レースの縫い方を押さえよう!基本的な種類やおすすめアイテムも紹介
手芸において、レースはハンカチやバッグなどの小物の装飾、ワンピースやスカートの裾、ブラウスの袖や襟などの縁飾りに活躍する華やかな素材です。レースにはさまざまな質感やデザインのものがあり、縫い方1つで洋服や小物の見栄えや仕上がりを大きく変えます。
当記事では、レースの基本的な種類や縫い方をパターンごとに解説します。レースを使って手芸をワンランク上の仕上がりにしたいという方や、レースの基本的な縫い方を知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次1
レースの基本的な種類
レースにはさまざまな種類があり、種類によって特徴も異なります。ハンドメイドでレースを使いたい方は、レースの種類ごとの違いを把握しましょう。
以下は、レースの主な種類6つとそれぞれの特徴です。
ラッセルレース | ラッセルレース編機で作られるレースの総称です。薄く平らな生地で、リピートする柄模様を得意としています。大量生産が可能なため比較的安価です。 |
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トーションレース | ジャカード織機で作られるレースの総称です。糸を交差させながら柄を作っていて、厚みがあり立体的な仕上がりを特徴としています。太い幅のレースは作れないため、洋服や小物などの縁飾りに向いています。 |
リバーレース | リバーレース機で極細糸を撚り合わせて作るレースです。複雑かつ繊細なモチーフを表現でき、機械で編むレースの中では最も格調高いと言われています。生産には熟練した技術が必要であり、価格は高価です。 |
ネットレース | レース生地の一種であるチュール、もしくはチュール状の網目がある生地に刺繍をして作るレースです。チュールレースとも呼ばれます。刺繍による立体感やチュールのやわらかな質感が魅力です。 |
綿レース | 薄手の綿生地に刺繍をして作るレースで、コットンレースとも呼ばれます。他のレースと比べると透け感が少なく、洋服の生地として使いやすい素材です。 |
ケミカルレース | シルクやコットンなどの生地を土台として刺繍をほどこした後、薬品による化学処理で土台を溶かして刺繍糸だけを残したレースです。土台があった部分が透かし穴になり、刺繍の立体感が際立つ仕上がりとなります。 |
レースは洋裁をはじめとして、さまざまなハンドメイドで使われています。
レースの縫い方をパターンごとに解説
布にレースを縫いつけるときは、一般的にミシンを使います。レースの縫い方はさまざまなパターンがあります。服や小物にどのように取りつけるかによって、レースの縫い方を変えましょう。
以下では、レースの縫い方として6つのパターンを解説します。
裾の裏側にレースをつける
スカート裾などにレースをつける場合、裾の裏側にレースをつける方法があります。裾からレース部分がわずかにのぞいて、上品な仕上がりになる縫い方です。
裾の裏側にレースをつけたいときは、以下の手順でミシンがけしましょう。
(1) | ほつれ防止のために、レース端を約1cm裏側に折って仮縫いをする |
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(2) | 裾を裏返し、生地の縫い目よりもレース端が約1cm長くなる位置にレースを当てて、まち針で留める |
(3) | 裾の布端より約0.5cm内側のところから直線縫いで縫い進める |
(4) | 裾を1周したら、生地の縫い目よりも約1cm多い長さでレースをカットする |
(5) | 1cm分のレースを内側に折り、縫い始めの部分に重ねて縫う |
裾の表側にレースをつける
裾の表側にレースをつけると、レースの柄が見えやすくなって華やかな仕上がりになります。
裾の表側にレースをつける手順は以下の通りです。
(1) | レースの端を約1cm裏側に折り、仮縫いをしておく |
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(2) | 裾の表側にレースを当てて、生地の縫い目よりもレース端が約1cm長くなる位置でまち針で留める |
(3) | レース幅の中央あたりに2本のステッチができるよう、ミシンで直線縫いする |
(4) | 裾を1周したら、生地の縫い目よりも約1cmの長さを取ってレースをカットする |
(5) | 1cm分のレース端を内側に折り、縫い始めに重ねて縫う |
裾に継ぎ足してつける
裾にレースを継ぎ足してつけると、生地とレースに一体感を出せておしゃれさをアップできます。生地本体とレースの色味・柄合わせをすることがおすすめです。また、既製品の裾に継ぎ足す場合は、脇部分の縫い目をリッパーなどで糸切りしておく必要があります。
裾に継ぎ足してレースをつける手順は以下の通りです。
(1) | 脇部分の縫い目にする場所から、レースと裾を中表で合わせてまち針で留める |
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(2) | 中表で合わせた布端を、ミシンで直線縫いする |
(3) | 反対側の脇部分まで縫ったら、レースをカットする |
(4) | 裾を1周したら、生レースの縫い代部分をジグザグ縫いなどで端処理する |
(5) | 縫い代をスカート側に倒して、レースの端をジグザグ縫いなどで端処理する |
(6) | 脇部分を縫い合わせる |
はしごレースをつける
はしごレースとは、テープ状のレースの真ん中に規則的な透かし穴があいているタイプのレースです。
以下では、2枚の生地をはしごレースでつなぐ縫い方を紹介します。
(1) | はしごレースの両端をジグザグ縫いなどで端処理する |
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(2) | 生地の縫い代を裏側に折って、レースの上部に乗せる |
(3) | 生地の表から直線縫いでレースを縫いつける |
(4) | もう1枚の生地も縫い代を裏側に折り、レースの下部に乗せて縫いつける |
角に合わせてレースをつける
ポーチやクッションといった小物の角に、ぴったりと隙間なくレースをつける縫い方です。1枚のレースを角に合わせて折りながら縫い進めます。
以下は、角に合わせてレースをつける手順です。
(1) | 小物の角からレースを幅の長さ分ほど外に出した状態で、直線縫いでレースをつける |
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(2) | 反対側の角まで縫ったらレースを幅の長さ分ほど出して、縫ったレース側に180度折ってまち針で留める |
(3) | 次の辺に合わせるようにレースを45度折って、できた角をまち針で留める |
(4) | レースの縫いつけと角をつくる工程を2回繰り返す |
(5) | 小物の辺を一周したら、縫い始めの部分と長さを合わせるようにレースをカットする |
(6) | 縫い始めと縫い終わりのレースを上下入れ替えて、端を三角に折ってミシンで縫い留める |
両端がスカラップになっているレースをつける
レースの端が半円形にふくらんだ形状のレースをスカラップレースと呼びます。スカラップレースをつけるときは、半円形にふくらんだ部分を縫わないように注意しましょう。
以下では、両端がスカラップになっているレースで、2枚の生地をつなぐ縫い方を紹介します。
(1) | レースの端をジグザグ縫いなどで処理する |
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(2) | 生地の縫い代を裏側に折り、レースの上部に乗せる |
(3) | スカラップよりも下側を縫うように、生地の表から直線縫いでレースをつける |
(4) | 同じ手順で、レースの下部にも生地を乗せて縫う |
レースにおすすめのアイテム
手芸専門店であるユザワヤでは、ハンドメイド素材におすすめのレースを多数販売しています。
以下では、おすすめのレースを4つ紹介します。
●チュールフリル オフホワイト 24391F
やわらかな質感のチュール地を使い、透明感のある白と繊細な模様が特徴的なチュールレースです。レース幅は約4.5cmで、スカートの裾などにつけるレースに向いています。
●ラッセルレース ブラック 12887-10
くっきりとした黒の濃淡でフラワー柄が表現されている、華やかな見た目のレースです。レース幅が約105cmと幅広で、サイズが大きいレース地のドレスや布小物の手づくりに向いています。
●ラメトーション 約8mm幅 シルバー 3155S
トーションレースの表面にキラキラと輝く銀色のラメがついたレースです。約8mm幅のレース幅で、小物の縁飾りや洋服のワンポイントに向いています。生地端や裾・袖だけではなく、装飾として身頃に縫いつける使い方もよいでしょう。
●綿フリル 3番色 5715F-3
やわらかな綿の生地にフラワー柄の刺繍がされている綿レースです。レース幅が約11cmの生地には透け感があり、洋服の裾につけるレースに向いています。レースの上部は刺繍がされていないため、縫い代に使いやすくなっています。
まとめ
レースには薄く平らな生地のラッセルレース、厚みがあり立体的なトーションレース、チュールのやわらかな質感が魅力のネットレースなど、いくつか種類があります。レースの縫い方は、裾の裏側・表側、継ぎ足してつける場合などパターンによって異なるため、レースの特徴を押さえた上でさまざまな縫い方を試してみましょう。
はしごレースをつける場合や、角に合わせてレースをつける場合など、レースの特徴や場面に合わせた付け方を覚えることで、作品づくりの幅が広がります。お気に入りのレースを作品づくりに取り入れて、作品をワンランク上の仕上がりにしましょう。