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公開日: 2023.04.21
最終更新日: 2023.04.21

マスクに向いている生地は?オックス生地などの種類や作り方を紹介

マスクに向いている生地は?オックス生地などの種類や作り方を紹介

布マスクは衛生用品として使えるだけでなく、自分好みの布を使うことでおしゃれに顔を飾れる点も魅力です。また、自分の肌に長時間触れるもののため、マスクをハンドメイドするときにはしっかりと生地の特徴を見極めたい方もいるでしょう。

この記事では、布マスクのハンドメイドに向いている、オックス生地・ブロード生地・ダブルガーゼなどの生地を紹介します。型紙を作らずにプリーツマスクを作るレシピも掲載しているため、初めてマスクを手作りしようと思っている方はぜひこの記事を参考にしてください。

マスクに向いている生地とは?

マスクに向いている代表的な素材には、不織布があります。感染への安全対策としてマスクをハンドメイドする場合、吐き出す飛沫の量・吸い込む飛沫の量が少ない不織布を利用するのがおすすめです。

出典:国立大学法人豊橋技術科学大学「コロナウイルス飛沫感染に関する研究」

一方で不織布マスクは洗濯によって飛沫や微粒子を捕らえる効果が落ちるため、洗濯して繰り返し利用するのであれば、布マスクはよい選択肢となります。飛沫対策を重視する場合、布マスクに不織布を挟み、不織布だけを使い捨てるのもよいでしょう。

出典:慶応義塾大学理工学部「マスクによる粒子捕集効果の実験結果の公開」

また、布マスクは、手作りするときに自分の好みに合わせて生地を選ぶことで、おしゃれに顔を飾れる点も魅力です。

布マスクはさまざまな生地を利用してハンドメイドできます。ただし、洗濯に強く、色柄が豊富という視点からおすすめできる素材はオックス生地です。

オックス生地はマスクに向いている

オックス生地とは、タテとヨコに糸を2本ずつ引き揃えるか、タテ2本とヨコ1本を引き揃えて編んだ平織りの生地です。オックス生地には主に以下の特徴があります。

オックス生地の主な特徴
オックス生地でマスクを作るメリット
  • 通気性が良い
  • 肌触りが良い
  • 適度な厚みがある
  • 耐久性が高い
  • 柄や色が豊富
オックス生地でマスクを作るデメリット
  • 縫い代の重なりにより厚みが出る
  • 肌触りが硬いと感じる人もいる

オックス生地は綿100%のものが多く、肌に優しい素材として子どものマスクとしても人気です。さらに、洗濯に強いという特徴もあります。素材によって生地の風合いや柄が異なるため、手作りマスクだけでなく、ファッションアイテムやバッグ、小物などの定番生地です。適度な厚みがあり、カットや縫製が簡単にできることから、裁縫初心者にもおすすめです。

マスクに向いているその他の生地

布マスクに向いているのはオックス生地だけではありません。極端に目が粗い生地や、呼吸が難しいほど通気性が悪い生地、洗濯できない生地でなければ、布マスクとして利用できます。代表的な布マスク向きの生地を5種類紹介します。

ブロード生地

ブロード生地とは、同じ太さのタテ糸とヨコ糸を1本ずつ交差させて織る平織りの生地のことです。ブロード生地には主に以下の特徴があります。

ブロード生地の主な特徴
ブロード生地でマスクを作るメリット
  • 耐久性が高い
  • 光沢感や高級感がある
  • 柔らかくて滑らかな肌触り
  • 色や柄が豊富
  • ハリがあるため縫いやすい
ブロード生地でマスクを作るデメリット
  • シワになりやすい
  • 日焼け・黄ばみに注意が必要
  • 縮みやすい

ブロード生地はハリがあるため、マスクと顔の隙間ができにくく、フィット感が高い立体マスクが作れます。ただし、厚いブロード生地でマスクを作ると息苦しさを感じる場合があるので、薄手の生地の購入をおすすめします。たたみジワがつきやすいという性質もあり、販売する作品としての取り扱いには注意が必要です。

ローン生地

ローン生地とは、細番手の綿糸で織られた平織り生地のことです。ローン生地には主に以下の特徴があります。

ローン生地の主な特徴
ローン生地でマスクを作るメリット
  • 軽くて滑らかな肌触り
  • 色や柄が豊富
  • 吸湿性が高い
  • 通気性や速乾性が高い
  • フェミニンな印象を与える
ローン生地でマスクを作るデメリット
  • 繊細で強度に欠ける
  • 摩擦で表面が毛羽立つ
  • シワになりやすい

ローン生地のマスクは通気性や吸湿性に優れ、軽くて滑らかな肌触りが特徴です。色や柄が豊富でフェミニンな印象を与えるため、女性に人気があります。柔らかい質感で、長時間着用できるのもメリットです。ただし、繊細で強度に欠けるので、破れたり裂けたりしないように注意が必要です。

ツイル生地

ツイルとは綾織りの織物の総称で、チノ・デニム・カツラギ・ダンガリーなどを含みます。ツイル生地には主に以下の特徴があります。

ツイル生地の主な特徴
ツイル生地でマスクを作るメリット
  • 伸縮性がある
  • シワになりにくい
  • 光沢感がある
  • 肌触りがつるっとして滑らか
  • 保温性がある
ツイル生地でマスクを作るデメリット
  • 摩擦に弱い
  • 強度に欠ける

ツイル生地は綿素材を中心に、厚手のタイプが多く見られます。保温性が高く、冬場はツイル生地のマスクが快適です。アイロンがかけやすいため、メンテナンスがしやすいメリットもあります。簡単にケアできるので、長く使いたい人におすすめです。ただし摩擦に弱く、洗濯の際にネットを使用したり、手洗いしたりする必要があります。

シルク生地

シルク生地はカイコガの幼虫が作る糸から作られた生地で、日本語では絹と呼ばれます。シルク生地には主に以下の特徴があります。

シルク生地の主な特徴
シルク生地でマスクを作るメリット
  • 上品な光沢と滑らかな肌触り
  • 素肌に優しい
  • 吸湿性や放湿性が高い
  • 静電気を起こしにくい
  • 紫外線から肌を守る
シルク生地でマスクを作るデメリット
  • 摩擦に弱い
  • 紫外線により変色しやすい
  • 洗いが必要

シルク生地は、人間の毛髪や肌に最も近いタンパク質で構成されています。そのため、肌に優しく、柔らかな生地として人気です。吸湿性や放湿性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かいという特徴があります。特性を生かして、就寝中のマスクとしてもおすすめです。摩擦に弱いため、取り扱いには注意が必要です。

ダブルガーゼ

ダブルガーゼとは、2枚のガーゼを重ね合わせたものです。ダブルガーゼには以下の特徴があります。

ダブルガーゼの主な特徴
ダブルガーゼでマスクを作るメリット
  • 柔らかくて軽い
  • 肌に負担が少ない
  • 吸水速乾性に優れている
  • 通気性が良い
  • 手入れが簡単
ダブルガーゼでマスクを作るデメリット
  • 長期間使用すると臭いが気になる
  • 洗濯機を使うとガーゼがほつれやすい

通気性が良く、肌に負担が少ないのがダブルガーゼの特徴です。吸水速乾性にも優れているため、汗をかきやすい季節や運動中も快適に使用できます。洗濯も簡単で、繰り返し使用できるのが魅力です。ただし、生地によっては厚みがあり、呼吸がしにくいと感じる場合があります。

【型紙不要】ハンドメイドでプリーツマスクを作る方法

プリーツマスクは、マスクの中でも人気のある形で、サイズやデザインを自由にカスタマイズできます。オックス生地を使った、型紙不要のプリーツマスクの作り方を紹介します。

出典:ユザワヤ「プリーツマスク」

プリーツマスクのできあがりサイズイメージ
  • S:タテ8cm×ヨコ13cm
  • M:タテ9cm×ヨコ15cm
  • L:タテ10cm×ヨコ17cm
  • LL:タテ11cm×ヨコ19cm

必要な材料はマスクのサイズによって異なります。

プリーツマスクのハンドメイドに必要な材料
  • オックス生地18~21cm×30~41cm
  • マスク用ゴム40~60cm
  • ノーズワイヤー9cm

希望のサイズに合わせて、あらかじめ布を切っておきましょう。

表生地(タテ×ヨコ)内側生地(タテ×ヨコ)
S18cm×18cm18cm×11cm
M19cm×20cm19cm×13cm
L20cm×22cm20cm×15cm
LL21cm×24cm21cm×17cm

2枚の生地を縫い合わせノーズワイヤーを入れる

仕上がりサイズに合わせてカットした布を用意します。2枚の生地を中表に合わせ、上下を1cmのぬいしろで縫い合わせます。表地と裏地の中心に印をつけた後、中表に合わせるのがズレを防ぐコツです。クリップやまち針で生地を止めておくと、縫い合わせ作業がスムーズに進みます。

次に、上部を3mmのぬいしろで縫い合わせ、隙間にノーズワイヤーをすべり込ませます。ノーズワイヤーをすべり込ませる際は、生地を傷めないように注意しましょう。

アイロンをかけノーズワイヤーの周りを縫う

ノーズワイヤーを入れたら、生地を表に返してアイロンで整えます。アイロンをかける際、表裏が揃っているか確認するのがポイントです。

次に、周りをミシンで縫ってノーズワイヤーを固定します。ワイヤーの位置をマスクの中心に合わせ、ミシン針に当たらないよう注意しましょう。ワイヤーの端から縫い始めると綺麗に仕上がります。ワイヤーの横に3mm程度の余裕があっても大丈夫です。

ミシンで針金を縫うと故障の原因になります。不安がある場合は、手縫いがおすすめです。

プリーツ型を作る

マスクのプリーツの幅は、好みに合わせて調整してかまいません。今回は、使い捨てマスクのプリーツ幅に合わせたプリーツ型の作り方を解説します。

表地の両端に、4cm・1cm・2cm・1cm・2cm・1cmの印をつけます。上から、山折り→谷折り→山折り→谷折り→山折り→谷折りとプリーツを折ります。アイロンをかけながら折り進めるのが、プリーツを美しく仕上げるコツです。

最後に、端から5mmの位置にミシンをかけて固定します。プリーツを潰さないようにするのがポイントです。

サイドを縫ってゴムを入れる

マスクの両サイドを2cm幅で2回折り返し、折り端から3mmの位置を縫います。

縫い合わせた後、ゴムを通す作業に移ります。折り返した部分の幅が狭くなってしまうと、ゴムが通しづらくなってしまうので注意しましょう。

ゴム通しに不安がある場合は、縫い合わせる際にマスクの内側にゴムを挟んでおくと作業がしやすくなります。

プリーツマスク以外も紹介!マスクの作り方について詳しくはこちら

まとめ

布マスクに向いている代表的な生地には、オックス生地および、ブロード生地・ローン生地・ツイル生地・シルク生地・ダブルガーゼがあります。マスクに向いている生地の種類は多く、特徴も幅広いため、マスクを作る前にそれぞれの特徴を知っておきましょう。

繰り返し洗って使うマスクの場合は、洗濯しやすい、アイロンがけしやすいといった特徴を持つ、オックス生地・ツイル生地・ダブルガーゼなどの丈夫な生地がおすすめです。一方で、肌が弱い方や小さなお子さん向けのマスクをハンドメイドする場合、ローン生地やシルク生地を利用するとよいでしょう。