ハンドメイド作家の屋号の決め方!屋号が必要なケース・変更方法も
ハンドメイド作家の中には「屋号」を使用して活動する人もいます。屋号は「minne」や「BASE」など人気販売サイトでの出店時にも使用でき、売上を左右するほど重要と言われています。また、屋号はブランド名とも捉えられるため、こだわりたい人も多いでしょう。
この記事では、ハンドメイド作家の屋号について、決め方のポイントから注意点までを詳しく解説します。屋号の基本的な情報を知らない人も、屋号の必要性や屋号に関する知識が得られるため、ぜひ参考にしてください。
目次1
ハンドメイドにおける「屋号」とは?
ハンドメイド作家活動における「屋号」は、ショップ名や作家名を指し、ブランド名という意味も含まれます。法人の場合は会社名を付けますが、法人化していない個人事業主やフリーランスは、社名代わりに屋号を使用することが可能です。
副業や趣味の延長上でハンドメイド作家活動を行う場合、開業届や確定申告など、法的な書類に屋号の記載が必要です。
屋号が必要なケース・必要ではないケース
ハンドメイド作家に関しては、必ずしも屋号が必要というわけではありません。屋号が必要となる主な書類・ケースは、下記の通りです。
- 開業届
- 確定申告(青色申告、白色申告とも)
- 所得税の青色申告承認申請書
- 請求書
- 領収書
- 事業用の銀行口座開設
- 名刺・ショップカード
以上において、屋号を記載あるいは提示する必要があります。屋号には、公的な肩書きとして分かりやすい点や、上記書類を提出する際に手間が省けるなどのメリットがあります。
一方、開業せず個人名でハンドメイド作家として活動する場合は、屋号が必要ありません。たとえば、公式サイトやブログなどでは、一時的に決めた店名があれば、屋号の設定なしで作品販売が可能です。さらに、領収書や確定申告の書類も、個人名だけでも問題なく手続きできます。
屋号を変更する方法
屋号はいつでも変更でき、変える方法も簡単です。屋号を変更したい場合は、確定申告書の屋号欄に新しい屋号を記入して提出するだけで、手続きが完了します。特別な届け出は不要ですが、銀行口座やネットショップに屋号を使用している場合は忘れずに更新しましょう。
ハンドメイド作家として駆け出しの頃など、「屋号がなかなか決められない」と悩む人もいるでしょう。屋号はどのタイミングでも変更できるため、仮決めも可能です。活動が安定してきたタイミングで、コンセプトや将来的な路線を考慮して、正式な屋号に更新するとよいでしょう。
ハンドメイドの屋号は本名?別名?
ハンドメイド作家の屋号は、本名でも別名でもどちらでも構いませんが、それぞれのメリットとデメリットを知った上で選びましょう。屋号に本名と別名を使う際のメリット・デメリットは下記の通りです。
・本名
メリット |
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デメリット |
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・別名
メリット |
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---|---|
デメリット |
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本名での活動は、作品とプライベートの世界観やイメージが同じ場合に適しています。一方、プライベートと作家活動を切り離したい人は別名を使うとよいでしょう。私生活が作品のイメージとかけ離れている場合は、別のペルソナとして本名以外の屋号を作ると自然です。
ハンドメイド作家の屋号を決めるポイント
屋号には規則やルールはなく、基本的に自由に決めることができます。ただ、初めて屋号を考える際には、どのように決めればよいか迷う人もいるでしょう。
ここでは、ハンドメイド作家の屋号の付け方に関する3つのポイントを紹介します。宣伝にも役立つ屋号を考える際に参考にしてください。
10文字前後で覚えやすくする
屋号は読みやすく覚えやすいよう、長くても10文字前後に収めることを推奨します。長すぎる屋号や難しくて読みにくい屋号は、覚えづらい上、好印象とは言えません。作家自身の認知度アップにつながるよう、オンラインショップなどで見かけた際に覚えてもらいやすい名前を意識しましょう。
実際に、世界的な有名ブランドは「カルティエ」「ティファニー」など、シンプルで読みやすい名前が多く見られます。ハンドメイド作家が使う定番の屋号の例は下記の通りです。
- アトリエ〜〜
- 〜〜デザイン
- 〜〜メイド
- 〜〜家
- 〜〜工房
上記は、ひと目見てハンドメイドだと認識されやすい名前です。例にとらわれる必要はありませんが、分かりやすさを意識して決めましょう。
コンセプトやテイストに合わせる
ショップのコンセプトや、作品のテイストに合わせた屋号を付けましょう。作り手の想いを反映した屋号であれば、名前から作品がイメージしやすく、覚えてもらうきっかけとなるでしょう。また、活動のテーマが明確に打ち出されていると、初めて見た人にもアピールできます。
他にも、「誰にどうなってもらいたいのか」などを考慮することで、屋号のアイディアが思い浮かぶ場合があります。
コンセプトやテイストを表現する際は、英語など外国語の単語を調べ、読みやすくておしゃれな名前を作り出すこともおすすめです。そのとき、英単語をそのまま使わず、造語にすることで他者と被る可能性も低くなり、オリジナリティを打ち出せます。
よくある屋号を参考にする
「ハンドメイド作家の屋号を決めたいが、初めてでアイディアが浮かばない」という人は、よくある屋号を参考にしてみましょう。よくある屋号は、多くの人が見慣れており覚えやすいというメリットがあります。
誰もが知っている有名企業や、世界的に名の通ったブランド名が代表例です。思いつくままにアイディアを羅列し、ネット検索などでヒントを得ながらピンとくる名前を模索してみましょう。ネット検索は、ネガティブなイメージのある名前を避けるためにも役立ちます。
ただ、長すぎる言葉や見慣れない英単語などは分かりにくいため、屋号には不向きです。ありきたりな言葉や響きだと埋もれやすいため、バランスの良さを意識して、ひと目見て覚えられる程度の名前を付けましょう。
ハンドメイド作家の屋号に関する注意点
ハンドメイド作家の屋号決めに関する規制は特にないものの、注意点はいくつかあります。屋号を付ける際の次の2つの注意点は、クリエイター活動を始める前にチェックしてください。
・法人と誤解される屋号は使えない
法人と勘違いされる屋号は使えない点に注意しましょう。たとえば、「株式会社」や「法人」と付く名前は、法人として法務局に登記されている場合のみ使用を認められているものです。また、会社法の第7条で下記のように定められています。
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
法律上の法人として認められていない人や組織が、法人として名乗ることはできません。ただし、「事務所」や「オフィス」などが付く屋号は使用可能です。
・他社・他者と同じ屋号は避ける
他の会社や個人と同じ屋号を付けることはできません。完全一致でなくても同じような名前を使っているという理由から、訴訟に発展する可能性もあります。また、近隣地域での類似名に関わる損害賠償請求や、営業上の利益に関わる不正競争防止法違反など法的なトラブルも起きかねません。よくある屋号を参考にする際は、似た響きの名前や単語の組み合わせは避けましょう。
屋号のアイディアが固まったら、最初に他社や他者と名前が被っていないかチェックすると安心です。Google検索や法務局の商号調査簿、商標登録、特許情報プラットフォームなどが使えます。また、インターネット上の独自ドメインも検索しておくと、将来的に屋号でホームページを持つ際に役立ちます。
正式に決定した後で、実は使えない屋号だと判明した場合、修正の手間がかかるため、情報収集や競合調査はしっかり行いましょう。
まとめ
屋号は、個人事業主やフリーランスが持つ名前のことで、ハンドメイド作家の活動に必須ではありません。確定申告や請求書など、一部の書類では記載が必要ですが、決めた屋号はいつでも変更でき、一旦仮決めしておいて後で正式名称に更新することも可能です。
本名と別名どちらを使うか迷った場合は、それぞれのメリットとデメリットを比較して選びましょう。認知度アップを踏まえてハンドメイド作家活動のコンセプトやテイストを反映して、読みやすく覚えやすい屋号を決めることがおすすめです。