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公開日: 2023.04.21
最終更新日: 2023.04.21

シフォン生地とは?特徴やお手入れ・縫製のコツを解説

シフォン生地とは?特徴やお手入れ・縫製のコツを解説

シフォン生地とは、手触りが滑らかで透け感がある織物のことです。繊細で柔らかいドレープ感があることから、女性のファッションアイテムに使用されることが多い素材です。また、シフォン生地は軽くて柔らかいため、スカーフやヘアアクセサリーなどを手作りする際にも使いやすいでしょう。

当記事では、シフォン生地の特徴や、オーガンジー・ジョーゼットといったほかの透け素材との違いも紹介します。透け素材でハンドメイド品を作りたいという人は、ぜひ参考にしてください。

シフォン生地とは?

シフォン生地とは、薄くて柔らかく、透け感がある織物のことです。シフォンという名称はフランス語の「chiffe」に由来し、もともとは「ぼろ布」を意味する言葉です。シルクシフォンは18世紀頃のヨーロッパで普及し、主に社会的地位や富を象徴するために用いられました。シフォン生地はナイロンの発明により合成繊維で作られるようになり、一般的な素材になりました。

現代では、ポリエステルなどの合成繊維を使用するのが一般的で、「低コスト・耐久性・汚れにくい」などの特徴を備えています。また、シルクシフォンも高級素材として、高価格帯の衣服やブラウス、スカーフなどに使用されています。シフォンはドレープ性に優れ、軽やかで柔らかいため、エレガントなイブニングドレスやランジェリーなどの衣服にも用いられるように女性に人気の生地素材です。

日本製のソフトなシフォン生地は、手芸やDIYに最適です。カラーも豊富で、無地や花柄などさまざまなプリント生地があります。その柔軟性を生かして、ストールやヘアアクセサリーにも使われています。コスプレ衣装やダンスの舞台衣装にもシフォン生地はおすすめです。

シフォン生地の特徴

シフォン生地はふんわりとした質感が特徴的で、主に女性のファッションアイテムに使用されます。また、柔らかくて軽いためドレープ性がよく、美しいシルエットを作り出せます。以下は、シフォン生地の特徴を3つのカテゴリーに分けたものです。

風合いと見た目の特徴
シフォン生地は軽量で柔らかいため、風に揺らめくようなドレープ感があるほか、透け感が特徴的で透明感のある印象を与えます。また、細かいメッシュ状の模様は見た目が華やかで上品な印象になるでしょう。
手触りの特徴
シフォン生地は、手触りが滑らかで柔らかいため、着心地がよいとされています。シルクシフォンは光沢があり、軽量でありながら強度があるため、高級感があるのが特徴です。ほかにも、合成繊維で作られたシフォンは耐久性があり、汚れにくいという特徴があります。
加工と取り扱いの特徴
シフォン生地は縫いやすい素材ではありませんが、ドレープ性が高いため、衣服の裾や袖口など、優雅な動きを引き出すデザインに向いています。通常は手洗いが必要であり、縮みやすいため慎重に扱う必要があります。アイロンは低温で、シフォン用のアイロンクロスを使いながら、軽くかける程度にします。

シフォン生地が使われている主なアイテム

ハンドメイドでも、シフォン生地は人気の素材の1つです。シフォンを使ったヘアアクセサリーやバッグ、リボンなどの小物作りがおすすめです。また、シフォン素材の花飾りやデコレーションを作ることで、ウェディングやパーティーなどのイベントに華やかな演出を加えられます。

以下は、シフォン生地が使われている主なアイテムの例です。

・ハンドメイドのスカーフやヘアアクセサリー

シフォン生地は、軽くて柔らかいため、スカーフやヘアアクセサリーにも使いやすい素材です。小物作りの初心者でも、簡単に作れるアイテムとして人気があります。

・フリルやレースのついたブラウスなどのトップス

シフォン生地は女性らしいデザインが似合うため、フリルやレースをつけたブラウスなどのトップスにも用いられます。手作りすると、オリジナルのデザインが楽しめます。

・ドレスやスカート

シフォン生地は、軽やかな素材感があるため、ドレスやスカートにもよく使われます。フレアーやマキシ丈のスカートにも使用されることが多く、女性らしいシルエットを演出します。ハンドメイドで作る場合は裁断や縫製が難しいケースもありますが、自分だけのオリジナルアイテムを作ることも可能です。

シフォン生地とほかの透け素材の生地はどこが違う?

シフォン生地と同じく透け感のある素材には、オーガンジーやジョーゼットなどがあります。透け素材の中でも、シフォン生地は非常に薄く、軽い素材であることが特徴です。ほかの透け素材と比べると透け感は強く、繊細で柔らかいドレープ感があることから、女性らしいデザインや華やかな雰囲気を表現するのに適した素材とされています。

ここでは、シフォン生地とほかの透け素材の違いを紹介します。

オーガンジー

オーガンジーは、上品な透け感とハリ感、弾力性のある平織りの生地です。透け感やハリ、光沢を出すために、強撚糸(きょうねんし)で織り上げた後に硫酸処理をしています。オーガンジーはシフォン生地に比べるとやや硬く、ハリがあるのが特徴です。そのためオーガンジーは、コサージュやヘアアクセサリーなどの小物作りにも使われます。

また、ドレスなどの華やかな衣装にもよく使われる素材です。シフォン生地と比べると、より華やかな印象を与えられます。

ジョーゼット

ジョーゼットは表面の細かな凹凸(シボ)が特徴の織物で、たて糸とよこ糸に強撚糸を使った密度の粗い平織物に収縮処理を行ったものです。ジョーゼット生地はシフォン生地よりもやや硬めで、ハリがあります。透け感はシフォン生地に比べると少なく、さらっとした肌触りが特徴です。

ジョーゼット生地は、ブラウスやワンピースなどのレディース衣料によく使われます。ドレスにも使われ、シフォン生地よりもしっかりしたシルエットを表現することができます。

シフォン生地のお手入れの方法や縫製のコツ

シフォン生地は手触りが柔らかく、軽やかな印象がある透け素材ゆえにデリケートな素材です。以下では、シフォン生地のお手入れや縫製のコツを紹介します。

シフォン生地のお手入れのコツ

シフォン生地は、洋服にある洗濯表示を確認し、水洗い可能と記されていれば洗濯ができます。シルクの場合や自力での洗濯が不安な場合は、クリーニングに出すと安心です。シフォン生地を手洗いする場合は、洗濯桶や洗面器などに中性洗剤を溶かし、押し洗いすれば、汗など水溶性の汚れが落とせます。油汚れを落とす際は、お湯や食器用洗剤を使うのがおすすめです。ただし、漂白剤は色柄物の色落ちの原因となるため注意が必要です。

シフォン生地を洗濯機で他の衣類と一緒に洗うと、ファスナーやボタンなどに引っかかってほつれたり、破れたりする可能性があります。洗濯ネットに入れて、手洗いモードなどで優しく洗濯するのがおすすめです。

シフォン生地を縫うときのコツ

シフォン生地はとても薄く織り目が不規則であるため、アイロンで整えると縫いやすくなります。ミシンの針を選ぶ際は、通常の綿生地用の針ではなく、薄手の生地用の針を使用しましょう。針を太くすると、生地が破れたり穴があいたりすることがあります。また、ミシンの糸は、通常のポリエステル糸ではなく、ナイロン糸を使うのがおすすめです。ナイロン糸は薄手の生地にも適しており、糸が滑りやすく、縫い目も美しく仕上がります。

シフォン生地を縫う際は、スピードを遅くして、慎重に縫い進めることが大切です。生地が透けているため、縫い代を処理する際は縫い代を折り込むのではなく、生地を重ね合わせて縫うフレンチシームやフラットシームなどの処理が適しています。

手持ちのミシンでうまく縫製できないときは、薄手の生地の縫製も得意なミシンを選ぶとよいでしょう。

まとめ

シフォン生地は薄くて柔らかく、透け感がある織物のことで、ドレープ性がよいため女性のファッションアイテムに使用されることが多い素材です。シフォン生地はハンドメイドでも人気の素材の1つで、スカーフ・ヘアアクセサリーなどによく使われます。

透け感のある素材には、ハリ感のあるオーガンジーやシボが特徴のジョーゼットなどもあります。ハンドメイド品で透け感のある素材を使いたい人は、シフォンやオーガンジーなどの素材の特徴を理解した上で作品作りに役立てましょう。