フェルトの種類10選|フェルトの概要・大手メーカーも解説!
フェルトは、安価で手軽に入手できるため、手芸素材として幅広く利用されています。しかし、フェルトの詳しい種類や選び方がよくわからないという人もいるのではないでしょうか。フェルトには種類ごとに異なる特徴があるため、用途によって使い分けることが大切です。
当記事では、フェルトの基礎知識やフェルトと不織布の違い、フェルトの大手メーカーを紹介します。フェルトの種類ごとの特徴や最適な利用方法もまとめているため、手芸する際のフェルト選びに迷っている人は最後まで目を通してみてください。
目次1
フェルトとは?
フェルトとは、羊毛などの動物繊維に圧力や摩擦を加えてシート状にした布の総称です。石鹸液などのアルカリ性溶液や希硫酸などの酸を使い、獣毛の表面にある鱗上のキューティクルを開いて毛端を絡ませ、布状に密着させることで作られます。
フェルトの特徴は、保温性や耐熱性、遮音性、弾力性に優れていることです。そのため、防音材や断熱材にもフェルトは使われています。身近なところでは、帽子・鞄・ペン先・カーペット・自動車の内装もフェルトで作られることがあります。
フェルトと不織布の違い
不織布とは、繊維を織らずに機械的な工程を加えて作るシート状の素材です。フェルトは基本的に羊毛などの動物繊維を用いるのに対し、不織布の素材は化学繊維から天然繊維まで多岐にわたります。不織布の製法には、以下のような種類があります。
- 湿式不織布
- ニードルパンチ
- サーマルボンド
- ケミカルボンド
- スパンレース
不織布は安価で大量生産ができることから、キッチン用品や生活雑貨など、日常のさまざまな場面で活用されています。また、密度や厚みを変更することで機能性を簡単に付与できるため、医療・衛生分野の製品、建材、工業・産業資材、農業・土木資材でも応用されています。
手芸用フェルトの大手メーカーは?
手芸用フェルトの大手メーカーは、主に以下の2つが挙げられます。
サンフェルト |
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国内No.1のカラーフェルトメーカー「サンフェルト」では、ウールと天然由来素材のレーヨンを使用した環境に優しいフェルトを多様なカラーバリエーションで用意しています。サンフェルトのフェルトは、1反1反丁寧に染め上げた、均一性のある美しい発色が魅力です。製造時にホルムアルデヒドを含む原料は使用していないため、安全性を心配する必要はありません。 |
ハマナカ |
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「ハマナカ」は1940年の創業以来、手芸手あみ糸を製造発売しているメーカーです。ハマナカでは、扱いやすさと仕上がりの良さにこだわった羊毛を、すべて国内で製品化していることが特徴です。毛糸作りで培った羊毛の知識を活かし、さまざまな用途の素材を開発しているため、初心者からも厚い支持を得ています。 |
フェルトの主な種類10選
フェルトは、素材や製法の違いによっていくつかの種類に分けられます。そのため、作りたい作品に合わせて、最適なフェルトを選ぶ必要があります。
フェルトを購入できる場所は、大型手芸店・東急ハンズなどの雑貨店・100円均一ショップ・ネットショップなど、さまざまです。その中でも、今回は代表的な大型手芸店である「ユザワヤ」の商品をもとにフェルトの主な種類を解説します。
ハードフェルト
ハードフェルトは、樹脂加工を施した、硬く張りのあるシートフェルトです。紙のような材質で扱いやすいため、立体物も簡単に作ることが可能です。素材の持つ張りを活かし、写真撮影用のフォトプロップスを作ったり、スクラップブッキングに使ったりすることができます。
アイロン接着フェルト
アイロン接着フェルトは、アイロンで貼り付けられるフェルトです。アイロンの熱で溶ける接着のりが付いており、熱が冷めると接着のりが固まるため、ほかのフェルトや布に貼り付けることができます。アイロン接着フェルトにはウォッシャブルフェルトが使用されており、洗濯も可能です。はさみで好きな形にカットしてオリジナルアップリケやフェルトのはり絵を作ったり、ほつれ補強などにも利用したりできます。
ミニーフェルト
ミニーフェルトは、ウール60%・レーヨン40%の割合で作られた、手芸に最適なフェルトです。豊富なカラーバリエーションがあり、自分の好みに合う色を見つけることができます。生地が柔らかくスムーズに針を通すことができ、小さな物でも加工しやすいため、マスコットやブックカバーなど、オリジナル雑貨を作る際におすすめです。ただし、水洗いで洗濯することはできないため、ドライクリーニングにする必要があります。
ウォッシャブルフェルト
ウォッシャブルフェルトは、洗える素材で作られたフェルトです。「色落ちしにくい」「縮みにくい」「しわになりにくい」という特徴があり、水洗いもできるため、汚れやすい子ども用品にも使うことができます。布の絵本や布のおもちゃ、袋物のワンポイントのほか、お遊戯会やハロウィンで使う冠・王冠・衣装作りにも適しています。
ワンタッチフェルト
ワンタッチフェルトは、洗うことのできるウォッシャブルフェルトを使用した、シールタイプのフェルトです。裏面のはくり紙が方眼紙になっているため、図案をえんぴつなどで写しておけば、はさみで簡単に好みの形に切ることができます。カットした切り口がすぐにほつれることもありません。ペットボトルや布地など幅広い素材に貼れるほか、カードのデコレーションやアドベントカレンダー、衣装のワンポイント装飾にもおすすめです。
イタリアンカラーフェルト
イタリアンカラーフェルトは、パッと目を引くようなヨーロピアンカラー・濁りのないビタミンカラーが特徴のフェルトです。2mmの厚手となっているため丈夫で柔らかく、手芸作品はもちろん、雑貨小物を作るときにも最適です。華やかな色味を活かし、ガーランドやオーナメントとして利用することもできます。
ラメフェルト
ラメフェルトは、ラメのグリッターをかけたポリエステル100%のフェルトです。ラメフェルトを使えば、従来のフェルトでは表現できなかった、キラキラとした輝きのアイテムを作ることができます。アクセサリーやアップリケなど、服飾雑貨の製作にも最適です。
マーブルフェルト
マーブルフェルトは、シックでおしゃれな色合いが特徴のフェルトです。深いグリーンやワインレッド、藍色など、従来のカラフルなフェルトのイメージとは違った落ち着きのあるカラーが展開されています。インテリアになじむ色合いのため、切り抜いたフェルトを額に入れてアート作品にしたり、おしゃれなニュアンスカラーを活かしてブローチなどのファッション小物を作ったりするのに適しています。
羊毛フェルト
羊毛フェルトは、染色していないナチュラルなウールを100%使用したフェルトです。ニードルで刺して動物の毛にあるキューティクルを絡ませれば、フェルト化させて立体的な作品を作ることが可能です。羊の品種によって風合いが異なるため、作品によって羊毛フェルトを使い分けましょう。ニードルを刺して作る羊毛フェルトは、動物などの作成キットが多く販売されているため、初心者でも始めやすいことが特徴です。手染めや手つむぎのほか、太く強度のある繊維を活かし、バッグなどを作ることもできます。
モチーフフェルト
モチーフフェルトは、花や葉などのモチーフの形に型抜きされたフェルトです。カットする手間がないため、簡単にアクセサリーを作ったり、小物を装飾したりすることができます。たとえば、花のモチーフフェルトを何枚も重ねれば、ボリュームのある華やかなアクセサリーに仕上がります。モチーフフェルトには色とりどりのカラーが入っており、ほかのモチーフと組み合わせることもできます。
まとめ
フェルトとは、原料の羊毛を編んだり織ったりせず作られた布状の素材です。はさみで切ってもほつれることがないため、好きな形に自在にカットして使うことができます。最近では、化学繊維を利用したフェルトや洗濯できるフェルトなど、用途に合わせてさまざまなフェルトが販売されています。
手芸に適したフェルトがほしいときは、まず手芸大型店の公式サイトを確認するとよいでしょう。手芸大型店では、多種多様なフェルトを販売しています。フェルトの種類ごとの特徴を踏まえた上で、目的に合うフェルトを選んでみてください。