ハンドメイド作家の収入はどれくらい?収入を得る方法を解説!
ハンドメイド作家として作品を販売するのであれば、できるだけ多くの利益を得たいと考える人も多いでしょう。ハンドメイド販売で一定の利益を出すためには、適切な販売価格の設定と売れやすいハンドメイド作品のジャンルを知っておくことが大切です。
当記事では、ハンドメイド作家の収入や、収入を得るために意識したいこと、販売価格の決め方などを紹介します。本業と別でハンドメイド販売の副業を始めようと考えている人や、ハンドメイドだけで生計を立てたい人はぜひ参考にしてください。
目次1
ハンドメイド作家は収入がどれくらいあるの?
現状、ハンドメイド作家の収入に関する正確な統計データはありません。理由として、確定申告をするほど収入を得ている作家が少なく、中には事業届を出していない作家もいるためです。また、作家によって販売へのスタイルが異なり、毎月の収入も販売量によって変動するため、1か月にどのくらい売り上げるかなどの数値は、はっきりと断言できません。
目安として、2019年にハンドメイド販売サービスサイト「minne」が、minne作家1,924名に行ったアンケート調査を紹介します。minneの調査によると、1か月の売り上げが1万円を超える人は43.7%、10万円を超える人は4.8%という結果になりました。ハンドメイド作家の活動歴が長い人ほど売り上げも高い傾向ですが、中には1年未満の活動歴で月10万円以上稼ぐ人もいます。
出典:GMOペパボ「「minne」が「ハンドメイド 主婦・主夫作家の意識調査」を実施 ~専業主婦・主夫作家の80%以上がものづくりで収入を得ていた~」
ハンドメイド作家が収入を得るために意識したいこと
ここでは、ハンドメイド作家として、安定した収入を得るために意識したいことを5つ紹介します。
・SNSを活用する
作品が売れるようになるためには、まずは自身の作品を知ってもらう必要があります。SNSを活用し、自身の作品を使ってプレゼント企画をしたり、インスタ映えの写真を投稿したりするなど、認知度を上げる工夫を行いましょう。認知度が上がれば、ハンドメイド作品の売り上げアップも期待できます。
・作品のクオリティを高める
購入者にとっては、既製品もハンドメイド作品もお金を支払って買う「商品」のため、ハンドメイド作品にもクオリティの高さが求められます。また、商品にオリジナリティを出し、他の作家と差別化を図ることも重要です。購入者が満足するレベルにクオリティを上げて、他にはないオリジナリティのある作品を製作しましょう。
・適正価格で販売する
ハンドメイド作品は、市場相場を調べてから適正価格で販売することが大切です。相場よりかなり安めの価格で販売されていると、何か欠陥があるのかと疑われ、購入を控えられる恐れがあります。また、原価を考えずに価格を決めると、利益がほぼ出ないことからストレスもたまり、ハンドメイド作家を辞めたくなる可能性もあります。市場価格をリサーチして、適切な価格をつけるようにしましょう。
・写真撮影にこだわる
作品のクオリティと同じくらい重要なのが、作品の写真撮影です。明るい場所で、画用紙などの白背景を用意して写真を撮ることで、作品をキレイに撮ることができます。撮影だけでなく、撮影した写真の加工も重要です。作品の魅力を最大限引き出すために、商品写真にはこだわりましょう。
・市場調査をする
作品を作る前に、ハンドメイド通販サイトやハンドメイド系イベントに参加し、売れる商品やジャンルを調査することをおすすめします。売り上げを伸ばすことを目標としている場合は、市場調査をして売れ筋商品を作ることも大切です。人気があり競合の少ない商品を見つけて作ることで、売り上げの向上につながるでしょう。
ハンドメイド作家が気を付けるべき収入・売上・所得の違い
ここでは、ハンドメイド作品を売る際に知っておきたい収入・売上・所得という3つの言葉の違いを解説します。
収入 | 売上や補助金など1年間で得たお金 |
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売上 | 収入の中でも商品やサービスの販売で得たお金 |
所得 | 収入から税金や材料費など必要経費を引いたお金 |
ハンドメイド作品の販売価格の決め方
作った作品が適正価格で販売されているかどうかは、売り上げに大きく関わります。たとえば、1,000円の材料費で作った作品を1,000円で販売すると、利益が1円も出ず、送料や梱包代などで赤字になるでしょう。
販売方法によって計算方法は多少異なりますが、自身の作品の原価を確認し、適正価格を調べてから販売することで、売り上げを得ることが可能です。ここでは、販売価格を決める際の注意点を3つ紹介します。
原価を計算する
原価とは、以下の項目をすべて足した金額を指します。
- 材料費
- 通販で材料を買ったり、商品の発送を行ったりするときに発生した送料
- 梱包資材代
- 作品作りに使う道具代・電気代
- 人件費
- アトリエの家賃・水道光熱費
作品づくりで必要になった費用をすべて足し、製作した個数で割って出てきた金額が、作品1個あたりの原価です。販売価格は原価の3倍が相場と言われており、3倍以下になると利益がほとんど出なくなるので注意が必要です。
【ネット販売の場合】各サイトの手数料も考慮する
ネットショップを利用する場合は、売り上げから手数料が引かれるため、手数料も考慮して販売価格を決める必要があります。ここでは代表的なハンドメイド販売アプリの手数料を紹介します。
minne | 作品価格+オプション価格+送料の10.56%(税込) |
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Creema | 商品金額の一律11%(税込) |
メルカリ | 商品代金の10%(税込) |
たとえば、原価が1,000円の商品をCreemaで3,000円の価格で販売する場合、Creemaの販売手数料は11%のため330円になり、利益は以下のようになります。
3,000(販売価格)- 1,000(原価)- 330(販売手数料)=1,670(利益)
価格設定をする際は、原価と販売手数料を考慮した金額にしましょう。
市場の値段と比較しながら利益が出る価格を決める
一般的に原価の3倍が適正価格と言われていますが、原価の倍率が利益に直結するため、商品に市場価値がある場合は倍率を増やすなど、利益を考えて値段を調整しましょう。
ハンドメイド作品の中では、ブライダルやコスプレ、お祝い品などが高値でも売れるジャンルと言われています。特にブライダルやお祝い品は、「少し値段が高くても良い物を買いたい」という心理が働くため、高めの値段設定でも売れる可能性があります。
また、販売したい作品の原価率を調べることもおすすめです。原価率は「原価÷販売価格×100」で出すことができ、目安は30〜40%とされています。原価率を念頭に置いて販売価格を設定することで、損をしてしまうことはなくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
ハンドメイドで稼げるジャンルは?
製作したいハンドメイド作品が決まっておらず、なるべく稼げる作品を作りたい場合は、購入者からの需要が高いハンドメイド作品に挑戦することも1つの手です。購入してもらえる確率が高いため、収入を得られる可能性が高くなります。
ここでは、ハンドメイド商品で稼ぎやすいジャンルと特徴について紹介します。
・レジンアクセサリー
レジンアクセサリーのレジンとは、日本語で「樹脂」という意味です。ハンドメイドでよく使用されるレジンには、「UVレジン」と「エポキシレジン」の2種類あります。
売れやすくコストもかからないため、ハンドメイド初心者の人でも稼ぎやすい人気のジャンルですが、ライバルも多くいます。レジンアクセサリーでさまざまな種類のデザインを作るのではなく、特定のオリジナリティ溢れるデザインを作り、他の作家との差別化を図ることが重要です。
・スマホケース
ハンドメイドのスマホケースは、ハードケースやTPUケースを使用し、イラストを描いたり、パーツを付けたりしてオリジナルのデザインに仕上げて販売します。作品の大きさがある程度決まっているためデザインも考えやすく、一度デザインが決まれば大量生産することが可能です。ただし、iPhoneやAndroidなどのスマホは、定期的に新型モデルが販売されるため、それに合った大きさのケースを作成する必要があります。
・ベビーグッズ
ハンドメイドのベビーグッズには、ベビー服やおもちゃなどさまざまな種類があり、出産祝いとしても需要が高まっています。特に、特別な日に着るベビードレスはベビーグッズの中でも人気の商品です。ベビーグッズに赤ちゃんの名前を刺繍できるサービスを行うことで、オンリーワンの商品を販売することもできるため、おすすめです。
まとめ
ハンドメイド作家の収入は、作家によって販売量や販売スタイルが異なるため、明確な数値を断言できません。minneが行った調査によると、ハンドメイド活動で月10万円以上稼いでいる人は4.8%と少数であることが判明しました。
作品販売で高収益を得るためには、価格設定が重要です。価格設定を行う際は、原価と販売手数料を把握し、市場で販売されている価格を確認してから決定しましょう。何を作るか迷っている人は、需要の高いジャンルから選んでみてはいかがでしょうか。