パンフラワーとは?魅力や作り方、おすすめの粘土も紹介!
パンフラワーとは、粘土工芸の一種で、パン粘土で作ったお花のことです。耐久性があり、子どもやお年寄りでも華やかな作品が簡単に作れるといった魅力があります。インテリアとして飾る、プレゼント用に手作りするほか、お子さんと一緒に作品作りを楽しむのもよいでしょう。
当記事では、パンフラワーの概要や歴史、クレイフラワーとの違いやパンフラワーの作り方から、おすすめのパンフラワー用粘土まで詳しく紹介します。パンフラワーを作ってみたい・飾ってみたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次1
パンフラワーとは?
パンフラワーとは、粘土工芸の1つで、「パン粘土」や「パンフラワー専用粘土」と呼ばれる、小麦粉で作った粘土を使って制作します。名前の通り、お花を模した粘土細工で、花弁を一枚ずつ手作業で作り、色付けには絵の具やカラー粘土を使用します。パンフラワーは、材料に粘土やボンドなどを使用しているため、食べることはできません。
粘土が材料ですが、湿気に強く耐久性がある上に、カビなどが生える心配もなく、汚れたら水で洗える点が特徴です。関東を中心にさまざまな地域でパンフラワー教室が開かれているので、新しい趣味を始めたい方にもおすすめのハンドメイドのジャンルです。
パンフラワーの歴史
元々パンフラワーは、メキシコや中南米で生まれた民芸品で、「Flor de Migajon de Pan(スペイン語でパンの中身で作った花)」と呼ばれています。余ったパンを素材にお花を作ったことから、「パンフラワー」と呼ばれるようになりました。はじめは、神への捧げものとして扱われていましたが、現代では日用品雑貨や手芸工芸品として作られています。
日本でも、昔は食パンにボンドを混ぜて粘土を作っていました。しかし、日本のような湿気の多い環境では、保存状態が悪くカビてしまうなど、管理が困難だったとされています。今では、パン粘土・石粉粘土・樹脂粘土・紙粘土といった、専用の粘土ができたこともあり、カビや保存状態の心配をする必要がなくなりました。当時と比べると格段にパン粘土の質が上っており、質の向上に伴って完成度の高い作品を作ることが可能となりました。
パンフラワーの魅力
パンフラワーの魅力やおすすめの用途は、下記の通りです。
パンフラワーの魅力 |
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パンフラワーの魅力は、お花のデザインも色も自分好みに決められるという点です。置きたい場所やシチュエーション、贈り物なら相手の好みや生活スタイルに合わせて自由自在に作ることができます。またお花だけでなく、人形やアクセサリーなど、自分の発想次第でさまざまな物を創作することも可能です。 パンフラワーは粘土で作るため、自然乾燥させるだけで色や形が変わらないまま、ずっと楽しむことができる点も魅力です。本物のお花と違って鮮度を気にする必要もなく、子どもから高齢者まで誰でも気軽に作れるのが、パンフラワーの人気の理由と言ってよいでしょう。 |
パンフラワーのおすすめの用途 |
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パンフラワーは、生け花のようにインテリアとして部屋に飾ることで、お部屋を明るく、華やかに装飾できます。また、母の日などの特別な日に、一生懸命作った手作りのパンフラワーをプレゼントすれば、相手も喜んでくれるでしょう。子どもの夏休みの課題として、親子で一緒に制作するのもおすすめです。 |
パンフラワーとクレイフラワーの違い
クレイフラワーとは、樹脂粘土で作ったお花のことを指します。樹脂粘土を使うことで、繊細で美しく、本物のお花と見違えるほど完成度の高い作品にすることが可能です。
パンフラワーとクレイフラワーの違いや共通点は、下記の通りです。
パンフラワーとクレイフラワーの違い |
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パンフラワーとクレイフラワーでは、使う材料や手触りなどが異なります。どちらも粘土を使って制作しますが、使用する粘土がパン粘土・パンフラワー専用粘土の場合は「パンフラワー」、樹脂粘土の場合は「クレイフラワー」となります。 また、パン粘土は乾くとプラスチックのような質感となりますが、反対に、樹脂粘土はスポンジのような質感に変化することが特徴です。 |
生花にはない共通点 |
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パンフラワーとクレイフラワーには、生花にはない共通点があります。パンフラワーとクレイフラワーはどちらも粘土で作る作品のため、生花のように枯れることもなく、半永久的に鑑賞を楽しむことができます。また、生花と違って花粉が落ちないため、アレルギー持ちの方でも安心して部屋に飾れる点が魅力です。 |
パンフラワーは自分で作れる?
パンフラワーは道具と材料を揃えれば、誰でも簡単に作ることができます。
以下の項目では、パンフラワー作りに必要な材料と、詳しい作り方について紹介します。これからハンドメイドを始めてみたい方やお花が好きな方などは、ぜひ参考にしてみてください。
パンフラワー作りに必要な材料・道具
パンフラワー作りには、主に以下のものが必要です。
●必要な材料
- パン粘土
- ワイヤー
- フローラテープ
- ボンド
- 油絵の具、アクリル絵の具、カラー粘土
パン粘土は、パンフラワーを作るためのメインとなる材料です。茎や葉を作ったり、くっつけたりなどのアレンジの際は、ワイヤーやフローラテープ、ボンドがあるとよいでしょう。また、粘土に着色したり作品に色付けをしたりするための絵の具も必要です。粘土の種類によっては、カラー粘土を混ぜて着色する方法もあります。
●必要な道具
- ハサミ
- カットローラー
- 伸ばし棒
- 細工棒
- 粘土用葉型
- つまようじ
- ラップ
粘土を伸ばしたり成形したりする際にあると便利なのが、伸ばし棒や細工棒といった粘土用工具です。また、粘土用葉型やつまようじも用意しておくと、粘土に細かな模様を付けるときに役立ちます。
ほかにあると便利なものとして、クリアファイル、ペンチ、ニッパーなどもあります。もし粘土が残った場合は、ラップに包んで保管しておくと乾燥しないため、ラップも用意しておくとよいでしょう。
パンフラワーの作り方
ここでは、パンフラワーを作る方法やアレンジ方法について紹介します。
1 | パン粘土を伸ばす |
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パン粘土を伸ばし棒や細工棒などで、薄く均等に伸ばします。 |
2 | 花弁や葉を作る |
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薄く伸ばした粘土を、ハサミやカットローラーで花弁や葉の大きさに合わせてカットし、手で形を整えます。花弁や葉に筋状の線を入れる際は、カットローラーやつまようじを活用しましょう。粘土用葉型があれば、粘土を型に押し付けるだけで簡単にきれいな葉脈をつけることができます。 |
3 | 組み立てる |
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(2)で作ったパーツを、ボンドを使って花の形になるよう組み立てます。組み立てた花は、フローラテープを巻いて本物の茎に見立てたワイヤーや棒に刺しましょう。 |
4 | 色を塗って完成 |
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絵の具を使ってパンフラワーに色を付けます。最後に乾燥させたら完成です。 |
パンフラワーは作り方を工夫することで、さまざまなアレンジが可能です。例えば、さまざま種類の花を作って束ねるとフラワーアレンジメントになるほか、ワイヤーの使い方を工夫すると、フラワーリースにすることもできます。
さらに、リボンで束ねることで、ウエディングブーケのような華やかなアレンジにもなります。結婚式などの行事で活用するなら、パンフラワーをウェルカムボードに貼り付けてデコレーションするのもよいでしょう。また、ブレスレットやイヤリングなどのアクセサリーにするのもおすすめです。
パンフラワー作りにおすすめの粘土
こちらでは、おすすめのパンフラワー専用粘土について紹介します。以下の商品は手芸用品店や通販で購入することが可能です。
・パンフラワー用粘土 『Farinetta (ファリネッタ) 250g』 日清アソシエイツ
小麦粉を原料としたパン粘土です。速乾性に優れており、きめが細かく弾力性もあるため、パンフラワーだけでなく、アクセサリーやレリーフのような浮き彫り細工など、幅広い手芸・工芸作品作りが可能です。
着色の際は、カラー粘土や油絵の具を使うことが推奨されています。着色時の色のりもよく、鮮やかな発色を楽しむことができるでしょう。
出典:ユザワヤ「パンフラワー用粘土 『Farinetta (ファリネッタ) 250g』 日清アソシエイツ」
・パンフラワー用粘土 『Neo Farinetta (ネオファリネッタ) 250g (125gx2)』 日清アソシエイツ
小麦粉を原料としたパン粘土で、パン粘土と樹脂粘土の扱いやすさを兼ね備えた粘土です。柔らかな触感と伸びのよさが特徴で成形もしやすく、乾燥後は透明感のある仕上がりになります。
薄い黄土色の粘土なので、パンを造形する場合は着色せずに焼き色を付けるだけで完成する点も魅力です。鮮やかに着色したい場合は油絵の具がおすすめですが、アクリル絵の具も使うことができます。
出典:ユザワヤ「パンフラワー用粘土 『Neo Farinetta (ネオファリネッタ) 250g (125gx2)』 日清アソシエイツ」
・パンフラワー用穀物粘土 『Fresh (フレッシュ) 240g』 日清アソシエイツ
穀物を原料とした新しいタイプの粘土です。粘性が強く、薄く伸ばせる点が特徴で、乾燥後は軽く、アンティーク調の落ち着いた風合いに仕上がります。
また、完成後は透明感も出るため、小花やブローチなどの作品作りにもおすすめです。着色には、カラー粘土や油絵の具、アクリル絵の具を使いましょう。
まとめ
パンフラワーは、小麦粉を原料とした粘土で作るお花のことです。元々は、余ったパンを素材にお花を作ったことがパンフラワーの由来と言われています。今では、パンフラワー用の専用粘土ができたこともあり、完成度の高い作品を作ることができます。
パンフラワーは生花のように枯れる心配もなく、お花の形も色も好きなようにデザインできる点が魅力です。また、パンフラワーは道具と材料を揃えれば、誰でも簡単に作ることができます。フラワーアレンジメントやフラワーリースのほか、アクセサリーなども作れるため、ハンドメイドやお花が好きな方は、ぜひオリジナルの作品を作ってみてください。