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公開日: 2022.10.28
最終更新日: 2022.10.28

石粉粘土とは?使い方や保存方法も解説

石粉粘土とは?使い方や保存方法も解説

石粉粘土とはその名の通り、石を細かな粉状にしたものを原料に作られた粘土です。乾燥すると石や陶器のような風合いになる点が魅力で、石粉粘土を使ったアクセサリーや小物類は人気の高いハンドメイド作品です。

当記事では、石粉粘土の概要・安全性・保存方法、紙粘土との違いに加えて、石粉粘土を使ったハンドメイド作品の作り方について紹介します。石粉粘土を使ったハンドメイド活動を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。

石粉粘土とは

石粉粘土とは、乾燥すると石膏や陶器のように硬くなる特徴がある粘土のことです。石を細かい粉状にしたものに接着剤のような薬品を混ぜた粘土であることから、「石塑粘土」とも呼ばれています。セリアやダイソーなどの100均でも販売されているので、手軽に手に入れることが可能です。

石粉粘土は乾燥後でも、粘土同士の接着や、彫刻刀・デザインナイフで削って模様をつけることができます。自由度が高く、強度も強いためアクセサリーやフィギュアなどのハンドメイド作品作りにおすすめです。

また各メーカーで、きめの細かさや乾燥前の柔らかさが異なり、「軽量石粉粘土」といった軽さがウリの商品もあるので、作りたい作品ごとで使う粘土を変えてもよいでしょう。

石粉粘土の安全性

石粉粘土は安全性が高く、素手で作業することが可能な粘土です。ただし注意点として、使用後は必ず石鹸で手を洗い、発疹やかゆみの症状が出た場合は、すぐに使用を中止してください。指紋が気になる場合や、爪の間に入るのが苦手な方は手袋をして作業してもよいでしょう。

対象年齢については、「3才未満に与えないでください」の表記の他にも、「6才以上から使用可」など、メーカーによって異なります。また、対象年齢が記載されていないメーカーもあります。記載がない場合も、誤飲や窒息の恐れがあるので、小さい子の手の届くところには保管しないようにしましょう。

石粉粘土と紙粘土の違い

紙粘土は紙を細かくしたものに糊が混ざってできています。軽量で価格が安く、水をつけることで柔らかくなる性質や、手につきにくいといった特徴があるので、子どもでも手軽に使うことができます。着色する場合は、アクリル絵の具と水性ニスがおすすめです。

缶や瓶にくっつけることができるので、リメイク作品に向いているでしょう。しかし、乾燥後は衝撃に弱くヒビが入った場合は破損することもあります。紙粘土に比べ、石粉粘土は少し重さがありますが衝撃に強いです。また、伸びやすく乾いても縮みにくいため、細く薄い作品を作りたい場合にも適しています。

石粉粘土の使い方

石粉粘土の基本的な使い方を紹介します。

  1. 石粉粘土を袋から使いたい分だけ取り出し、柔らかくなるまでよくこねる
  2. 色をつける場合は、アクリル絵の具を粘土に混ぜ、全体に色がつくまでさらにこねる
  3. 作りたい形に形成する
  4. 1日〜数日程度、自然乾燥させる
  5. 完全に乾燥したら、ヤスリを使い、形や表面をなめらかに整える
  6. アクリル絵の具で部分的な着色をしたり、ツヤ感や強度を出すためにニスを塗ったりする
  7. 数時間〜1日乾燥させれば完成

また、石粉粘土を使う上で押さえておきたいポイントも紹介します。

  • 袋から使いたい分のみ、ヘラなどで切り分けて取り出す
  • 硬いと感じた時は、水を混ぜることで柔らかくなる
  • 乾燥後も粘土を盛ったり、削ったりすることができる
  • 乾燥後の着色は、アクリル絵の具だけでなく色鉛筆でも可能
  • 乾燥後も水に溶ける性質があるので、取り扱いに注意が必要

袋の中の粘土に直接触れて保存するとカビの原因にもなるため、使う分だけ切り分けて使いましょう。

ピアスの作り方

ここでは、ピアス作りに必要な材料と道具、作り方の手順について紹介します。石粉粘土アクセサリーは、石っぽい質感や陶器のような仕上がりになる点が魅力です。花の形やモロッカン模様、バロック模様など、陶器風の質感を生かしたピアスを作ってみましょう。

材料
  • 石粉粘土
  • アクリル絵の具
  • ニス
  • ピアスやイヤリングの金具
  • フェルト
  • 装飾パーツ
  • 多用途接着剤
道具
  • 割り箸
  • 伸ばし棒
  • 粘土用のヘラ
  • カッター

【作り方】

  1. こねて柔らかくした石粉粘土の両サイドに割り箸を置き、その上から伸ばし棒を使って均等に伸ばす
  2. 粘土用ヘラやカッターを使い、好みのサイズ・形に切り抜いて形を整える(装飾パーツを使う場合は、この段階で粘土に埋め込む)
  3. 1日〜数日程度、自然乾燥させる
  4. 絵の具で着色し、1日乾燥させる
  5. ニスを塗り、くっつかないようツルツルした場所で1時間〜数日乾かす
  6. 多用途接着剤でピアスやイヤリングの金具を裏面につける
  7. 肌あたりをよくするために、金具の丸皿よりもひとまわり大きくフェルトを切って、接着剤で金具にフェルトを貼りつける
  8. 1日以上乾燥させれば完成

工程3で自然乾燥させた後にも、削って模様をつけることが可能です。ぷっくりと厚みをつける場合はニスを2〜3回程度重ね塗りしたり、お手持ちのレジンで固めたりしてもよいでしょう。

ブローチの作り方

ここでは、ブローチ作りに必要な材料と道具、作り方の手順について紹介します。クッキー型の形や模様を工夫することで、多種多様な可愛いブローチを作ることができます。

材料
  • 石粉粘土
  • アクリル絵の具
  • ニス
  • ブローチピン
  • 多用途接着剤
道具
  • 割り箸
  • 伸ばし棒
  • 粘土用のヘラ
  • クッキー型

【作り方】

  1. こねて柔らかくした石粉粘土の両サイドに割り箸を置き、その上から伸ばし棒を使って均等に伸ばす
  2. クッキー型で粘土を型抜きして好みの模様をつけ、周囲を指で軽くなぞって形を整える
  3. 1日〜数日程度、自然乾燥させる
  4. 絵の具で着色し、さらに1日乾燥させる
  5. ニスを塗り、くっつかないようツルツルした場所で1時間〜数日乾かす
  6. 裏面に多用途接着剤でブローチピンをつければ完成

クッキー型がない場合は、紙を好みの形に切り、石粉粘土の上に置いて粘土用ヘラで周りをなぞるようにカットしましょう。あらかじめ石粉粘土に色をつけたい場合は、工程1の時に絵の具を混ぜて全体が色づくまでよくこねてください。

アロマストーンの作り方

ここでは、アロマストーン作りに必要な材料と道具、作り方の手順について紹介します。動物の形や果物の形など、好みの形のものをオリジナルで作ってみましょう。

材料
  • 石粉粘土
  • アクリル絵の具
道具
  • 粘土板
  • 粘土用のヘラ
  • パレット

【作り方】

  1. こねて柔らかくした石粉粘土を、手で転がして丸玉を作る
  2. 1の石粉粘土の上から、粘土板を軽く押しつけてつぶす
  3. 粘土用のヘラや指で形を整える
  4. 表面や裏面を指で撫でて、なめらかにする
  5. 1日〜数日程度自然乾燥させる
  6. 絵の具で模様や色をつけ、さらに1日乾燥させれば完成

複数のパーツを使う場合は、1〜3の工程を繰り返し行い、それぞれを接着させましょう。水をつけたり、粘土を重ねて軽く押さえたりすることで接着できます。また、接着部分を指やヘラで撫でてなめらかに整えることで見栄えもよくなります。石粉粘土は乾燥後でも水に溶ける性質があるため、完成後も濡らさないよう注意して使用してください。

フラワーベースの作り方

ここでは、マットな質感がおしゃれなフラワーベース(花瓶)を作ってみましょう。フラワーベース作りに必要な材料と道具、作り方の手順について紹介します。

材料
  • 石粉粘土
  • アクリル絵の具
  • ニス
道具
  • 粘土用ヘラ
  • 伸ばし棒
  • 竹串
  • 紙やすり
  • 香り付けする場合は、アロマオイル

【作り方】

  1. こねて柔らかくした石粉粘土を、好きな形に造形する
  2. 大体の形ができたら筆の柄の部分や竹串を使い、花を挿す部分の穴を開ける(一輪挿しの場合は直径1cm、3〜5cmの深さであける)
  3. 細かい柄や模様をつける
  4. 1日〜数日程度、自然乾燥させる
  5. ヤスリを使って形や表面を整える
  6. 絵の具で着色したり削って模様をつけたりして、さらに1日乾燥させる
  7. ニスを塗り、くっつかないようツルツルした場所で1時間〜数日乾かせば完成

完成したフラワーベースには、気分に合わせた生花や造花、ドライフラワーなどを飾りましょう。工程2で穴を開ける前に、細かな柄をつけると崩れることもあるので、穴を開けた後に柄や模様をつけることがポイントです。また、穴が浅すぎると挿した時に花がこけやすくなるため、注意してください。

石粉粘土の保存方法

使いきれず余ってしまった石粉粘土の保存方法を紹介します。保存時の重要なポイントは、乾燥しないようにすることです。

【石粉粘土の保存方法】

  1. 余った石粉粘土をラップで包む
  2. 水で湿らせたキッチンペーパーを用意する
  3. ジップロックに1と2を入れて、しっかり空気を抜く
  4. 冷暗所で保管する

空気に触れたり乾燥したりすると、すぐに硬くなって使えなくなるため、キッチンペーパーを定期的に交換することが大切です。しっかりと密閉し、乾燥を防ぐことで長期保存ができます。石粉粘土を素手で触ると、カビが発生する原因になるため、手袋の着用がおすすめです。

開封時に少し硬くなっている場合は、粘土全体に水を少し足してこねることで柔らかさが復活します。もし再び余ってしまい再度保存する場合も、しっかり密閉し乾燥を防いでください。また、未開封の石粉粘土は何年でも保存が可能です。

まとめ

石粉粘土は、乾燥すると石膏や陶器のような質感・硬さになる粘土です。伸びやすさと強度の高さを併せ持ち、乾いても縮みにくいといった魅力があります。安全性の高い粘土ですが、使用後は石鹸で手を洗いましょう。

石粉粘土の基本的な使い方は、「柔らかくなるまでこねる」→「形を形成する」→「乾かす」→「絵の具やニスで仕上げる」→「乾かす」となります。乾燥させる前に絵の具を混ぜてカラー粘土を作ったり、乾燥させた後に削って模様をつけたりすることもできます。他の粘土細工にはない独特な風合いを楽しみたい方は、ぜひ石粉粘土を使ったアクセサリーや小物類作りに挑戦してみてください。