PageTop

公開日: 2022.02.14
最終更新日: 2022.05.16

裁縫の玉結びとは?玉止めとの違い・手順・コツ・失敗への対処法も

裁縫の玉結びとは?玉止めとの違い・手順・コツ・失敗への対処法も

手縫いでハンドメイドに挑戦するとき、初心者にとって難しい手順が玉結びです。大きく不格好になったり、反対に小さくなりすぎたりと、玉結びを失敗したことがある方は多いでしょう。美しい玉結びを作るには正しい手順とコツを知ることが必要です。

この記事では、手芸初心者でもきれいな玉結びを作れるようになるコツのほか、玉結びに失敗してしまったときの対処法も解説します。玉結びをマスターして、ハンドメイド作家への第一歩を踏み出しましょう。

裁縫の玉結びとは?玉止めとの違いも

玉結びとは、縫い始めに糸端に結び玉を作ることです。針に糸を通してから、糸の端に結び目を作ることで、縫った糸が布地から抜けないようにします。玉止め(玉留め)と混同されることがありますが、玉止めは縫い終わりの処理です。

【玉結びと玉止めの違い】

  • 玉結び:縫い始めに糸の先端に結び玉を作る
  • 玉止め:縫い終わった箇所の糸に結び玉を作る

玉止めでは、縫い終わりに糸の根元で結び目を作り、糸がほつれて布から外れないようにします。

玉結びと玉止めは、どちらも裁縫をする上で重要な手順です。結び目を作り糸が布地から外れないようにするという目的は共通していますが、それぞれ縫い始めと縫い終わりの処理であり、手順やコツが異なります。この記事では、玉結びの手順やコツを詳しく解説します。

裁縫の基礎!玉結びの手順

玉結びは裁縫の基礎となる技術の1つです。手芸初心者のうちは失敗しやすいポイントでもありますが、正しい手順を確認しながら落ち着いて行えば、次第に上達し、縫い目に響きにくい美しい結び目が作れるようになります。

ここでは基本的な玉結びの作り方と、基本の作り方でも難しい方向けにさらに簡単な作り方の2種類を解説します。

【基本】指で作る場合

まずは基本となる、玉結びを指で作る方法を解説します。多くの場合、利き手のほうがやりやすいですが、反対の手で作っても構いません。

【指で玉結びを作る手順】

  1. 人差し指に糸を1周巻きつけ、糸の先を交差させる
  2. 糸を親指で押さえ、人差し指と親指をこすりつけるようにしながら糸をより合わせ、結び目を作る
  3. (2)でできた結び目がほどけないよう人差し指と中指の先端で押さえる
  4. 中指と親指で結び目を強く押さえた状態で糸を引っ張る
  5. 糸端を引っ張り、きれいな玉ができたら完成

1の手順で糸をきつく巻きすぎると、2の手順で指先の血流が止まってしまったり、結び目が指から抜けにくくなったりすることがあります。糸の滑りが悪いときや指から糸が抜けないときは、1の手順に戻り、もう少し緩く糸を巻いてみましょう。

【初心者向け】針で作る場合

ここでは、玉結びを縫い針で作る方法を紹介します。玉止めの作り方を応用した方法であり、指ではうまくいかない場合も、比較的簡単に玉結びを作ることができます。仕上がりは指で玉結びを作る場合と変わらないため、作りやすいほうを選びましょう。

準備として、あらかじめ針穴に糸を通しておきます。

【針で玉結びを作る手順】

  1. 糸先を利き手と反対側の人差し指の上に置き、針を交差させ親指で押さえる
  2. 針先に2~3回糸を巻きつける
  3. 糸を巻いた場所を親指で押さえ、針と糸を引き抜く
  4. 指を緩めないように気をつけながら、糸を最後まで引ききる

2の手順で針に糸を巻きつける際は、糸同士が重ならない程度の間隔をあけるときれいな結び目ができやすいです。なお、巻きつけ方がきつすぎると、針の滑りが悪くなるため注意しましょう。

針で玉結びを作る場合、指よりも手間がかかる一方で、結び玉が崩れにくく、失敗を防ぐことができます。

裁縫初心者注目!玉結びを簡単に作るコツ

裁縫を始めたばかりの方は、玉結びを作れるようになったものの、時折失敗してしまうということもあるでしょう。玉結びに失敗すると、「これから素敵な作品を作ろう!」というときに、水をさされたような気持ちになることもあるのではないでしょうか。

ここでは、玉結びを簡単に作るコツを紹介します。少し意識するだけでも失敗が減るため、ぜひ実践してみてください。

糸に余裕を持たせる

玉結びを指で作る方法では、糸をより合わせている間に結び目となる部分が糸端から離れ、思っていたよりも糸が短くなることがあります。また、失敗して作り直している間に、糸がどんどん短くなってしまうこともあります。

悪循環により起こる失敗を避けるために、糸の長さは余裕を持って用意しておくことが大切です。糸の長さに余裕があると、リラックスして玉結びができるでしょう。

玉を大きめに作る

細い糸で玉結びをした場合などに、できあがった結び目が小さすぎることがあります。結び目はあらかじめ、大きめに作るよう工夫すると失敗を防げます。

例えば、指で作る場合では人差し指に巻きつける糸を2周に増やすとよいでしょう。針で作る場合では針先に巻きつける回数を4回、5回と気に入る大きさになるまで増やしてみてください。

【大きな結び目を作る方法】

  • 指で作る場合:糸を人差し指に巻きつける回数を増やす
  • 針で作る場合:糸を針先に巻きつける回数を増やす

指で作る場合に糸を巻きつける回数を増やすと、結び目が縦に長くなってしまい、不格好になる場合があります。指でうまくいかない場合は、針で作るやり方を試してみてください。巻きつける回数を増やす場合は、針で作るやり方のほうが簡単です。

玉結びに失敗したときの対処法

基本的な手順やコツを覚えて玉結びを作っていても、失敗してしまうときがあります。裁縫初心者は、特に玉結びの失敗しやすい傾向です。玉結びを失敗したときの対処法を知っておけば、糸を切ってやり直したり、縫っている途中で焦ったりする場面も減るでしょう。

ここでは、玉結びに失敗したときの対処法を3つ紹介します。

玉が小さすぎて布をすり抜ける

細い糸を使った場合や、目の粗い布を使った場合に、玉結びの玉が小さすぎて布地をすり抜けることがあります。玉結びを作る際に糸を巻きつける回数を増やすなど対策を行った上で失敗することもあるでしょう。

布をすり抜けてしまうときの対処法は次の2つです。

・もう一度玉結びを作る

一度作った玉結びの上から重ねるように玉結びを作ります。玉結びの手順を複数回繰り返して、結び目を大きくすることが可能です。

・糸を二本取りにする

玉結びを作り直す際に、糸を二本取りにすることでも結び目を大きくできます。どうしても一本取りでなければいけない場合を除き、糸を合わせて玉結びにし二本取りにするとよいでしょう。二本取りにすることで玉結びの大きさが増すだけでなく、荒い目の布地をしっかりと縫い合わせることができます。

玉にならず輪になる・絡まる

玉結びを作る最後の手順で、糸を引き抜く際に玉にならずに輪になったり、絡まったりすることがあります。輪になってしまう場合は糸を押さえる手の力が弱いことが多いです。やり直す際は、結び目となる位置に添えた指の先を強めに押し付けたり、軽く爪を引っ掛けたりするとよいでしょう。

一方で糸が絡まってしまう場合は、糸が長すぎる場合や元々糸がよれている場合があります。余裕を持った長さの糸を使いたい場合を除き、縫う距離に合わせた糸の長さを用意したり、アイロンをかけ糸のねじれを取ったりするとよいでしょう。

玉結びがほどける

玉結びを作っても、ほどけてしまう場合があります。縫い始める前であれば、玉結びをきつく引き締めたり、余った糸端を切る際に少し余裕を持たせたりすることで、玉結びがほどけにくくなります。

【玉結びがほどけないようにする方法】

  • 玉結びを作った後、手で結び目を引き絞る
  • 玉結びギリギリで糸を切らず、糸端を3~5mm残しておく

また、万が一玉結びがほどけてしまった場合に備えて、縫い始めに返し縫いをしておくとよいでしょう。玉結びがほどけてしまっても、端から糸がほつれてくるのを防ぐことができます。

まとめ

玉結びは、手縫いでハンドメイド作品を作る際に必ず必要となる手順です。初心者がつまずきやすいポイントであるため、手順や失敗を防ぐコツなどを把握した上で、実践してみましょう。

なお、ハンドメイド初心者が初めて裁縫に挑戦する際は、手芸教室などに通うことも1つの手です。文章や動画では分かりづらいと感じる方も、プロの指導の元、しっかりとスキルを身につけられるでしょう。また、ハンドメイドショップの店内でワークショップが開催されているケースもあるため、ぜひチェックしてみてください。

参考:ユザワヤ