PageTop

公開日: 2024.01.05
最終更新日: 2024.01.05

メタル素材とは?アクセサリーに使われる合金の種類や特徴を紹介

メタル素材とは?アクセサリーに使われる合金の種類や特徴を紹介

ハンドメイド作家として活動している方の中には、メタル素材を使ったアクセサリーを作りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。メタル素材にはシルバーやゴールド、真鍮などさまざまな種類があり、種類によって特徴が異なります。

自分がイメージするハンドメイド作品を創作できるように、当記事を通してメタル素材とはどのようなものか、種類ごとに特徴を把握しましょう。また、近年ジュエリー業界でも注目を集めている「リサイクルメタル素材」についても解説します。

アクセサリーに使われるメタル素材とは?種類ごとの特徴

アクセサリーにおけるメタル素材とは、プラチナやゴールド、シルバーといった貴金属のことです。貴金属は、天然素材で希少性があり、高い価値を備えています。非貴金属と呼ばれるステンレスや銅などの金属は、酸化・腐食・変色しやすい一方、貴金属よりも高い硬度を備えているものも多くあります。

貴金属は、自然のままの状態だと柔らかいため、銅などの非貴金属と合わせて合金にするケースが多いです。合金にすることで硬度が高くなり、素材自体の耐久性も上がります。

今回は、アクセサリーに使われるメタル素材8種について解説します。

プラチナ

プラチナは、非常に希少性が高い金属です。価格も高く、相場はシルバーの50倍以上となっています。ほかの貴金属よりも比重が高い点はデメリットとも言えますが、変色や変質に強く、長年経っても見た目にあまり変化が生じないという大きなメリットを備えています。耐久性に優れ、お手入れをしなくても輝きを保つため、婚約指輪や結婚指輪に使われるケースも多いメタル素材です。

ただし、プラチナは100%の純粋な素材をアクセサリーにすることはあまりありません。割金と呼ばれるほかの金属と合わせて、色を整えたり素材を安定させたりするケースが多くなっています。

ゴールド

ゴールドは、カラーバリエーションが豊富な点が大きな特徴です。ゴールドにほかの金属を混ぜて合金にすることで、ピンク、イエロー、ホワイト、パープルなど、さまざまな色のメタル素材になります。

ゴールドの純度を表す言葉には、18K(18金)や24K(24金)などがあり、数字は金の割合を表すものです。数字が大きいほど合金に含まれる金の割合が多く、小さいほど金の割合が少なくなります。

ゴールド自体は、安定した素材のため変色の心配はありませんが、割金に使われる銀や銅などは変色する場合があり注意が必要です。

シルバー

シルバーは、温かみのある色味と高級感が魅力の貴金属です。メッキをかけずに使用されることが多いメタル素材ですが、表面が黒ずみやすい性質を持っており、変色を防ぐためにメッキをかける場合もあります。

シルバーアクセサリーでは、一般的にシルバー925が使われるケースが多いです。シルバー925は銀の含有率が92.5%という意味であり、ほかの金属素材を7.5%混ぜて合金にしたことを表しています。シルバー925のほか、シルバー1000(純銀)やシルバー950などの素材も珍しくありません。

真鍮

真鍮は、銅と亜鉛の合金で「黄銅」や「ブラス」とも呼ばれます。銅と亜鉛の配合や割合、与える熱などによって色が変わるのが特徴であり、一般的には金色と銀色が主流です。

真鍮はアクセサリーに適した強度や光沢を持っているのがポイントで、時間とともに色や質感が変化する「経年変化」によって愛着がわきやすい点もメリットと言えます。ただし、真鍮をアクセサリーとして着用すると青緑色の錆ができ、皮膚や服に付着するため注意が必要です。

チタン

チタンは、通常は黒っぽい銀色の金属ですが、加工によってさまざまなカラーになります。耐水性が高く、金属アレルギー反応が出にくいという大きなメリットがあることから、最近では結婚指輪に使われる機会も増えている素材です。

また、チタンはほかの貴金属に比べて軽く、ピアスやネックレスなどのアクセサリーとして着用してもストレスを感じにくいという特徴があります。プラチナやゴールドに比べて価格が安いため、アクセサリーにあまりお金をかけられない方からも人気のメタル素材です。

ステンレス

ステンレスは、ステンレススチール(ステンレス銅)の略称で、ステンレス(Stainless)には「錆びない」という意味があります。名前の通り錆びにくく、酸化や腐食、熱にも強い素材です。

ステンレスは、一般的に鉄が主成分となっており、クロムやニッケルを混ぜて合金にしています。シルバーよりも価格が低い点が魅力ですが、シルバーのような柔らかさや複雑さを出すデザインはあまりありません。また、ステンレス素材独特の輝きが安っぽく見えるケースもあるため注意が必要です。

メッキ

メッキは、素材に施す表面処理の方法の1つです。金属などの表面をコーティングして、素材の錆び防止や見た目・性能の改善のために施されます。酸化や経年変化によって、メッキ下の素材が見えてくる場合があります。

メッキに使われる金属の種類はさまざまで、金メッキやロジウムメッキが代表的です。金メッキは「ゴールドコーティング」や「ゴールドプレーテッド(GP)」、ロジウムメッキは「ロジウムコーティング」や「RHP」と呼ばれることもあります。

ゴールドフィルド/シルバーフィルド

ゴールドフィルド(シルバーフィルド)とは、地金と呼ばれる本体にゴールド(シルバー)を圧着した素材です。メッキ素材に比べてゴールドフィルドやシルバーフィルドは分厚く、総重量の1/20以上を占めます。そのため、経年変化などで表面金属が薄れにくいのが大きな特徴です。

例えば、ゴールドフィルドに見られる「14KGF」という表記は地金に14金を圧着した素材という意味になります。ゴールドフィルド(シルバーフィルド)の地金には、真鍮が使われるのが一般的です。

メタル素材はどこで買える?

メタル素材は、オリジナルパーツを揃える専門店や手芸店などで購入できます。実店舗に足を運べば、メタル素材を自分の目で確かめながら選ぶことが可能です。また、問屋ではメタル素材などを安く購入できる傾向があり、大量購入でさらに割引になるケースが多くなっています。

専門店や問屋などが近くにない場合は、ネットショップでメタル素材を探すとよいでしょう。ただし、ネットショップでは商品を実際に手に取れず、モニターなどの環境によっては色味も変わって見えます。メタル素材を探す際は、実店舗とネットショップをうまく使い分けるのがおすすめです。

ホビー材料専門店のユザワヤでは、汎用性が高い金具からアクセサリー素材まで、さまざまなメタルパーツ素材を販売しています。下記リンクからネット注文もできるため、ぜひご覧ください。

ユザワヤのメタルパーツ素材はこちら

サステナブルなリサイクルメタル素材とは?

現在、アクセサリー・ジュエリー界でリサイクルメタル素材が注目されています。リサイクルメタルとは、国内で廃棄された携帯電話・家電などの電子機器からリサイクルされた貴金属のことです。

リサイクルメタル素材は「都市鉱山」とも呼ばれています。2008年の調査では、日本の都市鉱山にはゴールドが約6,800トン、シルバーが約6万トンもあることが判明しました。

出典:独立行政法人物質・材料研究機構「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」

さらに、リサイクルメタルは通常のゴールドやシルバーと変わらない品質を維持可能です。都市鉱山のすべての金属を再生素材にはできないものの、大量にリサイクルできる可能性が秘められています。

リサイクルメタルの魅力

リサイクルメタルの最大の魅力は、環境にやさしいことです。地球環境や社会福祉への配慮は、近年さまざまな分野で求められています。サステナブル・エシカル志向はアパレルの分野にも浸透し始めており、昨今のトレンドとしても注目されているキーワードです。リサイクルメタルを身に着ければ、トレンドに合ったサステナブルファッションができる点は大きなメリットの1つでしょう。

また、最近ではファッションアイテムやジュエリーも、実にさまざまなものが流通しています。膨大な選択肢の中から、興味関心に従って自分で選び取り身に着けることは、一種の自己表現と言えるでしょう。リサイクルメタル素材を身に着ければ、自分の価値観を表現できるほか、人によっては環境保全に意識を向けるきっかけにもなります。

まとめ

アクセサリーに使われるメタル素材には、プラチナ・ゴールド・シルバーをはじめ、真鍮・チタン・ステンレス・メッキ・ゴールド(シルバー)フィルドなどが挙げられます。それぞれ色味・強度・輝き・軽さ・錆びにくさなど多様な違いがあるほか、ハンドメイドの観点で言えば加工しやすさも異なる点です。

メタル素材は、オリジナルパーツを取り扱う専門店や問屋のほか、ネットショップでも手軽に購入できます。また、最近では環境にやさしいとして「リサイクルメタル」も注目されている素材です。

ぜひ、さまざまなメタル素材をハンドメイド・創作活動に取り入れてみてください。