キルティングとは?特徴・性質や世界のキルティング生地も解説!
暮らしになじみのあるキルティングは、暖かさや丈夫さとともに優れたデザイン性も持っています。また、衣服やファッション小物など、活用できるアイテムも多いため、手芸材料としても注目を集めています。
当記事で解説するのは、キルティングの種類や使用されているアイテム、洗濯時に注意したいポイントです。また、ハワイアンキルトなどの世界の代表的なキルティング生地についても紹介するため、ハンドメイド活動の参考にしてください。
目次1
キルティングとは?
キルティングとは、表地と裏地の間に綿を挟んで3層にした生地を、ランニングステッチ(串縫い)という方法を用いて、ミシンや手で縫い合わせる手芸の技法です。また、キルティングの技法によって2枚の生地の間に綿が封じ込められた生地は、キルティング生地やキルトといいます。
キルティングの本来の目的は、中綿のズレを防いで保温性を高めるという点です。キルティングを用いることで、薄い生地でも暖かみを出すことができます。最近では薄い生地でも立体的な模様を浮き上がらせることが可能な点から、装飾のために用いられることも多いです。
キルティングは2枚の薄い生地を縫い合わせているため、裏地を付ける必要もなく、また家庭用ミシンでも吸いやすいため、ハンドメイド初心者でも挑戦しやすいでしょう。初心者の方は、まずはクッションカバーやコースターなどを余ったハギレで作るのもおすすめです。
キルティングはどんなアイテムに使用されている?
キルティングは、衣服や小物、インテリアなどのさまざまなアイテムに使われています。
キルト生地を使った衣服として広く知られているのは、キルティングコートです。キルティングコートは1枚羽織るだけでも暖かいため、実用性とファッション性に優れたアイテムとして人気があります。また、冬を暖かく過ごすためのアイテムとして、キルティングスカートもポピュラーです。
小物にもキルティングは幅広く使われています。例えば、子どもの入園・入学グッズとしてよく知られるレッスンバッグやシューズケース、体操着入れなどです。また、大人が使えるバッグやポーチ、巾着などにもキルティングは用いられています。
キルティングを使ったアイテムは、洗濯や掃除のしやすさから、キルティングラグやキルトケットといったインテリア分野でも人気です。
キルティングの種類
どの素材にキルティング加工を施すかによって、キルティング生地の名称は異なります。キルティングの種類は下記の通りです。
綿ポリキルティング | ほどよい厚みとハリのある綿ポリ生地にキルティングを施した生地 |
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オックスキルティング | 厚みと通気性を兼ね備えたオックス生地にキルティングを施した生地 |
シーチングキルティング | ざっくりとした風合いのシーチング生地にキルティングを施した生地 |
ブロードキルティング | 柔らかい手触りと光沢を持つブロード生地にキルティングを施した生地 |
ガーゼキルティング | 軽さや柔らかさ、吸水性などを持つガーゼ生地にキルティングを施した生地 |
キルティングは種類によって厚さや手触りに違いがあります。そのため、ハンドメイドに用いる際には、コートや子どもの入園グッズ、大人用のバッグなど、アイテムによってキルティング生地を使い分けるのがおすすめです。
キルティングの主な特徴・性質
キルティングは、下記の特徴や性質を持っています。
キルティングの主な特徴・性質
- 暖かい
- 丈夫なのに軽い
- 用途が幅広い
- シワになりにくい
- デザイン性が高い
暖かくなるという点はキルティングの代表的な特徴です。キルティングは生地と生地の間に綿が挟まれているため、空気の層が生まれます。中綿によって作られた空気の層により、体から出る熱を外に逃がさないようにすることができるため、保温性が高くなります。
キルティングの中綿は、生地の耐久性を高めるのと同時に、軽さも叶えてくれます。一般に、丈夫な生地は厚さを持っているか特殊加工を施す必要があるため、重たくなりがちです。しかし、軽量な中綿によって強度を高めたキルティングは、丈夫さと軽さを兼ね備えています。また、キルティングをすることで薄い生地でもハリが生まれるため、しわになりにくいという点も大きな長所でしょう。
また、キルティングは機能性だけでなくデザイン性にも優れています。キルティングを施す際のステッチ(縫い目)は、直線や曲線を用いて、チェック模様や花模様、幾何学模様を表現することが可能です。生地の色や模様でデザインを楽しむこともできます。
洗濯時の注意点は?
さまざまなアイテムに使うことができる便利なキルティングですが、自宅で洗濯する際にはいくつか注意すべき点があります。
まずは、キルティング生地の洗濯表示を確認しましょう。キルティングは生地の間に綿が入っているため、キルティングの種類によっては水分に弱かったり縮みやすかったりすることがあります。洗濯機で洗えるのか、乾燥機は使えるのかなどの確認が欠かせません。
キルティング生地のコートなどの衣類を乾かす理想の方法は、自然乾燥です。ある程度の時間は必要ですが、中綿を自然にじっくりと乾かすことによって、縮みや型くずれを防げます。
また、洗濯や乾燥を終えたキルティング衣類を収納する際には、ハンガーにかけて収納することをおすすめします。キルティングをたたんで収納した場合、中綿がつぶれ、キルティング生地のよさが損なわれてしまうためです。バッグなどのキルティングアイテムも、できるだけたたまずに収納しましょう。
世界の代表的なキルティング生地
キルティングの起源はヨーロッパの寒い地域ですが、その後キルティングは世界の各地で独自の発展を遂げてきました。世界には、ヨーロピアンキルトやアメリカンキルト、ボルチモアキルトなどのさまざまなキルトがあります。
中でも代表的なキルティング生地を、以下に3つ紹介します。
ハワイアンキルト
1820年代、アメリカのニューイングランド州からキリスト教を広めるために、宣教師たちがハワイを訪れました。宣教師の妻たちから伝えられたキルティングの技法を、ハワイの女性たちが独自に発展させたものがハワイアンキルトです。
ハワイアンキルトの特徴は、1枚の大きなサイズの布を8つに折りたたんでカットしたことにより生まれる、シンメトリー(左右対称)なデザインです。シンメトリーな模様は、南国らしい果実や植物などを表し、またキルティングのステッチは、ハワイを囲む海や波の自然風景を表現しています。
細かい手法を用いるハワイアンキルトは、手芸だけではなくアートとしての評価も高く、特別な日のベッドカバーや壁掛けなどの装飾品としても使われています。
カオハガンキルト
カオハガンキルトとは、フィリピン・セブ島沖にある小島「カオハガン」で作られているキルティング生地です。1990年代にカオハガンに移り住んだ日本人女性が、島の女性たちにキルティングの技法を伝えました。
カオハガンの女性たちによって発展したカオハガンキルトは、型紙や定規を使わずにナチュラルにカットした布を自由に縫って作られます。そのため、1つとして同じ形の物がありません。キルトに描かれるモチーフは、島の植物や動物、海を泳ぐ魚、空を飛ぶ鳥などです。また、カラフルな配色も魅力です。
近年は島の観光資源としての価値が注目されていて、日本のキルト作家が地元の住民にキルティングの技術指導を行うこともあります。
アーミッシュキルト
アーミッシュとは、1700年代にスイスやドイツからアメリカに移り住んだ、キリスト教プロテスタント再洗礼派の人々です。現在も地域や国、既存の教会には属さずに、聖書の解釈に従って生活をしていて、「プレーン・ピープル(簡素な人々)」とも呼ばれています。
アーミッシュのグループによって作られるキルトが、アーミッシュキルトです。アーミッシュは「必要なものを、必要な分だけ」というルールのもと、謙虚さを象徴する無地の布を使った衣服を着用しています。アーミッシュキルトも同様に、無地の布が使われ、幾何学模様のデザインと非常に細かなステッチが施されています。
アーミッシュキルトの布地カラーや模様には、厳しい制約を生活条件としたアーミッシュの信念が反映されており、素朴さの中にも洗練された力強い印象を与えるデザインです。
まとめ
2枚の生地の間に中綿が封じ込められたキルティング生地は、保温性や耐久性、デザイン性に優れています。キルティングはコートやスカートなどの衣服だけではなく、バッグやポーチ、ラグや寝具など、多種多様なアイテムに活用されています。
キルティングは、世界各地で個性豊かな発展を遂げてきました。中でも有名なのは、芸術性の高いハワイアンキルトや色鮮やかなカオハガンキルト、繊細なステッチのアーミッシュキルトです。
キルティング生地に使われる素材は綿ポリからガーゼまでいくつか種類があるため、ハンドメイドで用いる際は、目的や好みにあったものを選びましょう。