ハンドメイド作品の価格設定!利益が出る適正な値段とは?
ハンドメイド作品を出品するとき、価格設定で悩むケースは多いのではないでしょうか。ハンドメイド作品の出品で利益は出したいものの、買ってもらえない価格にはしたくないものです。価格設定に迷ったときに備え、適正な価格の設定方法や対処法を知っておきましょう。
当記事では、ハンドメイド作品の利益が出る適正な価格設定の方法を解説します。適正価格で買ってもらうためのポイントも説明するため、ハンドメイド作品を出品するときの参考にしてください。
目次1
ハンドメイド作品の価格設定は安ければいい?
ハンドメイド作品を売りたければ安くすればよいのではないか、と価格設定をする際に一度は考えたことがあるのではないでしょうか。しかし、予想に反して安売りはデメリットだらけです。
まず、価格を安くしても思ったほど売れません。理由は、良いイメージを持たれにくいからです。よい作品に見えるにもかかわらず思ったより価格が安いと、顧客の気持ちとして、「実際はよくないものかもしれない」と思ってしまいます。そのため、頑張って安くしても利益や売上にはつながりません。
作品を好きで買ってくれる顧客がつかないことも、デメリットの1つです。安いから買う顧客は、よりお得な商品があればそちらを買います。安易に安売りせず本当に作品が好きなリピート率の高い顧客獲得を目指しましょう。
利益が出る!ハンドメイド作品の価格設定の仕方
利益が出るようにハンドメイド作品の価格設定をする際は、販売価格を、原価に利益を足した額にしましょう。原価とは、そのハンドメイド作品を作るためにかかった材料費などすべての費用を意味します。
そもそも、原価を回収できなければ、赤字確定です。また、原価だけ回収できる価格設定にしてしまっては、利益が出せません。そのため、作品の原価を正しく把握することが利益を出せる価格設定の第一歩といえるでしょう。
STEP1:作品の原価を計算する
適正価格を設定するためには、作品の原価を正しく計算する必要があります。ここで注意したいことは、原価は材料費だけではないということです。原価に含まれる代表的な費用には、次のようなものがあります。
材料費 | 素材や部品、接着剤など材料の合計金額 |
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材料を購入するためにかかった費用 | 店舗までの交通費、送料など |
作品の製作にかかった費用 | 製作者の人件費(時給)、光熱費、アトリエの賃料など |
作品の販売にかかった費用 | 販売手数料、梱包費用、配送費など |
上記のとおり、作品製作に関係する、ほぼすべての費用が原価の対象です。特に人件費の対象となる作品作りや発送にかかった時間などは、日ごろから意識していないと把握できないため、一度測ってみるとよいでしょう。
STEP2:原価に2~4倍をかける
ハンドメイド品の適正価格の相場は、原価に2~4倍をかけた額とされています。自分なりに利益を計上できない場合は、相場に合わせる決め方が安心でしょう。
例えば、原価500円の作品の販売価格を相場に合わせて決める場合の計算式は、次のとおりです。
・2倍の場合
500円(原価)×2倍=1,000円(販売価格)
・3倍の場合
500円(原価)×3倍=1,500円(販売価格)
・4倍の場合
500円(原価)×4倍=2,000円(販売価格)
材料費が安く済んだときは4倍にするなど、状況に応じて原価率を使い分けてもよいでしょう。
応用編:作品で価格帯を分ける
販売価格の設定の基本に慣れてきたら心理学の法則を活用し、戦略的に価格帯を分けることもおすすめです。具体的には、価格帯を3つに分け、もっとも売れて欲しい作品を真ん中の価格帯に設定します。これは、「極端の回避性」と呼ばれる法則を活用したテクニックです。
極端の回避性とは、極端なものを回避し、ちょうど中間のものを選ぶ行動パターンを指します。また、選択回避の法則から分ける価格帯は3つが適切です。選択回避の法則は、選択肢が多すぎると決断することが難しくなり、結局どれも選ばなくなる可能性が高くなる傾向を意味します。
価格帯を分ける場合は、視覚的にも価格の上下が明確である方が効果的です。上から高い順に縦に並べて配置するとよいでしょう。
ハンドメイド作品の価格設定に迷うときの対処法
「価格設定の仕方を参考に計算してみたものの、この価格で本当によいのだろうか」と思ったときは、次のような対処法を試すとよいでしょう。
市場調査をする | 【実店舗を見る場合】
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【インターネット上で確認する場合】
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意見を聞く |
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特に他者に意見を求める場合は、自分の作品に興味を持ちそうな同じ趣味や価値観の相手に聞くことが、正しい意見を聞くためのポイントです。
ハンドメイド作品を適正価格で売るポイント
適正価格の設定方法を知らず最初から安く出品してしまった場合や、販売方法が変わって原価が上がってしまった場合も、諦める必要はありません。ポイントを押さえれば、価格改定をして適正価格で販売することも可能です。
販売方法を変えずに値上げをする際は、原則として告知を十分に行いお客様の納得を得ることを心がけましょう。また、販売方法の変更に伴い価格を変える場合は、差が開きすぎないよう配慮が必要です。
値上げする際は説得力を持たせる
適正価格の設定方法を知らずに最初から安い価格で出品してしまった場合は、価格改定をしても問題ありません。その作品の販売実績がない、ハンドメイド作家として活動期間が短いという場合は、黙って値上げすることも可能です。それ以外の場合は、必ず先に告知をしましょう。
告知文の主なポイントは次のとおりです。
時期 |
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内容 |
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販売方法によって価格を変える
インターネットの出品サイトで販売している作品をイベントで販売することになった場合、出品に使用する場所のレンタル代や交通費で原価が上がります。そのような場合は、販売方法に応じ価格を変えることも選択肢の1つです。ただし、注意点がいくつかあります。
まずは、販売する方法の違いによる価格差が大きくなりすぎないよう配慮することが大切です。イベントで気に入って購入した作品と、まったく同じ作品がインターネット上でとても安く販売されていたら作品購入した側は残念に思うでしょう。
また、いくら原価がかかったからといって相場とかけ離れた価格にしてしまっては、せっかくの作品が売れなくなってしまいます。できるだけコスト削減をして、値上げ幅を減らしましょう。
まとめ
ハンドメイド作品を適正価格で販売したい場合は、作品の原価を計算し利益を足した価格にするとよいでしょう。原価を2~4倍した価格が一般的な相場です。それでも迷う場合は、市場調査結果や他者の意見を参考にしてください。
価格改定もポイントを押さえれば、ハードルは低くなります。価格設定を誤った場合や原価が変わった場合は、当記事を参考に改定を検討しましょう。適正な価格設定をマスターして、利益を出して買ってもらえる、持続可能なハンドメイド生活を送ってください。