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公開日: 2023.05.19
最終更新日: 2023.05.19

メッシュ素材とは?特徴やメッシュが使われている主なアイテムを解説

メッシュ素材とは?特徴やメッシュが使われている主なアイテムを解説

網目が特徴のメッシュ素材の生地は、通気性や放湿性に優れることから、スポーツウェア、椅子、リュックサック、ベビーカーのシートなどに幅広く利用されます。汗をかいてもべたつかず、体の動きに合わせて伸び縮みするため、暑い季節やスポーツ用のアイテムにぴったりの素材です。また、軽さを生かしてリュックサックやエコバッグなどにも使われています。

この記事ではメッシュ素材の特徴やお手入れ方法、メッシュ生地が使われている主なアイテム、メッシュ素材に似た生地の種類について解説します。

メッシュ素材とは

メッシュ素材とは、糸や針金などを編んで網目にしたもの全般を指す言葉です。メッシュ(Mesh)とは英語で網目の意味であり、布以外の素材でできた網やかご、フィルターなどもメッシュと呼ばれます。

布地の場合、メッシュとは「網目織り」とも呼ばれる網目状の隙間が空いたニット生地のことを指します。大きな網目があるため、通気性と速乾性が高く軽いという点が特徴です。

メッシュ素材の生地の特徴

メッシュ素材は、網目が空気の通り道となるため熱や湿気を逃がすのが得意で、リュックサックの背面やベビーカーのシートなどに用いられます。また、汗をかいてもべたつかず、伸縮性も高いことから、スポーツ用のアイテムにも合った素材です。

最近のメッシュ素材はナイロンやポリエステルといった化学繊維で作られている場合が多く、軽量性や速乾性をさらに高めた生地が豊富に展開されています。化学繊維は加工や染色も簡単なため、蛍光カラーやプリント柄の生地、抗菌加工が施された生地も商品化されています。

メッシュ素材の単位

メッシュ生地の網の密度を表す単位を「メッシュ数」と呼びます。生地の規格の中で「メッシュ(mesh)」と記載されているものはメッシュ数のことです。

メッシュ数は、1インチ(2.54cm)内に網目を構成する糸が何本あるかを表しています。100メッシュであれば、1インチの長さの中に100本の糸があることを意味します。メッシュ数が大きいほど網目が細かくなると覚えればよいでしょう。

網目の大きさは目開き(オープニング)と呼ばれ、メッシュ数によりμmやmmで表記されます。網目の空間の大きさは開口率(オープニングエリア)と呼ばれ、%で表記されます。

メッシュ素材の生地のお手入れ方法

メッシュ素材は網目の部分に汚れが溜まりやすいという特徴もあります。汗をかきやすい部分にメッシュ素材が使われている場合、目に見えない汚れがたまりやすいため、使用した後のお手入れが重要です。

ただし、メッシュ生地の中には洗濯機が使用不可のものや、そのまま洗うと型崩れしてしまうものが存在します。また、汚れが網目の奥に入ってしまった場合、洗濯機では汚れが取り切れないケースもあります。洗濯機を使えない場合は、以下のような手順でお手入れを行うとよいでしょう。

・ブラシで汚れを落とす

水洗いの前に、メッシュ生地に付いている汚れをブラシで軽く落とします。汚れをメッシュの奥に押し込まないように、やさしくブラッシングしましょう。

・ぬるま湯に浸す

水分がしっかり生地の奥まで浸透するように、ぬるま湯に漬け込みます。頑固な汚れの場合は、ぬるま湯に中性洗剤を入れて浸け置きしておくと効果的です。

・洗剤で洗う

メッシュが破れないよう、こすり洗いを避けます。洗剤をしっかり泡立てて、やさしく洗いましょう。

・ぬるま湯ですすぎ陰干しする

しっかりと洗剤をぬるま湯ですすいで洗い流してから陰干しします。洗濯ばさみの跡がつくのを避けたい場合は、ネットに入れたまま干しましょう。

メッシュ生地が使われている主なアイテム

メッシュ生地は蒸れにくく、風通しがいいという特徴を生かしてさまざまな用途に使われています。帽子や靴の裏地など、汗をかきやすい部分には特に相性のいい素材と言えるでしょう。水や音も通しやすいので、エコバッグや園芸用のネット、スピーカーにも用いられています。

特にメッシュ生地は、以下のようなアイテムに使われています。

スニーカー

軽くて通気性のいいメッシュ素材は、スニーカーやランニングシューズの表地と裏地の両方によく使われています。表地全面をメッシュ素材にしたスニーカーは、靴の中にこもる不快な蒸れを感じさせない履き心地のよさが特徴です。

メッシュ素材は伸縮性にも優れているので、運動で曲げ伸ばしたときや足がむくんでしまったときにも負担がかかりません。軽さもあり、スニーカーとは相性抜群の素材です。

スポーツウェア

化学繊維を素材に使ったメッシュ生地は、洗濯も簡単でシワや型崩れを起こしにくいので、スポーツウェアに用いられています。化学繊維の中でも、ポリエステルやナイロンは特に抗菌防臭加工や接触冷感加工を組み込みやすく、スポーツウェアの機能性を高められる素材です。

現在では防臭加工を施したものや速乾性を高めたものなど、数多くのメッシュ生地が販売されています。グラウンドや自然の中でもユニフォームとしてよく目立つよう、通気性を保ちながら光沢感を高めた生地も人気です。

帽子

メッシュ素材を使った帽子は通気性がよく、汗をかいて蒸れやすい夏場の使用に向いています。前にだけツバがついていて、後頭部がメッシュ素材でできているアメリカンキャップは、メッシュ素材を使った帽子の代表です。ストリート系のカジュアルなファッションとも相性がよく、普段使いする機会も多いです。

メッシュキャップはツバで日よけをしつつ、汗や熱気を逃しやすい構造になっています。そのため、ランニング中のキャップとしてもよく使われています。

メッシュ素材に似た生地の種類

メッシュ素材のように、通気性がよくて軽いという特徴を持つ生地は他にもあります。普段着や部屋着などの場合は、通気性を保ちつつも網目のない生地のほうが用いやすいでしょう。用途によっては、光沢感やハリ感など、メッシュ素材とは違った質感がふさわしい場合もあります。

メッシュ素材と似た生地には、以下が存在します。

鹿の子編み

鹿の子編みとは、変則的に編み目をまとめて次の段を編み上げるタック編みと、平編みを組み合わせた編み方を指します。つの編み方を組み合わせることで生地に凹凸ができ、通気性がよくなります。

鹿の子編みの生地は横方向の伸縮性がないため、型崩れしにくい点がメリットです。伸縮性の高いメッシュ生地と比べると着脱はしにくいものの、耐久性が高く、ポロシャツやサマーセーターに用いられることが多い生地です。

サッカー生地

サッカー生地は、収縮率の違う2種類の縦糸を使って平織りにした生地で、仕上げに生地を縮ませて凹凸を出します。日本ではしじら織りと呼ばれることもあり、夏用のパジャマや甚平に使われています。

凹凸が独特の素材感を感じさせ、シワが目立ちにくいため、洗濯後にアイロンをかける手間がありません。綿素材で作られる場合が多く、吸水性や放湿性が高い点も特徴です。サラッとした着心地で、ルームウェアやカジュアルなブラウスに用いられることもあります。

ダブルラッセル生地

ダブルラッセル生地はメッシュ素材と同じく隙間のある生地で、編み目が大きく開くラッセル編みで作られています。材質はポリエステルなどの化学繊維で作られることが多いため、抗菌や防臭加工がしやすい点が特徴です。メッシュと見た目がよく似ていて、メッシュをダブルラッセルの3層構造に織り上げた「メッシュラッセル」という商品名の生地も展開されています。

メッシュ素材との違いは、生地が厚手になることです。ダブルラッセル生地は通気性とクッション性を兼ねそなえた生地のため、座席のシートやリュックサックの背面によく用いられます。また、厚みを利用してジャケットやアウターに使われることもあります。

まとめ

メッシュは糸や針金などを編んで網目にしたものを指す言葉です。生地の場合、メッシュとは「網目織り」とも呼ばれる網目状の隙間が空いたニット生地のことを指します。網目が空気の通り道となるため熱や湿気を逃がすのが得意で、伸縮性が高く点が特徴です。

メッシュ生地は軽量で速乾性が高いことから、スニーカーやスポーツウェア、帽子などの汗をかきやすい部分に使われます。ただし、網目の部分に汚れがたまりやすいため、お手入れの際には汚れをブラシで落とした上でぬるま湯に着け置きし、泡を使って洗いましょう。