油粘土とは?ダイソーの粘土や作品の作り方を解説
油粘土は、クレイクラフト初心者の方でも扱いやすく、何度でも形成し直せる点が魅力の粘土です。子どもの頃の工作の時間に取り扱ったことがある方も多く、最近の油粘土は当時より、質の高まったものが販売されている傾向にあります。
当記事では、油粘土の概要や紙粘土との違い、油粘土の保管方法や選び方などを解説します。また、人気の油粘土やうさぎ、ケーキの作り方も紹介するため、クレイクラフトに挑戦したい方はぜひ参考にしてください。
目次1
油粘土とは|人気商品2選も紹介
油粘土とは、油と鉱物の粉などを混ぜて作られた粘土です。自然乾燥をしないことから柔らかさが維持でき、繰り返し造形することが可能といった特徴があります。
また、伸ばしやすくコシが強い性質もあるため、高さのある作品でも形を維持しやすく、クレイアニメを作る場合にもおすすめです。加えて型離れもしやすく、フィギュアを複製するためのシリコン型を作りたいときの「型取り」にも使用できます。
粘土には油粘土の他にも、下記ページで紹介するようなものもあります。ぜひ参考にしてください。
油粘土は昔から、保育園や幼稚園、小学校の工作の時間などにも使われてきた粘土であるため、触ったことがある方も多いでしょう。ずっしりとした重さがあり、独特の匂いが苦手という方も多いかもしれませんが、最近は重さや匂いが抑えられた油粘土も数多く販売されています。
ここでは、おすすめの油粘土を2つ紹介します。それぞれの油粘土の特徴とおすすめのポイントも参考にしてください。
◆あぶらねんど300g
100均のダイソーは、さまざまなタイプの粘土を豊富に取り扱っています。粘土素材の中でも定番の「あぶらねんど」は、シンプルなホワイトカラーで、匂いも気にならない対応です。たっぷりと使用できる、300gの大容量の粘土を100円で購入することができます。
出典:【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア「あぶらねんど 300g」
◆油粘土 『ウクカル油ねんど 090189』 デビカ
ユザワヤの「ウクカル油ねんど」は、ネーミング通りの水にも浮くほどの軽さが特徴です。とてもやわらかいため制作しやすく、匂いも大幅にカットしてあります。ST基準適合検査「STマーク」合格品であるため安心です。
紙粘土との違い
紙粘土は、炭酸カルシウムと糊剤に、パルプ繊維粉などを混ぜて作られた粘土です。水分を含むと柔らかくなる性質があります。
油粘土とは違い、自然乾燥により固まるため、完成した作品を保存したい場合におすすめです。また、絵の具を粘土に混ぜ込んで着色したり、乾燥後に絵の具やニスを塗ったりすることができます。
油粘土の選び方
最近の油粘土は、匂いを抑えたものや軽量化されたものだけでなく、安全性にこだわって作られたものやカラフルなものなど、さまざまなタイプが販売されています。また、ケースやヘラが付属されたものもあるため、これから粘土細工作りに挑戦しようと考えている方は、付属品つきのものを選ぶこともおすすめです。
今回は、油粘土を選ぶときのポイントについて紹介します。
安全性で選ぶ
素手で触ることが多い油粘土は、安全性も重要なポイントです。ST基準適合検査(日本玩具協会)に合格したことを示す「STマーク」がついた油粘土も販売されているため、油粘土を購入する際の基準にしてもよいでしょう。
また、粘土の中に抗菌剤が練りこまれている抗菌仕様の油粘土も販売されており、菌が繁殖するのを防ぐため、非常に衛生的です。さらに、粘土に混ぜ合わせる鉱物油を、国産の米油に変更した油粘土も販売されています。米油はお米を原料としているため、アレルギーも起こりにくく、小さな子どもから大人まで安心して使える点が魅力です。
色で選ぶ
昔ながらの灰色や青緑色といったイメージが強い油粘土ですが、最近は白・赤・青・黄などのカラフルなものも販売されています。作りたい作品に合わせて選びましょう。
また、異なるカラーの粘土を練り合わせることで、色合いや色のトーンを調節したオリジナルカラーを作ることも可能です。多様なカラーの粘土を購入し、好みの色を作ってみましょう。
付属品で選ぶ
油粘土の付属品には、主に下記のアイテムがあります。目的や用途に合わせて選びましょう。
・ケース
油粘土は、自然乾燥をしない粘土ですが、ほこりなどの異物が混入すると、変色したり品質が劣化したりしやすいため注意してください。粘土ケースとセットになった、ケース入りタイプの粘土を選べば、粘土を長持ちさせることにつながるでしょう。また持ち運びする際にも便利です。
・ヘラ
コシが強い油粘土は、手でちぎるよりも、ヘラで切るほうが簡単に切り分けることができます。ヘラは切る以外にも、模様を彫るといった使用方法も可能です。
ヘラの形状には真っすぐに切れるもののほか、波形やギザギザに切れるものもあります。油粘土を切り分けるだけなら、シンプルなナイフ型のヘラで十分ですが、彫ったり模様をつけたりする場合は、用途に適した形状のヘラを選ぶとよいでしょう。
・押し型
油粘土は、手でこねるだけでもさまざまな形を作れますが、手だけでは再現しづらい、ハートや星、動物の形などは、押し型を使用することで簡単に切り抜くことが可能です。
また、粘土ケースの裏に押し型がついているものや、粘土と一緒に押し型を収納するタイプなどもあります。押し型にはさまざまな種類があるので、形成したい形に合わせて選びましょう。
油粘土の使い方・作品の作り方
油粘土を使用する際は、作品の制作に取りかかる前に「荒練り」をします。荒練りとは、粘土の硬さを均一にするための作業です。油粘土は、固い部分と柔らかい部分があると扱いにくいため、必ず行いましょう。練り上がりは、耳たぶの柔らかさを目安とします。
●「荒練り」のやり方
(1) | 粘土板に乗せた粘土を、体重をかけて両方の手のひらで前方にすべらせるように押し出します。 |
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(2) | 押し出した粘土を手前に戻してもう一度練り、広がった左右部分は内側に折りたたみます。 (1)(2)の作業を繰り返すと、段々と粘土が粘土板につくようになります。さらに練り続けると粘土が手についてくるため、この状態になれば表面だけではなく内側まで軟らかくなっている証拠です。 |
(3) | 練った粘土でヒモをつくって曲げた際に、ひび割れをしなければ、荒練りは完了です。 |
硬い油粘土が、キメの揃ったなめらかな手触りに変わったら、早速作品の制作にとりかかりましょう。今回は初心者でも簡単に作れる「うさぎ」と「ケーキ」の作り方を紹介します。
うさぎ
油粘土を使ったウサギ作りに必要な材料は、粘土とヘラだけです。作り方は下記をご覧ください。
(1) | うさぎの顔になる部分を手で丸めます。 |
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(2) | ウサギの耳部分を2つ作りましょう。 楕円形にしたら、ヘラを軽く押しつけて耳の内側へこみをつけます。作った耳は、ヘラを使ってうさぎの顔に丁寧にくっつけます。 |
(3) | 次にリボンを作ります。 細長い形の粘土を指で平らにしながらリボン型に成型しましょう。 耳の内側と同様に、ヘラを軽く押しつけてへこみをつけます。 |
(4) | 目と鼻を作ります。指先で小さく丸めて鼻を作ったら、顔パーツへくっつけてください。同じように目も2つ作り、先につけた鼻とのバランスを見ながらくっつけます。 |
(5) | 口をヘラ先で描き、リボンを耳の根元につけたら完成です。 |
ケーキ
ここでは、ケーキの作り方を紹介します。必要なものはうさぎ作りと同様で、油粘土とヘラだけです。
(1) | 手で三角形に整え、ケーキの土台部分を作ります。 |
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(2) | 手で丸めた粘土を指先で摘まみ上げ、デコレーションの生クリームを作りましょう。作ったホイップはヘラを使い、ケーキの土台に丁寧にくっつけます。 |
(3) | 次にいちごを作ります。丸みのある三角形に成形し、ヘラ先でいちごの種模様を描きましょう。ケーキの土台にのせれば完成です。 |
油粘土の保管方法
油粘土を繰り返し使用するためには、保管方法にも注意が必要です。高温、直射日光を避けて保管し、開封後はなるべく早めに使用しましょう。粘土が乾燥しないようにラップで包み、ウエットティッシュなどとともに密閉できるジッパー袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから保管します。
なお、ラップやウエットティッシュは劣化が早いため、こまめに交換してください。保管用のラップは、ポリエチレン製(PE製)ではなく、ポリ塩化ビニリデン製(PVDC製)のラップを使用することで、ラップの劣化速度を抑えることが可能です。
まとめ
油粘土は、伸ばしやすくコシが強いため、初心者でも簡単にモデリングなどクレイクラフトの作品作りができます。また、自然乾燥しないため、繰り返し造形遊びを楽しむことが可能です。
油粘土を購入するときは、安全性や作りたい作品に合った色合い、用途に適した付属品つきの商品を選びましょう。また油粘土を購入したら、まず荒練りを行い、扱いやすい状態にしてから形成にとりかかることがポイントです。ぜひ、クレイクラフトでの作品作りを楽しんでください。