棒針のサイズの選び方!種類・長さ・号数の違いを丁寧に解説
趣味や副業で編み物を始めた人の中には、棒針編みでの手編みに挑戦したい人もいるでしょう。しかし、編み物に使用する棒針には豊富な種類のサイズがあるため、どれを選べばよいか悩んでいる編み物初心者の人も多いのではないでしょうか。
この記事では、棒針編みの初心者の人に向けて、棒針の種類と特徴、「長さ」「号数」といったサイズの選び方について解説します。自分が編みたい作品に合った棒針を選び、素敵な編み物ライフを始めましょう。
目次1
【基本】棒針の種類
編み物に使用する棒針は、自分が作りたい作品に適した種類を購入することが重要です。棒針の基本的な種類と概要は、以下のとおりです。
・2本針
針の一方に玉がついている棒針であり、多くの場合2本セットで販売されています。片方の端が玉付きであるため、編んでいるときに針から目が落ちることがない魅力があります。マフラーやセーターの前身頃・後ろ身頃のような平面の編地を編む際に使用するとよいでしょう。輪状には編むことができない点に注意してください。
・4~5本針
針の両端がとがっており、2本針のように玉がついていない棒針です。4~5本のセットとなって販売されてます。輪状・筒状の編地を編む際に活用されることが多く、さまざまな大きさの輪・筒を作成できるアイテムです。針の片側に棒針キャップを追加で装着して一緒に使用すれば、2本針として使用できる点もメリットといえるでしょう。
一方、長い4~5本針で小さな円筒状の編地を編もうとすると、針が邪魔で使い心地・編み心地がよくないといったデメリットもあります。先端がとがっているため、注意しながら編むこともポイントです。
・輪針
2本の編み針をチューブ(コード)でつないだ棒針です。多くの場合、輪状・筒状の編地を編む際に使用されますが、勉強して上級者レベルまで技術を磨けば、特殊な編み方も覚えられます。一般的な編み方で1種類の輪針を使用すると特定の長さ・直径の作品しか編めないため、多様な編み方を学習して応用テクニックを身につけることが大切です。
なお、棒針の素材には竹製や金属製、プラスチック製などがあります。いずれの素材でも構いませんが、初心者には手先に負担がかかる心配がなく、比較的強度が高い竹などの材質の棒針がおすすめです。
自分が編みたい作品に適した種類の棒針の見当がついたら、実際に使用する棒針のサイズを選ぶステップに進みます。棒針のサイズの選び方を理解し、作品に合った道具を選べるようになりましょう。
棒針のサイズの選び方(1)長さ
棒針を選ぶ際には、「2本針」「輪針」といった棒針の本数・形状に注目するだけでなく、編みたい作品に適した長さのツールを選ぶことも重要です。
ここでは、「2本針」「4~5本針」「輪針」といった種類別に、編みたい作品に適切な長さの棒針を紹介します。素敵な作品を編むためにも、編みたい作品にベストな長さの棒針を選びましょう。
2本針を使う場合
2本針は大きく分けて「長い針」「短い針」の2種類があります。棒針編みでは、基本的には使用する棒針の長さよりも短い幅の作品しか編むことができません。長い針であれば長い幅・短い幅の両方の作品を編めますが、長い針で短い幅の作品を編む際には、取り回しや使い勝手が悪くなる点に注意が必要です。
編みたい作品 | 適切な長さ |
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マフラー | 23cm前後の短い棒針 ※幅広のマフラーであれば30cm前後の一般的な長さの棒針もおすすめ |
セーター | 33~40cm程度の長めの棒針 |
4〜5本針を使う場合
4~5本針の長さの種類は2本針よりも多く、12~40cmの間の長さの針が数種類存在します。小物作りの際には短めの棒針を、帽子などを編む際には中程度の長さの棒針をといったように、作品に応じて最適な種類を選びましょう。
編みたい作品 | 適切な長さ |
---|---|
手袋・靴下・レッグウォーマー・アームウォーマーなどの小物 | 12.5~16cm程度の短めの棒針 |
帽子 | 20~25cm程度の中程度の長さの棒針 |
セーター・マフラー | 30~40cm程度の長めの棒針 |
輪針を使う場合
輪針の種類も4~5本針と同様に多く、40~120cmの間の長さの針が数種類存在します。輪状・筒状の編地を編む場合には「輪針の長さ=編地の円周」となるため、編む作品のサイズに応じて輪針の長さを変えるようにしましょう。一般的な編み方で輪針を使用する場合の目安は下記のとおりです。
編みたい作品・箇所 | 適切な長さ |
---|---|
帽子・えり周り・袖まわり | 40cm前後の輪針 |
子ども用のセーター・スヌード | 60cm前後の輪針 |
セーター・スヌード・シャツ前側のうち合わせ部分 | 80cm前後の輪針 |
セーター・スヌード | 100cm前後の輪針 |
セーター | 120cm前後の輪針 |
輪針は、チューブと棒針が固定されている種類と、さまざまな長さのチューブを付け替えられる種類があります。輪針で編む作品が多い場合には、複数のチューブを付け替えられるタイプも活躍するでしょう。
棒針のサイズの選び方(2)号数
棒針のサイズを決める要素の1つに「棒針の長さ」が挙げれらますが、適切なサイズを選ぶためには「棒針の太さ(号数)」にも注目する必要があります。
編み糸に合った棒針の号数は毛糸のラベル(タグ)に表示されているため、必ず確認したうえで棒針の号数を選ぶ参考にしてください。編み図(設計図)のあるレシピでは、毛糸の太さの目安も記載されているケースが多いため、事前に確認しましょう。
ここでは、毛糸の太さに応じた棒針の号数について説明します。
細い毛糸を使う場合
棒針は号数の数字が小さいほど、編み針の直径が小さくなります。比較的細い毛糸を使用する場合は、0〜4号といった細めの棒針を選ぶとよいでしょう。
号数 (日本式表記) | 0号 | 1号 |
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棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 2.1mm | 2.4mm |
毛糸の太さ | 極細 | 極細〜合細 |
編める作品 | – | – |
号数 (日本式表記) | 2号 | 3号 |
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棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 2.7mm | 3.0mm |
毛糸の太さ | 極細〜合細〜中細 | 合細〜中細 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | 4号 | |
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棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 3.3mm | |
毛糸の太さ | 中細〜合太 | |
編める作品 |
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並の毛糸を使う場合
中細〜太といった中程度(並)の太さの毛糸を使用する場合、棒針の号数も5〜9号といった中程度の号数を選ぶことをおすすめします。
号数 (日本式表記) | 5号 | 6号 |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 3.6mm | 3.9mm |
毛糸の太さ | 中細〜合太〜並太 | 合太〜並太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | 7号 | 8号 |
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棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 4.2mm | 4.5mm |
毛糸の太さ | 並太〜太 | 並太〜太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | 9号 | |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 4.8mm | |
毛糸の太さ | 並太〜太〜極太 | |
編める作品 |
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太い毛糸を使う場合
太めの毛糸を使用する場合は、10号〜15号、またはジャンボ針とよばれる直径7〜25mmの太さの棒針を使用することが一般的です。
号数 (日本式表記) | 10号 | 11号 |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 5.1mm | 5.4mm |
毛糸の太さ | 太〜極太 | 太〜極太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | 12号 | 13号 |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 5.7mm | 6.0mm |
毛糸の太さ | 極太 | 極太 |
編める作品 |
|
号数 (日本式表記) | 14号 | 15号 |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 6.3mm | 6.6mm |
毛糸の太さ | 極太〜極々太 | 極太〜極々太〜超極太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | ジャンボ7mm | ジャンボ8mm |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 7mm | 8mm |
毛糸の太さ | 超極太 | 超極太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | ジャンボ9mm | ジャンボ10mm |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 9mm | 10mm |
毛糸の太さ | 超極太 | 超極太 |
編める作品 |
|
号数 (日本式表記) | ジャンボ11mm | ジャンボ12mm |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 11mm | 12mm |
毛糸の太さ | 超極太 | 超極太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | ジャンボ15mm | ジャンボ20mm |
---|---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 15mm | 20mm |
毛糸の太さ | 超極太 | 超々極太 |
編める作品 |
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号数 (日本式表記) | ジャンボ25mm |
---|---|
棒軸の太さ (ヨーロッパ式表記) | 25mm |
毛糸の太さ | 超々極太 |
編める作品 |
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なお、極細や並太、極太といった毛糸の太さの名称と範囲は、毛糸の種類やメーカーによって異なる場合があります。上記の対応表をおおよその目安とし、作品に適切な太さの毛糸と棒針の見当をつけたうえで、毛糸のラベルに表示された参考使用針を確認して購入しましょう。
まとめ
編み物に使用する棒針は、自分が編みたい作品に適した棒針を選ぶことが重要です。片端に玉があり平面の編地を編む際に使いやすい「2本針」、輪状・筒状の編地を編む際に使いやすい「4〜5本針」「輪針」から適切な種類を選びましょう。
棒針を選ぶ際には、長さや号数(太さ)を重視することも重要です。長すぎると取り回しが悪くなる場合があるため、作品の大きさや用途に合った種類を選びましょう。また、毛糸の太さに合った号数の棒針を選ぶと、作品を美しく仕上げることも期待できます。