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公開日: 2023.04.21
最終更新日: 2023.04.21

カシミヤのメリット・デメリット|お手入れ方法も解説

カシミヤのメリット・デメリット|お手入れ方法も解説

カシミヤとは、カシミヤヤギという動物から採取される天然繊維です。1頭のヤギから100g程度と、わずかしか採取できないため、非常に貴重な生地となっています。カシミヤには、さまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。カシミヤで作られたアイテムを使う場合は、適切な方法でのお手入れが必要です。

この記事では、カシミヤのメリット・デメリットについて、詳しく解説します。また、カシミヤのアイテムをお手入れする際のポイントについても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

カシミヤとは?

カシミヤとは、カシミヤヤギという動物から採られる繊維のことです。カシミヤヤギはインドのカシミール地方を起源とし、主に中国北西部やモンゴル、イランなどで飼育されています。高山地帯の寒暖差が激しく厳しい環境で生き抜くために、非常に細くて軽い毛が生えている点が特徴です。

保温性が高く、吸湿性と放湿性に優れているなど、高品質ではあるものの、ヤギ1頭からは100〜120g程度しか採れません。飼育数も限られているため、希少価値のある高級素材です。毛の色によってホワイトカシミヤ・グレーカシミヤ・ブラウンカシミヤの3つに大別されており、中でもホワイトカシミヤは高値がつく傾向にあります。

カシミヤのメリット3つ

安価で見た目が良いアイテムが多くある中、少々お値段の張るカシミヤの人気が衰えない理由は、やはりカシミヤならではのメリットに魅力を感じる人が多いからでしょう。ここでは、カシミヤのメリットを3つ解説します。

優しく心地良い手触りがある

カシミヤのメリットの1つとして、優しく心地の良い手触りが挙げられるでしょう。カシミヤは、カシミヤヤギの柔らかくて細い毛を使って作られます。非常に繊細でしなやかな毛質のため、ウールのようなチクチク感がほとんどなく、肌に優しく滑らかに仕上がる点が特徴です。

皮膚への刺激が少なく、敏感肌の方にも適していると言われています。また、肌への引っ掛かりをほとんど感じない、着用感の心地良さでも人気です。カシミヤは細かな繊維が密に織り込まれているため柔らかさが持続し、長く使っても独特の生地感が損なわれにくいのも魅力と言えるでしょう。

高級感がある

カシミヤのもう1つのメリットは、高級感があることです。まず、カシミヤ生地には美しい光沢があります。独特のツヤ感は、カシミヤ繊維表面にあるキューティクルの突起が少なく、光の乱反射が起こりにくいことで生じるもので、上品な印象を与える要素の1つです。

また、カシミヤはカシミヤヤギから採れる毛の量が限られており、1頭のヤギからわずかな量しか取れません。そのため希少性が高く、カシミヤアイテムは高値がつく傾向にあります。特別な日の服装としても選ばれることが多い点も、高級感がある理由と言えるでしょう。

保温性に優れている

優れた防寒性能も、カシミヤのメリットです。カシミヤは繊維自体が細くて柔らかく、空気をたくさん含むことができるため、比較的長時間暖かさを保てます。また、カシミヤは厚さや大きさの割に軽く、最小限の重ね着でも暖かく過ごすことが可能です。カシミヤの着ぶくれしにくいという性質は、冬の寒い季節に活躍するファッションアイテムとしてカシミヤの人気が高い理由に挙げられるでしょう。

また、保温性が高いだけではなく、カシミヤは体温調節も助けてくれます。カシミヤ繊維は吸湿性にも優れているため、身体から出る汗を素早く吸収し、蒸発させる性質のある点が魅力です。カシミヤは暖かさを保ちつつ、蒸れにくく快適に過ごせる点も魅力と言えます。

カシミヤのデメリット4つ

カシミヤにはメリットがある一方で、デメリットもあります。デメリットの多くはカシミヤの品質保持にも大きく関わるため、購入前に把握しておくことが大切です。ここでは、カシミヤのデメリットを4つ解説します。

価格が高い

カシミヤのデメリットの1つとして、価格が高いことが挙げられます。カシミヤヤギから取れる毛の量は非常に少なく、1頭から得られる毛は多くても120g程度です。さらに、カシミヤは年に一度の短い期間しか採取できず、その希少性が価格を押し上げる要因となっています。

また、カシミヤ製品に使用されるのはカシミヤヤギの産毛部分のみであり、採取するには熊手のような櫛で梳き取るしかありません。すべて手作業で行うしか方法がないため、生産コストが高くなり、価格も高くなります。カシミヤ製品の高価さは、購入を検討している方にとってデメリットとなることが多く、予算によっては手が届かない可能性もあるでしょう。安価なカシミヤもありますが、品質が劣る場合が多いので注意が必要です。

お手入れが必要である

お手入れが必須となることも、カシミヤのデメリットの1つです。カシミヤ製品は繊維が細くデリケートな素材のためダメージを受けやすく、適切な手入れをしなければ独特の風合いを保てません。洗濯の際は手洗いが推奨されており、柔軟剤や漂白剤、乾燥機などの使用も避けるべきです。

カシミヤ製品のお手入れには注意が必要であり、手間のかかる点がデメリットとなります。しかし、適切なお手入れを行えばカシミヤ製品の品質を長持ちさせることができ、その優れた性質を存分に生かせます。カシミヤ製品を購入する際には、お手入れ方法をよく理解し、継続的に行うことが大切です。

水や虫に弱い

水や虫に弱い点も、カシミヤのデメリットとして挙げられるでしょう。カシミヤ製品は水分に弱いため、雨や雪の日の着用に適していません。また、身体が濡れた状態でカシミヤ製品を着用すると繊維が傷みやすく、伸び縮みや型崩れの原因となります。カシミヤ製品が水や汗で濡れた際は速やかに拭き取り、乾燥させましょう。

次に虫に弱いという点もデメリットです。天然獣毛繊維であるカシミヤ製品は、虫に食べられて穴が空く恐れがあります。そのため、カシミヤ製品を保管する場所には注意が必要です。防虫剤を使用した上で定期的に状態を確認し、虫の発生を防ぐことが大切となります。

型崩れしやすい

型崩れしやすい点も、カシミヤのデメリットの1つです。カシミヤは繊維が細くて柔らかいため、力がかかると形が崩れやすくなります。例えば、濡れた状態で着用したり、洗濯・乾燥時に過度な力がかかったりする場合に型崩れしやすいです。また、カシミヤ製品を保管する際にも、型崩れを防ぐために注意が必要となります。

カシミヤ製品を長持ちさせるためには、正しいお手入れ方法や保管方法を実践することが大切です。コートなどの保管時には、ハンガーにかけて保管すると形を保ちやすくなります。

カシミヤのお手入れ方法・ポイント

カシミヤをお手入れする際は、以下の5点に注意すると長く品質を保ちやすくなります。

(1)着用後はブラッシングを行う
カシミヤ製品を長持ちさせるためにも、着用後は専用のブラシでそっとブラッシングを行いましょう。毛並みを整えることで、アイテムの型崩れや毛玉を防止できます。また、ホコリや汚れも落とすことができ、繊維の劣化も抑制することが可能です。

(2)着用ローテーションを組む
カシミヤ製品は繰り返し着用すると、繊維の傷みや型崩れを起こしやすくなります。同じアイテムを連続して着用せず、数日ごとにローテーションを組み、繊維の疲労を防ぎましょう。

(3)すぐに汗・汚れを拭き取る
カシミヤに汗や汚れがついた場合、放置せずすぐに拭き取ることが重要です。汗や汚れが繊維に染み込むと、変色や虫食いの原因になります。薄めた中性洗剤を染み込ませた柔らかい布で優しく拭いて汚れを取り除き、次に水に浸した布で洗剤を落として、しっかりと乾燥させましょう。

(4)合成繊維のブラシを控える
カシミヤ製品には、天然繊維のブラシが最適です。合成繊維のブラシは摩擦が強く、繊維を傷めることがあるため避けてください。

(5)虫食い・湿気に注意して保管する
保管時は、虫食いや湿気に注意して、通気性の良い場所に保管しましょう。また、防虫剤・防湿剤の適切な使用により、カシミヤ製品を守ることができます。

まとめ

カシミヤは、高級感があり、優しく心地良い点が魅力の生地です。保温性に優れており、冬のおしゃれアイテムにふさわしい天然素材です。一方で、価格が高く、丁寧なお手入れが必要であるというデメリットがあります。また、水や虫食いに弱く、型崩れしやすい点もカシミヤのデメリットです。

カシミヤを長く使い続けるためには、日頃から丁寧なお手入れが欠かせません。着用後はきちんとブラッシングを行い、汗や汚れを付着したままにしないことが大切です。適切な方法でお手入れして、大切なカシミヤを長く使い続けましょう。