サッカー生地とは?生地のメリット・デメリットやお手入れ方法を解説
サッカー生地は凸凹としたシワが特徴の生地で、春夏用の衣服に多く使われます。サッカー生地は薄手でありながらボリューム感がある生地であるため、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで活用できる素材です。洋服・小物などのハンドメイド品作りが好きな人の中には「サッカー生地の使い道が分からない」「サッカー生地のお手入れ方法が知りたい」という人もいるでしょう。
当記事では、サッカー生地の特徴やメリット・デメリット、サッカー生地と同じように「シワ感」や凹凸のある生地の種類を紹介します。ハンドメイド品の生地選びに迷っている人は必見です。
目次1
サッカー生地とは?
サッカー生地とは、凸凹としたシワが特徴の生地です。強く張る糸と弱く張る糸を分けて織ることで、生地表面に波状のシワができます。凸凹したシワは、「しぼ」と呼ばれ、日本語では「しじら織り」として有名です。英語では、「seersucker(シアサッカー)」とも呼ばれます。
サッカー生地は、18世紀のインドで綿花を織り始めたことが起源とされています。インドがイギリスの植民地となり、大量生産のために綿花が使用されるようになったのが背景です。ペルシャ語の「shīr va shakkar(ミルクと砂糖)」が由来で、ミルクのように滑らかな肌触りと、砂糖のようにざらざらした凸凹を表しています。
現在はコットン素材が主流で、春夏用の衣服に多く使われています。サラッとした肌触りと涼しげな見た目が夏にぴったりです。無地・チェック・ストライプ柄など、生地の種類は豊富にあります。メンズではシャツやカジュアルスーツに、レディースではブラウスやスカートに使われる機会が多くあります。
サッカー生地はどんなアイテムに素材として使われている?
以下では、サッカー生地がよく使われているアイテムの一例を紹介します。
・ワンピースやパンツ
薄手でありながらボリューム感のあるサッカー生地は、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで使えます。
・パジャマ
表面が凸凹しているサッカー生地は、肌に触れる面積が少ないのも特徴です。汗をかいてもベタつきにくいので、寝苦しい季節に適しています。
・浴衣や甚平
サッカー生地は「しじら織り」とも呼ばれ、着物にも使用されています。浴衣や甚平に合う生地も多く、オリジナルのハンドメイド作品にもおすすめです。
・帽子
軽量で通気性に優れているので、小さな子どもの帽子にも適しています。シワが目立ちにくく、洗いざらしのまま被れるのもポイントです。
・カーテンやカバー類
清涼感がある素材は、夏のインテリア雑貨に最適です。ベッドカバーやカーテンのようなfabric(ファブリック)をサッカー素材に変えるだけで、見た目も涼しげになります。
サッカー生地は豊富な色や柄があり、年齢や性別を問わずに幅広く活用できる魅力があります。
サッカー生地とリップル生地の違い
サッカー素材と似ている特徴を持つ生地に、リップル生地があります。2つの大きな違いは、凸凹部分の作り方です。サッカー生地は、糸本来の収縮率を利用して凹凸を作り出します。そのため、生地自体が上質な仕上がりになるのが特徴です。一方、リップル生地は、アルカリ性溶液を使用して凸凹感を出します。糸の性質を選ばないため、凸凹の形状を自由に加工できるのがメリットです。
生地の製法に違いはあるものの、どちらも夏に人気があります。浴衣やパジャマに多く使用されているのが共通点です。
サッカー生地のメリットとデメリット
サッカー生地の特徴は、独特の「シワ感」です。涼しげな印象を与えるメリットがあるものの、秋冬に着用すると季節外れな印象を与えてしまうデメリットもあります。サッカー生地を適切に使用するためにも、メリットとデメリットを把握しましょう。生地の魅力を引き出すと、手作り作品のクオリティーが上がります。
ここでは、サッカー生地のメリットとデメリットを紹介します。
サッカー生地のメリット
サッカー生地には、以下のような特徴とメリットがあります。
通気性に優れている |
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サッカー生地は、表面に凹凸があります。空気の流れがスムーズで、熱がこもりにくいのも特徴です。暑い季節でも涼しく着用でき、汗をかいてもベタつきにくいメリットがあります。肌に接する面積が少ないため、夏用の衣服に最適です。 |
薄くて軽い |
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薄手ながらも凸凹があるため、全体的にボリューム感がでます。軽量でありながら、フォーマルな印象も演出できるのが魅力です。ジャケットやワンピースのようなおしゃれなアイテムも軽快に着用できます。 |
シワが気にならない |
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サッカー生地は、表面のシワが特徴です。そのため、洗濯後のシワに悩む必要がありません。アイロンがけも要らず、簡単にケアできます。長時間着用してもシワを気にせずに過ごせるのも魅力です。 |
サッカー生地のデメリット
サッカー生地にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
色落ちしやすい |
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手入れは簡単なものの、洗濯には注意が必要です。色落ちや縮みの恐れがあるため、洗濯ネットの使用をおすすめします。また、白物とは別に洗うことで他の洗濯物への色移りを防止できます。 |
野暮ったい |
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パジャマや夏の衣服に多く使用されるため、季節や着こなしを誤ると野暮ったい印象を与える可能性があります。例えば、サッカー生地のセットアップを秋冬に着用すると、季節感を感じられないため野暮ったく見えるでしょう。トラッドなアイテムと合わせると、上品でスタイリッシュな印象になります。 |
サッカー生地のお手入れの方法
綿100%のサッカー生地が多いため、ほとんどが水洗い可能です。ただし、合成繊維が混紡されている生地はドライクリーニングが必要な場合もあります。洗濯表示を事前に確認しましょう。
サッカー生地は平織り生地に比べて変形しやすい傾向があるため、洗濯機を使用する際は注意が必要です。洗濯ネットを使用するか、型崩れが心配なアイテムは手洗いをおすすめします。また、洗濯機の通常モードを使用すると色落ちや縮みの恐れがあるので、サッカー生地に適した洗剤を使用し、最も弱いモードで洗濯すると安心です。
綿は日焼けが起こりやすい素材なので、洗濯後は直射日光を避けて日陰に干しましょう。サッカー生地はもともとシワのある生地のため、アイロンをかける必要はありません。シワを気にせずに着用できるのがサッカー素材の魅力です。
サッカー生地以外も存在!「シワ感」や凹凸のある生地を紹介
サッカー生地以外にも、シワ感や凹凸が特徴の生地があります。ここでは、「ワッフル生地」「楊柳(ようりゅう)生地」「鹿の子生地」の3つを紹介します。
・ワッフル生地
ワッフル生地は、表面にお菓子のワッフルのような凸凹がある生地です。柔らかくて吸水性に優れています。タオルやシーツに使われることが多かったものの、最近は衣服として使用される機会も増えています。適度な保温性があり、毛羽立ちが目立ちにくいのも特徴です。代表的なアイテムとして、ミリタリー用の下着「サーマル」があります。
・楊柳生地
楊柳生地は、強撚糸を使った縦方向に細かい凸凹が入っている生地です。「京ちぢみ」または「Crape(クレープ)」とも呼ばれています。ストライプ状のシワが入るのも特徴で、清涼感があります。通気性が良く、吸水・速乾性にも優れているため夏に着用しても快適です。
・鹿の子生地
鹿の子生地は編み物(ニット)の一種で、表面に凹凸があるため通気性に優れています。サラリとした肌触りで、汗ばむ季節でも快適です。鹿の子生地が用いられた代表的なアイテムには、スポーツウェアやポロシャツなどがあり、Tシャツやパジャマにも使われています。英語では「Seed Stitches(シード・ステッチ)」や「moss stitch(モス・ステッチ)」という表現が一般的です。
3種類の生地は、シワ感や夏の着用に適している点は共通しているものの、サッカー生地とは異なる魅力や性質を持っています。作品を作る際は、特徴を考慮して生地を選びましょう。
まとめ
サッカー生地は凸凹した波状のシワが特徴の生地で、軽量で通気性に優れています。サッカー生地はパジャマ・浴衣・甚平・ワンピース・パンツなどのアイテムに使われることが多く、年齢・性別を問わず幅広く活用できる魅力があります。
サッカー生地のメリットは、薄くて軽い素材であり通気性に優れるほか、シワが気になりにくい点です。一方で、色落ちしやすいことから洗濯の仕方に注意が必要であり、季節や着こなしを誤ると野暮ったい印象になるデメリットもあります。サッカー生地をハンドメイドで使う際は、メリット・デメリットを把握した上で生地の魅力を引き出すようにしましょう。