手縫いで簡単にズボンの裾上げ・裾直しをする方法5つを紹介!
特に成長期のお子さんを持つ家庭にとって、ズボンの裾上げや裾直しを手早く自分でできると便利です。また、自分で購入したズボンの裾をぴったりの長さに調整できれば、お店で頼まなくてもよくなり、費用を節約できます。
この記事では、ズボンを裾上げするときの長さの決め方や、手縫いで簡単に裾上げをする方法、手縫い以外で裾上げや裾直しをする方法について解説します。縫い方を応用すればスカートの裾上げにも使えるため、ズボンを普段はかない方もぜひご一読ください。
目次1
ズボンの裾上げ・裾直しの長さを決めるポイント
裾上げで失敗しないためには、最初に適切な長さをきちんと決める必要があります。理想は裾がかかとのあたりに来て、地面と裾の距離が1~2センチほどになる長さです。
長さを決めるときは、ズボンのウエストを正しい位置に合わせることも大切です。男性は腰骨の位置、女性はおへその位置で合わせましょう。ウエスト位置がずれていると、裾上げ丈が短くなりすぎたり長くなりすぎたりしかねません。短くしすぎると直せないので、ウエスト位置をしっかりと合わせてから長さを決めるようにしましょう。
その上で、以下の3つの点から裾上げする長さを決めてください。
ズボンの太さ
ズボンが細めの場合は裾を短めに、太めの場合は裾を長めにすると、バランスがよくなります。
カジュアル・フォーマルの違い
短めの裾はカジュアル、長めの裾はフォーマルな印象になります。ズボンのデザインやなりたいイメージに合わせ、しっくりくる長さを考えましょう。
また、スーツのスラックスの裾上げは、裾に折り返しのないシングルと折り返しのあるダブルの2パターンがあります。礼服の場合はシングルが適切です。ダブルはカジュアル感が生まれます。
ズボンの生地の種類
デニム生地など選択で縮みやすい生地は、裾上げ前に洗っておきます。裾上げしてから洗濯すると、縮んで丈が短くなりすぎる可能性があるためです。先に洗って縮みを出しておけば、適切な長さを見極めやすくなります。洗う時間がない場合は、長めに裾上げするとよいでしょう。
裾上げする長さが決まったら、クリップか待ち針を留めて目印をつけましょう。
【縫い方別】ズボンの裾上げを手縫いで簡単にする方法
自分でズボンの裾上げを手縫いする場合は、以下の裁縫道具の準備が必要です。
- アイロン
- 裁ちばさみ
- 針
- まち針もしくはクリップ
- ズボンに合った糸
- チャコペン
アイロンで縫い代部分を折ってから縫うと、きれいに仕上がります。縫い目が目立たないよう、糸はズボンの表地に近い色を選びましょう。
縫う前に、裾上げする長さを決めて待ち針やクリップで印をつけておきましょう。縫い針に糸を通し、玉結びします。また、縫い終わりは玉止めしてください。
上記のような道具を購入する場合は、1度ですべてそろうユザワヤなどのハンドメイド・手芸用品専門店が便利です。ぜひ以下のリンクからご確認ください。
以下では、裾上げする際に用いられる主な手縫い方法を5つ紹介します。
流しまつり縫い
裾上げによく使われている縫い方です。裏側から見たときに縫い糸がななめになるように縫う方法で、ななめまつり縫いとも呼ばれます。表側の縫い目が目立たない点が大きな特徴です。
基本的な縫い方は以下の通りです。
- 縫い代を三つ折りにし、内側の玉結びが見えない位置から針を刺して折山から出す
- 針が出ている位置から2~3ミリ離れた表布を少しだけ針先ですくう
- 糸が出ている位置から6~7ミリずらし、縫い代の裏側から針を入れて通す
- 2と3を繰り返す
スーツなどのフォーマルなズボンを裾上げするなら、流しまつり縫いがよいでしょう。やや緩めの縫いあがりになるため、柔らかい生地のズボンを裾上げするときにも向いています。
奥まつり縫い
特に縫い目が目立たない状態にしたい場合は、奥まつり縫いが向いています。布と布の間に糸を隠すような縫い方で、表からはもちろん、裏から見ても縫い目が目立ちません。
基本的な縫い方は以下の通りです。
- 縫い代の端を少し折り返し、縫い代の裏側から針を刺して通す
- 5ミリほど針を動かして表布を少しだけすくい、縫い代の折り返し部分から針を抜く
- 1と2を繰り返す
- 折り返した部分を戻す
奥まつり縫いは糸がほとんど出ないので、擦り切れにくいのも特徴の1つです。
縦まつり縫い
糸が縦向きになるように縫うまつり縫いです。表布と縫い代がしっかり密着するため、強度が高くなります。
基本的な縫い方は以下の通りです。
- 縫い代の端を三つ折りにして、1度開き、内側から折山の2ミリほど下に針を刺す
- 三つ折りを戻し、針が出ている位置の真上から表布を少しだけ針先ですくう
- 三つ折りの内側から折山の2ミリ下に針を通す
- 2と3を繰り返す
縦まつりは、アップリケやゼッケンなどをつけるときによく用いられる縫い方です。縫い目を目立たせたくない場合は、縫い幅を短くしましょう。
千鳥掛け
糸を交差させながら縫う方法で、ジグザグした縫い目になるのが特徴です。生地同士がしっかり密着し、強度が高くなります。右利きの方は左から右のほうに、左利きの方は右から左のほうにと、通常とは逆方向に縫い進めるのがコツです。
基本的な縫い方は以下の通りです。
- 縫い代を三つ折りにし、1度開き、内側から針を刺して折山から抜く
- 針を出したところからななめに5ミリ程度の位置を目指して、表布をすくう
- 三つ折りのきわの布を進行方向の反対側に向けて少しだけすくう
- 2と3を繰り返す
千鳥掛けは手間がかかりますが、きれいな仕上がりになります。縫い目がかわいらしいため、あえて表から縫ってステッチを見せて衣服のアクセントにするなどデザインとして生かすこともあります。
本返し縫い
本返し縫いは、ひと針縫うごとに後ろに返りながら縫い進める方法です。隙間なく縫いあがり、表はミシンで縫ったように見えます。
基本的な縫い方は以下の通りです。
- 縫いはじめたい位置からひと目分先に針を裏から出す
- 糸を引き、ひと目分戻って針を刺す
- ふた目先から針を出し、糸を引き、ひと目分戻って針を通す
- 2と3を繰り返す
見た目よりも丈夫さを優先する場合に適した縫い方です。表面はきれいな縫いあがりですが、裏面は糸が重なったような縫い目になります。表裏を間違えないように、注意して縫いましょう。
手縫い以外で裾上げ・裾直しをする方法はある?
ズボンの裾上げは手縫いでできますが、時間の余裕がない方もいるでしょう。裾上げ方法には、手縫いのほかにミシンや裾上げテープを使うやり方があります。
・ミシン
ミシンを使えば手縫いよりも早く仕上がり、縫い目もきれいに整います。厚みのある生地を手縫いするのはなかなか大変ですが、対応しているミシンなら問題ありません。
・裾上げテープ
手縫いもミシンも苦手な方、あまり時間がない方などは、裾上げテープの使用がおすすめです。裾上げテープは、裾に貼ってアイロンがけし、熱圧着するだけで裾上げが完成する便利なアイテムです。
ズボンの裾上げ位置を決めたら裾周りを測り、2~3センチほど長めに裾上げテープをカットしましょう。テープを裾の端に沿わせて置き、あて布をしてアイロンをかけ圧着します。
裾上げテープには両面タイプと片面タイプがあり、製品によって使用方法に違いがあるので、作業前に説明書をよく読んでください。また、アイロンを使えない生地には使用できないので注意しましょう。
裁縫が苦手な方でも、裾上げテープやミシンを使えばきれいに裾上げできます。
まとめ
ズボンの裾上げを手縫いでする場合、裾がかかとのあたりに来て、地面と裾の距離が1~2センチほどになる長さに合わせて目印を付けましょう。縫い方には流しまつり縫い・奥まつり縫い・縦まつり縫い・千鳥掛け・本返し縫いなどがあります。それぞれ強度や糸の目立ち方が異なるため、ズボンの利用シーンに合わせて縫い方を選択するのがおすすめです。
裁縫が苦手などの理由で手縫いが難しい場合は、ミシンや裾上げテープを利用すればより手軽かつきれいに仕上がります。ただし、裾上げテープはアイロンを使えない生地には使えません。その場合、普段ミシンを使わない方は、ミシンのレンタルサービスなどを活用して裾上げをするとよいでしょう。