょう。UVライトがアルミホイルに反射して作品全体に紫外線があたり、効率よく硬化できます。
カバーがないタイプのUVライトを使っている場合は、わきからこぼれる光によって作業中のレジンが固まることがあります。アルミホイルで包むことで、漏れた光で作業中のレジンが硬化する失敗もなくなるでしょう。また、紫外線から目を守る役割も果たします。
レジンの硬化不良・べたつきの原因と対策
レジンが完全に硬化せず、べたつきが出ている状態を「硬化不良」といいます。硬化不良が起きると、そのままにしていても固まることはありません。硬化不良のレジンを触ると指紋がついてレジン制作の失敗につながるため、レジンは完全に硬化する必要があります。
ここでは、レジン制作で硬化不良やべたつきが出る原因と対策について解説します。
レジンの硬化不良・べたつきの原因
レジンで硬化不良やべたつきが起こる原因として、下記の4つが考えられます。
- ライトの照射時間が短い
- レジンランプに寿命がきている
- 質が悪くべたつくレジン液を使っている
- 硬化剤がうまく混ざっていない
UVレジンは、紫外線量が足りなければしっかりと固まりません。硬化不良が起こる主な原因は、なんらかの理由による紫外線不足です。
紫外線不足は、照射時間が短かかったり太陽光で硬化すると起こりやすいです。UVライトの電球に寿命がきており、以前より出力が落ちている場合も硬化不良につながります。また、LEDランプをUVレジンに照射してもレジンは固まりません。
十分に紫外線が足りているはずなのに硬化不良が起こる場合は、レジン液の質が悪い可能性もあります。
エポキシレジンを使用している場合は、2剤がうまく混ざっていないことが考えられます。うまく混ざっていないときは、混合した液体の中に不自然な筋が見えるので確認しましょう。
レジンの硬化不良・べたつきの対策
硬化不良やべたつきを防ぐには、次のような対策があります。
- ライトを照射する時間を長くする
- レジンを除光液で拭く
- レジンにニスを塗る
- レジン液を変える
レジンの照射不足を解消するには、太陽光ではなくライトを使うことです。ライトをあてる時間は長めにするとよいでしょう。
また、レジンの表面のべたつきは、除光液やエタノールなどを使って拭き取ると解消されます。ニスを塗って表面をコーティングするのも1つの方法です。
以上のような対策をしても硬化不良やべたつきが起こる場合、レジン液の品質に問題がある可能性が考えられます。安いレジン液はべたつく傾向にあるので、クオリティの高い作品を作りたい場合は評判がよく、ある程度値のするレジン液に変えてみましょう。
まとめ
レジン液には、エポキシレジンやUVレジン、LEDレジンなどの種類があります。エポキシレジンは2つの液を混ぜ、化学反応を利用して硬化させるので、固まるまでに1〜3日必要です。UVレジンは紫外線に、LEDレジンはLEDに反応し、数分で固まります。
作品が十分に固まらないときは、硬化剤がしっかり混ざっていなかったり、ライトの照射時間が足りなかったりなどの可能性があります。エポキシレジンはしっかりと混ぜ合わせ、UVレジンなどは照射時間を長めに取るとよいでしょう。