ダンガリーの生地の特徴|デニム・シャンブレーの違いも解説
ダンガリーの生地は、爽やかな色むらのある独特な風合いが特徴です。シャツやワンピースに使われることが多い素材ですが、手作りポーチやバッグ、マスクなどに使うのもおすすめです。
ダンガリー生地についてなんとなく知っているけど、デニムとの違いが分からない、ハンドメイド作品に生かせるようにもっと知識を身に付けたいという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ダンガリー生地で物作りをはじめるに当たって押さえておきたい、ダンガリー生地の特徴をデニムやシャンブレーとの違いも交えながら解説します。ダンガリーやダンガリーに似た素材の知識を深めて、ぜひハンドメイド作品作りの参考にしてください。
目次1
ダンガリーとは?
ダンガリー生地とは、タテ糸に白糸、ヨコ糸に染色糸を使って綾織りで織られた薄手の綿織物を指します。元来は綾織りが主流でしたが、現在は平織りで織られたダンガリーも多く、平織りのダンガリーは綾織りのものよりも粗く、カジュアルな仕上がりとなっています。ヨコ糸はインディゴなどの青系の色を使用することが多いですが、まれに赤系や黒系の染色糸も使用されます。綾織りの場合、染色糸よりも白糸のほうが表にくる割合が大きいため、「色味が薄いデニム」と認知されるような薄い爽やかな色合いが特徴の生地になります。
ダンガリーの語源は、西インドの「ダングリ(Dungri)」という地域で織られた藍染め生地が起源といわれています。素材はコットン100%のものが主流ですが、麻やレーヨン、ポリウレタンなどの素材と混紡することで、風合いの変化を楽しめることもダンガリーの特徴の1つです。
ダンガリーは、シャツやワンピースなどに使われることが多く、生地が薄手なことから春夏用の服によく使用される生地です。
ダンガリーはどんなアイテムに使用されている?
ダンガリーは適度な厚みがあり裁製しやすい生地のため、さまざまなアイテムに使用されています。ここでは、ダンガリーを使った代表的なアイテムを紹介します。
・シャツ・ワンピース
ダンガリー生地は、さらりとしていて肌触りがよいため、シャツやワンピースなどが定番アイテムです。色の異なる糸を織り込んでいるため、色合いがきれいでシンプルなデザインでもおしゃれに着こなすことができます。薄手の生地のため、透け感が気になる場合はリネンと混紡されたダンガリーを選ぶのがおすすめです。
・トートバッグ・エコバッグ
ダンガリー生地は、丈夫でありながら軽量なため、トートバッグなどにも適した生地です。また、耐久性が高く洗濯も可能なため、毎日使うエコバッグにも向いています。
・ランチョンマット・コースター
独特な色むらがあるダンガリー生地は、無地の生地よりも汚れが目立ちにくいため、ランチョンマットやコースターとして使用することもよいでしょう。家で簡単に洗濯ができるため、汚れを気にせず気軽に使うことができます。
・ポーチ
汚れが目立ちにくく耐久性もあるダンガリーは、おむつポーチなどの小物入れにもぴったりです。ティッシュケースや巾着袋などは誰でも簡単に作ることができるため、ハンドメイド初心者の方でも挑戦しやすいでしょう。
・マスク
ダンガリーは色合いがおしゃれなことから、手作りマスクとしても人気の生地です。よれにくい上に乾くのが早く、さらにしわにもなりにくいというマスク作りに最適な生地です。
ダンガリーの主な特徴・魅力
ダンガリー生地の特徴や魅力として、以下の5点が挙げられます。
ダンガリーの主な特徴・魅力
- 爽やかさを感じる色むら
- 薄手で軽い
- 耐久性が高い
- 吸水速乾性に優れている
- 色落ちしにくい
ダンガリー生地の最大の特徴は、爽やかな色むらです。染色糸よりも白糸の面積が大きいため、デニム生地よりも色味が薄くなり、また薄手で軽い着心地がより爽やかで清潔感のある印象を与えてくれます。
また、ダンガリーは元々ワークシャツとして使われていたことからも、耐久性に優れています。繰り返し洗濯をしても形状や風合いをキープすることができます。
さらにダンガリー生地は、汗などの水分を素早く吸水し乾燥させる機能に優れているため、快適な着心地を持続させることができます。汗をかきやすい子供の衣服や春夏シーズンの衣服として1着持っていると重宝するでしょう。
また、ダンガリーに使われている色糸は、生地にする前の糸や繊維の段階で染めておく「先染め」という染色法で作られています。先染めで作られた生地は、生地が完成してから染色する「後染め」で作られた製品よりも色落ちがしにくいという長所があります。
洗濯時の注意点は?
ダンガリー生地の手入れは、基本的にデニム生地と同じです。色落ちしにくい生地ではありますが、いくつかのポイントを意識することでより長く色味や形状を維持することができるでしょう。
ここでは、ダンガリー素材の洋服などを洗濯、お手入れする時に注意しておきたいポイントについて紹介します。
■洗い方
・洗濯機を使用する場合
自宅の洗濯機で洗濯することは可能ですが、色移りする可能性もあるため、他の衣類と分けて洗濯したほうがよいでしょう。衣類を裏返しにしたり、洗濯ネットを使ったりすることで、色落ちを防ぐことができます。型崩れしないように脱水後はすぐにシワを伸ばします。乾燥機は縮みの原因になるため、使用しないほうがよいでしょう。
・手洗いする場合
おしゃれ着用洗剤などの中性洗剤を使い、優しく丁寧に洗います。色落ちを防ぎたい時は水を使って洗い、反対に色落ちさせたい時はお湯を使って洗います。洗い終わったら、乾いたタオルを使って優しく脱水しましょう。
■干し方
干す時は、裏返しのまま干します。直射日光に当たると色あせを起こすため、室内もしくは日陰で干すようにしましょう。どうしても色落ちさせたくない場合は、クリーニングに出すことをおすすめします。
■普段のお手入れ
生地が濡れた状態でしばらく放置してしまうと色落ちする可能性があるため、濡れた時はすぐに水気を拭き取るようにしてください。汗をたくさんかくような暑い時期は、生地の色がインナーやバッグに移る場合があるため、注意が必要です。
■アイロンの仕方
アイロンをする時の温度は「中温以下」に設定します。温度が低すぎても不自然な艶が出ることがあるため、当て布を使用するか、スチームアイロンの使用をおすすめします。
ダンガリーと「デニム」「シャンブレー」の違いは?
ダンガリーは、デニムやシャンブレーと生地の風合いや色味が似ているため、区別が難しいと感じる方もいるかもしれません。ダンガリーとデニム、そしてシャンブレーは、生地の織り方に以下のような違いがあります。
ダンガリー | タテ糸が白系、ヨコ糸が色系の綾織り |
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デニム | タテ糸が色系、ヨコ糸が白系の綾織り |
シャンブレー | タテ糸が色系、ヨコ糸が白系の平織り |
生地の織り方は大きく分けて「綾織り」と「平織り」の2種類です。綾織りは、1本のタテ糸が2〜4本のヨコ糸の上を通っています。一方、平織りは、タテ糸とヨコ糸の本数が均等でバランスよく交差しているという違いがあります。
ここからはより詳しく、ダンガリーとデニム、シャンブレーの違いやそれぞれの特徴について紹介します。
デニムとは
デニムとは、インディゴ染料で染めたタテ糸と色味のないヨコ糸を使った、分厚い生地を指します。元々のデニム生地は「天然インディゴ」で染められていましたが、1900年代に安価な「合成インディゴ」が出回り、今では合成インディゴで染色したデニムが一般的です。
ダンガリーとデニムは同じ綾織りですが、ダンガリーはヨコ糸が色味のある糸でタテ糸が白糸です。一方で、デニムはヨコ糸が白糸、タテ糸がインディゴ糸で織られています。そのため、ダンガリーは薄い色味になりやすいのに対して、デニムはインディゴブルーの色味が表に出やすくなります。また、ダンガリーはデニムと比較して白糸のほうが表に出ているため、色落ちなどが気になりにくいという点も大きな相違点になります。
デニムは、丈夫で長持ちする上に、使い込むごとに生地感や色合いが変化していく点が大きな魅力です。使用する素材や生地の厚み、加工によっても生地の風合いが変化するため、カラーデニムなどさまざまな種類がある点もデニムの特徴です。
デニムは、ジーンズやデニムシャツ、ジャケットなどの衣類以外に、バッグや財布、ポーチ、コースターなどの小物類にもよく使われます。色落ちすることで味わいが出てくるため、ずっと長く愛用できるアイテムになります。
シャンブレーとは
シャンブレーはタテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を使った平織りの生地です。シャンブレーの発祥は、フランス北部のカンブレーという町だと言われています。元々は、聖職者の衣類に使われていましたが、20世紀初めにアメリカの軍服に採用されたことをきっかけに、世界中で広く知れ渡りました。
奥行きのある色合いと光の当たり方によって出る光沢感が魅力的な生地です。シャンブレーには、デニムやダンガリーにはない上品さがあり、セミフォーマルなコーディネートにも活躍しています。
軽くて色合いがきれいなシャンブレー生地は、多種多様な商品で使用されています。シャツやワンピースはもちろん、通気性に優れているため、帽子やネクタイなどにもおすすめです。また丈夫な生地ということから、ポーチや巾着袋などにも使うことができるでしょう。
まとめ
ダンガリーは、深みのある爽やかな色合いが美しいだけでなく、軽くて丈夫な点も大きな魅力です。お手入れ方法は基本的にデニムと同じで、色落ちをしないよう注意しながら大切に扱いましょう。デニムやシャンブレーとは生地の織り方が異なるため、それぞれの生地で作品を作ると雰囲気の違いを楽しめます。
ダンガリー生地はデニム生地よりも薄手なため、裁縫初心者にも扱いやすく、デニムでは不向きなアイテムでも作ることができるでしょう。興味のある方は、ぜひダンガリー生地を使った素敵な作品作りに挑戦してみてください。