初心者向け!毛糸の種類と特徴を素材・紡績・太さ・形状別に解説!
色とりどりの毛糸が並べられている手芸屋さんの棚は、見る人の目を楽しませてくれます。しかし、いざ編み物用の糸を選ぼうとするとどれを選べばよいのかが分からなくなり、すごすごと引き返した経験がある人もいるのではないでしょうか。
作品を納得のいく仕上がりにするためには、毛糸の種類と特徴をひととおり押さえた上で適切な毛糸を選ぶことが大切です。
今回は、素材・紡績・太さ・形状といった4つの観点から主な毛糸の種類を紹介します。毛糸の種類と特徴を知り、用途に合った毛糸を選びたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次1
素材における毛糸の種類7つ
毛糸を選ぶ際、まず注目したいものが素材です。選ぶ素材によって、作品の肌触りや機能性が大きく変わります。毛糸の主な素材は、下記の7つです。
種類 | 特徴 |
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ウール | ウールは動物性の天然繊維で、一般的には羊毛を原料とするメリノウールを指します。「繊維の王様」と呼ばれるほど、最もポピュラーな素材です。ふんわりとしていて保温性が高く、吸湿性・放湿性に優れています。 |
獣毛 | 獣毛は、動物性の天然繊維です。主な獣毛としては、以下の4つが挙げられます。
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アクリル | アクリルは、ウールによく似た化学繊維です。ふっくらとしていて軽く、保温性が高い点が魅力です。ほかの素材と混合しやすい点や、発色がよい点も、大きな特徴と言えます。汚れを吸着する性質も備えているため、エコたわしの材料にピッタリです。 |
ポリエステル | ポリエステルは、綿をはじめとする植物性の天然繊維に似せて作られた化学繊維です。熱や摩擦に強く、耐久性に優れています。速乾性に優れている点も、特筆に値するでしょう。 |
綿(コットン) | 綿(コットン)は、綿花を原料とする植物性の天然繊維です。吸水性が高く、肌にやさしいため、肌が敏感な人に贈るセーターやマフラーの材料として活用するとよいでしょう。熱に強く丈夫である点も、綿の大きな長所です。 |
麻(リネン) | 麻(リネン)は、フラックスという亜麻科の植物を原料とする植物性の天然繊維です。耐久性が高く、水に濡れると強度が増します。通気性・速乾性に優れており、さらりとした肌触りであるため、春夏用のアイテム作りにうってつけです。 |
絹(シルク) | 絹(シルク)は、蚕の繭から取れる生糸を原料とする動物性の天然繊維です。通気性・保温性に優れている上に、つややかで美しい光沢ときめ細やかでなめらかな肌触りを兼ね備えています。 |
棒針編みをする場合には、伸縮性があるウール・獣毛・アクリル・ポリエステルの毛糸を選ぶとよいでしょう。一方、伸縮性がない綿・麻・絹の毛糸は、かぎ針編みにおすすめです。
紡績における毛糸の種類2つ
編み物の質感にもこだわりたい人は、紡績の種類もチェックしましょう。毛糸は紡績の方法によって下記の2種類に分類できます。
種類 | 特徴 |
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紡毛糸 (ぼうもうし) | 紡毛糸は、短い繊維を撚り合わせて作る糸です。繊維の太さも方向もバラバラであるために空気が多く含まれ、毛羽立っていて膨らみがある柔らかな仕上がりとなっています。 |
梳毛糸 (そもうし) | 梳毛糸は、長い繊維を撚り合わせて作る糸です。繊維の太さと方向が一定であるため、毛羽がなくなめらかな仕上がりとなっています。 |
紡毛糸のメリットは、保温性に優れ、毛玉ができても目立たないことです。一方、梳毛糸には、質感がシャープで、毛玉ができにくいというメリットがあります。なお、梳毛糸は紡績工程が多い分、紡毛糸より高価です。
太さにおける毛糸の種類6つ
編み糸を選ぶ際には、太さを確認することも大切です。毛糸の太さは作品の厚みや風合いに影響を及ぼします。主な毛糸の太さは、下記の6種類です。
種類 | 特徴 |
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極細 (ごくぼそ) | 極細は、8番手以上、太さ1mm以下の毛糸です。中でも、13番手以上、太さ0.8mm以下のものは超極細(ちょうごくぼそ)と呼ばれることがあります。 |
中細 (ちゅうぼそ) | 中細は、3.5~5番手、太さ1~1.6mmほどの毛糸です。4.8~8番手、太さ1~1.2mmほどの毛糸は合細(あいぼそ)と呼ばれることがあります。 |
合太 (あいぶと) | 合太は、2.5~4番手、太さ1.8~2mmほどの毛糸です。 |
並太 (なみぶと) | 並太は、1.5~2.9番手、太さ2~3mmほどの毛糸です。1.5~2番手、太さ2.5~3mmほどの毛糸は太(ふと)と呼ばれることがあります。 |
極太 (ごくぶと) | 極太は、1~1.9番手、太さ3~5mmほどの毛糸です。1~1.2番手、太さ4~5mmほどの毛糸は極々太(ごくごくぶと)と呼ばれることがあります。 |
超極太 (ちょうごくぶと) | 超極太は、1番手以下、太さ5mm以上の毛糸です。0.3番手以下、太さ8mm以上の毛糸は超々極太(ちょうちょうごくぶと)と呼ばれることがあります。 |
※「番手」とは、糸の太さを表す世界共通基準です。1番手は、1,000gあたりの長さが1,000mであることを指します。
それぞれの太さに対応する棒針・かぎ針のサイズは、下記のとおりです。
太さ | 棒針のサイズ | かぎ針のサイズ |
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極細 | 0~2号 | 1/0~2/0号 |
中細 | 2~5号 | 2/0~5/0号 |
合太 | 4~6号 | 3/0~6/0号 |
並太 | 5~11号 | 5/0~9/0号 |
極太 | 9~15号 | 7/0~10/0号 |
超極太 | 15号~ジャンボ25mm | 10/0号~ジャンボ15mm |
ただし、毛糸の太さと対応する編み針のサイズはメーカーによって異なります。そのため、毛糸や編み針を選ぶ際には、毛糸のラベルを必ずチェックするように心がけてください。
形状における毛糸の種類3つ
毛糸の形状は、作品のデザインを左右します。主な毛糸の形状は、下記の3つです。
種類 | 特徴 |
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ロービングヤーン | ロービングヤーンは、撚りがゆるく、真っ直ぐでふんわりとした毛糸です。太さは超極太であることが多く、保温性に優れています。秋冬用のアイテム作りにおすすめです。 |
ストレートヤーン | ストレートヤーンは、均一に撚られた真っ直ぐな毛糸です。最もオーソドックスな形状であり、超極細から超極太まで、さまざまな太さのものがあります。編み地を美しくしたい人におすすめです。 |
ファンシーヤーン | ファンシーヤーンは、個性的な形状の毛糸です。主なファンシーヤーンとしては、以下の4つが挙げられます。
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ファンシーヤーンは魅力的ですが、編みにくいものがほとんどです。そのため、編み物初心者はロービングヤーンやストレートヤーンなど、癖がない形状の毛糸を使うことをおすすめします。
まとめ
ウール・獣毛・アクリル・ポリエステル・綿・麻・絹といった素材は、肌触りや機能性を左右します。紡毛糸・梳毛糸といった紡績の種類は、質感を決める大切なポイントです。
極細・中細・合太・並太・極太・超極太といった太さは、厚みや風合いに影響を及ぼします。ロービングヤーン・ストレートヤーン・ファンシーヤーンといった形状は、デザインの決め手となり得る要素です。
毛糸を選ぶ際には、今回紹介した毛糸の種類と特徴を頭に入れ、制作したいものや自分のレベルに合う毛糸であるかどうかをじっくり検討してください。