ハンドメイド販売のトラブル例と対処法|クレームを未然に防ぐには?
素敵な作品を作れるようになると「販売をはじめたい」と思う人も多いのではないでしょうか。しかし、販売にあたって心配なのがトラブルやクレームです。
ネットを使ったハンドメイド販売は、お客様と直接やり取りする販売方法です。フォローしてくれる人がいない中で、自分の責任で作品を販売することに不安を感じる人もいるでしょう。
この記事では、ハンドメイド販売におけるトラブルについて説明した上で、対処法や回避方法を解説します。不安なくハンドメイド販売を行う参考としてください。
目次1
ハンドメイド販売でよくあるトラブルと対処法
安心してハンドメイド作品を販売するために、まずはトラブルと対処法を把握しておきましょう。ハンドメイド販売でよくあるトラブルには次のようなものがあります。
- 購入者に商品が届かない
- 商品が壊れて到着した
- 注文後・購入後にキャンセルされた
- 過度に値下げ交渉をされた
- イメージとの違いにより返品・返金を求められた
「商品が届かない」「壊れていた」などのトラブルは、発生時にどのように対処するか事前に決めておきましょう。お客様との意見の不一致によるトラブルは、事前に注意事項を記載しておくことで回避することができます。
以下では、ハンドメイド販売で起こり得るトラブルと、それぞれの対処法を解説します。
購入者に商品が届かない
購入者に商品が届かないというトラブルはよくあります。商品を発送したものの「商品が届かない」という問い合わせがあった場合、まずは配送業者に問い合わせをしましょう。追跡サービスのある配送なら調査をすることができます。
追跡に対応していない「普通郵便」や「定形外郵便」であっても、調査依頼を出すことが可能です。ただし、普通郵便の調査には1か月以上時間がかかる場合がある点に注意してください。
商品が届かないケースでは、お客様が商品が届いていないと勘違いしている場合もあります。「家族が受け取っていた」というケースもあるため、お客様自身にも再度、商品が届いていないか確認してもらいましょう。
調査しても商品の行方が分からない場合は、同じ商品を再送します。再送するときは追跡サービスのついた配送方法を選ぶことがおすすめです。
とはいえ、再送となると手間もお金も作家の負担です。残念ながら、商品を2個受け取ったり、無料にしたりするために「商品が届いていない」と嘘をつく人もいます。商品が届かないトラブルを避けたい場合は、次のような対策をしておきましょう。
- 最初から追跡できる配送方法にする
- 配送時の紛失トラブルに対応しないことを明記しておく
送料にも販売手数料がかかります。追跡に必要な料金は販売価格に上乗せするなど、なるべく作家の負担が増えないようにしましょう。
商品が壊れて到着した
配送時の揺れや衝撃で「お客様のもとに届いた商品が壊れていた」ということもあります。フックピアスのような繊細な商品は、金具が折れ曲がりやすいため特に注意が必要です。
商品が破損していた場合は、まず謝罪しましょう。作家に落ち度がなかったとしても、壊れた商品が届いて困っているのはお客様です。相手の気持ちに寄り添い、謝罪した上で次のいずれかの対応をします。
- 着払いで壊れた商品を返送してもらい、新しいものを発送する
- 壊れた商品は破棄してもらい、新しいものを発送する
- 着払いで壊れた商品を返送してもらい、キャンセル処理で返金する
新しいものを発送する際は、お詫びの文章を添えて誠意を伝えましょう。
破損トラブルを回避するためには、しっかりとした梱包が何よりも大切です。プチプチなどの緩衝材を入れて、商品がなるべく動かないように梱包しましょう。ピアスのような繊細な商品は箱に入れたほうが安全です。丁寧な梱包はお客様の安心感にもつながります。
注文後・購入後にキャンセルされた
注文が確定した商品は、原則としてキャンセルになりません。ただし、次の場合はキャンセルが発生します。
- コンビニ払いなどで期限内に支払いが行われなかった場合
- 作品の発送前にお客様がキャンセルした場合
コンビニ支払いを選択している場合は支払期限があります。期限内にコンビニで支払いが行われなければ自動的に注文がキャンセルとなります。支払いが完了するまでは発送しないようにしましょう。
決済まで完了していた場合も、商品の発送前であればお客様側からのキャンセルが可能な場合があります。
キャンセルに対して作家ができる対策は「購入後のキャンセルはお控えください」と注意喚起するくらいです。時間が経つと気が変わってしまうお客様も一定数いるため、早めに発送するように心がけましょう。
過度に値下げ交渉をされた
メルカリなどのフリマアプリにおいては、商品を少しでも安く手に入れるための「値下げ交渉」をする利用者が増えています。
ハンドメイド販売においては、値下げ交渉に無理に応じる必要はありません。特定のお客様だけ値下げしてしまうと、定価で買ってくれているお客様に不誠実です。時には毅然とした態度で断ることも必要になります。
友人からの依頼の場合「友達だから安くして」と言われることも珍しくありません。たとえ友人相手であっても「材料代と手間賃で○○円かかる」と、料金を明確に伝えましょう。
イメージとの違いにより返品・返金を求められた
お客様都合の返品や返金はお断りしても問題ありません。返品・返金に応じる場合も送料は、お客様に負担してもらいましょう。
「気軽に返品できる」と認識されてしまうと、新たなトラブルになりかねません。返品に応じるか断るかは、状況をしっかり見極めた上で判断してください。
ハンドメイド販売でのトラブルを回避する方法
ハンドメイド作品を販売する場合「トラブルを回避する方法」を実践することで購入者とのトラブルやクレームの発生率を抑えることができます。
初心者は不利な立場で責められてしまいがちです。販売前に対処しておくことで、安心してハンドメイド販売ができます。
商品情報の注意書きを充実させる
ハンドメイド作品は、同じように作っても仕上がりに個体差が出やすいです。そのため、既製品よりも「写真と違う」というクレームが発生しやすくなります。
個体差に関するクレームを回避したい場合は、あらかじめ出品サイトの商品詳細ページに注意事項を記載しておきましょう。特に注意書きが必要な商品は次の通りです。
- 色や形が写真(画像)と異なる場合がある
- 作る工程で傷や歪みができやすい
- 天然素材を使っていて個体差が出やすい
- 使い方によって故障や劣化が考えられる
ネットショップでは実物を見て購入してもらうことができません。オンライン上の画像は実物の風合いと異なる場合が多いため、注意事項を記載しておきましょう。
出品者が色のつもりで「ゴールド」と記載し、購入者が「18K(18金)」と勘違いしてトラブルになった事例もあります。誰にでも分かる明確な記載を心がけてください。
配送方法やキャンセル時の注意点を記載する
配送時のトラブルを防ぐために、配送方法は出品の際に記載しておきましょう。普通郵便の場合は追跡や保証がないことを書いた上で、不安な場合は追跡機能がついた配送を選べるようにしておくと親切です。
よく使われる文言に「ノークレーム、ノーリターンで」という表現がありますが、クレームや返金を受け付けないという態度は不誠実な印象を与えます。作家自身の印象が悪くなってしまうため、こういった表現は避けましょう。
返品や交換は「到着から3日以内」など、期限を決めて記載しておけば後々のトラブルを回避することができます。
あらかじめオーダー料金や変更可能回数を設定しておく
オーダーの場合はご要望を聞きながら作品を制作するため、手間と時間がかかります。オーダーメイドの作品を出品する場合は、通常の作品とは別の価格を設定し、ショップのプロフィールに記載しておきましょう。
「樹脂フック変更可」「イヤリング変更可」など、あらかじめ想定される要望はオプションとして選択できるようにしておくとやり取りの手間を減らせます。
オーダー作品はこだわりが強い依頼が多いため「アクセサリーのサイズを小さくしてほしい」など、細かい変更を何度も求められる場合があります。事前に変更可能回数を明確にしておけば修正や変更時のトラブルを回避することができるでしょう。
まとめ
ハンドメイド販売のトラブルを回避するためには「明確な態度」と「誠実な対応」が重要です。購入前に知っておいてほしいことは注意事項にしっかりと記載し、記載した通りに対応しましょう。
お客様が困っていれば誠実に対応してください。対応次第でクレームやトラブルが、信頼に変わる可能性もあります。
商品情報や配送時のトラブル、キャンセルなどの注意事項は明確に記載しましょう。あらかじめ対処しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、安全で気持ちのよい作品販売が可能になります。