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公開日: 2021.08.20
最終更新日: 2021.09.10

著作権侵害になるハンドメイド作品とは?著作権を守って販売する方法

著作権侵害になるハンドメイド作品とは?著作権を守って販売する方法

ハンドメイド作品を販売する際、著作権を侵害する場合があります。「心を込めて作った作品を販売したのに権利を侵害してしまった」ということにならないためにも、前もって著作権侵害となる具体例を知っておくことが必要です。

当記事では、どのような場合にハンドメイドが著作権侵害となるのか、具体例を交えて注意点をわかりやすく解説します。著作権の意味や、著作権を侵害した場合にどうなるのかも併せて説明するため、著作権に関するトラブル予防の参考にしてください。

著作権とは?

著作権とは、絵画や小説、音楽などの著作物を許可なく勝手に使用されない権利です。

著作物といえるためには、「思想又は感情」を表現したものである必要があります。そのため、客観的な事実やデータは対象外です。次に「創作的」であること、つまり、ありふれたものではない創作物であることが求められます。

最後は「表現したもの」であることです。アイデアとして頭の中にある間は著作物にはあたりません。著作権は、知的な活動によって生み出された作品を保護することで、文化の発展を後押しする目的で作られました。

出典:e-GOV法令検索「著作権法」

著作物の主な具体例として絵画などの美術品、マンガやアニメ、映画とそのキャラクターが挙げられます。音楽・地図・写真・プログラムなども著作物です。

ハンドメイド作品は著作権保護の対象?

ハンドメイド作品は、原則として著作権保護の対象外です。ハンドメイドによく見られるアクセサリーや洋服、バッグや財布のような小物類などは、実際に使用するものであるため著作権の対象になりません。

例外的にハンドメイド作品が著作権の対象となるものは、実用品ではなく美術品と認められた場合です。ケースバイケースのため一概にはいえませんが、実用性がなく飾ることが目的の美術作品であると認められた場合などは、著作権の対象となる可能性があります。

ハンドメイドで著作権を侵害しないケース

ハンドメイドにおいて、著作権侵害を心配しなくてもよい場合もあります。それは、私的使用にとどまる場合です。

私的使用とは、ハンドメイド作品を個人的に作り自分で使用して楽しむ場合や、身内や友人など限られた範囲にプレゼントすることなどを意味します。ポイントは、限られた範囲で無償で楽しむことです。

一方、商品として販売したり、作品をSNSで紹介するなどして広く公開したり、不特定多数の人に配ったりする場合は著作権に配慮する必要があるでしょう。

著作権侵害となるハンドメイド作品の例

著作権侵害とならないハンドメイド作品を作るためには、どのようなハンドメイド作品が著作権侵害となるのかを知っておく必要があります。

また、ハンドメイドは著作権だけに限らず、商標権や意匠権などさまざまな権利に注意が必要です。例えば、他の作家の作品をコピーすることもモラル違反であることはもとより、有名な作家を模倣すれば、さまざまな権利を侵害することとなります。

販売することを避けるべきハンドメイド作品の具体例は、次のとおりです。

既製品・キットで作った作品

既製品を、そのままハンドメイド作品として販売することは避けましょう。また、複数の既製品を組み合わせたものや、一部を変えただけのものをハンドメイド作品として販売することは、著作権侵害となります。

一部を変えただけとは、例えば既製品の小物にオリジナルのマスコットを付けた場合や、リングやピアスなどアクセサリーの部品を少し変えた場合などが該当します。

ハンドメイド用品店で販売されている製作キットを使用して作った作品も、原則、販売はできません。キット類の多くは、完成した作品を販売することを禁止しているためです。

禁止の表記がないものでどうしても販売したい場合は、必ずキットの製造元に確認しましょう。

本やレシピの作品をマネした作品

出版されている本や、レシピの図案・イラストなどに記載されている作品をマネした作品も、原則として販売できません。多くの本やレシピは、掲載している内容をマネした作品の販売を禁じています。例えば、作った作品を自分自身で使用することは問題ありませんが、販売すると著作権などの侵害行為にあたります。

本やレシピの作品と全く同じでなくても、パーツや素材を一部変えただけ、配色を変えただけという場合も販売できないため注意しましょう。

例外的に、本やレシピに、作品を販売することを認める旨が明記されている場合は販売可能です。本やレシピを見たものの、オリジナルデザインの作品を作成した場合は、ハンドメイド作品として販売できます。

ブランドロゴ・キャラクターをモチーフにした作品

かっこいいブランドのロゴや可愛いキャラクターは、つい自分の作品に取り入れたくなるものです。しかし、ブランドロゴやキャラクターを取り入れた作品の販売はできません。

ブランドロゴやキャラクターをそのまま取り入れたわけではなく、似せたデザインを使っただけでも権利侵害となります。例えば、手作りマスクの表面にブランドロゴやアニメキャラクター自体をそのまま刺繍したものは、販売できません。

また、アルファベットを使ったブランドロゴのアルファベットの種類は変えたなど、デザインだけ参考にした場合も注意が必要です。全体の雰囲気として元のブランドロゴと雰囲気がとても似ていれば、それだけで権利侵害となる可能性があります。

ブランドロゴ・キャラクター生地を使った作品

ブランドロゴ・キャラクター生地を使う場合も、注意が必要です。生地類はハンドメイドの材料として売られているから問題はないだろう、と考える方も多いでしょう。

趣味の範囲でブランドロゴ・キャラクター生地を使って作品を作り、自分で使って楽しむなどするだけなら問題はありません。しかし、ブランドロゴ・キャラクター生地を少しでも使って作った作品を販売すると、著作権などの権利を侵害していると判断される可能性が高くなります。

生地には販売する作品にも使用可能かどうか明示されているため、作品を販売するつもりであれば、あらかじめ商用利用可能かどうか確認しておくと安心でしょう。

有名人の写真などを使った作品

プロスポーツ選手や芸能人など、有名人の写真などを使ったハンドメイド作品は販売できません。有名人を使ったグッズなどの作品は、パブリシティー権などを侵害する可能性が高いため、販売は避けましょう。

また、有名人が含まれない風景写真や画像などにも、著作権がある場合がほとんどです。インターネット上の画像なども例外ではありません。権利関係を確認せずに写真や画像を無断使用した作品を販売すると、権利侵害の危険性があります。

ハンドメイド作品として販売する場合は、権利侵害になる写真や画像が含まれていないか、必ず事前に確認しましょう。

ハンドメイドで著作権法に違反したら?

ハンドメイド作品を販売した結果、著作権法に違反してしまった場合、販売サイトやフリーマーケットなどのアカウント停止の対象となり、作品を出品し販売することができなくなります。また、著作権を侵害された被害者から訴えられた場合、犯罪行為として罰金や懲役の対象となります。

上記のペナルティはどれも、著作権などの知識がなく無意識のうちに侵害してしまった場合でも、ほぼ例外なく課せられるため注意が必要です。知らないでは済まされないため、日ごろから著作権侵害をしない作品作りを心がけましょう。

まとめ

ハンドメイド作品は、自分で使って楽しむ場合や、知り合いなどにプレゼントする範囲では問題ありませんが、販売する場合は著作権などを侵害する可能性があります。特にキット・既製品を使う場合や、本・レシピを参考にする場合、ブランドロゴ・キャラクターの生地を使う場合などで注意が必要です。

著作権について知らなかったからといって、ペナルティを免れることはできません。当記事で紹介した著作権侵害にあたる具体例を参考に、日ごろから気を配るとよいでしょう。