パジャマの生地におすすめの素材や織り方・編み方を解説

睡眠の質を上げるためには、布団やまくらだけでなく、パジャマも重要です。眠っている間に不快感を覚えないパジャマを着れば、ぐっすりと気持ちよく眠れるでしょう。そのため、パジャマを作る際には、肌触りがよく、寝汗を乾かしてくれる通気性にすぐれた素材でできた生地を選ぶのがおすすめです。また、暑い時期には寝汗対策になる吸水性の高い生地、涼しい季節には寝冷えしない保温性の高い生地がパジャマに向いています。

この記事ではパジャマの生地におすすめの素材や、暖かい季節・涼しい季節に向いたパジャマ生地の織り方・編み方を解説します。

パジャマに向いているのは、肌触りがよく、通気性と吸水性にすぐれた素材です。季節によっては、涼感が得られる素材や保温性が高い素材も睡眠の質の向上につながります。

素材の織り方や編み方によっても、特性はさまざまです。パジャマに向いているおすすめの素材について解説します。

コットン（綿）は木綿から作られる天然繊維で、吸湿性にすぐれていて、衣類や下着の素材として相性がよい素材です。通気性も高いため、寝汗をかいてもすぐに乾いて快適に眠れます。

コットンの特徴として、扱いやすさが挙げられます。コットン素材は丈夫で、繰り返し洗っても生地にへたれが出ません。また、親水性があり、洗濯のときに肌から付着した皮脂汚れが落ちやすいこともポイントです。コットンはパジャマに適した素材と言えるでしょう。

オーガニックコットンとは？特徴や通常のコットンとの違いも

オーガニックコットンは、有機農業で栽培された環境や人に優しい素材です。栽培方法だけでなく、収穫・加工方法なども通常のコットンと異なるため、より素材の良さを生かした製品に仕上がります。当記事では、オーガニックコットンについて詳しく解説します。

リネンは亜麻（フラックス）から作られる天然繊維で、繊維が非常に強いため、丈夫で硬めの質感を持っています。また抗菌性にもすぐれているため、肌に直接触れるパジャマの素材としても適しています。

リネンは熱伝導性が高いため、肌に触れた瞬間はひんやりと涼感を感じさせます。一方で、繊維に空気を含むため熱を逃がしにくい性質もあり、クーラーの効いた部屋や寒い季節であっても快適に過ごしやすいパジャマ素材になるでしょう。

シルクは絹糸から作られる動物性の天然繊維であり、繊維がタンパク質で構成されているため、なめらかで柔らかい肌ざわりがあります。シルクはサテンなどの生地に仕立てられることが多く、乾燥や静電気などの刺激から肌を守る効果が高いことも特徴の1つです。高級シルクを使ったシルクパジャマは上質で着心地がよく、ギフトとしても注目されています。

シルクは肌触りがよく着心地のよいパジャマになる一方で、傷つきやすいためお手入れには注意が必要です。干す際は風通しのよい日陰に干して紫外線による色落ちを防ぎましょう。

シルク生地の特徴は？特徴・歴史・洗濯時の注意点

シルクはカイコの繭を解きほぐした糸で作られた素材で、優雅な光沢としなやかな肌触りが特徴です。また、肌に優しく紫外線を通さないなどの健康にも良い魅力がある優れた素材です。当記事では、シルクの特徴や種類、歴史から洗濯時のポイントまで紹介します。

春・夏は気温が高く寝汗をかきやすくなる季節です。パジャマにも吸水性の高い素材や生地が向いています。夏本番ともなると湿度の高さも加わるため、サラッとした着心地になる生地であれば、さらに快適に過ごせるでしょう。春夏の季節に向いたパジャマの生地を選ぶポイントを解説します。

ガーゼ生地は主にコットンやリネンから作られる、繊維を甘く撚った糸に加工し、平織りにして、漂白を施した生地です。ガーゼパジャマは素材の目が粗いため、軽くて通気性にすぐれている点が春夏のパジャマとして適しています。

ガーゼは1重〜6重まで重ねて厚さを調整できる生地です。厚手のガーゼ生地は保温性にすぐれ、涼しい季節でも活躍します。また赤ちゃんの肌着に使えるほど刺激も少ない生地なので、かぶれや肌荒れが心配な方にも使いやすい生地と言えるでしょう。

ダブルガーゼの特徴は？選び方・ハンカチやマスクの作り方も

ガーゼ生地を2枚重ねて仕立てた生地を、ダブルガーゼと呼びます。当記事では、ダブルガーゼやガーゼの概要から特徴、洗濯時の注意点、選び方まで詳しく解説します。ダブルガーゼを使ったハンドメイドのレシピも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

楊柳とは「クレープ」や「ちぢみ」とも呼ばれるたて糸に甘撚糸、よこ糸に強撚糸を使って平編みにした生地で、糸の強さの違いによって生じる凹凸（シボ）があります。このシボが柳の葉のように見えるため「楊柳」という名前が付きました。コットンで作られることが多い生地ですが、リネンや化学繊維のポリエステルをコットンと混紡して作ることもあります。

楊柳は涼しく吸汗性にすぐれた素材で、吸った汗もすぐに乾いてサラッとした着心地で過ごせます。

サッカー生地は日本では「しじら織り」とも呼ばれる、太さや強さの異なる2種類のたて糸で作られた織物生地です。楊柳と同じように生地に凹凸（シボ）があるのが特徴です。サッカーパジャマは生地自体も吸水性が高く、寝汗を吸い取る効果の高い春夏向けのパジャマです。

サッカー生地は通気性と吸放湿性が高いため、パジャマだけでなくルームウェアやワンピースなどにも使われています。元は着物にも使われていた生地で、チェックやストライプのほか、花柄など柄物に仕立てられたものも豊富に展開されています。

サッカー生地とは？生地のメリット・デメリットやお手入れ方法を解説

サッカー生地は、「しぼ」と呼ばれる凸凹したシワが特徴の生地です。当記事では、サッカー生地の特徴をはじめ、サッカー生地がよく使われるアイテム、お手入れの方法などを紹介します。

涼しい時期には、寝冷えを防ぎやすい保温性にすぐれた生地のパジャマがおすすめです。ただし、通気性がなければ蒸れてしまい、かえって寝汗で体を冷やしてしまうこともあります。適度な通気性と保温性を兼ねそなえた生地を選ぶとよいでしょう。秋冬の涼しい時期に着るパジャマには、以下のような生地が向いています。

フランネルとは「紡毛糸」と呼ばれる太く短い糸を使い、片面もしくは両面を起毛させた生地で、「ネル」と呼ばれることもあります。毛糸の代わりに綿で作ったコットンフランネルは秋向けのパジャマ生地として人気です。またチェック柄をはじめ柄物生地が豊富で、おしゃれなデザインのパジャマを作れます。

フランネル生地は起毛があるため、肌触りがよく暖かい空気を逃しません。しかし摩擦により、起毛部分に毛羽立ちや毛玉ができやすくなってしまいます。目立つ毛玉ができたときは、ハサミで処理するようにしましょう。

フランネル生地の特徴・性質｜洗濯時の注意点も

フランネルは、ウールやコットンから作られる毛織物のことで、特にネルシャツが有名です。当記事では、フランネルの概要や特徴、洗濯する際の注意点なども紹介するため、フランネル生地を使ってハンドメイド作品を作りたい人は、ぜひ参考にしてください。

パイル生地とは、平織りや綾織りの際にたて糸の一部をループ状（パイル）にして形成して形成した織物生地です。パイルはタオルに使われている織り方として有名です。主にコットン素材で作られ、パイルによって布地の表面積が増えることで吸水性が高くなります。

最近では特殊技術により糸の中央部に空隙を作って生地を軽くした「エアパイル」を用いた商品もあり、着心地のよさと軽やかさを両立できるようになりました。

パイル生地とは？ループパイル・カットパイルの違い・生地の特徴も

パイル生地の種類や特徴・魅力、生地が使われているアイテム、洗濯時の注意点についてご紹介します。パイル生地以外でタオルに使われる生地なども紹介しますので、生地について知りたい人やハンドメイド活動に役立つ知識を身につけたい人はぜひご覧ください。

ニットとは、縦糸と横糸ではなく、1本の毛糸を使って編まれた生地のことです。パジャマに使われるニットは、主にリブ編みやスムース編みと呼ばれる方法で編まれています。ニット生地の素材には主にウールが使われるほか、ブランドパジャマではカシミアやモヘア、シルクが使われる場合もあります。

保温性の高い素材で作られたニット生地は、寒い冬のパジャマ素材として最適と言えます。伸縮性も高いため、寝返りをするときに負担がかからず、ぐっすり眠りやすい点もメリットです。

ニットは洗濯で縮むことがありますが、吊干しすることで元に戻ります。ハンガーにかけていると今度は伸びてしまうため、取り込んだ後は畳んで収納しましょう。

パジャマには、コットンやリネン、シルクと言った肌触りがよく、吸水性と通気性にすぐれた素材が向いています。特に夏場のパジャマを作る場合は、ガーゼや楊柳、サッカーなどの寝汗を吸い取りやすく、さらっとした着心地の生地を使うのがおすすめです。

秋・冬などの涼しい時期にパジャマを作る場合は、寝冷えを防ぎやすい保温性の高い生地を使うとよいでしょう。フランネルやパイル、ニットなどの生地は、保温性が高いと同時に、寝汗を発散する適度な通気性があるため、涼しい時期のパジャマに向いています。