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公開日: 2021.11.25
最終更新日: 2021.11.25

キャラクターのハンドメイドは著作権に注意!販売不可の理由も

キャラクターのハンドメイドは著作権に注意!販売不可の理由も

近年、ハンドメイドブームでオリジナルの作品を作る人が増え、フリマサイトやネット販売を利用して自分の作品を誰でも簡単に販売できるようになりました。手芸店に行くと、人気キャラクターの生地やブランド生地などを目にする機会も多く、キャラクターなどの生地を使用した作品を販売したいと思う人は少なくありません。

そこで今回は、キャラクターのハンドメイド作品を販売する上でのリスクや、安全にハンドメイド作品を販売する方法について解説します。キャラクターのハンドメイド作品を作りたい人や、ハンドメイド販売を始めたい人は、ぜひ参考にしてください。

キャラクターを使ったハンドメイド作品は販売できない!

手芸店に行くと、人気のキャラクターを用いたデザインの生地を多数見かけます。キャラクター生地を使用したハンドメイド作品は、基本的に販売することが禁止されていることが現状です。

それでは、なぜキャラクターを使ったハンドメイド作品は販売できないのでしょうか。ここでは、キャラクターを使ったハンドメイド作品の販売が禁止されている理由について、詳しく説明します。

キャラクターを使ったハンドメイド作品の販売が禁止される理由

キャラクターを使用した作品には「著作権」があり、無断で販売することは禁止されています。

著作権とは知的財産権の1つであり、作品を創作した人が持っている権利で他の人が勝手に使用することはできません。キャラクターが柄としてプリントされている生地は著作物にあたり、販売者が利益を得るために「利用」することは法律で禁じられています。

出典:国民のための情報セキュリティサイト「著作権侵害に注意」

またキャラクター以外にも、ブランドの社名やロゴなどの商標登録されているものを使用したハンドメイド作品は、商標権の侵害となります。ブランドのバッグの生地を使用して販売することも、商標権に触れる可能性があります。

出典:e-Gov法令検索「商標法」

なお、既存のキャラクターに少し手を加えただけの作品を販売することも著作権の侵害です。オリジナルの作品だから問題ないというわけではありません。商用利用不可のキャラクターを使うこと自体が違法となります。

商用利用不可のキャラクター生地や素材を使った場合のリスク

商用利用不可のキャラクター生地や素材を使用したハンドメイド作品を販売すると、最悪の場合は権利を持つ人に訴えられ、逮捕となるケースもあります。ハンドメイド作品を販売する上では、事前にリスクを理解しておくことが大切です。

ここでは、過去の事例を踏まえてキャラクターを用いたハンドメイド作品の販売で生じるリスクについて説明します。

アプリやサービスのアカウントが停止される

アプリやサービスを使用して既存のキャラクターを使った作品を販売した場合、出品者はアカウントの停止処分を受けることがほとんどです。アプリ・サービスの利用が停止されると、作品の出品・購入ができなくなります。利用停止期間の終了の判断は運営側に委ねられるため、再度アプリ・サービスを利用することは難しいでしょう。

たとえばメルカリでは、キャラクター生地を使ったハンドメイド作品について、以下のように回答しています。

知的財産権を侵害する商品に該当する可能性があるため、出品を禁止しています。

引用:メルカリ「ハンドメイド品の出品可否について」

基本的にどのアプリ・サービスも法律を遵守し、キャラクターを使ったハンドメイド作品の出品を禁止しています。禁止行為に対する処分はアプリ・サービスによって異なるため、フリマアプリなどを利用する際は必ず「利用規約」を確認しましょう。

罰金または懲役を科せられる

キャラクター生地など、著作物を使った作品を販売した人が被害者である著作権者に訴えられた場合、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金を処せられます。

出典:公益財団法人著作権情報センター「著作物を無断で使うと?」

罰金や懲役以外に、作品を押収されるケースもあります。人気アニメである「鬼滅の刃」のキャラクターを無断で使用してフリマアプリで販売したところ、著作権を侵害したとして逮捕され、作品は押収されました。

出典:産経ニュース「鬼滅グッズ違法販売疑いで交際男女を逮捕」

また、商標権を侵害した例として、「スヌーピー」に類似した絵やロゴをプリントしたスマホカバーをフリマサイト上で販売した人が逮捕されたというニュースもあります。

出典:産経ニュース「偽スヌーピー商品販売容疑 大阪の女を逮捕」

近年、著作権や商標権を侵害する行為が増えていることから、キャラクターを無断使用した作品の販売で罰則が発生するケースが多くなっています。

キャラクターのハンドメイド作品で著作権侵害にならないケース

キャラクターのハンドメイド作品の制作において、著作権侵害にあたらないケースも存在します。キャラクターのハンドメイド作品を販売することは禁止されていますが、個人で利用する場合・家族にプレゼントする場合は著作権侵害にはあたりません。

出典:文化庁:「著作物が自由に使える場合」

ここでは、キャラクターを使ったハンドメイド作品で著作権侵害にならない2つのケースについて、詳しく説明します。

個人で利用する場合

キャラクターが描かれた生地などを使い、個人で利用するために作ったハンドメイド作品は、著作権侵害にはあたりません。

「著作権法第30条」では、家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。と記されています。つまり利益目的ではない場合、キャラクターなどの著作物を使ったグッズの制作は可能だと言えます。

引用:文化庁「著作権制度の概要」

個人利用が目的であり、作品を売るなどして金銭が発生しない限りは、キャラクターを使った作品を制作しても問題ありません。

家族にプレゼントする場合

キャラクターを使って制作したものを、家族や友人へプレゼントする場合も著作権侵害にはあたりません。

「著作権法第26条の2」では、著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

と記載されています。

引用:e-Gov法令検索「著作権」

つまり、個人利用と同様に公衆ではない家族や友人へのプレゼントとして、商業的な利益が生じなければ問題はありません。子どもの入園グッズや自宅で使用する小物など、趣味の範囲内で使用する場合は著作権の侵害にはなりません。

商用利用が可能な生地・素材の確認方法

最後は、ハンドメイド作品にキャラクターの生地や素材を使用したい場合に見るべきポイントについて解説します。

生地・素材には、基本的に商用利用の可否が記されています。ハンドメイド作品を制作する場合は、まずは使用する生地・素材が「商用利用可能」と表記されているかどうかをチェックしてください。

商用利用が可能な生地・素材を確認する際は、生地の端にある「生地の耳」に注目しましょう。生地の耳に、「C」または「R」を〇で囲った表記がある場合は、商用利用不可の生地となります。「C」または「R」を〇で囲った表記は、著作権マークと呼ばれます。また、商品タグに「商用利用不可」「製品化販売禁止」という注意書きがされていることもあるため、タグも併せて確認してください。

ただし、マリメッコなどの海外ブランド生地には注意書きがない場合もあります。ハンドメイド作品の販売を検討している人は、生地などを提供しているサイトの注意書きや禁止事項も必ずチェックしましょう。

ハンドメイド販売を始めるなら、商用利用可能な生地・素材を販売している店舗や通販サイトなどの利用をおすすめします。手芸用品の専門店「ユザワヤ」では、ネットショップの商品詳細ページに商用利用について記載しており、商用利用の可否を確認した上でハンドメイド素材を購入可能です。

また、ユザワヤはイヤリング・ピアスなどのアクセサリーキットや刺し子キット、UVレジンの材料などさまざまな手芸用品も取り扱っています。ハンドメイド初心者が作品作りの練習をする際にも、ユザワヤはおすすめです。会員になることで割引価格が適用されるため、材料費を抑えつつ商用利用可能な生地・素材を入手したい人は、ぜひユザワヤを利用するとよいでしょう。

まとめ

キャラクターの生地などを使ったハンドメイド作品を、個人で利用したり家族にプレゼントしたりすることは可能です。

ただし、キャラクターの生地・素材を使ったハンドメイド作品をフリマアプリなどで出品することは禁止されています。アカウントの停止処分に加え、著作者から訴えられた場合は懲役もしくは罰金となります。

キャラクターの生地・素材を使ったハンドメイド作品を販売したい場合は、使用する生地・素材が商用利用可能であるかを事前に確認しましょう。