パイピングとは?3つのやり方からバイアステープの詳細まで!
パイピングの正しいやり方がよく分からず、すっきりした仕上がりにならなくて困っている人もいるのではないでしょうか。適切な方法でパイピングができるようになると、生地の端がきれいに処理できたりデザインのアクセントとして生かしたりできるようになります。
作品をより見栄えよく作れるようになるため、ぜひ覚えておきたい手法です。そこで、当記事ではパイピングの役割ややり方について詳しく解説します。手芸や裁縫をする際の参考にしてください。
目次1
パイピングとは?
パイピングとは、生地の端をテープ状になった布でくるんで縫う手芸手法です。布製品や革製品の端のほつれ止めに役立つだけでなく、装飾として生かすこともできるため、手芸や裁縫などではポピュラーに使われています。
ここでは、パイピングの主な役割や用途例などについて具体的に見ていきましょう。
パイピングの役割
パイピングによる処理には、主に2つの役割があります。
役割1:製品の補強・ほつれの防止
まず1つ目の役割は、製品の耐久性を上げることです。2枚の布を縫い合わせたときに、生地の端をそのまま切りっぱなしにしていると、洗濯したり擦れたりする中で段々ほつれて糸が解けてしまいます。また、布製品だけでなく革製品の場合も、製品の端の部分は消耗しやすく、縫い合わせた2枚の革の間に割れ目ができてしまうことがあります。
そこで、別の細い布や革でくるんで処理することで、布製品のほつれを防ぎ、また革製品の端を保護することができます。いわば、かがり縫いと同様の役割です。ほつれ止めが目的の場合は、製品の裏側など見えにくいところをパイピングします。
役割2:デザイン性の向上
2つ目の役割は、デザイン性の向上です。たとえば、白い本体に赤い布でパイピングしたとしましょう。シンプルな印象を受ける白い本体に華やかな赤が差し色として入り、おしゃれなアクセントとなります。また、革製品の場合は、輪郭がしっかりして見えるため、仕上がりが美しくなります。
ほつれ止めの場合は目立たない色の布でパイピングすることが一般的です。一方、装飾目的の場合は、あえて本体とは異なる色や素材を使うケースが多く見られます。
パイピングの用途例
パイピングは、製品の耐久性を向上させることができることから、多種多様なアイテムで使われています。一例として、ジャケット・スカートなどの衣服や下着のほか、帽子やバッグ、靴といった小物類などが挙げられます。またパイピングが施されている部分も、洋服の首元や襟から、ポケットの口やスカートの裾、バッグのふちまで多岐にわたります。
さらに、デザインにアクセントを加えることを目的に、素材や色を変えてパイピングをする製品も多く見受けられます。たとえば、無彩色の無地のノーカラーコートは、シックで大人っぽく見えますが、やや個性に欠ける印象を受ける人もいるかもしれません。同じコートでも、袖口や襟から前端(前身ごろの端)にかけて、本体とは異なる色合いのパイピングが施されることで印象ががらりと変わります。どのような組み合わせでパイピングをするかで、ポップにもスタイリッシュにも仕上げることが可能です。
下記の記事では、手縫いの基本的な縫い方を9つ取り上げて解説しています。記事を参考にさまざまな手縫い方法をマスターして、ハンドメイド活動に生かしましょう。
パイピングに必要なバイアステープとは?
一般的に、パイピングをするときはバイアステープを使います。バイアステープとは、生地の耳(生地の端)に対して斜め45度の方向で細いテープ状にカットした布のことです。
生地の織り糸の方向を「地の目」といい、縦方向なら「タテ地の目」、横方向なら「ヨコ地の目」といいます。そして、斜め45度に地の目を通したものは「バイアス地の目」と呼ばれます。
バイアステープは、織り目(生地の糸と糸の間の隙間)に対して斜めになっていることから、端がほつれづらいという特性があります。仮にタテ地の目やヨコ地の目で裁断すると、テープ端が織り目と平行方向になり、端がほつれやすくなっていまいます。また、タテ地やヨコ地の生地はほとんど伸びませんが、バイアステープは伸縮性が高いです。さらに、アイロンで熱を加えながら曲げることで、外側が伸びてきれいなカーブをつけることもできます。
ここでは、バイアステープの種類や自分で作る方法について解説します。
バイアステープの種類
バイアステープは、主に両折りタイプとふちどりタイプの2つの種類があります。それぞれの特徴とおすすめの用途は以下の通りです。
両折り | |
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特徴 |
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おすすめの用途 |
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ふちどり | |
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特徴 |
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おすすめの用途 |
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バイアステープの作り方
バイアステープは数多くの市販品が販売されていますが、自分で作ることも可能です。自作すれば、お気に入りの生地や柄のバイアステープが手に入ります。たくさん作り置きをしておけば、いざ必要になったときに慌てずに済むでしょう。
以下に、作成の手順を紹介します。
1 | 生地を斜め45度に折り、折り目をつけて裁断する線を引く。 |
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2 | 1でつけた線と平行になるように必要な幅をとって線を引く。必要な本数分の線を引く。 |
3 | 1と2で引いた線にそって裁断する。 |
4 | テープ同士を縫ったときにまっすぐ1本になるように中表で合わせ、テープ端から5mmほどの位置で縫い合わせる。 |
5 | アイロンをかけながら縫った端を割り広げ、はみ出した部分を切る。 |
6 | バイアステープメーカーを使ってアイロン掛けをし、折り目をつける。 |
必要なサイズ(幅)は、作りたいバイアステープのタイプによって以下のように異なります。
- 両折りタイプ:パイピングの幅×4+3~4mm
- ふちどりタイプ:パイピングの幅×3+6~9mm
パイピングのやり方3つを紹介!
バイアステープには伸びる性質があるため、本体とテープとをまち針で固定してミシンで縫うと、ずれてしまうことがあります。手で押さえ、こまめに調整して縫うのがきれいにパイピングするコツです。パイピングは手芸初心者には難易度がやや高い技法ですが、慣れれば上手にできるようになるでしょう。
ここでは、パイピングの具体的なやり方を3つ紹介します。
パイピング始末
生地の端を裏も表もバイアステープで包んで縫う方法です。手順は以下の通りです。
1 | バイアステープを二つ折りにする。片側が1mmほど長くなるように折る。 |
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2 | バイアステープを開き、本体の表面の端に合わせて中表にして置く。このとき、1で二つ折りにした短い側を本体の端に合わせる。 |
3 | バイアステープの折り線にそって縫う。 |
4 | 表側の縫い線を隠すように、本体をバイアステープでくるんで裏側に覆いかぶせる。 |
5 | バイアステープの端を内側に折り込み、アイロンで型をつけてからキワを縫う。 |
バイアス始末
バイアステープで布端をくるみ、裏側にたおして縫う方法です。手順は以下の通りです。
1 | 生地とバイアステープを中表になるように合わせて置く。生地のできあがり線とバイアステープの折り線を合わせて縫っていく。 |
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2 | 縫ったバイアステープを本体の裏側にたおし、アイロンをあてる。 |
3 | 裏側にたおしたバイアステープのキワを縫う。 |
額縁縫い
生地本体の角をバイアステープできれいにくるむ方法です。出ている角(外角)とへこんでいる角(内角)に分けて手順を紹介します。
外角 | |
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1 | 本体とバイアステープを中表に合わせて縫い進め、角まできたら布の端からの長さが縫い代と同じ幅になる位置で縫うのを止める。縫い代が1cm幅としたら、端から1cmの位置で縫い止める。 |
2 | バイアステープを45度の角度で折り、生地の端に合わせてもう一度折り返す。3角形ができた状態にする。 |
3 | バイアステープが折り重なった部分を飛ばして縫い進める。 |
4 | 縫い終わったら、目打ちで整えながらバイアステープの3角形になった部分を裏返す。 |
5 | まち針で止めてからアイロンで押さえ、ミシンをかける。角の重なり部分は手縫いでまつり縫いをして完成。 |
内角 | |
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1 | 生地とバイアステープを合わせて縫い進め、角まできたら縫い代の幅と同じ長さが残るポイントで縫うのを止める。 |
2 | バイアステープをよけ、縫い代の1〜2mm手前まで本体の角に切れ込みを入れる。 |
3 | 本体をひっぱって切れ込み部分を開き、バイアステープに対して真っ直ぐになるように合わせてから縫い進める。 |
4 | 角の部分はバイアステープを起こし、目打ちで形を整えながら裏に返す。 |
5 | まち針で止めてからアイロンで押さえ、ミシンをかける。角の重なり部分は手縫いでまつり縫いをして完成。 |
以下の記事では、ミシン針の種類について、太さ別と用途別に分けて解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
パイピングは、生地端の処理だけでなく、デザインの一要素としても活用できます。便利な手法のため、コートやジャケットのアクセント、スカートの裾上げなど幅広い用途で使われています。パイピングのやり方を知ることで、さまざまなハンドメイド活動に生かすことができるでしょう。
パイピングに使うバイアステープは、両折りタイプとふちどりタイプの2種類あるため、用途に応じて使い分ける必要があります。また、バイアステープは市販品を使うほかに、好みの生地で手作りすることも可能です。
ユザワヤなどの大手手芸店では、生地からバイアステープまで数多くの手芸用品を取り扱っています。パイピングに挑戦したい人やバイアステープを手作りしたい人は、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
参考:ユザワヤ