シーチング生地とは?4つの用途と使用するときの注意点など!
バッグや小物のハンドメイドに初めて挑戦する際、多くの人は生地選びに頭を悩ませてしまうでしょう。ハンドメイドに使われる生地としてポピュラーなシーチング生地は、初めての作品作りにも最適な扱いやすさと手頃な価格が魅力です。
当記事では、シーチング生地の特徴や使用用途、エコバッグや化粧ポーチなどの作り方の手順を紹介します。シーチング生地を使用する際の注意点も合わせて解説するため、これからハンドメイドに挑戦する人はぜひ参考にしてください。
目次1
シーチング生地とは?
シーチング生地とは、ハンドメイドに使われる生地の中で最もベーシックな平織生地です。もともとは敷布として使用されていた生地で、「シーツ」が名前の由来となっています。基本的には綿100%の素材が多いですが、リネンやポリエステルなどを含む生地もあります。
シーチング生地は大番手で織られたことによるざっくりとした織り目が特徴で、薄手から厚手まで豊富な種類があります。また、シーチング生地は色や柄もバラエティ豊かです。「カラーシーチング」と呼ばれる色の付いた生地は、バッグや小物などによく使われます。染色前の生成り色の生地はかなり安価なため、練習用や試作用に使うのもよいでしょう。
シーチング生地の特徴
シーチング生地の特徴として、以下の5つが挙げられます。
- 手に入れやすい
- 手頃な価格
- 初心者でも扱いやすい
- 通気性に優れている
- 種類が豊富
シーチング生地は最も基本的な生地であるため、手芸店であれば必ず取り扱いがあるでしょう。ほかの生地と比較して価格が安く、手軽に購入できるところも魅力的です。
織り目が粗いことから生地を重ねても縫いやすく、はさみでの裁断もスムーズに行えます。ハンドメイド初心者でも作業しやすいため、初めての作品作りに最適な生地です。
また、通気性に優れたサラッとした生地のため、汗が乾きやすいという特徴があります。さまざまなアイテムに幅広く使用できる生地ですが、もともと敷布の意味もあるぐらいなので、特に枕カバーやシーツなどの寝具類に向いている生地です。
シーチング生地は種類が多く、厚みや色の違いのほか、プリント柄やしわ加工のあるものなど豊富なラインナップの中から選べることも特徴です。肌触りのよい上質な生地などはその分価格も上がりますが、基本的には同じような価格帯で購入できます。作りたい作品や好みに合わせて生地を選びましょう。
シーチング生地とブロードの違い
シーチング生地と似た生地としてあげられるのが「ブロード」です。ブロードとは、美しい光沢感が特徴の柔らかな平織生地です。本来は羊毛を使った毛織物をブロードと呼んでいましたが、現在では綿素材で織られた生地を指すのが一般的です。
ブロードはヨコ糸よりもタテ糸が多いことから、横畝(よこうね)と呼ばれる生地表面の盛り上がりが見られるのが特徴です。横畝は目立ちすぎず凹凸も大きくないため、手触りはすべすべとしています。
シーチング生地とブロードは同じ綿の平織物ですが、ブロードはシーチング生地より織り目が細かく織られていることから、強度が高いという特徴があります。また、シーチング生地は寝具類やバッグなどに使われる通気性のよい安価な生地であるのに対し、ブロードはシャツやブラウス等の衣服に使用される丈夫で高級感のある生地です。
下記の記事では、オックス生地というハンドメイド作品にもよく使われる平織りの生地を紹介しているため、興味のある人はぜひ参考にしてください。
シーチング生地の用途とは?作り方も紹介!
シーチング生地は取り扱いやすく安価な生地であることから、本番前の試作品に使用されることもあります。シーチング生地での試作は自宅でハンドメイドを楽しむ人はもちろん、プロの世界でも行われている方法です。
ここでは、シーチング生地の使用用途とシーチング生地を用いた作品の具体的な作り方を紹介します。
エコバッグ
シーチング生地は薄手で軽いため、普段から持ち歩くことの多いエコバッグにおすすめの生地です。
エコバッグの作り方は、以下の手順です。
(1)持ち手を作る | 持ち手となる生地を2枚用意します。好みの長さと幅を決めたら長さはそのままで、幅を2倍にして生地を切りましょう。生地の両端にアイロンをかけ、幅が半分になるように折ってステッチします。 |
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(2)エコバッグ本体を作る | 本体用に大きく切った生地を袋状になるよう縫い合わせます。エコバッグの耐久性を上げたい場合は、袋縫いをするのがおすすめです。 |
(3)持ち手を縫い付ける | 持ち手をまち針で本体に固定し、縫い付けます。 |
(4)袋口を縫う | 袋口をアイロンでしっかりと三つ折りにして、折り口の端をステッチしたら完成です。 |
化粧ポーチ
シーチング生地はちょっとした小物を入れるためのポーチにも最適な生地です。軽くてかさばらないため、出先で使うコスメを入れておく化粧ポーチを作るのもよいでしょう。
化粧ポーチの作り方は、以下の手順です。
(1)生地を用意する | 表布、内布、接着芯をそれぞれ2枚ずつ用意します。生地サイズは縦15cmほど、横はファスナーの長さより3cm長めにカットしましょう。接着芯を表布の裏に貼ります。 |
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(2)目印となる切り込みを入れる | それぞれの布を横向きに置き、上部の中心位置に浅く切り込みを入れます。ファスナーも同様に、中心位置に切り込みを入れてください。 |
(3)生地を縫い合わせる | ファスナーを裏返し、生地を中表になるように合わせて、1枚目の表布と内布、2枚目の表布と裏布の順に縫い付けます。 |
(4)角と返し口を縫う | 縫い代をアイロンで開き、角の端から2cmの部分を縫い付けます。返し口の開いた部分を縫い合わせ、形を整えたら完成です。 |
クッションカバー
シーツや枕カバーとして使われるシーチング生地は、クッションカバーにもおすすめです。インテリアのアクセントとなるよう、さまざまな色や柄の中から自分好みの生地を選びましょう。
クッションカバーの作り方は、以下の手順です。
(1)本体を縫い合わせる | 縦47cm、横105cmの布を用意します(仕上がりサイズは縦横45cm)。横の辺にロックミシンをかけ、縦の辺はアイロンで三つ折りにしたら、ステッチをします。 |
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(2)両側を折り畳んで縫う | 両側を仕上がりサイズに合わせて中表で折り畳み、横の辺を縫い合わせましょう。表に返して角を整えたら完成です。 |
エプロン
シーチング生地は洗濯機で洗えるため、エプロンを作るのもよいでしょう。お気に入りのデザインの生地を選べば、毎日の料理が楽しくなります。
エプロンの作り方は、以下の手順です。
(1)生地を用意する | 前身頃、後ろ身頃、ポケット、肩紐の生地を用意します。 |
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(2)ポケット・前身頃・後ろ身頃を作る | 最初にポケット部分を作り、前身頃に縫い付けます。 続いて、前身頃と後ろ身頃を作りますが、布を縫う前にアイロンで三つ折りにしましょう。5mm幅で三つ折りをし、折り返したところから1mmのところを縫っていきます。縫う順番は、前身頃の上部、次に脇線部分、そしてウエスト部分と後ろ端を縫います。 |
(3)裾を縫って肩紐を付ける | 裾線も三つ折りで縫い、最後に肩紐を作って縫い付ければ完成です。 |
シーチング生地を使用するときの注意点とは?
シーチング生地は、手軽に購入できることや初心者でも扱いやすいことなど、メリットも多いですが使用する際にはいくつかの注意点もあります。
シーチング生地を使用する際の注意点は、以下の3つです。
・衣服を作る際には水通し・裏地が必要
シーチング生地は織り目が粗いため、洗濯後は生地が歪んだり縮んだりしやすい特徴があります。エプロンや衣服のように洗って使うことを前提としたアイテムを作る場合、事前準備として生地の水通しをしましょう。水通しによってあえて生地を縮めてから作品を作ることで、完成後の歪み・縮みを抑えられます。
また、シーチング生地を衣服に使う場合のポイントとして、裏地を付けるようにしましょう。シーチング生地は軽く涼しげな風合いが特徴ですが、肌に着ると透けてしまうという特徴もあります。ワンピースやパンツを作る場合は、裏地を付けることが大切です。
・肌がデリケートな人にはなるべく使わない
小さな子どもや肌が荒れやすい人は、シーチング生地のざらつきが刺激となって痛み・痒みなどを引き起こす可能性があります。洗濯乾燥後はさらに固くなってしまうため、子ども用の衣服作りではなるべく使わない方が無難でしょう。
・シワになってもよいアイテムに使う
シーチング生地で作った衣服はシワが付きやすく、アイロンがけが必須となります。特に綿100%の生地はシワが目立ってしまうため、エコバッグやポーチなどに使うことがおすすめです。
まとめ
シーチング生地はハンドメイドに使われる定番生地であり、通気性のよさやサラッとした質感が特徴です。切る・縫うなどの作業がしやすく低価格で買えることから、ハンドメイド初心者におすすめの生地として知られています。
シーチング生地はエコバッグやポーチ、春夏用の衣服に使われることが多いですが、洗濯によるシワやごわつきが目立ちやすいです。アイロンや水通しなどの手間もかかるため、まずは小物類から挑戦するのがよいでしょう。
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参考:ユザワヤ