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カテゴリー【お裁縫】の記事一覧

シャツやパンツに使用される「タイプライター生地」の特徴

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シャツやパンツに使用される「タイプライター生地」の特徴

「タイプライター」というユニークな名前の生地をご存知でしょうか。ファッションに興味のある方なら、一度は聞いたことがあるかもしれません。タイプライターは主に衣類の生地として使用され、ハリ感があり、高密度で織られているという特徴があります。 当記事では、タイプライター生地が使用されているアイテムや、生地の特徴について紹介します。また、他の生地との違いや洗濯時の注意点についても紹介するため、ぜひハンドメイドの生地選びの参考にしてください。 タイプライター生地とは? タイプライター生地とは、細い綿糸を高密度で織った平織り生地です。1インチ四方の生地に織り込まれている糸の本数が多く、一般的な生地で使用する糸より繊細な70〜120番手の高級細番手の糸が使われています。細い糸を使用しているため薄手でありながら、平織りで織られた高密度織物のため、丈夫で強いハリ感のある、独特な質感が特徴です。 ここでは、タイプライター生地という名前の由来と、タイプライターがどのようなアイテムに使用されているか具体的に紹介します。 タイプライター生地の名前の由来 「タイプライター生地」という名前の由来には所説ありますが、キーを叩いて印字する機械であるタイプライターから由来しているという有力な説が2つあります。 タイプライターで使用する、印字用リボンの素材として用いられていたという説 タイプライターで文字が打ち込めるほど、高密度に織られた生地であるという説 密度の低い生地だとタイプライターで文字を打つことは難しいでしょう。現在ではタイプライターを使う機会がないため、あくまでイメージにはなりますが、上記の説よりタイプライター生地がいかに薄く頑丈な織物かということが分かります。 タイプライター生地はどんなアイテムに使用されている? タイプライター生地は、衣服からファッション小物まで、さまざまなアイテムに使用される生地です。タイプライター生地が使用されているものとしては、以下のようなアイテムが挙げられます。 薄手のシャツ、ブラウス 春夏用のアウター ハリ感のあるスカートなどのボトムス、ワンピース 帽子、カバン、小物類 ハリ感や光沢感、独特なシワ感を生かしたシャツやボトムスなどは、きれいめカジュアルコーデにもぴったりです。また、高密度で頑丈な生地のため、キャップなどの生地に使用されたり、子ども用の通園・通学用カバンを手作りする時に使用されたりすることも多いです。 タイプライター生地の主な特徴 主に衣類の生地として親しまれているタイプライター生地には、どのような魅力があるのでしょうか。タイプライター生地の特徴は、以下の通りです。 タイプライターの主な特徴 ハリ感や独特の光沢感がある ナチュラルなシワ感を楽しめる 薄くて軽いため、清涼感がある 肌ざわりが良い 高密度に織られたタイプライター生地は、生地自体に強いハリがあります。また、細い綿糸を織りあげていることで上品な光沢感があり、アイロンをかけてシワ取りをすることで、ビジネスシーン用の衣類としても使用できるでしょう。一方で、アイロンをかけずに立体的なシワ感を生かすことで、ラフでナチュラルな印象を与えることもできます。 タイプライター生地は、ハンドメイド初心者の方でも扱いやすい生地です。薄手でハリ感があるため縫いやすく、生地の密度が高く透け感もほぼないことから、裏地まで縫うのが大変という方にもぴったりです。 ハンドメイド作品作りに挑戦するなら、春夏シーズンの衣服がおすすめです。タイプライター生地は細番手の糸が使用されているため、軽やかで涼し気な印象を与えることができます。また、綿素材を使用していることから肌触りも良く、ストレスフリーで着こなすことができるでしょう。 洗濯時の注意点は? タイプライターは高密度で丈夫な生地のため、自宅での洗濯も可能ですが、天然素材を使った生地の洗濯にはいくつか注意が必要です。ここでは、洗濯時の注意点を3つ紹介します。 ・洗濯表示を確認する 洗濯機マークがついているものは、そのまま洗濯機を使用することができます。初めて洗濯する服や、色柄ものの場合は洗濯ネットにいれて洗濯した方が良いでしょう。一方、手洗いマークが付いているものは、洗濯機で洗うことができません。洗濯する前に必ず洗濯表示をチェックしましょう。 ・脱水時間は短めにする タイプライター生地は、綿素材を使用しておりハリ感も強いため、シワになりやすく、生地によっては一度シワがつくと中々取れない場合もあります。洗濯時には、なるべくシワが付かないよう脱水時間は短めにしましょう。 ・風がよく通る場所に干す 綿糸で織られた生地は、生乾きになりやすい傾向があります。生乾き臭を防ぐために、洗濯物を干す間隔は20cm程あけ、風がよく通るように干すことをおすすめします。 【タイプライター以外】代表的な平織り綿織物 タイプライターは、綿糸を使用して織られた平織り綿織物です。平織りとは、タテ糸とヨコ糸が交互に交差している最も一般的な織り方の1種です。摩擦に強く、耐久性が高いというメリットがありますが、織り方の構造上、厚手の織物を作るのには向かないというデメリットもあります。 ここでは、タイプライター以外の代表的な平織り綿織物を4つ紹介します。 ローン ローン生地とは、細番手の綿糸で粗めに織られた透け感のある薄い平織物です。細い糸でできているため、通気性が良く、速乾性にも優れています。軽量で透明感もあるため、真夏の暑い季節に着る衣類の生地として重宝されています。 また、色や柄が豊富な点もローンの魅力の1つです。平織り特有の滑らかな表面はプリントがしやすく、多種多様な種類があります。 さらにローンは、加工や糸の種類によって柔らかい肌触りになったり、ハリ感を出したりすることが可能な生地です。太い糸を使用して織られた生地にはハリ感が生まれ、糸が細いほど柔らかい肌触りの生地になります。 ブロード ブロード生地は、タテ糸がヨコ糸の約2倍高い密度で織られている平織物です。もともとは羊毛を使用して織られる毛織物の1種でしたが、現在は綿毛で織られた綿ブロードが一般的です。タテ糸の密度が高いため、生地の表面に横向きに盛り上がって見える線があります。 高密度に織られているため、シルクのような上品な光沢感と高級な雰囲気があり、フォーマルなシーンで使用されるシャツやワンピースに向いています。スカートのギャザー部分の素材にブロードを使用することで、軽やかな印象に仕上げることもできます。 また、薄手の生地ながら適度なハリもあるため、ソーイング初心者でも縫いやすいという特徴もあります。衣類から小物まで幅広く作ることができる定番生地として知られています。 オックスフォード 斜子織り(ななこおり)と呼ばれる平織りの変形組織で作られた生地がオックスフォードです。斜子織りとは、タテ糸とヨコ糸をそれぞれ2本以上、またはタテ糸2本、ヨコ糸1本をひとまとめにして織る織り方です。1本ずつ交差させないため、生地の繊維にすき間があり、通常の平織りよりも通気性が良いことが特徴です。また、着心地が軽くて柔らかいことから、春物の衣服に向いています。 糸の太さによって、オックスフォード生地は4種類に分けられます。 ・ベビーオックス 1番太い糸が使用されていて、通常のオックスフォードよりも硬く厚い点が特徴。 ・オックスフォード もっともスタンダードな生地。柔らかさとハリどちらも感じることができる。 ・ピンポイントオックス 通常のオックスフォードの次に細い糸が使用されている。やや生地が柔らかくなり、光沢感がでる。 […]

2022.08.31
デニム生地の特徴は?ジーンズとの違い、綾目・オンスについても紹介

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デニム生地の特徴は?ジーンズとの違い、綾目・オンスについても紹介

デニムは、ジーンズやGジャンなど衣類によく使用されるため、人々にとても馴染みのある生地です。しかし、デニム生地の特徴や具体的なお手入れ方法を知らないという人は多いのではないでしょうか。 当記事では、デニムとはどのような生地なのか、デニムの歴史や「綾目」について解説します。デニムならではの特徴や洗濯方法についても紹介するため、ハンドメイドでデニム生地を使用している人、これから使用しようと考えている人はぜひ参考にしてください。 デニムとは? デニムとは、インディゴによって染色されたタテ糸と、白色のヨコ糸を使用して織られた綾織物です。綾織りとは、タテ糸もしくはヨコ糸を複数本飛ばしながら織る方法で、綾織物には斜めに盛り上がった畝(うね)が見られるという特徴があります。 元々は、天然インディゴを使用して染色されていましたが、1990年代からは安価で取り扱いがしやすい合成インディゴ染料が誕生し、現在では合成インディゴが主流となっています。 デニムとジーンズの違い デニムとよく混同されるジーンズですが、デニムとは大きな違いがあり、ジーンズはデニム素材で作られたズボンのことを指し、デニムは生地そのもののことを表します。 近年では、ジーンズを「デニム」と呼ぶ人が多くなったため、デニムとジーンズは同じものを指していると考えている方も多いのではないでしょうか。正しくは、デニムは生地の名前、ジーンズは製品の名前ということを覚えておきましょう。 デニムとシャンブレー、ダンガリーの違い ・シャンブレー シャンブレーは、タテ糸に色のついた糸、ヨコ糸に白糸を使用して織られるため、デニムとよく似ています。シャンブレーもデニムも、作業着の素材として使われており、見た目も似ていますが、生地の織り方に大きな違いがあります。 デニムが綾織りなのに対して、シャンブレーは平織りです。生地をよく見ると、デニムは斜めに縫い目が入っており、生地に厚みがあります。一方、シャンブレーは真っ直ぐ均一に縫い目があり、生地が薄手という点が特徴的です。 ・ダンガリー ダンガリーは、デニムと同じ綾織りで織られる生地ですが、使われる糸の色の組み合わせが異なります。デニムはタテ糸に染色糸、ヨコ糸に白糸が使われますが、ダンガリーはタテ糸が白糸、ヨコ糸に染色糸が使用されます。それにより、ダンガリー生地の表面には白色の部分が多く表れ、逆にデニム生地の表面は青色の部分が多く表れるのが大きな違いです。また、ダンガリーはデニム生地より薄手に作られており、春夏の衣類にもよく使用されます。 近年では、綾織りだけでなく平織りのダンガリー生地も作られており、シャンブレーとも似ているため、生地を選ぶ時には注意が必要です。 デニムの歴史 ジーンズなどのデニム衣料品の発祥は、アメリカというイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、19世紀半ばのアメリカでジーンズが作業着として穿かれるようになる前の17世紀のイタリアで、すでにデニム衣料品が存在していたことが分かっています。 そもそもデニム生地は、17世紀のフランスのニームという街で生まれました。ニームは絹織物業が盛んに行われており、当時ニームで生産されていた生地は総称して「セルジュドゥニーム」と呼ばれていました。18世紀には、イタリアのジェノバなどにセルジュドゥニームが輸出されはじめ、インディゴ染めされたセルジュドゥニームもこの時期に誕生しました。ニームの織物生地であるセルジュドゥニームの「ドゥニーム」の読みが転じて、デニムになったといわれています。 17世紀の北イタリアの画家が描いた、庶民の生活を題材にした絵画を見ると、デニム生地のジャケットやスカートを着用した子どもや女性が描かれています。当時のジェノバ(フランス語で「Gênes」)の船乗りが穿いていたデニムのズボンを、アメリカ人がジーンズと呼ぶようになったことがジーンズの由来とも言われています。 このように、デニムは歴史がとても古く、現在にいたるまで何百年もの間、一般の人々から親しまれてきた生地ということが分かるでしょう。 【デニム生地の単位】オンスとは? デニム生地を選ぶ時に、「オンス」という表記を見たことがある人もいるのではないでしょうか。オンスはデニムの重さを表す表記で、ローマ字では「oz」と表されます。具体的には1平方ヤード(1ヤードは91.44cm)が、どのぐらいの重さがあるか表した単位で、1オンスは28.35gになります。一般的なデニムは13.5オンス、つまり約380gです。 デニムの重さは、使用される糸の太さや、織り込む糸の密度によって違いがあります。明確な定義はありませんが、デニムの重さによって大きく4つの種類に分けられます。 ライトオンス 10オンス未満の軽いデニム レギュラーオンス 10オンス以上15オンス未満の通常のデニム ヘビーオンス 15オンス以上のやや重めのデニム ヘビーウエイトオンス 20オンス以上の重くて厚いデニム デニムの「綾目」とは? 綾目とは、糸を交差させたときにできる斜めの畝(うね)のことで、綾織物の特徴の1つです。斜めの畝があることで、生地表面の模様が左右非対称になり、平織物より光沢感のある生地に仕上がります。 綾目は、方向や角度によってさまざまな種類がありますが、デニムの綾目は大きく2つに分けられ、綾目が右肩上がりの「右綾」、左肩上がりの「左綾」があります。一般的には右綾を用いたデニムが多いです。また、糸の撚り方向には「左撚り」と「右撚り」があり、通常のデニムは左撚りの糸が使われます。 右綾で織られたデニムと左綾で織られたデニムには以下のような違いがあります。 ・右綾デニム 左撚りの糸と逆向きに織っていることから、生地の表面は凸凹とした生地感になります。ざっくりとしたカジュアルな印象を与えることができるでしょう。右綾のデニムは、生地の凸状の部分が色落ちする「点落ち」と呼ばれる色落ちをします。 ・左綾デニム 左綾で織る場合、糸の撚り方向と同じ方向に織るため、綾目がくっきりと表れます。また生地がフラットになり、光沢感や柔らかな生地感を楽しむことができます。左綾のデニムは、生地の表面に縦のすじが入るような「縦落ち」と呼ばれる色落ちをします。 デニムの主な特徴 長い間、身近な多くの製品に使われてきたデニムには、どのような魅力があるのでしょうか。デニム生地の主な特徴は、以下の通りです。 デニムの主な特徴 丈夫で長持ちする 色落ちや風合いの変化を楽しめる 生地の種類が豊富 デニム生地は太い糸で織られているため、厚手で丈夫な作りになっており、正しく手入れをすると長く愛用できます。生地が破れてしまっても修復できる点もデニムの特徴の1つです。 また、デニム生地で使われているインディゴ染めの色糸は、洗濯をすることで徐々に色落ちしていきます。また、デニムを使い込んでいくうちに表面に傷ができたり、糸がほつれたりすることで、生地がどんどん柔らかくなっていきます。長年使い続けることで、デニム生地特有の色落ちや風合いを楽しめる点も、デニムの魅力といえるでしょう。 デニムは、使用する素材や生地の厚さ、織り方の違いによって、特徴が大きく変化します。硬く耐久性のある生地から、柔らかな触り心地の生地、さらにストレッチ性のある生地や、濃紺以外のカラーデニムなど、種類は多岐にわたります。 洗濯時の注意点は? 厚みがあって丈夫なデニム生地ですが、長持ちさせるためには洗濯時にいくつかの注意が必要です。ここでは、デニム生地を洗濯する時の注意点を4つ紹介します。 ・裏返し、ネットに入れてから洗う 色移りや生地同士の摩擦を減らすために、デニムは裏返して洗うようにしましょう。裏返してネットに入れると、生地の縮みやシワを予防できます。 ・中性洗剤を使用する アルカリ性洗剤は洗浄力が高いため、デニムの色落ちを促してしまい、部分的な色ムラが出る恐れがあります。デニムを洗う時には、漂白剤が入っていない中性洗剤や、おしゃれ着洗い用の洗剤を使用しましょう。 ・他の洗濯物とは分けてデニム単独で洗濯する […]

2022.08.31
フライス生地とは?どんな編み方?天竺編みとの違いも

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フライス生地とは?どんな編み方?天竺編みとの違いも

フライス生地は、程よい厚みと使い勝手の良さからオールシーズンで活躍する定番素材です。ハンドメイド素材でよく使われているものの、特徴や他の生地との違いなどがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。 当記事では、フライス生地について、概要から使用されているアイテム、他の編み方の生地との違いやフライス編みのやり方まで解説します。これから編み物を始めたいと思っている初心者の人や、生地について詳しく知りたいという人にもおすすめの内容のため、ぜひ参考にしてください。 フライス生地とは? フライス生地とは、ゴム編みの編み方をしたニット生地のことで、リブ編みとも呼ばれています。伸縮性に優れており横方向によく伸び縮みしますが、編み目が表から見ても裏から見ても同じで、たて綿が強いことが特徴です。 また、ニットによくある、端がカーリングする耳まくれがないため、扱いやすいことも魅力です。フライス生地は綿素材が使われている場合が多く、程よく厚みがあって吸湿性や通気性にも優れているため、季節を問わず活用できる使い勝手の良い生地と言えるでしょう。 フライス生地はどんなアイテムに使用されている? フライス生地は、衣服や手芸において、どういったアイテムに使用されているのでしょうか。先述したように、横方向の伸縮性があり、程よい厚みと耳まくれがしにくいことから、縫製や裁断にも強いという特徴があります。フィット感のある細身のセーターやカーディガン、ニットアイテムの袖口や裾部分に使われる場合があり、普段使いに丁度良い生地です。 また、柔らかく手触りも良いことからショーツなどのインナー類、リラックスウェア、フットウェアといった、素肌に触れるアイテムにも使用される生地です。他にも、吸湿性や通気性の良さを生かしてスポーツウェアやカットソー、Tシャツにもよく使われます。 自分で服を作る際は、フライスニットならではの伸縮性を生かして、着脱のしやすいIラインシルエットのワンピースやスカート、パンツなどに使用するのがおすすめです。ストレッチの効いた素材である反面、裾があまり広がらないため、フレアースカートやフリルといったデザインにはあまり適していません。 フライス編みと他の編み方の違い 編み物は通常、編み針を用いてヨコ糸とタテ糸で作られる「ループ(輪)」のかみ合いで組織を形成しています。ヨコ糸とタテ糸の編み方の違いや、ループを引っ掛ける順番によって、でき上がるニット生地の種類が異なります。 以下の項目では、フライス生地と他の生地との編み方の違いを、それぞれ詳しく解説します。 天竺編み 天竺編みとは、平編みの別称でニットの最も基本的な編み方です。メリヤス編みとも呼ばれ、表目からは縦方向の筋が見え、裏目はやや粗く見えるという点が特徴です。同じ平編みで、横方向への伸縮性に優れるという点ではフライスと似ていますが、生地面や肌触りに違いがあります。 生地の表面から見ると縦にV字の編み目が並んでいますが、裏面から見ると編み目が半月状になっているため、生地の裏表が分かりやすく、肌触りはなめらかです。また、薄手で軽く、適度な通気性と耐久性、吸水性があるため、夏は涼しいのに冬は温かいという、とても機能性に優れた生地です。吸汗速乾の特徴を生かして、暑い日のTシャツやアンダーウェア、赤ちゃん用の肌着やシーツなどのアイテムにぴったりの生地と言えます。 パール編み パール編みとは、横方向に表目と裏目が1段ずつ、もしくは数段ずつ交互に表れる編み方で、ガーター編みとも呼ばれています。機械で編まれることが多いため、編地が安定しており、簡単に素早く編み上げられます。また、裏表どちらの編み目も天竺編みの裏面に似ており、表裏の区別がないため、どちらも表として扱えることがメリットです。 横方向への伸縮性に優れるフライスとは反対に、パール編みは縦方向の伸縮性に優れており、フライスと比べると生地に厚みがあります。反面、横方向へはあまり伸縮しないため、他の編み方と比べると洋服の着脱はしにくい傾向です。 厚手のため暖かいですが、熱もこもりやすいため、冬向けのスーツやドレス、セーターなどのアイテムに向いている生地と言えるでしょう。 鹿の子編み 鹿の子編みとは、平編みやゴム編みにタック編みを組み合わせた編み方です。タック編みとは、特定のループに糸を通さずに重ねていき、次の段を編む際に2、3本をまとめて糸を通す編み方です。表編みと裏編みを交互に組み合わせて編むことによって、表面に鹿の背中にある斑紋のような、細かな凸凹が現れます。編み地の見た目に特徴の出る編み方のため、無地であっても華やかな印象になります。 フライスとの違いは、横方向への伸縮性がないことや、表と裏が同じ編み目になるという点です。また、タックの編み方により空気の通り道ができ、肌との接触面が少ないため、優れた通気性を持っています。サマーセーターや春夏用のポロシャツによく使われる生地です。 スムース編み スムース編みとは両面とも表地にした編み方で、インターロック編み、両面編みとも呼ばれています。2つのゴム編みを裏合わせにした編み方から、程よい厚みと優れた伸縮性を有しています。また、スムースという名前の通り、表面の肌触りが非常になめらかな点も特徴です。 見た目はフライスに近いですが、細番手の糸を使用する場合が多く、目が詰まっていることから型崩れが起きにくく、弾力性と光沢感があることがフライスと異なるポイントです。 2つのゴム編みを裏合わせにする編み方により、空気を多く含むことができるため、保温性にも優れます。冬用向けの肌着やオールシーズンで使えるTシャツ、ニットやアンダーウェアによく使用されています。生地の端が耳まくれすることもないため扱いやすく、汎用性の高い生地と言えるでしょう。 1目ゴム編み(フライス編み)の編み方 1目ゴム編み(フライス編み)とは、表目と裏目を1目ずつ交互に編む編み方で、横方向への伸縮性に優れています。シンプルな編み方のため、編み物の練習にもおすすめです。 以下では、1目ゴム編みの編み方について、解説します。 (1) 編みたい生地幅を決め、その3~3.5倍ほどの長さの糸を引き出します。糸端側を手前にして、親指と人差し指に糸を掛けて持ち、上から右針を引っかけて一回転させ1目めを作ります。 (2) 右針に掛かっているループを裏から手前側に回して、親指と人差し指に引っ掛けている糸の間を奥にくぐらせて、2目めを作ります。 (3) 指に引っ掛けている左右の糸を右針で交互に上下から引っ掛けて、3目め(裏目)を作ります。 (4) 再度、(2)と同じように右針に掛かっているループを裏から手前側に、指に引っ掛けている糸の間を奥にくぐらせて、4目め(表目)を作ります。 (5) (3)~(4)の手順を繰り返して必要な目数を作ります。奇数にすることで両端が表目に仕上がります。 (6) 針を左手に持ち替えて編地を裏返し、もう1本の針を右手で持ち最初の目をそのまま右手の針に滑らせます。これを「浮き目」と言います。 (7) 次の目で「表編み」をします。 (8) 浮き目と表編みを交互に繰り返して、1目ゴム編みの作り目の完成です。 (9) その後は、表目と裏目を交互に編み進めます。 2目ゴム編み(フライス編み)の編み方 2目ゴム編み(フライス編み)とは、表目と裏目を2目ずつ交互に編む編み方で、1目ゴム編みより模様が強調され、立体的に仕上がる点が特徴です。 2目ゴム編みの編み方は、下記の通りです。 (1) 編みたい編地の幅を決め、その3~3.5倍ほどの長さの糸を引き出します。糸端側を手前にして、親指と人差し指に糸を掛けて持ち、上から右針を引っかけて一回転させ1目めを作ります。 (2) 右針に掛かっているループを裏から手前側に回して、親指と人差し指に引っ掛けている糸の間を奥にくぐらせて、2目めを作ります。 (3) […]

2022.08.31
ローン生地とは?生地の特徴・他の生地との比較も

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ローン生地とは?生地の特徴・他の生地との比較も

ローン生地は、夏物のシャツやブラウスなどの衣料品に多く使用される薄手の綿織物を指します。綿で織った平織り生地ですが、肌触りは麻のようにコシがあることが特徴です。 またローン生地は薄手であるため、ハンドメイドを始めたばかりの人でも扱いやすい生地と言えます。比較的安価で手に入る生地であることから、練習用としてもおすすめです。 当記事ではローン生地の特徴、取り扱いの注意点について紹介します。他の生地との違いについても解説するため、ぜひハンドメイドの生地選びの参考にしてください。 ローンとは? 細番手の綿糸で織られた平織り生地であるローンは、さらりとした滑らかな質感で春夏シャツやブラウスなどの衣料品に使われる代表的な生地の1つです。 ローンの発祥の地は、フランス北部にある「Laon(ラン)」という町です。当時はリネンを素材とした生地が主流でしたが、時代とともに素材が変化していき、現在では綿素材を使用した「コットンローン」が一般的となっています。他にも麻やポリエステルとの混紡生地など、さまざまな素材が用いられています。 ローン生地は薄く透け感のある生地です。薄手であるものの、ハリがあり麻のような手触りを感じられます。60番手で織ったローン生地が定番と言われており、ワッシャー加工を施すことでナチュラルな風合いとなっています。 ローンはどんなアイテムに使用されている? 滑らかな質感であるローンは、染色やプリントがしやすい生地のため、カラーバリエーションが豊富です。定番であるシャツやブラウスをはじめ、ワンピースやチュニックにも使用されています。比較的手に入れやすい価格帯のため、手芸材料としても人気です。 さらに、衣服以外にも、ハンカチや巾着袋、お弁当袋やエコバッグなど身近なアイテムにも幅広く活用されています。 ハンドメイド初心者でも扱いやすいローン生地ですが、強く引っ張ってしまうと破れることがあるため、ポーチやバッグなどを作る際は、裏地をつける工夫をすると安心です。 ローンの主な特徴 ローンの特徴は、以下の3点が挙げられます。 ローンの主な特徴・性質 薄くて軽い、透明感のある生地 ハリやコシがある 通気性・速乾性がよい 色柄物が多く、種類が豊富 ローン生地はとても細い糸で織るため、他の平織り生地よりも薄くて軽いことが特徴です。糸の太さや種類はさまざまであり、使用する糸が細いほど透明感が増した品のよい生地に仕上がります。また、ローンなどの平織り生地は、タテ糸とヨコ糸が均等に交差しているため、生地が伸びたりヨレたりしにくい点も魅力的です。 さらに、織り目に適度な隙間があることで通気性にも優れており、雨や汗などで水分を含んだ場合でも乾きやすいです。気温が高く汗ばむ時期でもべたつきにくく、清涼感があるため、春夏用の衣服に人気の生地です。 ローン生地は、色柄が豊富な点も魅力の1つに挙げられます。デザインは無地でシンプルなものから花柄・ドット柄などの可愛らしいデザインまでさまざまです。子ども用のアイテムを手作りする際は、好みの生地を一緒に選ぶこともできるため、楽しく作品作りができるでしょう。 洗濯時の注意点は? 薄地の生地は破れやすく、また摩擦により表面の風合いが変化してしまうこともあります。生地へのダメージを減らして長持ちさせるためにも、ポイントを押さえて丁寧に扱いましょう。綿素材を使用したローン生地であれば、家庭用の洗濯機で洗うことができますが、洗濯ネットに入れて洗うと安心です。 また、綿は水分を含みやすく乾燥する時に縮みが生じるため、シワになりやすい生地でもあります。乾燥器の使用は縮みが強く出てしまうこともあるため、あまりおすすめできません。脱水時間を短縮し、シワをしっかり伸ばしてから平干しをすると、シワが残りにくくなります。アイロンをかける際は当て布をするか裏側から、高温でかけるようにしましょう。 ローンと他の生地の比較 涼しげな見た目のローンは、夏服の代表的な素材で、シャツやブラウスなどによく使用される生地です。薄手であるものの、柔らかさの中にもハリ感のある麻のような質感が特徴です。 ローンと似た特徴を持つ生地は、「ボイル」「ナイロンタフタ」「ダブルガーゼ」「スムースニット」「シャンブレー」が挙げられます。部分的には似た素材であるものの、それぞれに異なった特徴があります。以下では、ローンと5種類の生地を比較していますので参考にしてください。 ボイル ボイルは強撚糸で織られた薄手の平織物を指します。軽くて透け感があり、ローン同様に春夏向けの衣類に多く使用されています。 ローンに似た見た目ではあるものの、「ボイル撚り」と呼ばれる片撚り糸を使用しているため、手触りはやや硬めとなっており、風合いや質感が異なります。ナチュラルなシボ感やコシのある生地のため、衣類だけでなく、ハンカチ・スカーフ・カーテン・のれん・クッションカバーなどにも多く使用されています。 ナイロンタフタ ナイロンタフタとは、タテもしくはヨコの糸を2本以上にして平織りにしたものを指します。ペルシア語で「紡ぐ」ことを意味する「タフタ(taftah)」に由来して名づけられました。 ナイロンタフタは水をはじく特性があり、撥水性に優れていることが特徴です。ローン生地は速乾性があるものの、水をはじく性質はありません。また完全防水ではありませんが、ナイロンタフタは水に強いため、レインコートや傘などの雨具やウインドブレーカー、子ども向けの食事エプロンなどに多く使用されています。 ダブルガーゼ ダブルガーゼは、その名の通りガーゼを2枚重ねた生地を指します。ガーゼとは一般的にコットン素材を使い、密度を粗めに平織りした生地です。最近では、シルクやポリエステルなどの合成繊維を使う場合もあります。 ダブルガーゼはローン生地よりも厚みがあり、肌触りがとても柔らかいことが特徴です。手触りがふんわりとしており肌への刺激も少ないため、赤ちゃんの肌着などにも安心して使うことができます。さらに、2重のガーゼが空気を留める構造をしており、保温性が高い素材でもあります。 心地のよい肌触りのため、ベビー服・布団カバー・マスク・ハンカチ・パジャマ・ルームウェアなどの素材に使用されています。 スムースニット スムースニットとは、ポリエステルを素材にした柔らかく厚みのあるニット生地のことです。「スムース」という名の通り、滑らかな平面が特徴です。またポリエステル素材のため、洗濯に強く、発色がよい点も魅力です。 スムースニットは、ローン生地よりも厚みがあり伸縮性に優れています。とても柔らかく、身体にフィットする動きやすい素材であることから、Tシャツ・レギンス・ベビー服・子供服などに使用されています。 シャンブレー シャンブレーとは、染め糸と白糸を組み合わせた「先染め」の技法を用いた平織り生地のことを指します。色の異なる糸を使用しているため、生地に奥行きのある風合いを感じさせる仕上がりです。 通気性に優れた生地のため、シャツやワンピースなど春夏向けのアイテムに多く使われています。ローン生地と同様に薄地で軽いものの、比較的丈夫な生地のため、自宅の洗濯機で洗える扱いやすさも魅力です。 ただし、インディゴ糸を使用したシャンブレー生地は色落ち・色移りしやすいため、他の衣類と一緒に洗濯をしないよう注意が必要です。 まとめ ローン生地は、綿素材を使った薄手の平織り生地を指します。適度な隙間を保ちながら織られた生地のため通気性に優れており、肌触りがサラサラとしていて、夏の暑い時期でも心地よく着られることが魅力です。 ハンドメイド初心者であっても扱いやすい生地であり、ソーイングのしやすさと手頃な価格帯から練習用にもおすすめです。巾着袋やお弁当袋などは比較的簡単に作成できるため、まずは小物などの作品作りに挑戦してみましょう。

2022.07.26
レーヨンとは?素材の特徴・洗濯時の注意点も

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レーヨンとは?素材の特徴・洗濯時の注意点も

レーヨンとは人工的に作られた化学繊維の一種です。レーヨンは再生繊維に分類される素材であり、吸水性と放湿性に優れていることが特徴です。シルクに近い素材で通気性が高いため、さらっと着られる春夏用のシャツやスカートなどの衣料品に多く利用されています。 この記事では、再生繊維であるレーヨンの歴史や特徴を紹介します。また他の化学繊維の生地との違いや取り扱いの注意点、洗濯方法についても解説するため、ぜひ手芸やハンドメイドの作品作りの参考にしてください。 レーヨンとは? レーヨンとは、木材パルプから取れる天然素材を原料に、薬品加工処理をした「再生繊維」の1つです。レーヨンは石油から作られる「合成繊維」とは違い、原料が自然由来の天然繊維のため、環境に優しい素材となっています。 レーヨンは高級素材である「シルク(絹)」の代替となる安価素材として、開発されました。開発当初は素材の強度や耐火性に課題がありましたが、現在は加工技術の進歩により、大幅に改善されました。 レーヨンの大きな特徴は、シルク同様に通気性に優れている点です。また、静電気が起こりにくい素材でもあるため、洋服の裏地などに多く使用されています。レーヨンは繭からできる絹と違い、人工的に絹糸に寄せて製造された化学繊維であることから、人造絹糸を略した「人絹(じんけん)」とも呼ばれています。 レーヨンはどんなアイテムに使用されている? レーヨンを使用したアイテムは、身近なものだと「シャツ・ブラウス・ルームウェア、肌着」などが挙げられます。シルクのようなとろみのある肌触りと爽快な着心地を兼ね備えているため、暑い時期でも汗がべたつくことなく、さらりと着こなせる点が人気です。 また、滑らかで柔らかい質感や通気性・吸湿性の高さを生かし、シーツなどの寝具やカーテンなどのインテリア用品、ジャケットの裏地など幅広いアイテムに使用されています。さらに、染料をよく吸水する特性があり、発色がきれいなことから、ハンドメイドで柄ものの生地や鮮やかな色の生地を使用したい際もおすすめです。 再生繊維とは? レーヨンは、再生繊維の一種です。再生繊維とは、ペットボトルや木材・綿などの材料を薬品で一度溶解し、紡糸として再生したものです。 再生繊維は「植物系」「化学系」の2種類に分かれ、レーヨンは植物系再生繊維に属し、材料は木材パルプまたは綿セルロースを使用しています。化学系再生繊維は、ペットボトルの原材料であるPETを材料にして作られています。 植物系で作られた再生繊維は、土に埋めると微生物によって分解されるため、土に還る性質があります。また、燃やしても有毒ガスが出ないという特徴もあります。一方、ペットボトルから作られる化学系の再生繊維は、土に埋めても分解されませんが、ペットボトルのリサイクルにつながります。 再生繊維は、天然由来の原料を使っている点や土に分解される点、また資源を再利用している点などから、環境に優しい素材と言われています。 レーヨンの起源・歴史 レーヨンは歴史が古く、1884年にフランスのイレール・ド・シャルドネ氏が「硝酸セルロース」と呼ばれる人工絹を発明したことが起源です。硝酸セルロースは耐火性が低く、硝酸セルロースで作った衣服を着用したモデルが炎上死するなど、当時は危険性が高いものでした。 試行錯誤を繰り返し、1898年にビスコース溶液を元にした、レーヨンの製造方法が発見されます。その後、1905年のイギリスにてビスコース法によるレーヨンの工業生産が始まったことをきっかけに世界中に広まりました。 日本においてもレーヨンの国内製造を目指し、さまざまな会社が参入し、工場を立ち上げます。質を高める努力を続け、1930年代に日本国内のレーヨン工業は世界トップクラスの規模に成長しました。現在、レーヨンは世界中で生産され、幅広いアイテムに使用されています。 レーヨンの主な特徴 レーヨンの特徴は、以下の通りです。 レーヨンの主な特徴・性質 高級感のある滑らかな肌触り 静電気が起こりにくい 通気性・吸湿性に優れている 染色性が高い 価格が安い レーヨンは、シルクに似た光沢のある滑らかな肌触りが特徴で、繊細なフィラメント糸を使用しているため、軽さと柔らかさも兼ね備えています。また熱伝導率も高く、生地に触れたときに少しひんやりする性質があり、夏でも清涼感のある着心地を実現できます。 電気抵抗値が低いレーヨンは、静電気が起こりにくい素材です。衣服が肌にまとわりつく不快感を防ぎやすいことから、洋服の裏地にも多く使用されています。さらに、レーヨンは人工繊維のため、比較的安価でシルクと似た素材を楽しめるというメリットもあります。 洗濯時の注意点は? レーヨンは吸水力に優れている反面、水分や摩擦に弱い性質があります。縮みやすく、しわになりやすいため、家庭で洗濯するには難易度が高い素材の1つに挙げられます。基本的には自宅で洗濯せずに、ドライクリーニングに出すことをおすすめします。 ただし、レーヨン素材の中には、コットンやポリエステルが含まれた混紡素材や、水洗い可能な「ウォッシャブルレーヨン」もあるため、洗濯前には品質表記を確認してからお手入れしましょう。 「水洗い可能」と表示がされている場合でも、水や摩擦に強いわけではありません。できれば手洗いがおすすめですが、洗濯機を使う場合は以下の点に注意しましょう。 おしゃれ着用洗剤を使う 洗濯ネットに入れる 30℃以下の水を使用し、短時間で洗う 脱水は10秒程度 レーヨンは、干す際にも注意が必要です。日光に直接当ててしまうと色褪せする可能性があります。また、型崩れもしやすく、ハンガーを使うと生地が伸びてしまう場合もあるため、風通しのよい日陰で平干しするとよいでしょう。 レーヨンと他の生地・素材の比較 衣類の裏地に使用される素材は、レーヨンの他にポリエステル・キュプラなどが挙げられます。肌触りや風合いなどは似ていますが、それぞれ異なる特徴があります。 以下では、ポリエステル・キュプラの生地の特徴を紹介し、レーヨンとの違いについて解説します。 ポリエステル ポリエステルは、主に石油などの化合物を原料にして作られる合成繊維です。一般的にポリエステルと呼ばれるものは、ほとんどがペットボトルの原料として知られる「PET(ポリエチレンテレフタレート)」で作られています。PETを原料にしたアイテムは、衣類を中心にカーテンなどのインテリア用品、リネン、テント・傘などがあります。 ポリエステルは、熱や摩擦に強く、縮みや型崩れをしにくいことが特徴です。取り扱いが容易であり、大量生産できるため、ポリエステル素材のアイテムは手に入れやすい価格設定のものが多くあります。 レーヨンとの違いは吸湿性が低く、静電気が起こりやすい点です。衣類の裏地にポリエステルが使用されていると、冬場は静電気で服が肌にまとわりつくこともあります。着心地へのこだわりが高い方は、組成表示をよく確かめてから購入しましょう。 キュプラ キュプラとは、コットンリンターと呼ばれる天然素材を原料にした再生繊維を指します。コットンリンターとは、綿花から数センチほどの長い繊維を採取した後に残った、数ミリ程度の短い繊維のことで、「リンター」とも呼ばれています。 リンターはそのままの状態だと紡績することが難しいため、レーヨンと同様に一度原料を融解し、長い繊維に人工的に再生します。キュプラは「銅アンモニア法」という、リンターを酸化銅アンモニア溶液で溶かし、ポンプを通して凝固液の中に押し出し繊維に凝固形成させる製法で作られています。銅アンモニア法を使って生産されていることから、「銅」を意味する「キュプラ」と名づけられました。 キュプラはレーヨンよりも摩擦や紫外線に強く、吸水性・染色性も優れています。しわになりにくく手触りもよい素材です。光沢がある質の高い生地のため、和装やオーダーメードスーツなどの裏地にも使用されています。こまめにケアをすることで風合いが長持ちするため、ハンドメイドをする際は、素材の特徴を掴んでおくとよいでしょう。 まとめ レーヨンは、シルクの代替品として開発された再生繊維のことです。吸水性・吸湿性に優れているため、シャツやブラウス、衣類の裏地にも使用されています。レーヨンは熱伝導率が大きく、ひんやりとした質感が特徴で夏でも心地よく着られることが魅力です。 メリットの多いレーヨンですが、水や摩擦、直射日光に弱いという性質もあり、自宅での洗濯はあまりおすすめできません。しかし中には、自宅で洗濯できる素材もあるため、洗濯表示を必ず確認してからお手入れしましょう。 レーヨンの他にポリエステル、キュプラなどの生地の特徴も紹介しました。特徴や違いを知り用途に合わせて素材選びをすることで、ハンドメイドの生地選びに悩むことも少なくなるでしょう。ぜひ参考にしてください。

2022.07.26
ナイロン生地の特徴・性質|ポリエステルとの違いも解説

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ナイロン生地の特徴・性質|ポリエステルとの違いも解説

ナイロンは、衣料品をはじめさまざまな製品に使われている素材です。しかし、ナイロン生地とはどのようなものが、どのような製品に使われているのか、具体的には知らない人も多いのではないでしょうか。 この記事では、ナイロン生地の特徴や使用されているアイテム、ナイロンと似た生地であるポリエステルとの違いについて解説します。また、ナイロン生地を洗濯する際の注意点や干し方なども紹介するため、ナイロン生地を扱う人、これから扱いたいと考えている人はぜひ参考にしてください。 ナイロン生地・ナイロン素材とは? ナイロン生地とは、絹(シルク)に似た性質を持つ化学合成繊維でできた生地のことです。ナイロンは、「ポリアミド」と呼ばれる石油を原料とした合成樹脂から作られており、他の合成繊維と比べて摩擦や引っ張りに強く、丈夫で軽いという特徴があります。水に濡れても乾くのが早く、型崩れしないため、自宅で気軽に洗濯できる点が大きなメリットです。 ナイロンは、1930年代にアメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースという科学者の指揮の下、世界で初めて開発された人工の繊維です。当時は石炭・水・空気から作られており、絹よりも丈夫で安く作れるナイロンは世界中で話題を集め、現在でもさまざまな製品に幅広く使われています。 また、女性用のストッキングとして商用化されたことが始まりのため、「伝線(run)しない繊維」を意図した「no run(ノーラン)」が名前の由来と言われています。 繊維の種類 ナイロンとは合成繊維の一種であり、合成繊維は科学的に作られた繊維のことです。繊維には他にもさまざまな種類があり、それぞれ異なるメリットやデメリットを持っています。 ここからは、繊維の種類や特徴について紹介します。 ■天然繊維 植物繊維 繊維名 メリット デメリット 綿 吸湿性や通気性がよく、熱に強い しわや縮みが発生しやすい 麻 吸湿性や通気性がよく、清涼感がある しわや毛羽立ちが発生しやすい 動物繊維 繊維名 メリット デメリット シルク(絹) 発色が鮮やかで、光沢がある 日光で劣化しやすく、汗や摩擦にも弱い ウール(羊毛) 吸湿性と保温性に優れている 縮みやすく、虫害を受けやすい ■化学繊維 再生繊維 繊維名 メリット デメリット レーヨン 光沢があり、吸湿性と染色性に優れている。安価で手に入りやすい しわが発生しやすく、水に濡れると強度が低下する ポリノジック レーヨンのデメリットを改善した繊維で、水への耐性がある しわになりやすい キュプラ 吸湿性がよく、静電気が起こりにくい 水に弱く、しわになりやすい 半合成繊維 繊維名 メリット デメリット アセテート しわになりにくく、光沢がある 吸湿性が低く、摩擦やアイロンの熱に弱い トリアセテート アセテートよりも光沢が優れている 吸湿性が低く、しわになりやすい […]

2022.07.26
シルク生地の特徴は?特徴・歴史・洗濯時の注意点

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シルク生地の特徴は?特徴・歴史・洗濯時の注意点

シルクは「繊維の女王」と評され、約5,000年前に中国で使用され始めてから今日に至るまで、常に世界中の人々を魅了してきた素材です。日本でも古くから親しまれ、幅広いアイテムに使われています。 「シルク=高級」というイメージが強いですが、実はシルクにも蚕の飼育方法や製糸方法の違いにより複数の種類があり、それぞれに特徴や魅力、価格が異なります。この記事ではシルク生地の特徴や種類、歴史を紹介します。シルク素材でできた衣服などを洗濯するときの注意点も解説しているため、シルクを取り扱う際の参考にしてください。 シルクとは? シルクとは、蚕蛾(カイコ)という蛾の幼虫が生み出すタンパク質の糸で、日本語では「絹」と呼ばれています。強さとしなやかさを兼ね備えたシルクの生地は、滑らかで高級感があり、昔から多くの人の憧れを集めてきました。 ここでは、シルクが具体的にどのようなアイテムに使われているか、どのような種類があるのかについて紹介します。 シルクはどんなアイテムに使用されている? シルクは日本で最も有名な素材の1つと言って良いほど、身の回りのさまざまなものに使用され、親しまれている存在です。シルクが使われるものとしては、以下のようなアイテムが挙げられます。 ワンピースやシャツなどの衣服 パジャマ、ルームウェア、ナイトキャップ 布団カバーや枕カバーなどの寝具 インナー類 スカーフやハンカチ マスク 肌触りが良く素肌に優しいため、衣類全般やマスクなど、肌に直接触れるアイテムを手作りする場合でも安心して使用できます。 また、吸湿性や放湿性にも優れていることから、枕カバーやシーツなどの寝具にも人気の生地です。さらにシルクに含まれる「セリシン」という成分は、抗酸化作用や皮膚の保湿性向上効果などがあり、シワやシミなどの皮膚の老化や肌の乾燥を防ぐ作用があると言われています。シルクの寝具で寝ると肌や髪が艶々になるという口コミもあるなど、美容に良い影響を与えることも期待できるでしょう。 シルクの種類 飼育方法の違い シルクは、繭を作る蚕の飼育方法の違いに着目することで、2種類に分類できます。 1つは「家蚕(かさん)」と呼ばれる養殖の蚕から得られるシルクを指し、もう1つは「野蚕(やさん)」と呼ばれる天然の蚕から得られるシルクのことです。家蚕と野蚕はそれぞれ「マルベリーシルク」と「ワイルドシルク」という別名を持ちます。 家蚕は、元々天然の蚕でしたが、良質なシルク糸の安定生産を目指して品種改良が進められました。今では、世界各地で蚕の養殖が行われているため、最も生産量が多いタイプのシルクです。 製糸方法の違い 繭からシルク糸を製造する方法も1つではありません。製糸方法の違いから見たシルクは、生糸撚糸、絹紡糸、絹紬糸、特絹糸の4種類に分類可能です。製糸方法が違えば糸が持つ特徴も異なるため、種類ごとに違った手触りや質感が楽しめます。 4種類のシルク糸の具体的な特徴は、以下の通りです。 ・生糸撚糸(きいとねんし):フィラメントシルク 生糸撚糸とは、繭から引き出される切れ目のない1,000m程度の1本の絹糸を、数本撚り合わせて作られる糸です。天然繊維の中では、他に1,000m単位の長繊維が存在しないため、生糸は「天然繊維の女王」とも呼ばれます。キラキラした光沢感が特徴で、着物やサテン生地、インナー類などに使用されます。 ・絹紡糸(けんぼうし):スパンシルク 蚕が吐き出す最初の糸や最後の糸などは、太さが不均一なため、生糸の製造には向きません。そういった生糸の生産工程で切り落とされた「副蚕糸」のを紡績して作られるのが絹紡糸です。生糸が長繊維に分類されるのに対し、絹紡糸は短繊維に分類されます。生糸に比べて光沢感が少なめですが、ふんわりしていて、保温効果に優れた点が特徴です。防寒グッズや肌に直接触れるインナー類などにおすすめの素材です。 ・絹紬糸(けんちゅうし):ノイルシルク 紬糸は、生糸や絹紡糸を製造する際に得られる「ブーレット」という副産物を再利用して作る絹糸で、ふわふわのシルク真綿を紡いで生産されます。空気を多く含んだ太めの糸には、「ネップ」と呼ばれるシルク特有の節があり、コットンライクで素朴な肌触りが特徴です。肌馴染みが良く耐久性が高いため、靴下や手袋などに使われます。生糸よりも安く手に入る点も魅力です。 ・特絹糸(とっけんし) 延ばした真綿のような糸になる一歩手前の状態の「ペニー」や真綿、切繭などを原料とした絹紡糸と絹紬糸の中間クラスの紡績絹糸で、肌触りや見た目の質感なども両者の中間程度の特徴を持ちます。幅広いアイテム作りに使用できる絹糸です。 シルクの主な特徴 手触りが良く、古くから人々に親しまれてきたシルク生地は、肌に触れるアイテムのハンドメイド素材にも適しています。多くの人気を集め、さまざまなアイテムに使用されるシルクには、どのような魅力があるのでしょうか。 シルク全体に共通する特徴としては、次の4つが挙げられます。 シルクの主な特徴 上品な光沢がある 肌に優しい 紫外線をカットする 静電気を防ぐ シルクの糸には、真珠のような上品な光沢があり、衣服などに高級感を演出してくれる点が特徴です。特に、生糸は絹紡糸や絹紬糸と比べて、より輝くような光沢感を持ちます。パジャマやインナー類といった普段着に加え、有名ブランドの洋服やウエディングドレスの生地にも使用されるシルクは、ワンランク上のアイテム作りにぴったりの素材です。 また、シルクの生地は通気性が良く、吸放湿性ともにコットンの約1.5倍と言われており、肌が蒸れやすい夏場に重宝する生地です。加えてシルク繊維は、人の肌に近い構造を持った「フィブロイン」や「セリシン」などのタンパク質からできており、刺激が少なく高い保湿性を備えています。乾燥が気になる冬場でも素肌を優しく包みこむなど、優れた機能性を持ち、季節を問わず快適に着用できます。敏感肌の方でも安心して使用できる点も大きな魅力です。 さらに、蚕は紫外線により成長が妨げられる性質があるため、蚕を守る繭には紫外線を吸収する性質があります。繭から得られるシルクの紫外線カット率は約90%に上ると言われています。また、化学繊維製品よりも乾燥しにくいシルク製品は、静電気が起きづらい点もメリットです。 見た目の美しさだけではなく、肌や身体に優しい特徴を持つことも、シルクがあらゆる場面で重宝される理由かもしれません。 洗濯時の注意点は? 素肌に優しく使い心地が良いなど、多くの魅力が詰まったシルクですが、とても繊細な素材であるため、洗濯方法には注意が必要です。お湯を張った洗面器で「手洗い」することを基本とし、以下の4つのポイントに気をつけましょう。 20℃程度のぬるま湯を使う おしゃれ着用中性洗剤を使う(必ず洗濯表示を確認) 摩擦が起きないよう、優しく押し洗いをする 脱水時は強く絞らず、大きなタオルなどで水を吸い取る なお、「洗濯可能」の表示がついている場合は、洗濯機が使用できます。洗濯機を使う場合に注意するポイントは、以下の4点です。 必ず目の細かいネットに入れて洗う おしゃれ着用中性洗剤を使う(必ず洗濯表示を確認) 表示の液温にて、ドライコースやおしゃれ着コースなど、水流が弱いコースで洗う 脱水は15〜30秒程度の短時間で済ませる シルクの歴史 […]

2022.07.26
シャンブレー生地の特徴は?デニム・ダンガリーとの違いも

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シャンブレー生地の特徴は?デニム・ダンガリーとの違いも

デニムと似た風合いの生地の1つに、シャンブレーという生地があります。一般的にはシャツなどに使われることが多い生地ですが、「どのような歴史があるのか」「デニムやダンガリーとどう違うのか」まで詳しく理解している方は多くないでしょう。また、シャンブレー生地の洗濯方法が分からず、取り扱いに困っている方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、シャンブレーの概要や特徴、洗濯時の注意点などを紹介します。シャンブレー生地で衣服を作るときのポイントも紹介するため、ハンドメイド活動に生かしたい方は、ぜひ参考にしてください。 シャンブレーとは? シャンブレーとは、素材の名前ではなく生地の織り方を指します。シャンブレーはタテ糸に色糸を、ヨコ糸に白糸を使って平織りした生地のことで、主にコットンを原料としています。 平織りはタテ糸とヨコ糸を1本ごとに交差する織り方であり、三原組織の1つです。三原組織はタテ糸とヨコ糸で作られる織物の基本であり、平織りの他、「綾織り」「朱子織り」が該当します。 以下では、シャンブレーが使用されるアイテムや、デニム・ダンガリーとの違い、シャンブレーの歴史について解説します。 シャンブレーはどんなアイテムに使用されている? シャンブレーは、衣料品や小物類など幅広いアイテムに使われる生地ですが、下記のようなアイテムに使用されることが多いです。 シャンブレーを使ったアイテムの例 ・シャツやブラウス 「シャンブレーシャツ」という名称があるほど、シャンブレーを使った代表的なファッションアイテムです。デニムよりも色味が薄いことから上品な雰囲気もあり、カジュアルファッションからきれいめな着こなしなど、さまざまなコーデで活躍できるため、1枚あれば重宝するでしょう。 ・ワンピース シャンブレー特有の洗練された色合いを生かしたワンピースは、女性らしい品もありつつ軽やかで涼しげな印象を与えるため、春夏コーデに人気のアイテムです。 ・夏用の帽子 爽やかな見た目と丈夫で通気性がよいという機能性を兼ね備えたシャンブレーは、夏の強い日差しを遮る際におすすめのアイテムです。洗濯しても色落ちしづらいため、汗をかいた際も丁寧に洗うことで、清潔に使い続けることができるでしょう。 他にも、ハンカチやネクタイ、マスクやポーチなどのアイテムに使われることもあります。 シャンブレーとデニム、ダンガリーの違い シャンブレーとデニムやダンガリーは、見た目が似ていることから違いが分かりにくいと考える方も珍しくありません。混同されやすいシャンブレー、デニム、ダンガリーはそれぞれ下記のような違いがあります。 ・シャンブレーとデニムの違い デニムは、タテ糸に色糸、ヨコ糸に染めていない白糸を使って綾織りした生地です。綾織りとは、タテ糸かヨコ糸を2〜3本ずつ飛ばしながら交差させて織る方法で、生地の表面に斜めの線が見える特徴があります。また糸の交差する点が少ないため、厚手の生地に仕上がります。 シャンブレーとデニムは白糸と色糸の使い方が同じですが、織り方が異なります。平織りで織られているシャンブレーは、デニムよりも白糸が表面に多く出てくるため、淡い色味になります。また、タテ糸とヨコ糸を1本ずつ交差させているため、隙間の多い薄手の生地になります。 ・シャンブレーとダンガリーの違い ダンガリーとは、タテ糸に白糸、ヨコ糸に色糸を使って平織りした生地です。元々は綾織で織られたものでしたが、現在は平織りが主流です。デニムより薄く、シャンブレーよりも厚く作られることが多く、粗めのざっくりとした風合いが特徴です。ダンガリー生地のシャツはあまり流通しておらず、シャンブレーより色味の濃い生地や薄手のデニム生地で作られたシャツをダンガリーシャツとして販売するケースもあります。 シャンブレーとダンガリーは織り方が同じですが、糸の使い方が逆という違いがあります。ダンガリーは下記の記事で詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。 シャンブレーの歴史 シャンブレーの発祥の地は、1595年のフランス北部のカンブレー(Cambray)町です。カンブレーで作られた麻織物は「カンブリック(Cambric)」という名前で親しまれ、後にカンブレーを英語で表記した「シャンブレー(Chambray)」と呼ばれるようになりました。 カンブレー町には司教座が置かれており、当初は聖職者の上質なワークウェアとして使用されていました。シャンブレー生地は軽くて通気性がよい生地のため、20世紀初めにはワークウェア以外にも下着やベッドカバーなど、さまざまな用途に使用されるようになりました。 1903年には、シャンブレーシャツとダンガリージャケット、トラウザーズが「海軍ワーキングウェア規定」でミリタリーウェアとして正式採用されるようになりました。ミリタリーウェアは年々変化していきましたが、ワークウェアとして優れていたシャンブレーシャツは変わらずに着用され続けます。 第二次世界大戦後に、大スターたちがアメリカ映画でシャンブレーシャツを着用するようになったことをきっかけに、シャンブレーが急速に普及しました。シャンブレーシャツとデニムパンツが労働者のワークウェアとして定着し、青い作業着を着た労働者という意味合いで「ブルーカラー」という言葉が使われるようになります。 1960年後半には、ワークウェアだけではなく普段着としても着用されるようになりました。当時はベトナム戦争が勃発しており、愛と平和を訴えるために、ピースマークや花などの平和をモチーフとした柄を施したリメイク品が流行しました。そして現在では、カジュアルかつ上品な印象を楽しめる生地として、多くのファッションアイテムに活用され、愛されています。 シャンブレーの主な特徴 シャンブレー生地は「組織点(糸の交差する点)」が多く、また色糸と白糸を使って織ることから、下記のような特徴があります。 ・シャンブレーの主な特徴 霜降り調の風合いがある 耐久性と通気性に優れている 軽くて扱いやすい 光沢感がある 色糸と白糸を使うため、光の当たり方や見る角度によって見え方が変わる玉虫のような光沢感があります。また、ほどよい色ムラは「シャンブレー効果」「霜降り効果」とも呼ばれ、カジュアル感と品の良さを同時に楽しめることが魅力的です。夏でも快適に着用でき、控えめで落ち着いた色合いのため、普段のコーディネートだけではなくビジネスシーンやセミフォーマルの場などでも幅広く活用できます。 加えて、2種類の糸が均等に出るため、色落ちが目立ちにくい点も特徴的です。また、薄地で軽い着心地でありながら、ワークウェアとして使われていた歴史があるほど耐久性が高く丈夫なため、経年変化を楽しみつつ長く愛用することが可能です。 さらにコットン100%だけではなく、リネン100%や、コットンとリネンの混紡糸で作られたシャンブレー生地もあります。また、色糸は定番のブルーだけではなくさまざまな色を使うことができるため、自分好みの生地を見つけることができるでしょう。 洗濯時の注意点は? シャンブレーは色落ちが目立ちにくい生地ではあるものの、洗い方や洗剤によっては色落ちしてしまうケースもあるため、洗濯をする際は注意が必要です。洗剤は、中性洗剤やおしゃれ着洗い用のものを使用しましょう。アルカリ性の洗剤はシャンブレー生地の色落ちを進めてしまうので、色落ちさせたくない人は使わない方が無難です。使う洗剤で色落ちをしてしまうか心配な場合は、使用予定の洗剤を使って、目立たない場所で色落ちテストをしてから洗うことがおすすめです。 色落ちテスト後は、洗濯表示を見て、水洗いや洗濯機の使用が可能かをチェックします。水洗いは可能でも洗濯機の使用が不可の素材の場合、汚れがひどくないときは洗剤を使わずに水だけで手洗いをするだけでも十分に汚れが落ちるでしょう。お湯で洗うと色落ちしやすくなりますが、適度に色落ちさせて風合いを楽しみたい場合は、お湯を使うのもOKです。 洗濯機で洗う際は、洗濯ネットに入れてドライモードや手洗いモードなどの優しいコースに設定しましょう。また、部分的な色落ちを防ぐためにも、洗剤が直接シャンブレー生地にかからないように注意してください。洗い終わったら、シワを伸ばして形を整え、日光が直接当たらない場所で陰干しをします。 シャンブレー生地で衣服を作る際のポイント シャンブレー生地で衣服を作る際は、11番手のミシン針を使いましょう。薄手の素材の場合は60番手のようなやや太い糸、厚手の素材の場合は90番手のような細い糸で縫うのがおすすめです。また、水通しをしてから作ることで、洗濯での縮みを防止することができます。 シャンブレー生地はミシンで縫いやすく、アイロンで織り目をしっかりつけることができるため、ハンドメイドや手芸が初めての方でも扱いやすい生地です。衣料品や帽子を作ったり、余った生地でポーチやマスクを作ったりするなど、多種多様なアイテムが作れるため、シャンブレー生地で楽しくハンドメイド作品作りをしましょう。 まとめ シャンブレーは、耐久性と通気性に優れており、カジュアルかつ涼しげな風合いを楽しむことができます。定番のシャツやブラウスの他、ワンピースや帽子、ネクタイやポーチなど幅広いアイテムに使用できます。 洗濯機で洗う際は、必ず洗濯ネットに入れ、手洗いモードなどの優しいコースに設定して洗いましょう。洗濯後は形を整えてから陰干ししましょう。 シャンブレーはハンドメイド初心者にも扱いやすい生地です。シャンブレーの特徴を生かしたさまざまなアイテム作りに挑戦し、ハンドメイド活動をよりよいものにしましょう。

2022.07.26
ジョーゼット生地の特徴は?シフォンやデシンとの違いも

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ジョーゼット生地の特徴は?シフォンやデシンとの違いも

春夏用のブラウスやスカートの素材に使われるジョーゼットは、表面にシワ加工が施された、特徴のある薄手の生地です。ジョーゼット生地を使ったアイテムを作ってみたいと思いながらも、「薄手の素材は扱いが難しそう」などといった理由でなかなか手が出せない方もいるのではないでしょうか。 当記事では、ジョーゼット生地の特徴や取り扱う上でのポイントを紹介します。ジョーゼットとよく似た生地との違いも解説するため、ハンドメイド作品を作る際の参考にしてください。 ジョーゼットとは? ジョーゼットとは、強撚糸(撚り数が多い撚糸)で織られた生地に高熱を加えて縮ませることで、シボ(シワ模様)を出した生地のことを指します。密度の粗い織物のため、薄手で透け感のある涼しげな風合いが特徴です。ジョーゼットは、20世紀初頭フランスにて誕生しました。「ジョーゼット・クレープ」が正式名称であり、ドレスメーカーの名が由来とされています。 価格によって生地の質が異なる点もジョーゼットの特徴です。一般的に柔らかく肌触りがよいシボ数が多いものが高価な生地に分類され、安価なものはシボが少なくザラザラとした手触りの生地が多いとされています。しかし中には、梨地織りを使用することで、あえてザラザラ感を出した「梨地ジョーゼット」と呼ばれる種類もあります。 ジョーゼットはどんなアイテムに使用されている? ジョーゼットは、表面のシボと涼しげな肌触りが魅力であり、高級感や上品な雰囲気を出すことができます。以下のアイテムによく使用されています。 ・パーティードレスやワンピース ジョーゼットはエレガントな印象を与えるため、優美なシチュエーションによく合います。ジョーゼット生地のパーティー用ドレスやワンピースは、結婚式や入学式はもちろん、フォーマルな場面にもぴったりです。 ・ブラウスやスカート 表面のシボにより熱がこもりにくく、夏の汗ばむ時期に重宝されます。さらにドレープ性にも優れており、体型が気になる人でもおしゃれに着こなしながら体型カバーができるところも魅力的です。 ・イベント衣装(コスプレ衣装) コンクールやイベントなどの衣装生地にも多く使用されます。ジョーゼットは粗めに織られていることから上品な透け感があり、華やかな舞台にもおすすめです。また、伸縮性や弾力性もあるためシワになりにくく、カバンなどに入れて持ち運びをするコスプレ衣装にも使いやすいでしょう。 ジョーゼットの主な特徴 ジョーゼットは、絹(シルク)素材を平織りして作った「ちりめん」織物の一種です。元々は絹素材の生地を指していましたが、現在ではコットン素材や混紡素材、合成繊維なども使用されており、さまざまな種類があります。以下はジョーゼットの主な特徴です。 ジョーゼットの主な特徴 上品なシボ加工と透け感 弾力性があり、シワになりにくい さらりとした肌触り 生地が薄く、通気性がよい ジョーゼット生地の大きな特徴は、表面に「シボ」があることです。適度な隙間を残して織っているため、美しい透け感があります。他にはないシボ感と透け感の独特な風合いで、高級感のある上品な印象を与えることができる生地です。 また、収縮加工しているストレッチ生地のため伸縮性もあり、シワや型崩れが起きにくいです。普段使いの洋服であれば、基本的にアイロンをする必要もなく、いつでもキレイに着こなせることも魅力の1つです。ジョーゼット生地は薄地で軽く、通気性にも優れているため、夏の暑い時期でも涼しくさらりと着こなせるでしょう。 ジョーゼットとシフォンの違い ジョーゼットと似た素材として「シフォン素材」がよく挙げられます。シフォンはタテ糸とヨコ糸を交差させながら織った平織りの生地です。ジョーゼット同様、強撚糸を使用しているため、シワになりにくい特徴があります。またシフォンも、元々は絹素材で作られていましたが、現在ではレーヨンやナイロンなどの化学繊維で作られるシフォン生地も登場しています。 上記の特徴からもジョーゼットとシフォンは似た素材であることが分かりますが、ただしシフォンにはシボがありません。また、撚り数が少ない細い糸を使用しているため、ジョーゼットより薄地で透け感が強いことが大きな違いです。 シフォンは、ふんわりとした華やかでフェミニンな印象を与えることができるため、女性物のブラウスやスカートに多く使用されています。 ジョーゼットとデシンの違い 「デシン」はタテ糸に無撚糸もしくは弱い撚糸、ヨコ糸に強撚糸を使用して高密度に織った生地のことです。 デシンは、ジョーゼットのように生地を縮ませる加工は行っていません。また異なる糸を使用することで糸のハリ具合に違いが生まれ、強撚糸が元に戻ろうとする力で細かいシボを作り出しています。ジョーゼットよりも柔らかく触り心地がよい風合いを持ちます。 ジョーゼットとデシンを同じ糸を使用して織った場合、デシンのほうがより透け感のある生地に仕上がります。淡い色でなければ肌が見えるほど透けることもないため、ブラウスやドレス衣装の素材にもおすすめです。 ジョーゼットとオーガンジーの違い 「オーガンジー」とは、タテ・ヨコの糸を1本ずつ織り込んだ平織物に、特殊加工を施し独特なシャリ感をまとった生地のことです。つやつやした光沢感があり、ウェディングドレスや舞台衣装など、華やかなアイテムに多く使用される生地です。 ジョーゼットとオーガンジーは、ともに仕上げ加工を行っている点は同じですが、加工方法が異なるため、生地の風合いが変わります。ジョーゼットは、布を縮ませる加工によりシボを出した生地のことで、柔らかく繊細な生地に仕上がります。一方で、オーガンジーは薬品を使って加工しており、パリッとしたハリ感のある生地に仕上がることが特徴です。実際に手で触れてみるとその違いが明確に分かるでしょう。 ジョーゼットを取り扱う際のポイントは? デリケートなジョーゼット生地は、取り扱いに注意が必要です。尖ったものに引っ掛けてしまうとストッキングのように簡単に伝線してしまうこともあります。洗濯する際は、洗濯ネットに入れる、おしゃれ着コースで洗うなどの工夫をしましょう。 また熱に弱いため、アイロンがけを自宅で行うのは難易度が高いでしょう。ジョーゼットはシワになりにくいものの、ドレスなど長期間クローゼットで保管するアイテムはシワがつく場合もあります。シワのお手入れは自宅よりもクリーニング店に持ち込むほうがおすすめです。クリーニングに出す時間がない場合は、スチームアイロンであれば、多少のシワは伸ばせます。ただし、スチームをあてすぎてしまうと、茶色く変色する可能性もあるため気をつけましょう。 ハンドメイドで使用されることも多いジョーゼットですが、薄手で扱いが難しい生地のため、キレイに裁断・裁縫するためにはコツがいります。普通に裁断してしまうと布がズレやすく、真っすぐに裁断しにくいため、薄い紙に生地を貼り付ける、スプレー糊を活用するなどの工夫で歪まずキレイに裁断できるでしょう。 またジョーゼット生地は滑りやすいため、ミシンでうまく縫えない際は、生地の下に紙を敷くと厚みが増して扱いやすくなります。ほつれやすい生地のため、仕上げに端処理を行っておくと安心でしょう。 まとめ ジョーゼットは、生地に高熱を加えて練り、縮ませる仕上げ加工を施すことで、上品なシワ模様を出した生地のことを指します。ジョーゼット生地は、ブラウスやスカートなどの普段使いの衣服だけではなく、パーティードレスやワンピース、コスプレ衣装など幅広いアイテムに使用されています。 ジョーゼットは薄手で繊細な生地のため、ハンドメイドで扱うには少し注意が必要です。ハンドメイド初心者の方でも、生地の下に紙をひいたりスプレー糊を活用したりすることで、キレイに仕上げることができるでしょう。ぜひ試してみてください。

2022.07.26
サテン生地の特徴は?シルクとの違い・織り方の特徴も

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サテン生地の特徴は?シルクとの違い・織り方の特徴も

数多くある生地の1つに「サテン」と呼ばれるものがあります。サテンは朱子織りの織物を指し、滑らかな手触りと上品な光沢感があり、フォーマルな場の衣服やジャケットの裏地などに使われています。また高級感があるため、上質感を味わえるパジャマとしても人気を高めています。 当記事では、「サテンの特徴を詳しく知りたい」「どのようなアイテムに使用すればいいのか知りたい」と考える人向けに、サテン生地の概要や特徴を紹介します。また、サテン生地の洗濯方法や織物の三原組織についても解説するため、ハンドメイドが趣味の人は、ぜひ参考にしてください。 サテンとは? サテンと聞くと生地や原料の名前をイメージする人も少なくないですが、サテンは素材の名前ではなく、織り方の種類を指す名称です。朱子織りの織物を総称してサテンと呼びます。 朱子織りとは、英語で「Satin weave(サテン・ウィーヴ)」と呼ばれる織物の三原組織の1つです。タテ糸とヨコ糸が交差する組織点が目立たないよう、タテ糸かヨコ糸のどちらか一方を浮かせる織り方を言います。また、タテ糸とヨコ糸がそれぞれ5本以上で構成されている点も特徴的です。 サテンは、古くはシルク(絹)で織られていた織物で、名前の由来は、織り方が最初に生まれた中国の泉州港をアラビア語で読んだ「ゼティン」にあると言われています。サテンが生まれた2,000年以上前の時代では、広域で絹が栽培されていたため、さまざまな人が使用していました。しかし、14世紀ごろから絹は高級品になり、サテンは上流階級のみが使用できる生地になりました。現在ではシルク以外にも、コットンやナイロン、ポリエステルなど幅広い素材で作られており、手頃な価格で使用できる生地として流通しています。 サテンはどんなアイテムに使用されている? サテンは、衣服や手芸などにおいて、下記のようなアイテムに使用されることが定番です。 ■サテンを使ったアイテムの例 ドレスや和装の帯 美しい光沢感がありドレープ性も出しやすいことから、イブニングドレスやウエディングドレスなどに最適な生地です。また、パーティー用のネクタイや着物の帯など、フォーマルなアイテムに使われることが多い傾向です。 衣服の裏地や傘の生地 他の織物よりもタテ糸もしくはヨコ糸の浮きが多いことから、非常に滑らかな風合いのため、コートやジャケットの裏地、傘用の生地などに活用されています。 パジャマ ツルツルとした肌触りで柔軟性が高く、見た目に高級感もあるサテンは、上質なリラックスタイムを過ごせると女性人気の高いアイテムです。サテンパジャマを選ぶ際はコットン製を選ぶことがおすすめです。コットンは吸水性・吸湿性に優れているため、蒸し暑い夜でも快適に眠ることができるでしょう。 コスプレ衣装 手頃な価格で手に入り、カラー展開も豊富なため、近年ではコスプレ衣装にも用いられることも多いです。サテン生地は、価格によって光沢の強さが異なります。撮影などで映える衣装を作りたい場合や上品な雰囲気の衣装を作りたい場合など、目的に合わせて使い分けるようにしましょう。 サテンとシルクの違い サテンとシルクは混同されることも多いですが、サテンは織り方の種類を指し、シルクは素材の名前を指します。シルクは蚕の繭から作られる動物繊維で「人間の肌に近い繊維」とも言われており、肌への刺激が少ない、静電気が起こりにくいなどの特徴を持つ機能性の高い素材です。 また、サテンは素材によっては大量に生産できるため安価で手に入ります。一方で、シルクは、作るための繭や蚕のエサとなる桑の葉が大量に必要となるため、手間やコストがかかり、価格が高くなる傾向です。 シルクについては、下記の記事でより詳しく紹介しているため、興味のある方はぜひ参考にしてください。 サテンの主な特徴 サテンは多くの魅力がある一方で、デリケートな生地のため、特徴を理解し丁寧に扱う必要があります。サテンの特徴は下記の通りです。 サテンの主な特徴 触り心地がツルツルして滑らかである 光沢があって高級感がある 保温性や吸湿性が低い シワや傷が目立つ ツルツルとした滑らかな風合いは、サテンの最大の特徴と言ってもよいでしょう。平織りの生地と比べてタテ糸とヨコ糸が交差してできる凸凹が少ないため、生地の表面に光沢が生まれ、上質な肌触りになります。 一方でサテンは織り方の構造上、シワや傷がついてしまうと目立ちやすいといった耐久性の低さや、吸水性・吸湿性が低いという特徴も持ち合わせています。サテンは現在、さまざまな素材のものが流通しています。保温性や吸水性・吸湿性が求められるアイテムは、コットン素材のものを使用するなど、使用用途に応じて素材を選びましょう。 洗濯時の注意点は? サテンは繊細な生地のため、洗濯をする際には注意が必要です。まずは洗濯表示をチェックして、水洗いが可能かを確認しましょう。サテンの素材は多岐にわたり、水洗いができるものも豊富にあります。水洗いが可能なら手洗いで洗うことをおすすめしますが、洗濯ネットを使うことで洗濯機でも洗うことが可能な素材もあります。 手洗いをする方法と洗濯機を使う方法のポイントを、それぞれ下記にまとめました。 手洗いをする方法 サテンの素材によっては色落ちする可能性があるため、まずは色落ちする素材かどうかを確かめます。濡らした布やタオルに洗濯用洗剤を含ませて目立たない場所を軽く拭いてみます。ここで色落ちしてしまった場合は、クリーニングに出すほうがよいでしょう。 手洗いをする際は、洗面器に冷たい水と洗剤を入れ、およそ15分つけ置きをしましょう。つけ置き後は全体的な汚れを落とすために、優しくゆすって洗います。部分的なシミや汚れは、軽く揉み洗いをすると落ちる可能性が高まるでしょう。 洗剤が残らないようよくすすいだ後は、洗濯ネットに入れて洗濯機でおよそ10秒脱水します。もし生地へのダメージが心配な場合は、脱水しなくても大丈夫です。 洗濯機を使う方法 サテンは摩擦に弱いため、必ずネットに入れ、手洗いやドライコースを選んで洗濯機にかけます。洋服を裏返したまま洗うことで、負担を軽減することも可能です。 また、単独で洗うことで色移りや摩擦によるダメージを避けられるでしょう。 洗濯をした後は、シワを伸ばして陰干しをします。直射日光に当たると変質や変色をする恐れがあるため、日陰に干しましょう。干すときは、洗濯ばさみで挟むと跡が残る可能性があるため、ハンガーにかけて干したほうがよいでしょう。 乾燥後にシワが残ったら、当て布をしてからアイロンを低温でかけます。サテンは熱によりダメージを受ける場合も多いため、目立たない場所から低温に設定したアイロンをかけ、温度に問題ないか確認することがコツです。 織物の三原組織とは?朱子織り以外の織り方を紹介 サテンの朱子織りと「平織り」「綾織り」の3つを合わせて、織物の三原組織と言います。織物の三原組織について特徴や性質を知り、ハンドメイド活動や衣服選びに生かせる知識を身につけましょう。 以下では、平織りと綾織りの概要や代表的な生地について、それぞれ解説します。 平織り 平織りとは、タテ糸とヨコ糸が交互に交差する織り方のことです。模様が左右対称で、見た目の美しい生地ができあがります。組織点が多いため、耐久性や通気性に優れており、摩擦に強いといった特徴があります。蒸れやすい夏場の衣服にも多く使われ、応用が利きやすい生地です。一方で、伸縮性がなかったり、厚地の生地が作りにくかったりするといった特性もあります。 代表的な平織り生地の種類は、下記の通りです。 ■平織りの代表例 オックスフォード:タテ糸とヨコ糸を2本ずつ合わせて織った生地 シャンブレー:タテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を使用して織った生地 ブロード:タテ糸とヨコ糸を3:2ほどの割合で織った生地 ローン:細い糸で織った生地 ボイル:強撚糸で織った生地 […]

2022.07.26