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公開日: 2023.04.21
最終更新日: 2023.04.21

おすすめの服の生地を用途別・季節別・扱いやすさ別に解説!

おすすめの服の生地を用途別・季節別・扱いやすさ別に解説!

服に用いられる生地には、さまざまな種類があります。例えばブラウス・シャツにはリネン・コットン、スカートにはローンやダブルガーゼがおすすめです。生地選びに迷った際は、用途や季節、扱いやすさを基準に選ぶ方法もあります。洋服作りに興味がある人の中には「生地の種類が多すぎて悩む」という人もいるでしょう。

当記事では、洋服作りに使われる生地の素材をはじめ、用途や季節ごとにおすすめの生地を紹介します。生地の種類や選び方を知って、服作りに役立てたい人はぜひ参考にしてください。

服の生地の素材

洋服作りに使われる生地の素材としては、以下の2種類があります。

天然繊維

天然繊維とは、自然界に存在する繊維をもとに作られた素材です。高い吸水性や摩擦への耐性を持ちます。天然繊維はさらに下記の2種類に分類されます。

  • 植物繊維:植物から採取できる天然繊維です。綿(コットン)や麻(リネン)などが挙げられます。
  • 動物繊維:動物の体毛などから採取できる天然繊維です。羊毛(ウール)やカシミヤ、絹(シルク)などが挙げられます。
化学繊維

化学繊維とは、人工的に生産した素材です。化学繊維はさらに下記の3種類に分類されます。

  • 合成繊維:石油を原料として生産された繊維です。ポリエステルやナイロンなどが挙げられます。
  • 半合成繊維:天然素材を部分的に化学物質と組み合わせて生産した繊維です。
  • 再生繊維:木材やプラスチックなどの素材を溶かして再生産した繊維です。

【用途別】おすすめの服の生地

洋服を作る際は、生地以外にも下記の道具を準備します。

  • 裁縫道具(裁ちばさみ、まち針、縫い針など)
  • アイロン
  • ミシン
  • 型紙
  • ボタン
  • ファスナー など

ボタンや糸などのアイテムは、自分が作りたい服に合わせて選びましょう。

実際に作る際は下記の手順を踏みます。

  • 服のデザインを決める
  • 型紙を準備する
  • 型紙を布の上に置いて形を写す
  • 型紙に沿って生地を裁断する
  • ミシンで生地を縫う
  • アイロンをかけて形を整える

生地を選ぶ際は「用途・季節感・扱いやすさ」を基準に選択しましょう。

ここでは、おすすめの服の生地を「用途別」に紹介します。

Tシャツおすすめ

Tシャツ製作では、コットンを使うのがおすすめです。コットンは吸水性・保湿性・通気性に優れているため、夏場は汗を吸収し冬場は熱を逃さず快適な温度で着用できます。肌触りも優しいので、敏感肌の人や赤ちゃんなどでも安心です。ただし、吸水性が良い反面、洗濯しても乾きにくいことがあります。

ブラウス・シャツ

ブラウス・シャツの製作には、リネン・コットンがおすすめです。リネンやコットンは種類が多いため、自分の作りたいデザインに合わせて使い分けができます。

例えば、リネンの一種である「ベルギーリネン」の場合、サラッとした肌触りが特徴であり、柔らかで落ち着いた印象のシャツを製作できます。コットンが用いられることが多い一般的な「ブロード」はブラウスによく使われており、光沢感のある見た目が特徴です。

スカート・パンツ

スカートの製作には、ローンやダブルガーゼがおすすめです。ローンは薄手で軽く柔らかな肌触りのため、スカートに使うと透け感を演出できます。ダブルガーゼは木綿のガーゼ生地を二枚重ねにしているため、通気性・耐久性の両方に優れています。

パンツの製作にはデニムが向いているでしょう。デニム生地は厚手で丈夫なため、パンツの素材にマッチします。若干ゆったりとしたボトムを作りたい人は、コットン素材のチノクロスも人気があります。

【季節別】おすすめの服の生地

服の生地に同じ素材を使っても、折り方が異なれば保温性を高められます。春夏は「平織」にすることで通気性を改善し快適に着用でき、秋冬は「綾織」で密度を高めると保温性を高められます。特にコットンは、生地の厚さを変えるだけで春夏・秋冬両方のシーズンで使えます。夏は涼しく、冬は暖かく使える点が魅力です。

ここでは、おすすめの服の生地を「季節別」に紹介します。

春・夏

春夏用の服を作る際は、コットン・リネン・レーヨンがおすすめです。いずれの素材も吸湿性に優れているため、汗をかいても吸収してくれます。通気性も優れているため、暑い夏でも快適に着用できます。リネンは通気性だけでなく独特の質感を持つため、洗濯やアイロンも楽です。強度もありつつサラッとした肌触りで着用できるのは、リネンならではの魅力です。

レーヨンは再生繊維であり、滑らかでツヤのある肌触りが特徴です。触れたときにひんやりとした触感があるため、暑い夏の時期に活用できます。ただし、水分には弱く型崩れしやすい一面もあるため注意しましょう。

秋・冬

秋冬用の服を作る際は、コーデュロイ・ウール・フリース・ツイードがおすすめです。コーデュロイは秋冬の定番として知られています。コール天とも呼ばれており、大小さまざまな畝が特徴的な生地です。表面に起毛があるため厚みが増し、保温性に優れています。

ウールは素材そのものの断熱効果が高い上に、繊維が絡まり空気が溜まることで高い保温性を実現しています。フリースもウールと同じように、ポリエステル繊維が起毛することで空気が溜まりやすくなっているため、防寒性が高いです。ツイードは厚手の毛織物のことを指します。羊毛を編んでいるため保温性が高いのはもちろん、さまざまな糸を組み合わせることでオシャレな見た目も演出しています。

【扱いやすさ別】おすすめの服の生地

生地によって服を作る際の扱いやすさも変わるため、自分のレベルに合った生地選びも大切です。下記のポイントを押さえると、自分のレベルに合った生地を選べます。

  • 生地の種類
  • 生地の厚さ
  • 柄の有無
  • 切断した部分のほつれにくさ
  • 加工のしやすさ

ここでは、おすすめの服の生地を「扱いやすさ別」に紹介します。

初心者向け

初心者にはコットンがおすすめです。天然素材のため肌触りが良くふんわりしており、子供用の服作りにもぴったりです。通気性や吸水性にも優れており、スカートやシャツなどの服全般はもちろん、雑貨・小物類も含めて幅広い用途で使えます。

ただし、吸水性には優れていますが、洗濯すると縮んでシワになりやすい点がデメリットです。毛羽が立ってしまい見た目を損なうこともあります。

中級者向け

初心者で薄い生地が縫えるようになったら、分厚い生地に挑戦するとよいでしょう。中級者におすすめの分厚い生地としては、ジャガードとデニムが挙げられます。ジャガードとは、柄に凹凸を持たせて織り込まれている生地のことです。立体感にあふれて重厚な雰囲気を醸し出せます。デニムは厚みがあり丈夫で、破れてもリペアできるため長期間にわたって使えます。色合いの経年変化を楽しめる点もデニムの醍醐味です。

上級者向け

上級者には、サテン生地・キルティング生地がおすすめです。サテン生地は朱子織り(しゅすおり)という方法で編まれた生地で、糸同士の交点が少ないため表面がなめらかで光沢感があります。見た目の高級感は演出できますが、耐久性が低く気軽に洗濯ができないため、手入れには注意が必要です。キルティング生地は、2枚の布の間に綿やキルトを挟んで仕立てた生地です。厚みがあるため耐久性が高く、保温性にも優れています。

まとめ

服の生地は大まかに天然繊維と化学繊維に分けられ、さらに細かく植物繊維や動物繊維、合成繊維といった種類があります。服を作るときは、用途・季節・扱いやすさなどを考えて生地を選ぶのがおすすめです。季節を考えて生地を選ぶ場合、春・夏はコットン・リネン・レーヨン、秋・冬はコーデュロイ・ウール・フリース・ツイードが向いています。

初心者は雑貨・小物類など幅広く使えるコットン、上級者であればサテン生地やキルティング生地にするなど、自分のレベルに合った生地選びも大切です。